iQ の 1.0L 車(KGJ10)のオイル交換は、トヨタがガソリン車(ターボ車除く)に示す 15,000km または 1 年を基準にし、オイルはオイルのみの交換で 2.9L、フィルターも替えるなら 3.1L を用意すればよい。ただし時期はトヨタの公式の目安、量は整備データを載せているサイトの値と、出どころが違う。量は入れたあとにレベルゲージで確かめるところまでを1つの作業と考えてほしい。
KGJ10 の交換時期とオイル量の早見表
まず全体を表で押さえておく。値の出どころも並べた。
| 項目 | 目安 | 値の出どころ |
|---|---|---|
| 交換時期(標準) | 15,000km または 1 年 | トヨタのガソリン車(ターボ車除く)の目安 |
| 交換時期(シビアコンディション) | 7,500km または 6ヶ月 | トヨタのガソリン車(ターボ車除く)の目安 |
| オイル量(オイルのみ交換) | 2.9L | 整備データサイト 3 つが載せる KGJ10 の値 |
| オイル量(フィルターも交換) | 3.1L | 整備データサイト 3 つが載せる KGJ10 の値 |
| 粘度 | 0W-20 | 整備データサイトが載せる KGJ10 の純正粘度 |
トヨタはエンジンオイルの交換時期の目安として、ガソリン車(ターボ車除く)で標準 15,000km または 1 年、シビアコンディションの場合 7,500km または 6ヶ月を挙げている。これはトヨタ車全般の目安で、iQ 専用に示された値ではない。KGJ10 の 1KR-FE は過給機(ターボ)の無いガソリンエンジンなので、目安表では「ガソリン車(ターボ車除く)」の行を見る。
一方、2.9L・3.1L はトヨタの取扱書で確かめた値ではなく、整備データを載せているサイトの値だ。扱い方は後の「オイル量と粘度」の節で詳しく書く。
当てはまる車は 1.0L の KGJ10(1KR-FE)
トヨタの車両情報(諸元)では、KGJ10(型式 DBA-KGJ10)は 1KR-FE エンジンを積み、総排気量 996cc、最高出力 68ps(50kW)/6000rpm、最大トルク 9.2kg・m(90N・m)/4800rpm とされている。過給機は無く、燃料供給は EFI、使用燃料は無鉛レギュラーガソリン、変速機は Super CVT-i、駆動方式は FF だ。
トヨタの発売時の発表では、iQ は 2008年11月20日に 1KR-FE(1.0L)を積んで発売された。車両情報では、モデルの期間は 2008年11月〜2016年3月とされている。
気をつけたいのは、iQ には 1.3L の NGJ10(1NR-FE)もあることだ。整備データのサイトでは NGJ10 のオイル量は KGJ10 より多い値で載っていて、しかもサイトや年式によって値がそろっていない。KGJ10 の値を 1.3L 車に当てはめず、車検証の型式欄で自分の車が KGJ10 かを確かめてから量を決める。
交換時期の目安と、早めに替えたい使い方
エンジンオイルはエンジン内部の潤滑などを受け持ち、エンジンを滑らかに動かすためのものだ。劣化すると黒ずんでエンジンの性能が落ち、替えないまま走り続けると故障の原因になる場合がある。
標準の目安は 15,000km または 1 年
ふだんの街乗りが中心なら、トヨタの標準の目安である 15,000km または 1 年で考えればよい。トヨタ自身もこれはあくまで目安だとし、早め早めの交換を勧めている。車種によって異なるので、詳しくは取扱説明書を見るか、トヨタの販売店に問い合わせるよう案内している。中古で買って取扱書が無い人は、販売店に聞くのが早い。
シビアコンディションなら 7,500km または 6ヶ月
トヨタが挙げるシビアコンディションの条件は、悪路走行が多い、走行距離が多い、山道など上り下りの頻繁な走行など。こうした使い方に当てはまるなら、ガソリン車(ターボ車除く)の目安は 7,500km または 6ヶ月 になる。坂の多い地域に住んでいる人や、毎日長い距離を走る人は、こちらで計画を立てたほうがよい。
あまり乗らない車は期間で決める
トヨタは、エンジンオイルはクルマを使わなくても自然に劣化し、使い方によって劣化の具合が変わるとしている。週末に少し乗るだけで 15,000km に届かない車でも、期間の目安(標準で 1 年)も合わせて見て交換の時期を決める。距離計だけを見ていると、交換が何年も空いてしまいやすい。
オイル量と粘度、買う缶の大きさ
オイルのみなら 2.9L、フィルターも替えるなら 3.1L
整備データを載せているサイトでは、KGJ10(1KR-FE)のエンジンオイル量は、オイルのみの交換で 2.9L、オイルフィルターも交換するときで 3.1L と、3 つのサイトでそろって載っている(交換時の目安量)。ただし、どのサイトも出典を明記しておらず、トヨタの取扱書の値として確かめたものではない。
整備データのサイト自身も、表記ミスやメーカーの仕様変更で実際と違う場合があるので取扱説明書等で確かめるよう注意書きしている。だから 2.9L・3.1L は交換時の目安として扱い、入れたあとは必ずレベルゲージで上限と下限の範囲内にあるかを確かめる。確かめ方は後の節にまとめた。
粘度は 0W-20
整備データのサイトでは、KGJ10 の純正粘度を 0W-20 としている。そのうちの 1 つは、平成20年11月〜平成25年5月の KGJ10 を「SM 0W-20」、平成25年5月〜平成28年3月の KGJ10 を「SN 0W-20」と分けて載せている。どちらの期間もオイル量は同じ 2.9L(フィルター交換時 3.1L)だ。
缶は 4L を 1 本用意する
フィルターも替えるときの目安量 3.1L は、4L 缶 1 本で足りる。3L 缶 1 本だけでは、フィルター交換時の目安量にわずかに足りない。オイルを選ぶときは、次の 3 つを缶の表示で確かめれば迷わない。
- 粘度が 0W-20 であること
- 容量がフィルター交換時の目安 3.1L に足りること
- 年式に合う規格の表記(SM または SN)
オイルフィルターの交換時期と形式
トヨタはオイルフィルター(エレメント)の交換時期の目安を、ガソリン車(ターボ車除く)で標準 15,000km、シビアコンディション時 7,500km としており、エンジンオイルの交換とともにオイルフィルターの交換を勧めている。オイルフィルターはエンジンオイルをろ過して汚れを取り除く部品で、劣化すると黒ずみ、目詰まりした状態ではオイルの汚れを取り除けなくなる。
iQ オーナーの整備記録では、オイルフィルターも替えると、オイルのみのときより 200cc ほど多く入ったとされている。整備データのサイトの 2.9L と 3.1L の差 0.2L とも合う。
同じく iQ(KGJ10/NGJ10)のオーナーの整備記録では、オイルフィルターはケースを外して中のエレメントだけを付け替える形式で、フィルター部は 64mm のカップレンチで回して外したとされている。フィルター部の下側の四角いボルトは 3/8 のソケットで回し、新しいフィルターに付属する部品を差し込んでフィルター内の残油を先に抜く。新品には取り付け用のパッキンが付いてくる。ただ、この記録にはエンジン型式の記載が無い。工具をそろえる前に、自分の車のフィルター部の形を目で確かめる。
エレメントの品番は、部品を買う前に車台番号を伝えて販売店や部品店で確かめる。互換品に書かれた品番の表記だけで適合を決めないほうがよい。
自分で替えるか、店に頼むか
自分で替えるなら、ジャッキと車を支える台、オイル受け、フィルター用のカップレンチなどの工具と、古いオイルを処分する手間が要る。店に頼むなら部品代のほかに工賃がかかるが、工具をそろえる必要も、古いオイルを処分する手間も無い。
車の下に潜る作業は、ジャッキだけで支えた状態では行わず、リジッドラックなどの車を支える台で確実に支えてから行う。支える台を持っていない人や、初めてで手順に不安がある人は、販売店や整備工場に任せたほうがよい。抜いた古いオイルは下水や地面に流さず、廃油処理用の箱に吸わせるなどして、住んでいる自治体の決まりに従って処分する。
フィルターも替えるときの交換の流れ
iQ オーナーの整備記録では、次の順で作業している。
- ジャッキアップして車を支える台で支え、前側から潜ってドレンボルトとフィルターの位置を確かめる。
- 先にエンジンオイルを抜く。
- オイル受けをフィルターの真下へ移し、フィルター部の下の四角いボルトを外して、新しいフィルターに付属する部品を差し込み、フィルター内の残油を抜く。
- カップレンチでフィルター部を回して外し、中のエレメントを替える。
- 逆の順に組み、ケースを戻してから下部のボルトを締める。
- ドレンボルトの締まりを確かめ、工具とオイル受けを片付けてジャッキを下ろし、オイルを補充する。
3 の残油抜きを飛ばしてフィルターを先に外すと、工具がオイルまみれになる。長く替えていない場合はパッキンも新品にする。ドレンボルトやケースの締め付けの強さは車両ごとの値なので、取扱書や販売店で確かめる。
補充は、目安量を一度に全部入れず、少し少なめに入れてからレベルゲージで確かめ、足りない分を足していく。こうすると上限を超える入れすぎを避けやすい。
交換後と日ごろのオイル量の確かめ方
トヨタの日常点検の案内では、オイル量の点検は次の手順で行う。
- エンジン始動前か、エンジンを止めてから少なくとも 5 分以上たってから始める。
- レベルゲージを抜いて拭き取り、奥まで差し込み直して再び抜く。
- オイルの付着位置が上限と下限の範囲内にあるかを見る。
- 下限以下なら給油キャップを外して補給し、補給後にもう一度確かめる。範囲内ならキャップを固く閉める。
補給するときは、補給口からゴミが入らないようにする。異物が入るとエンジンを傷めるおそれがある。こぼしたオイルは、エンジンが熱いと発火のおそれがあるので完全に拭き取る。そして 上限以上には補給しない。入れすぎはエンジンに悪影響を与えるおそれがある。
点検のついでに、走っていて気になる音があるなら、発生する条件から原因を絞っていく手順も参考になる。
よくある質問
オイルだけ替えるときとフィルターも替えるときで、量はどれくらい違う?
KGJ10(1KR-FE)では、整備データのサイトの値でオイルのみ 2.9L、フィルターも交換するとき 3.1L なので、差は 0.2L だ。iQ オーナーの整備記録でも、フィルターも替えると 200cc ほど多く入ったとされている。どちらの量も目安なので、最後はレベルゲージで決める。
1.3L の iQ(NGJ10)も同じ量でいい?
同じではない。2.9L・3.1L は KGJ10(1KR-FE)の値で、1.3L の NGJ10(1NR-FE)は整備データのサイトで KGJ10 より多い値で載り、サイトや年式によって値がそろっていない。車検証の型式欄が NGJ10 なら、取扱書か販売店で量を確かめる。
あまり乗らないなら交換しなくていい?
距離が伸びなくても交換は要る。トヨタはオイルが使わなくても自然に劣化するとしているので、15,000km に届かない車でも、期間の目安(標準で 1 年)で替える。
オイルフィルターは毎回替えるべき?
トヨタのフィルター交換の目安はガソリン車(ターボ車除く)で標準 15,000km(シビアコンディション時 7,500km)で、オイル交換とともに替えることを勧めている。迷うなら、勧めのとおりオイル交換のたびに一緒に替えるのが分かりやすい。そのときの目安量は 3.1L になる。
まとめ
KGJ10 のオイル交換は、トヨタのガソリン車(ターボ車除く)の目安で標準 15,000km または 1 年、シビアコンディションなら 7,500km または 6ヶ月で考える。量は整備データのサイトの値でオイルのみ 2.9L、フィルターも替えるとき 3.1L だ。
準備は、まず 0W-20 で年式に合う表記(SM または SN)の 4L 缶という条件でオイルを1つに絞る。そのうえで、取扱書か販売店の情報で最終確認し、フィルターのエレメントは車台番号で品番を確かめてから買う。入れたあとはレベルゲージで上限と下限の範囲内かを必ず見る。
エアコンフィルターやワイパーなど、同じ車のほかの記事も参考にしてほしい。

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