iQ KGJ10の荷室収納|後席5手順と床下の中身

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収納ボックスを先に買ってから、iQの荷室では思ったように置けないと気づく。これがいちばん起きやすい順番の間違いだ。iQは後席を2脚とも使うか、倒して荷室にするかで積める量が何倍も変わる車で、さらに4人乗り車では荷室の床下にある工具類を取り出すのに後席の背もたれを倒す必要がある。グッズを足す前に、最初から付いている機構をどう使うかを決めるほうが早い。

目次

荷室の広さは後席の使い方だけで決まる

欧州トヨタの公式プレス資料によると、iQの荷室容量は後席2脚とも使用している状態で32L、後席を2脚とも倒すと最大238L(VDA)。同じ車で7倍以上の差がつくので、iQの収納計画は「後席を席として使うか、荷室として使うか」を決めるところから始まる。なお、これは欧州トヨタが公表した値で、日本仕様のカタログに同じ数値が載っていることまでは確認できていない。数字そのものより、差の大きさを判断材料にしてほしい。

この記事は、車に最初から付いているものを使い切る順序で進む。個体の確定 → 後席の倒し方 → 左右の使い分け → シートクッションの跳ね上げ → 床下の中身、の5段だ。

自分のiQがどれかを先に確定させる

KGJ10はiQの1.0Lガソリン車の型式で、カタログ表記はDBA-KGJ10。エンジンは1KR-FE(直列3気筒DOHC)の996cc、駆動方式はFF、車体寸法は全長2,985mm×全幅1,680mm×全高1,500mm、車両重量890kg。乗車定員は4名で、100X“2 Seater”だけが2名になる。

ここで2つ確認しておく。1つは1.3L車との違いで、1.3Lの130G系は型式がNGJ10、全長3,000mmと別物だ。収納用品やマット類の適合表は、車名やグレード名ではなく型式で見る。もう1つは4人乗りか2人乗りかで、これは荷室の床下の作りが変わる。取扱書は三角表示板収納スペース、タイヤパンク応急修理キット、ジャッキの取り出し方をすべて4人乗り車と2人乗り車で書き分けており、4人乗り車はリヤシートの背もたれを倒してデッキボックスを取り出す、2人乗り車はデッキボードを開ける、と手順そのものが違う。

なお主要諸元表にある室内長1,560mm×室内幅1,515mm×室内高1,145mmは室内全体の寸法で、荷室の寸法ではない。ここを取り違えると用品選びが丸ごとずれる。

後席の背もたれを倒す手順

荷室を広げる操作はこれ1つに集約される。取扱書の手順は次のとおり。

倒す前に整える条件

平坦な場所に停め、パーキングブレーキを確実にかけ、オートマチック車はシフトレバーをP、マニュアル車は1速に入れる。走行中は操作しない。可動部や結合部に手足を挟まないよう気をつけ、倒した背もたれやラゲージルームに人を乗せて走行しない、子どもがラゲージルームに入らないようにする——取扱書はこれを守らないと重大な傷害または死亡につながるおそれがあると明記している。リヤシートを動かすときはフロントシートに当たらないことも見ておく(無理に動かすとシート表皮の傷や故障につながる)。

5手順

  1. シートベルトのバックルを格納する
  2. ロック解除レバーを引きながら背もたれを前に倒す。ヘッドレストをはずせる位置まで倒す
  3. 解除ボタンを押しながらヘッドレストをはずす
  4. 背もたれをいっぱいまで倒す
  5. はずしたヘッドレストは、シートクッションと背もたれの間に挟んで格納する

もとに戻したあとは、シートを軽くゆさぶって固定を確かめ、シートベルトがシート下に挟み込まれていないかを見る。ヘッドレストはそれぞれのシート専用なので入れ替えず、はずしたまま走行しない。

後席は左右で役割を変える

iQの後席は左右対称ではない。カーセンサー編集部の試乗記事では、大人が座れるのは助手席側だけで、運転席の後ろは小さい子ども程度とされている。助手席が運転席よりやや前寄りに座る配置になっているためだ。

そして後席は50/50分割で、左右別々にフラットに倒せる。ここが効く。運転席側だけ倒せば、3人乗車のまま縦長の荷室が手に入る。座れない側を荷室に振るだけなので、実用上失うものが少ない。長物を積む日は、まずこの形を試してほしい。

シートクッションを跳ね上げて高さを稼ぐ

背もたれを倒すだけが手ではない。後席のシートクッション自体を持ち上げて固定できる。

  1. 解除バンドを水平に引いてシートクッションのロックを解除し、そのまま上に持ち上げる
  2. 解除バンドのボタンをはずし、フックを伸ばす
  3. 左右どちらかのヘッドレストの支柱にフックをかけて吊るす

降ろすときはバンドをもとの位置に戻す。背の高い荷物を床から立てて積みたいときの手段だが、跳ね上げた状態で走行してはいけない。急ブレーキ時にシートクッションが倒れたり、収納していたものが飛び出したりする。リヤシートクッションの下には転がりやすいものや、凹面より高さのあるものを入れない。持ち上げた状態でシートクッションに寄りかかる、上に乗る、土台部分に乗るのも部品の破損につながる。

荷室の床下はデッキボックス

取扱書がラゲージルーム内装備として挙げているのはデッキボックスで、バンドを引いてフタを開ける。走行前にフタを閉じるのが決まりで、開けたまま走ると急ブレーキ時に中身が飛び出す。

問題はその下だ。4人乗り車では三角表示板収納スペースとタイヤパンク応急修理キットがデッキボックスの下にあり、取り出す手順はリヤシートの背もたれを倒す → ツマミをまわして取りはずす → デッキボックスを取り出す、という順序になる。2人乗り車はデッキボードを開けるだけで済む。加えて4人乗り車のジャッキはリヤシートクッションの下で、解除バンドでクッションを持ち上げて固定してから取り出す。

つまり4人乗り車のこの階層は、後席に荷物を積んだ状態では開けられない。日常的に出し入れするものをここに入れる収納計画は成り立たない。ここは工具の置き場と割り切り、日用品は荷室の上側に置く。三角表示板はケースの大きさや形によっては収納できない場合があり、入れたら固定を確かめる。タイヤパンク応急修理キットはラゲージルームに収納しておく決まりで、補修液の有効期限は容器に表示されているので時々見ておくといい。ボトル1本でタイヤ1本を1回応急修理できる量だ。

用途別に3パターンから選ぶ

ここまでの機構を組み合わせると、実際に取れる形は3つに絞られる。切り替えにはヘッドレストの脱着が伴うので、毎日切り替える前提では組まないほうがいい。週の大半をどれで過ごすかで選ぶ。

1〜2人+大荷物:後席2脚とも倒す

最大238L(VDA)の形。旅行や大きな買い物の日はこれ。ヘッドレスト2個の置き場(シートクッションと背もたれの間)も忘れずに。

3人乗車+縦長の荷室:運転席側だけ倒す

いちばん使い出のある中間解。助手席側に1人乗せたまま、細長い荷物が積める。

4人乗車:後席2脚とも使う

荷室は32L。手荷物を置く場所と考えるサイズで、人を優先した日はここで割り切る。

荷物の側の形を変えるのも効く。硬いスーツケースより、つぶせるソフトバッグや折りたためる箱のほうが、後席を倒してできた面に合わせやすい。

車内側の収納は少ない。置き場所を決めておく

取扱書の収納装備一覧に載っているのはカップホルダーとボトルホルダー(フロント・リヤ)の2種だけで、グローブボックスやセンターコンソールボックスに相当する項目はない。欧州トヨタの公式プレス資料も、iQでは一般的な車にある助手席前のグローブボックスが取り払われ、必要に応じて取り外し式のブリーフケースで置き換えられる、と説明している。小物を車内に散らしておく余地がない車なので、定位置を決めておく効果がほかの車より大きい

置いてはいけない場所も取扱書がはっきり挙げている。運転席足元、助手席やリヤ席への荷物の積み重ね、インストルメントパネル、ダッシュボード、フタのない小物入れやトレイ。ペダルの操作を妨げたり、視界をさえぎったり、荷物が乗員に当たったりする。ボトルホルダーにはペットボトルのフタを閉めてから入れ、大きさや形によっては入らないこともある。紙コップやガラス製のコップは入れない。カップホルダーにはカップや缶以外を置かない。収納装備の中にメガネ、ライター、スプレー缶を放置しないこと(変形やひび割れ、爆発や火災につながる)。

積み方の基本と、満載時にやること

取扱書が示す積み方の基本は4つ。できるだけ荷物はラゲージルームに積む、荷物が安全な位置にあるか確認する、走行中のバランスを保つために重さが偏らないように積む、燃費が悪化しないよう不要な荷物は積まない。室内に積んだ荷物はすべて安定させ、シートの上や付近に置いたまま走らない。燃料が入った容器とスプレー缶は積まない。

積み過ぎと荷重の偏りは、タイヤに負担をかけるだけでなくハンドル操作性やブレーキ制御の低下につながる、と取扱書は警告している。車両重量890kgの軽い車なので、片側に重い物を寄せない意識はそのぶん効く。

もう1つ、荷室を満載にした日に忘れやすい操作がある。ハロゲンヘッドライト装着車は手動光軸調整ダイヤルを回す。取扱書の目安は、運転者のみ乗車時が0、運転者と助手席に乗車時が1、全席に乗車時が3、全席に乗車時でかつ荷室満載時が4、運転者のみ乗車時かつ荷室満載時が4.5。ディスチャージヘッドライト装着車はオートレベリングシステムが自動で調整するので操作はいらない。

バックドアまわりも押さえておく。走行前に完全に閉まっていることを確認する(開けたまま走ると排気ガスが車内に入り、重大な健康障害や死亡につながるおそれがある)。ラゲージルームに人を乗せない、子どもをラゲージルームで遊ばせない。閉めるときはバックドアハンドルを持って引き下げ、必ず外から押して閉める。

よくある質問

後席を使ったまま荷物は積める?

積めるが手荷物が中心になる。欧州トヨタの公表値で後席使用時32Lというサイズなので、買い物袋を数個か、リュック1つと考えておくといい。まとまった量を積む日は運転席側だけでも倒すほうが早い。

荷室の寸法は何ミリ?

荷室長・荷室幅・荷室高の公表値は、今回調べた範囲ではトヨタの主要諸元表にも中古車カタログにも記載を確認できなかった。室内寸法1,560×1,515×1,145mmは室内全体の値で、荷室のものではない。収納ボックスやラゲージマットを買う前は、自分の車で開口部の幅と奥行き、後席を倒したときの長さをメジャーで測ってほしい。

ゴルフバッグは積める?

4人乗り車で後席を倒した状態については確認できていない。サイズによっては収納可能とされているのは100X“2 Seater”(2人乗り車)についての記述で、こちらはラゲージのアンダー部分がリアデッキボード仕様と、荷室の作り自体が違う。4人乗り車で積みたいなら、購入前に自分のバッグを持ち込んで実際に入れてみるのが確実だ。

後席に人を乗せるときはどうやって乗り降りする?

助手席のリクライニング調整レバーを引き、背もたれをいっぱいまで前に倒すとシートが前後に動くようになるので、いっぱいまで前に出す。乗り降りが済んだら背もたれを起こしてシートを固定する。シートレールの溝につまづかないように。後席側からフロントシートを操作するときは、フロントシートに人が座っているときと走行中は操作しない。

収納ボックスやマットを買うときに気をつけることは?

型式の確認と、4人乗りか2人乗りかの確認。1.0LのKGJ10と1.3LのNGJ10は全長も違い、4人乗り車と2人乗り車では荷室下の構成が違う。適合表に「iQ」としか書かれていない商品は、販売店や用品メーカーに型式を伝えて確認する。

まとめ

最初にやることは車を開けることだ。後席を1脚倒してみて、デッキボックスのフタを開け、その下に工具類があるかを自分の目で見る。ここまでで自分の車が4人乗り仕様の作りかどうかが分かり、収納の階層も決まる。型式がKGJ10かNGJ10かは、そのあと車検証で確かめれば足りる。

そのうえで、後席を席として使うか荷室にするかを週の使い方から決め、切り替えの回数を減らす。収納用品を選ぶのはこの順序の最後だ。iQは車内側の収納が少ないぶん、標準の機構を使い切ったときとそうでないときの差が大きい。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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