2代目 bB には、1.3L・FF の QNC20 のほかに、1.5L の QNC21 と4WD の QNC25 がある。オイル交換で起こりやすいのは、型式を確かめないまま別の型式の量や粘度を当てはめてしまうことだ。QNC20 なら、交換時期はトヨタのガソリン車(ターボ車除く)の目安で標準15,000kmまたは1年、シビアコンディションなら7,500kmまたは6か月、量は第三者の整備データでオイルのみ2.8L・フィルター同時3.1Lが手がかりになる。量はトヨタの公式資料(取扱書)の値を確認できていないので、取扱書とレベルゲージで確かめてから入れる。
QNC20 の交換時期と量の早見表
QNC20 は2代目 bB のうち、総排気量1297cc(1.3L)の K3-VE エンジンを積む FF(2WD)車で、トランスミッションは4速オートマチック(Super ECT)だ。2005年12月〜2016年8月の QNC20 について、オイル交換に要る値を出典の確かさとあわせてまとめる。
| 項目 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| 交換時期(標準) | 15,000km または1年 | トヨタのガソリン車(ターボ車除く)全般の目安 |
| 交換時期(シビアコンディション) | 7,500km または6か月 | 同上 |
| オイル量(オイルのみ) | 2.8L | 第三者の整備データ2件の一致値(トヨタ公式は未確認) |
| オイル量(フィルター同時) | 3.1L | 同上 |
| 粘度 | 0W-20 | 同上 |
交換時期はトヨタが示す目安、量と粘度は第三者の整備データ(MYGラボ・Kurumania)の値で、トヨタの取扱書の値は確認できていない。 交換時期の目安も bB 専用に示されたものではなく、トヨタがガソリン車全般に示している値だ。
自分の bB が QNC20 かを車検証で確かめる
同じ2代目 bB でも、型式によってエンジンと駆動方式が違う。トヨタの車両情報と発表資料から、3つの型式を並べると次のとおり。
| 型式 | エンジン | 総排気量 | 駆動方式 |
|---|---|---|---|
| QNC20 | K3-VE | 1297cc(1.3L) | FF |
| QNC21 | 3SZ-VE | 1495cc(1.5L) | FF |
| QNC25 | K3-VE | 1297cc(1.3L) | フルタイム4WD |
QNC25 の掲載は2014年9月までで、2014年9月〜2016年8月は FF の QNC20・QNC21 だけが掲載されている。QNC20 の型式の表示は、2005年12月〜2010年7月の車が DBA-QNC20、2010年7月以降の車が CBA-QNC20 だ。
車検証の「型式」欄に DBA-QNC20 か CBA-QNC20 とあれば QNC20 だ。QNC21 や QNC25 だった場合は、ここで挙げる量や粘度をそのまま当てはめず、その型式の取扱書で確かめる。
交換時期は距離と期間の両方で見る
標準の目安は15,000kmまたは1年
トヨタの車両情報では、QNC20 の K3-VE エンジンは過給機「なし」、使用燃料は無鉛レギュラーガソリン、最高出力は92ps/6000rpm と記載されている(過給機の欄は2014年9月〜2016年8月の S の諸元で確認したもので、2005年12月発売時の S もエンジン型式は同じ K3-VE)。そのため、トヨタの交換目安のうち「ガソリン車(ターボ車除く)」の区分に当たる。
トヨタの点検・メンテナンスの案内では、この区分のエンジンオイル交換時期の目安を、標準で「15,000km、または1年」としている。車種によって異なるため、詳しくは取扱説明書を参照するか販売店に問い合わせるよう案内されている。JAF の解説でも、ガソリン車の一般的な目安は同じ距離と期間だ。
目安は距離と期間の両方で示されているので、あまり走らない bB でも期間の目安を過ぎていないかを確かめる。 前回の交換時期が分からない中古車は、記録が見つからなければ早めに1度交換して、そこから距離と期間を数え直すと管理しやすい。
シビアコンディションに当たる使い方
トヨタは、悪路走行が多い、走行距離が多い、山道など上り下りの頻繁な走行等をシビアコンディションとし、その場合の目安を「7,500km、または6ヶ月」としている。JAF の解説では、悪路走行、山道、短距離や低速走行が多い場合や走行距離が多い場合が過酷な使用条件に当たり、該当するかはメンテナンスノートで確認できる。
近所への買い物のような短い距離の運転を繰り返しているなら、JAF の挙げる条件に入る。当てはまるか迷うなら、シビアコンディションの目安で替えておけば遅れることはない。
オイル量と入れるときの注意
第三者の整備データの値
第三者の整備データ2件(MYGラボ・Kurumania)では、QNC20(K3-VE)のエンジンオイル量は、オイルだけを替えるときが2.8L、オイルフィルターも同時に替えるときが3.1Lとされている。2件の値は一致しているが、どちらも元データの出典を明記しておらず、トヨタの公式資料(取扱書)の値は確認できていない。
また、第三者の整備データ(MYGラボ)は、同じページのバッテリーの表で QNC20 のエンジン型式を別の型式(2NZ-FE・1GR-FE)と書いており、エンジンオイルの表の K3-VE と食い違っている。トヨタの車両情報では QNC20 のエンジン型式は K3-VE だ。第三者データの値は、こうした誤記があり得る前提で取扱書と照らして使う。
取扱書とレベルゲージで確かめる
オイル量は、手元の取扱書のメンテナンスデータで確かめるのが確実だ。 トヨタも、車種によって異なるため取扱説明書を参照するよう案内しており、第三者データの側(MYGラボ)も、表記ミスや仕様変更で実際と差が出る場合があると注意書きしている。
入れた後は必ずレベルゲージで、上限と下限の間にあるかを確かめる。トヨタの日常点検の案内では、上限以上の補給はエンジンに悪影響をおよぼすおそれがあるとされているので、上限を超えて入れない。
缶の容量の選び方
QNC20 の第三者データの値(オイルのみ2.8L・フィルター同時3.1L)に従うと、オイルだけを替えるなら3L缶1本に収まるが、フィルターも替えるときは3L缶1本では足りず、4L缶なら1回分をまかなえる計算になる。余った分は、点検で下限に近づいたときの補充に回せる。フィルター交換を同時にする予定があるなら、最初から4L缶を選んでおくと買い足しが要らない。
オイルの選び方は取扱書の指定が先
取扱書の指定を優先する
JAF の解説では、車の取扱説明書に記載されているオイルを推奨し、取扱説明書で指定されたオイルを使わないと車本来の性能を発揮できないことがあるとしている。トヨタの純正オイルの案内でも、取扱説明書で適合するオイルの規格・粘度を確かめてから使うよう求めている。
第三者データの指定粘度は0W-20
第三者の整備データ2件(MYGラボ・Kurumania)では、QNC20(K3-VE)の指定粘度は0W-20とされ、うち1件(MYGラボ)は規格を API の SM と記載している。トヨタの公式資料での指定は確認できていない。
JAF の解説では、0W-20 の「0W」は低温時の流動性を示し、W の前の数値が小さいほど寒いときのエンジン始動が容易になる。「20」は高温時の粘度特性を示し、数字の大きいオイルほど高速・高負荷走行での油膜保持性能が高くなる。
API 規格と純正オイルの表示
JAF の解説では、API 規格はガソリン車用が S で始まり、次のアルファベットに進むほど低温始動や劣化防止、防錆性能などが向上する。SN は2010年制定で SM に比べて省燃費性能の持続と触媒保護性能を強化、SP は2020年制定で SN に比べて省燃費や劣化防止、清浄性能などを強化したもので、現在はガソリンエンジン用の最新グレード SQ が流通している。指定より新しい規格のオイルを使ってよいかの直接の記載は無く、JAF は取扱説明書の指定を推奨している。
トヨタの純正オイルの案内では、省燃費オイルのうち 0W-20 は API SP / ILSAC GF-6A の表示で、常温粘度を下げ、摩擦抵抗を減らす添加剤を配合したものとされている。0W-20 の純正品には GR モーターオイルの Circuit と Endurance もある。どの車種に使えるかはこの案内には書かれておらず、取扱説明書で確かめるよう求めている。
オイルフィルターの交換時期と適合の確かめ方
トヨタの点検・メンテナンスの案内では、ガソリン車(ターボ車除く)のオイルフィルター交換時期の目安は、標準で15,000km、シビアコンディションの場合は7,500kmだ。JAF の解説では、オイル交換2回に1回程度の交換を基本の目安としている。
フィルターを買うときは、車検証の型式(QNC20)とエンジン型式(K3-VE)で適合を確かめる。 同じ bB でも QNC21 は 3SZ-VE という別のエンジンを積んでいる。QNC20 用オイルフィルターの品番はメーカー級の出典で確認できていないため、品番は販売店の適合表や部品の販売元の適合情報で照らす。
名前が似ているエアコンフィルターは別の部品だ。こちらの型番は次の記事で扱っている。
レベルゲージでの点検と補充の手順
点検の手順
トヨタの日常点検の案内と JAF の解説に沿うと、オイル量の点検は次の順で行う。
- 平らな場所に止め、エンジン始動前か、エンジンを止めてから少なくとも5分以上たってから行う。JAF は、走行直後ではなく、エンジンルームの温度が下がってから行うよう案内している。
- オイルレベルゲージを抜いてきれいに拭く。
- ゲージが止まるまでいっぱいに差し込み、再び抜く。
- ゲージの上限と下限の間にオイルが付いているかを見る。
- あわせてオイルの汚れも見て、汚れていれば交換する。
補充の手順
オイル量が下限以下なら、給油キャップを外して補給する。 補給口からゴミが入らないようにし、オイルをこぼさない。補給後にもう一度レベルゲージで点検し、上限と下限の間であればキャップを確実に取り付ける。上限以上には補給しない。
汚れや減りが激しいとき
JAF の解説では、距離や期間の目安の内でも、汚れや減りが激しければ交換が必要で、極端な場合はオイル漏れも考えられるため、整備工場やディーラーでの点検をすすめている。定期的に汚れと量を確かめて必要に応じて補充し、消費が激しい場合はエンジン内部の点検も検討するよう案内している。
交換を延ばすと何が起きるか・自分でやるか店に頼むか
オイルが劣化する仕組み
JAF の解説では、エンジンオイルの交換が必要なのは、部品の摩擦などでオイル中の高分子化合物(ポリマー)がせん断され、潤滑や密封の性能が下がるためだ。燃えかすや金属粉、水分が混ざることでもオイルの性能は少しずつ落ち、フィルターが詰まると不純物を取り除けなくなって性能低下がさらに早まる。目安を過ぎたまま走るほど、性能の落ちたオイルで走る期間が長くなる。
自分でやるか店に頼むか
自分で交換する場合は、車の下に入る作業や抜いたオイルの処理、ドレンボルトやフィルターの締め付けが伴う。作業に不安があるときや、前回の交換時期・オイルの減り方が分からないときは、販売店や整備工場に頼み、交換の記録を残してもらう方法もある。部品代のほかに作業の工賃がかかる。
ゲージでの点検と補充は自分で、交換は店に任せる、という分け方でも十分に回せる。中古で買ったばかりの bB なら、最初の1回は店で替えて記録を残し、そこから自分で管理を始めるのが手堅い。
よくある質問
フィルターも替えるとき3L缶1本で足りる?
QNC20 の第三者データの値(フィルター同時3.1L・トヨタ公式は未確認)に従うと足りない。4L缶なら1回分をまかなえる計算だ。
あまり走らないなら交換は1年ごとでなくてよい?
目安は距離と期間の両方で示されているので、走行距離が少なくても期間の目安を過ぎていないかを確かめる。トヨタのガソリン車(ターボ車除く)の目安では、期間は標準で1年、シビアコンディションで6か月だ。
SP や SQ 規格の 0W-20 を入れてもよい?
JAF の解説が示すのは規格の新旧と性能の向上までで、指定より新しい規格のオイルを使ってよいかの直接の記載は無い。手元の取扱書で、指定された規格と粘度を確かめてから選ぶ。
1.5L の QNC21 や4WD の QNC25 も同じ量?
2.8L・3.1L は第三者データが QNC20(K3-VE・FF)について示す値で、QNC21・QNC25 には当てはめない。それぞれの取扱書で量を確かめる。
まとめ
まず車検証で QNC20 だと確かめ、オイルは QNC20 の第三者データの指定粘度0W-20(トヨタ公式は未確認)、缶は第三者データの量に従えばフィルターも替えるなら4L・オイルだけなら3L、と候補を1つに絞る。そのうえで、手元の取扱書のメンテナンスデータで量と粘度・規格を最終確認してから買う。
交換時期は、トヨタのガソリン車(ターボ車除く)の目安で標準15,000kmまたは1年、シビアコンディションなら7,500kmまたは6か月。入れた後はレベルゲージで上限と下限の間にあるかを見て、上限を超えて入れない。
同じ bB QNC20 のほかの消耗品や点検は、次の記事で扱っている。

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