ラウム NCZ20 車中泊マットは運転席側で選ぶ

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

旅の途中で仮眠を取ろうとラウムのシートを倒してみると、思っていたほど平らにならない。2代目ラウム(NCZ20/NCZ25)の取扱書には、そもそもフルフラットという語が出てこない。載っているシートアレンジ5種類のうち、平らな空間をつくると書かれているのは運転席まわりの1つだけで、寝床は左右対称にならない。だからマット選びは大判を1枚買う話ではなく、運転席側にできる縦長の面をどう埋めるかの話になる。

目次

寝床の形は運転席側の縦1本

取扱書が用意している5つのアレンジ

ラウムの取扱書に載るシートアレンジは、シートバックテーブル(助手席の背もたれを前に倒してテーブルにする)、運転席フラットシート(運転席シートとリヤシートを組み合わせて平らな空間をつくる)、背もたれ前倒し(リヤシートの背もたれを前に倒して荷室を広げる)、足元空間の拡大(助手席を引き起こしてリヤシートの足元を広げる/回転シートを除く)、荷室の拡大(リヤシートを引き起こす/リヤタンブルシート装着車)の5つ。このうち「平らな空間をつくる」と明記されているのは運転席フラットシートだけで、助手席側に同じ形をつくる手順は載っていない。

面積ではなく面の形で選ぶ

つまりラウムで最初に決めるのは、敷く面積ではなく面の形だ。できるのは運転席側の縦1本なので、そこに載る幅と長さのものを選ぶ。全面に敷く大判を買っても助手席側は同じ形にならず、持て余す。2人で寝るなら、運転席側のフラット面と、リヤシートの背もたれを前倒しした荷室側の面という性格の違う2つを組み合わせることになり、必要な長さも厚みもそれぞれ違ってくる。

NCZ20 と NCZ25、室内寸法の読み方

型式はFF(前輪駆動)がNCZ20、4WDがNCZ25。エンジンはどちらも1NZ-FEの1.5リッター(1496cc)で変速機は4速AT、パッケージは標準・S・Gが並ぶ。年式によって表記の頭がUA-、CBA-、DBA-と変わるが、これは排出ガス規制の記号が変わっただけで中核の記号はNCZ20とNCZ25のまま。販売期間は2003年5月から2011年10月で、すでに生産を終えている。

カタログ諸元は室内長1990mm・室内幅1400mm・室内高1220mm、全長4045mm・全幅1690mm・全高1535mm、ホイールベース2500mm、乗車定員5名。室内寸法は2005年式のCBA-NCZ20と2011年式のDBA-NCZ20で同じ値が載っており、2代目の全期間で変わらない。ただしこの室内長は乗員が着座した状態を前提にした室内空間の代表値で、シートを倒してつくる寝床の長さではない。1990mmをマットの長さの根拠に使ってはいけない。

外装まわりの適合サイズの考え方は

でも扱っている。

運転席フラットシートのつくり方

取扱書の4手順

取扱書の「フラット状態のつくり方」は4手順だ。1.運転席シートのヘッドレストをはずす(ボタンを押したまま引き抜く)。2.運転席シートの前後位置をいちばん前側にする(スライドレバーを引いて動かす)。3.運転席シートの背もたれをうしろに倒す(リクライニングレバーを引いて倒す)。4.運転席シートを軽くゆさぶり、確実に固定されていることを確認する。手順のなかにリヤシート側の操作は一切含まれていない。ここが、ミニバンの車中泊記事とラウムで話が食い違う一番の理由になる。

倒す前と倒したあと

取扱書は操作の前に、安全で平坦な場所に駐車し、シフトレバーをPに入れ、パーキングブレーキをかけるよう求めている。不整地や傾斜地では操作中に不意にシートが動いて手足を挟むおそれがある。走行中は操作しない。倒したあとも、もとにもどしたあとも、シートを軽くゆさぶって固定を確かめる。シートクッションをもどしたときは後部を持ち上げて固定を確認し、シートベルトを挟み込まないようにする。

もどすときと走行時の禁止事項

もどすときは逆の手順で行い、背もたれは手で押さえながらレバーを操作する。取扱書も「レバー操作だけでは背もたれがもどらないことがある。その場合は手で持ち上げる」と補足している。あわせて、フラットにした状態で走行しない、フラットにした状態でシートの上を走りまわらない(移動するときは中央を踏んでゆっくり動く)、人が乗っている状態でフラット操作をしない、の3つが警告として挙がっている。

残り4つのアレンジは車によって使えない

リヤシートの背もたれ前倒し

背もたれ前倒しは、まずリヤシートベルトの収納から始まる。左右席のベルトは倒す側だけベルトハンガーにかけ、中央席のベルトプレートは丸めてシートクッションの穴に収納し、バックルもクッションに押し込む。そのうえで背もたれを前に倒す。左右は独立して倒せる。倒し方は駆動方式で違い、FF車はリクライニングベルトを引いて倒し、4WD車は固定ノブを引いてロックを解除してから倒す。4WD車はロックが解除されると固定ノブの赤ラベルが見えるので、もどしたあとは赤ラベルが見えていないことを確認する。

荷室の拡大が使える車と使えない車

リヤシートを座面ごと前方に引き起こして荷室を広げるアレンジは、取扱書に「リヤタンブルシート装着車」と明記された装備限定の機能で、すべてのラウムでできるわけではない。手順はフロントシートを前に移動して背もたれを起こす、リヤシートのベルトを収納する、ヘッドレストを押し下げる、背もたれを前倒しする、シートうしろ側のロック解除レバーを引いて前方へカチッと音がするまで引き起こす、ゆさぶって固定を確認する、の順。助手席側リヤシートだけを引き起こした状態で走行する場合は中央席に座らないよう警告されている(中央席のシートベルトが使えなくなるため)。降ろしたときはシート脚部が床面ロック部に固定されたことを確かめる。

回転シート装着車で変わる前提

ラウムには助手席が回転する「回転シート」の設定があり、取扱書は星印つきで「グレード等により装着の有無が異なります」と記している。乗り降りに不自由を感じる人のための装備で、操作は介添えの人が行うものとされている。押さえておきたいのは、シートバックテーブルと足元空間の拡大の2つが取扱書上「回転シートを除く」と条件づけられている点だ。自分の車が回転シート装着車かどうかは、助手席にフットレストとアームレストが付いているかで実車確認できる。同じスライドドア車での組み立て方は

も参考になる。

段差と傾きはどこに出るか

つなぎ目は3か所

手順どおりに倒しても、面は平らにならない。落差が出るのは運転席の座面と背もたれのつなぎ目、背もたれとリヤシート座面の間、そしてリヤシートの背もたれを前倒ししたときの荷室との高さ差。ラウムのフラット状態については長さも幅も段差の高さも公表値が存在しないので、数値を探すより自分の車で測るほうが早い。

測るべき3つの数字

平坦な場所に停めてパーキングブレーキをかけ、取扱書どおりに運転席フラットシートをつくったら、メジャーで3つ測る。1つ目はフラット面の前後の長さ(インストルメントパネル側の端からリヤシート座面の後端まで)。2つ目は使える幅(センターコンソールやドア内張りに当たらない範囲)。3つ目は段差の高さで、平らな板を渡して隙間を測る。この3つが決まれば、買うべきマットの寸法と厚みが決まる。

長さを稼ぐ手段が乏しい理由

取扱書の「シートの調整 リヤシート」にあるのはリクライニング調整だけで、前後スライドの操作説明は載っていない。巻末の五十音さくいんにも該当項目はない。リヤシートのヘッドレストの上下調整も、引き上げたときと押し下げたときの2段階だけ。フロントシートを前に出す以外に長さの調整代がないので、足りない分はマット側の寸法で合わせるしかない。段差の埋め方そのものは

の考え方がそのまま使える。

マットのタイプ別の向き不向き

空気で膨らませるタイプ

しぼめれば小さくなり、段差の上でも面をつくりやすい。一方でポンプと膨らませる時間が要り、空気圧の入れ方で寝心地が変わる。ラウムのように面が細長く落差もある車では、形への追従の良さが効く側だ。

折りたたんで敷くタイプ

ウレタンなどの折りたたみ型は敷くだけで使え、空気漏れの心配がない。ただしたたんでも体積が残るので、車に積みっぱなしにできるか、毎回積み下ろしするかで評価が変わる。荷室側にも面をつくる2人使いなら、こちらを荷室側に回す手もある。

段差だけを埋めるタイプ

段差解消クッション単体は面をつくる力はないが、谷や傾きをピンポイントで埋められる。ラウムでは大判1枚で解決しようとするより、面をつくるマットと段差を埋めるクッションの組み合わせで考えたほうが噛み合う。同じ考え方は

でも共通する。

厚みの決め方

厚みは、段差が大きいほど厚いものが要るという下側の条件と、厚くしすぎると天井までの余裕が減って起き上がりにくくなるという上側の条件の間で決める。室内高1220mmは着座状態を前提にした代表値なので、寝ている姿勢の余裕をここから引き算では出せない。厚みを決める前にフラット状態をつくって実際に横になり、体を起こせるか、寝返りが打てるかを確かめるのが確実だ。

買う前に確認する適合表記

適合表記のどこを見るか

商品ページに車種名や型式が書かれていても、それは出品者が掲載した情報であって、トヨタや部品メーカーが保証する適合ではない。見るのは、自分の型式(NCZ20かNCZ25か)の表記があるか、適用年式の範囲に自分の初度登録が入るか、そして寸法が自分で測った面に収まるかの3点。寸法が書かれていない商品は、届いてから測って合わなければ返品する前提で買う

車検証で確認すること

型式と初度登録年月を見る。NCZ20とNCZ25の別、そして頭のUA-/CBA-/DBA-まで含めた表記を控えておくと、商品ページの適用年式との照合が早い。

実車で確認すること

助手席が回転するタイプか、リヤシートが座面ごと引き起こせるタイプか。この2つで使えるアレンジが変わり、同じNCZ20でも必要なマットの形が変わってくる。書類だけでは分からないので、買う前に一度シートを操作してみる。

NCZ20 の表記があった車中泊マット

商品名に「ラウム NCA NCZ20 NCZ25」と型式表記のある車中泊マットが1点、2026年8月14日時点の機械確認で在庫ありだった。空気で膨らませるエアーマット・エアーベッド型で、ポンプと枕、クッションが付属すると商品名に記載がある。Amazon実売価格は同じ確認時点で9,999円だが、価格も在庫も変動する。

色はブラック・グレー・ベージュの3色があり、同時に確認した時点で在庫ありだったのはブラックのみ、他の色は発送まで2〜3週間の扱いだった。マット本体の寸法・厚み・素材は商品名にも取得できる掲載情報にも含まれていないので、先に測った3つの数字と突き合わせられるのは届いてからになる。この価格帯で型式表記のある本体が実質1点という事情もあり、複数を並べて比べる材料はそろっていない。

ラウム NCZ20・NCZ25 の型式表記がある車中泊用エアーマット(ポンプ・枕付き)

Amazonで見る

目隠しと遮光、そして荷物の置き場

紫外線カットガラスと目隠しは別の話

2代目ラウムは全ウインドウガラスに紫外線を90パーセント以上カットし日射の透過を低減するUVカットガラスを採用し、前ガラスには赤外線カット機能付ガラスを採用している。ただしこれは紫外線と日射の透過についての性能で、外から車内が見えなくなるわけでも、朝の明るさを遮るわけでもない。目隠しと遮光はガラスの性能とは別に用意する

フロントとサイドで違う選び方

フロントは面積が大きく曲面で形も複雑なので、車種別をうたう製品か、傘型のように形へ追従するタイプが扱いやすい。フロント用には商品名に「ラウム NCZ20系 用」と表記された傘型のサンシェードがあるが、同じ商品名のなかに「車種別」と「汎用」の両方の語が併記されているため、専用設計と読み切ることはできない。サイドは枚数と固定方法が焦点で、磁石式はピラーやドア枠の鉄板部分に付くぶん着脱が速く、吸盤式はガラス面に直接付くので窓を開けた状態と両立しにくい。サイド用には「トヨタ ラウム NCZ20/NCZ25 2003年5月~2011年10月 に適用」と型式と年式の範囲まで書かれた4枚セットの磁石式があり、適用年式は2代目の販売期間とおおむね一致する。

ラウム NCZ20系 用と表記された傘型のフロントサンシェード

Amazonで見る

ラウム NCZ20・NCZ25 に適用と表記されたマグネット式サイドシェード4枚セット

Amazonで見る

タイプごとの遮光性の違いは

で整理している。

換気と荷物の逃がし方

就寝中は換気も要るので、窓を少し開けた状態でも目隠しが機能するかを選ぶ基準に入れる。寝る面が運転席側の縦1本しかない以上、それ以外の荷物をどこへ逃がすかが寝心地を左右する。荷室にはラゲージフックが備え付けられていて、市販のネットやロープを併用して荷物を固定できる。別にコンビニフックが運転席うしろ側と荷室の助手席側にあり、最大荷重は約4kg。運転席うしろ側はフック下側を押して手前に引き出し、荷室側はくぼみ部分を押すと展開する。使わないときは格納しておく。

寝る前の安全確認

仮眠するときはエンジンを止める

取扱書は駐停車時の警告として「仮眠するときは、必ずエンジンを停止してください」と明記している。理由は3つ。無意識にシフトレバーを動かしたりアクセルペダルを踏み込んだりして急発進による事故につながるおそれ、エンジンの異常過熱による車両火災につながるおそれ、そして排気管が損傷していたり風通しの悪い場所では排気ガスが車内に侵入して重大な健康障害や死亡につながるおそれ。条件つきの推奨ではなく警告として書かれているので、暖房や充電のためにかけたままにする運用は成立しない。

雪と換気の悪い場所

排気ガスには無色・無臭で有害な一酸化炭素が含まれる。取扱書は、換気が悪い場所ではエンジンをかけたままにしないこと、雪が積もった場所や降雪時に駐車するときもかけたままにしないことを警告している。バックドアを開けたまま走行しない、排気管はときどき点検する、車内に排気ガスが侵入してきたと感じたらすべての窓を全開にして外気を入れる、ラゲージルームには人を乗せない、といった項目も同じ章にある。

JAFが雪に埋まった車で行った検証では、ボンネットの上まで雪を被せてエンジンをかけると、対策なしの車で16分後に車内の一酸化炭素濃度が短時間暴露限度の400ppmに達し、22分後には測定上限値の1000ppmに達した。窓を5cmほど開けた状態でも開始5分で100ppm台に上がり、約40分後に400ppm、その後800ppm台まで上昇している。マフラー周辺を除雪した車では終始ほぼ検知されなかった。窓を少し開ければ大丈夫、という判断はここで崩れる。

車内で使える電気製品の上限

アクセサリーソケットはエンジンスイッチがACCまたはONのときに使える。取扱書は「使用する電化製品は、必ずDC12Vで最大電流10A(最大消費電力120W)以下の電化製品を使用してください」とし、規定容量を超えると車両ヒューズが切れることがあると記している。あわせて、エンジンが停止した状態で長時間使うとバッテリーがあがること、エンジンがかかっていてもアイドリング状態で長時間使うとバッテリーがあがることの両方を注意として挙げている。仮眠中はエンジンを止めるのだから、就寝中に電気を使うなら車のバッテリーからではなく独立した電源を用意するのが前提になる。どれだけ持つかは製品と使い方で変わり、車側の情報からは見積もれない。

長時間同じ姿勢を避ける

厚生労働省は、食事や水分を十分に取らない状態で狭い座席に長時間座って足を動かさないと血行不良が起こり血液が固まりやすくなるとして、予防に6つを挙げている。ときどき軽い体操やストレッチ運動を行う、十分にこまめに水分を取る、アルコールを控えできれば禁煙する、ゆったりとした服装をしベルトをきつく締めない、かかとの上げ下ろし運動をしたりふくらはぎをもんだりする、眠るときは足を上げる。寝返りが打てる面を確保することは、寝心地だけでなくこの点でも意味を持つ。

よくある質問

ラウムはフルフラットになりますか?

取扱書508ページを通してフルフラットという語は出てこない。平らな空間をつくると書かれているのは運転席フラットシートだけで、助手席側に同じ形をつくる手順は載っていない。実際にどこまで平らになるかは、フラット状態をつくって段差を測るのが確実だ。

大人2人で寝られますか?

左右対称のフラット面をつくる手順が取扱書になく、寝床の幅を裏づける数値もないため、2人並べると断定できない。運転席側のフラット面と、リヤシートの背もたれを前倒しした荷室側の面という別々の面を組み合わせる形になる。それぞれ実測してから寝具を決めてほしい。

リヤシートを前にスライドできますか?

取扱書のリヤシートの項目にも巻末さくいんにも前後スライドの記載がない。長さを稼ぐ手段はフロントシートを前に出すことに限られる。

荷室のほうに寝てもいいですか?

リヤシートを座面ごと引き起こして荷室を広げるアレンジはリヤタンブルシート装着車限定なので、まず自分の車がそれに当たるかを実車で確かめる。なお走行中にラゲージルームに人を乗せないことは取扱書の警告に入っている。

適合表記に自分の型式が無い商品は買えますか?

型式表記は出品者が掲載した情報であって、あってもメーカーが保証する適合ではない。無い場合はなおさら、自分で測ったフラット面の寸法と商品の寸法を照らすしかない。寸法の記載もない商品は、届いてから測って判断する前提になる。

まとめ

最初にやることは、自分の車で運転席フラットシートをつくって、長さ・幅・段差の高さの3つを測ることだ。回転シートかどうか、リヤシートが座面ごと引き起こせるかも、そのとき同時に見ておく。書類の確認はその次で、車検証で型式と初度登録年月を控えて商品の適用年式と照らす。

マットは面積ではなく面の形で選ぶ。運転席側の縦1本に載る寸法と、段差を埋められる厚みが決まれば、選ぶ範囲はおのずと絞られる。そして寝る前には、必ずエンジンを止める。

この記事にはAmazonアソシエイトを含むアフィリエイト広告を含みます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

コメント

コメントする

目次