iQ KGJ10 にドラレコを付けるなら、前カメラを前面ガラス上部の決まった範囲に付け、電源をシガーソケットかヒューズボックスから取り、配線を天井とピラーに沿って隠す、という流れで進めればよい。iQ ならではの注意は、リヤウインドウ上部からエアバッグが展開する作りになっていることだ。前後2カメラ型を選ぶなら、後方カメラと後ろ側の配線の置き場所を、作業を始める前に決めておく。
iQ KGJ10 のドラレコ取り付けで先に押さえる3つのこと
最初に結論をまとめておく。
- 位置: 前カメラは前面ガラスの上部の、ガラス開口部の実長の20%以内の範囲か、ルームミラーで隠れる範囲に付ける(保安基準の決まり。詳しくは位置の節)。
- 電源: シガーソケットから取るか、ヒューズボックスのアクセサリー(ACC)で通電するヒューズから取る。手軽さならシガーソケット、見た目ならヒューズボックスだ。
- 後ろ側: 2008年の発売時のトヨタの発表では、iQ はリヤウインドウ上部から展開するエアバッグを全車に標準装備している。前後2カメラ型では、後方カメラと後ろ側の配線はこの部分を避けて決めるか、販売店に確かめる。
作業の順は、①車検証で型式を確かめる、②前カメラの位置を決めて本体を貼る、③配線を隠す、④電源をつなぐ、⑤映像を見て角度を合わせる、の5段階で考えると迷わない。
作業の前に、車が KGJ10 かを車検証で確かめる
トヨタは2008年10月15日に iQ の発売を発表し、11月20日に全国のネッツ店で発売した。発売時の iQ は4人乗りで、エンジンは1KR-FE(1.0L)、トランスミッションはSuper CVT-i(自動無段変速機)、駆動は2WD。ボディは全長2,985mm×全幅1,680mm×全高1,500mmで、グレードは100X、100G、レザーパッケージの3つだった。トヨタの中古車カタログでも、2010年5月発売の iQ 100G は型式DBA-KGJ10、エンジン型式1KR-FE、乗車定員4名、駆動方式FFとされている。
グーネットマガジンの iQ の歴史のまとめでは、iQ は2016年4月に販売を終えており、2009年8月のマイナーチェンジのころに1.3Lの4気筒エンジンを積むモデルがラインナップに加わった。
つまり同じ iQ でも型式の違う車がある。作業の前に、車検証の型式欄で KGJ10 かどうかを確かめてほしい。ここで扱う車種の情報は KGJ10 について調べたもので、1.3Lのモデルにそのまま当てはまるとは限らない。
前カメラを付けてよい位置
前面ガラス上部の決まった範囲
前カメラは前面ガラスのどこに付けてもよいわけではない。オートックワンやオールアバウトの解説では、道路運送車両の保安基準の細目告示(窓ガラス)で、ドライブレコーダーは道路や交通の状況を記録するカメラにあたり、前面ガラスの上部の、ガラス開口部の実長の20%以内の範囲か、車室内のルームミラー(後写鏡)で隠れる範囲に付けることとされている。
その範囲の中でも、自分の車の中心から見える景色を撮れる位置に付けるのが望ましい。
もう1つ、前面ガラスに自動ブレーキ用のカメラを持つ車では、その視角にドラレコが入ると機能に支障が出るおそれがある。自分の iQ にそうしたカメラやセンサーが付いているかは確かめられていないので、ルームミラーまわりにカメラやセンサーが無いかを目で確かめてから位置を決める。
ルームミラーの裏が収まりやすい
実際の位置決めでは、ルームミラーに隠れる位置、つまりミラーの裏側に付けると決まりの範囲に収まりやすい。迷ったら、まずミラーの裏に本体を当てて、運転席からの見え方と画角を確かめるところから始めるとよい。
夏場にサンシェードを使うなら、付けたあとにカメラまわりへの収まりも見ておきたい。
検査標章とワイパーの範囲
ルームミラーの裏側付近には検査標章(車検ステッカー)が貼られている。カメラを検査標章に重ねないこと。重なると撮影の妨げにもなる。
また、カメラはワイパーの拭き取り範囲に入る位置に付ける。範囲の外だと、雨の日に水滴が邪魔をして録画した映像が見づらくなる。ワイパーの交換の時期が近いなら、あわせて見直すとよい。
電源はシガーソケットかヒューズボックスか
ドラレコの電源は、シガーソケットから取る方法と、ヒューズボックスから取る方法がある。シガーソケットから取るのは簡単だが、電源コードが見えてしまう。コードを見せずに仕上げたいならヒューズボックスから取る。
選び方の基準はこうだ。
| 優先したいこと | 選ぶ電源 | 作業の中身 |
|---|---|---|
| 手軽さ | シガーソケット | 差し込むだけで給電でき、作業が少ない |
| 見た目・ソケットを他の用途に空けておく | ヒューズボックス | ヒューズ選び、通電の確認、ボディへのアースの作業が加わる |
初めて自分で付けるなら、まずシガーソケットから取るのが無難だ。シガーソケットから取る場合でも、配線を天井とピラーに隠す作業はできる。iQ のシガーソケット(アクセサリーソケット)の有無と位置は確かめられていないので、取扱説明書で確かめてほしい。
注意したいのは、DIYでの電源取りが難しい車もあり、作業は自己責任になること。自信が無いときは、車を買った販売店に電源を取れるヒューズを聞くか、作業を任せる。ナビの交換もあわせて考えているなら、内装まわりの作業をまとめて計画しておくと手間が減る。
ヒューズボックスから電源を取る手順
取扱説明書でヒューズの位置を確かめる
まず車の取扱説明書(車検証といっしょにグローブボックスに入っていることが多い)のヒューズの項目で、ヒューズボックスの位置とヒューズの並びを確かめる。iQ のヒューズボックスの位置と、どのヒューズを使えるかは、取扱説明書と販売店で確かめるのが前提だ。
使うヒューズの3つの条件
ベストカーWebの解説では、ドラレコの電源に使うヒューズの条件は次の3つとされている。
- アクセサリー(ACC)の状態で電気が流れ、キーOFFでは流れない
- ヒューズの頭に15(A)と書いてある
- 接続先がECU(コンピュータ)やA/BAG(エアバッグ)と書かれたものは避ける
通電の確かめ方は、運転席に座って車をACCの状態にし、検電テスターをヒューズに当てる。電気が流れていればテスターのダイオードが光り、流れていなければ光らない。キーOFFでも同じように当てて、光らないことを確かめる。ACCの状態に長い時間しておくとバッテリーが上がるので、確認は手早く済ませる。
どのヒューズから取ってよいか自信が無いときは、車を買った販売店などに電源を取れるヒューズを聞くのが確実だ。
マイナスはボディのボルトから
車はボディ全体をマイナス側として使っているので、マイナス(アース)はボディから出ているネジ山やボルトにつなぐ。車の塗装は電気を通さないので、塗装の上ではなく、ボルトが塗装や樹脂を貫いて金属に触れている所を選ぶ。
前カメラの配線を天井とピラーに沿って隠す
配線は次の流れで隠していく。
- 本体から出ているコードを、天井の内装材(ヘッドライナー)の隙間に入れていく
- フロントガラスの端まで来たらピラーカバーを外し、コードを隙間に収める
- 下からコードを出し、マットの下を通して電源までつなぐ
どの工程でも、コードは無理に押し込まない。ピラーカバーが外れないときは、市販のテープでコードを固定してもよい。
ここで1つ確かめておきたいことがある。英国トヨタの欧州向けの発表資料では、iQ の9個のエアバッグには運転席のニーエアバッグ、助手席のシートクッションエアバッグ、前後のサイドエアバッグがあり、客室の左右にもカーテンシールドエアバッグがあると説明されている。国内向けの発表は9個の内訳を挙げていないので、国内仕様の内訳は断定できない。それでも、ピラーや天井の側面の内張りに配線を押し込む前に、エアバッグの位置を取扱説明書や販売店で確かめることは省かないでほしい。
内装を外して戻したあとに走行中の音が気になったら、発生条件から原因を絞る手順が役に立つ。
前後2カメラ型とリヤウインドウ上部のエアバッグ
トヨタが2008年10月に出した iQ の発売の発表では、iQ は世界初のSRSリヤウインドウカーテンシールドエアバッグを含む9個のエアバッグとS-VSCを全車に標準装備した。このエアバッグは、車両後方から衝撃を受けたときにリヤウインドウ上部から展開し、後席の乗員の頭部への衝撃を和らげる。
英国トヨタの欧州向けの発表資料では、iQ はリヤウインドウと後席の背もたれの間が狭いため、このエアバッグで後席の乗員を守るとしている。展開のしかたは、まずルーフパネルと天井の内張り(ヘッドライニング)の間に展開し、続いてリヤウインドウに沿って広がると説明されている。欧州向けの資料なので、国内仕様の構造が同じかはこの資料だけでは言い切れない。
前後2カメラ型を付けるなら、後方カメラの位置と、後ろ側の天井の内張りへ配線を通すかどうかは、この部分を避けて決めるか、作業の前に販売店に確かめる。他の車の付け方の例をそのまま当てはめないことだ。
前カメラだけの型か、前後2カメラ型か
後方からの追突なども記録したいなら前後2カメラ型を選ぶ。ただし後方カメラの本体と後ろ側の配線の作業が加わり、iQ ではリヤウインドウ上部のエアバッグを避ける確認も要る。作業を少なくしたいなら前カメラだけの型だ。
前後2カメラ型が欲しいけれど後ろ側の作業に自信が無いなら、前カメラは自分で付け、後ろ側だけ販売店に相談する分け方もある。
本体の貼り付けと、取り付け後の角度合わせ
本体の貼り付けは配線の前、角度合わせは電源をつないだ後に行う。
取り付ける位置のガラスを拭くときは、手の油分が付かないようにする。取り付けブラケットは、空気が入らないようにぴったりと貼り付ける。
電源をつないだら実際の映像を確かめ、カメラの視野が水平な地面と平行になっているかを見て、角度調整ノブで合わせる。
よくある質問
シガーソケットだけで付けられる?
シガーソケットがあれば、差し込むだけで給電でき、作業が少ない方法で付けられる。ただし iQ KGJ10 のシガーソケットの有無と位置は確かめられていないので、取扱説明書で確かめてほしい。電源コードが見えるのが気になるならヒューズボックスから取る。
どのヒューズから電源を取ればいい?
ACCの状態で電気が流れてキーOFFでは流れない、頭に15(A)と書いてある、接続先がECUやA/BAGではない、の3つを満たすヒューズだ。iQ でどのヒューズが当てはまるかは、取扱説明書のヒューズの項目と販売店で確かめる。
後ろのカメラはどこに付ける?
決まった答えは示せない。iQ はリヤウインドウ上部からエアバッグが展開する作りなので、後方カメラの位置と後ろ側の配線は、その部分を避けて決めるか、作業の前に販売店に確かめる。
作業時間はどのくらい?
オールアバウトのカーメンテナンスのガイドの解説では、シガーソケットから電源を取り、配線を天井とピラーに隠す取り付けで、筆者の場合は全部で約20分だった。iQ での実測ではなく、ヒューズから取る場合や前後2カメラ型ではさらに作業が加わる。
1.3Lの iQ でも同じ?
1.3Lのモデルは KGJ10 とは型式が違う。KGJ10 について調べた情報なので、そのまま当てはまるとは限らない。車検証の型式欄で確かめてから進めてほしい。
まとめ:型と電源を決めてから、取扱説明書と販売店で確かめる
まず、前カメラだけの型か前後2カメラ型か、電源をシガーソケットから取るかヒューズボックスから取るかを1つに絞る。そのうえで、ヒューズの位置は取扱説明書で、エアバッグの位置は取扱説明書や販売店で最終確認してから作業に入る。
- 前カメラは、前面ガラスの上部の、ガラス開口部の実長の20%以内か、ルームミラーで隠れる範囲に付ける
- 電源は手軽さならシガーソケット、見た目ならヒューズボックス
- 配線は天井の内装材とピラーの隙間に、無理に押し込まずに収める
- 前後2カメラ型は、リヤウインドウ上部のエアバッグを避けて後方カメラと配線の置き場所を決めるか、販売店に確かめる
iQ KGJ10 の日ごろの手入れも、あわせて確かめておくとよい。

コメント