AVV50用と明記されたサンシェードを注文したのに、届いたのは前席の窓に吸着させるタイプで、狙っていたダッシュボードの日よけには使えなかった——選び間違いで一番多いのがこれだ。同じサンシェードという名前で売られていても、塞ぐのがフロントガラスなのか前席の側面なのかで用途は別物になる。AVV50に対応表記のある3製品を、塞ぐ窓ごとに分けて並べる。前席まわりに付けるものはいずれも駐車中の装備で、走り出す前に外す。
塞ぐ窓で3系統に分かれる
AVV50向けに流通しているサンシェードは、覆う窓の範囲で3つに分かれる。カバーする窓が重ならないので、どれが優れているかではなく、何をしたいかで決まる。
| タイプ | 塞ぐ窓 | 主な狙い | 走行中の使用 |
|---|---|---|---|
| 傘型フロント用 | フロントガラス | 駐車中のダッシュボードとハンドルの直射日光対策 | 外して走る |
| 前席サイド用マグネット式 | 運転席・助手席の窓 | 停車中の視線対策と側面からの日射対策 | 外して走る |
| サイド4窓の格納式メッシュ | 側面の窓4枚 | 窓を開けたままの通風、出し入れを省く | 前席側は外して走る |
用途から逆算すると選択肢は絞れる。乗り込んだ瞬間の熱さを和らげたい、ダッシュボードとハンドルの日焼けを抑えたい——この一番多い動機なら傘型のフロント用でいい。開閉が速く、毎日の出し入れに向く。停車中に側面からの視線を切りたい、西日が当たる駐車場に停めるなら前席サイド用の着脱式。窓を開けて通風を残したい、あるいは毎回の出し入れ自体をやめたいなら、窓枠に常設する格納式メッシュになる。フロント用とサイド用は塞ぐ窓が重ならないため、併用も選択肢に入る。
AVV50は前期と後期で全長だけが違う
AVV50は2011年9月から2017年7月まで売られたカムリの型式で、国内向けはハイブリッド専用。エンジンは2AR-FXE、駆動方式はFF、乗車定員は5名。この期間中に2014年9月のマイナーチェンジが入り、前期と後期に分かれる。
トヨタ系のクルマ情報サイトのカタログ諸元と、車体寸法をまとめた諸元データベースで両者を突き合わせると、数値が違うのは全長だけだ。前期が4825mm、後期が4850mm。全幅1825mm・全高1470mm・ホイールベース2775mm・車両重量1540kgは同値で、25mmの差は前後バンパーやグリルの造形変更によるもの。車体の骨格寸法は前期後期で変わっておらず、年式だけでサンシェードの適合を切り分ける根拠は諸元表からは出てこない。ただしガラス開口部の寸法を比較した資料までは確認できていないので、適合が完全に同じと言い切れるわけでもない。
前席の窓に付けたまま走らない
道路運送車両の保安基準第29条第3項は、前面ガラスと側面ガラス(告示で定める部分を除く)について、運転者の視野を妨げないものとして告示で定める基準に適合しなければならないと定めている。ここで除かれるのは運転者席より後方の部分で、規定の対象になるのは前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラスだ。さらに同条第4項は、その窓ガラスに検査標章など列挙されたもの以外を装着してはならないと定めている。
富山県警察も、運転席等の窓ガラスをサンシェードやカーテン、タオルなどで覆った状態で運転する行為の取締りを行っていると公表している。理由として挙げているのは、窓を覆うと運転者の視界が妨げられ、右左折時に歩行者を巻き込むなど重大事故につながるおそれがあること。
したがってフロントガラス用も前席サイド用も、駐車中に使い、走り出す前に必ず外す。運転者席より後方の窓は第3項が対象とする部分から除かれている。製品の販売ページに走行視界を妨げないといった記載があっても、それは製品側の説明であって、前席の窓を覆ったまま走ってよい根拠にはならない。
どのくらい効くのかを公表値で見る
JAFのユーザーテスト「真夏の車内温度」では、条件ごとの実測値が公表されている。測定は2012年8月、外気温35度・晴れ、テスト車種はミニバン、正午からの4時間。
| 条件 | 車内最高 | 車内平均 | ダッシュボード最高 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
読み方には注意がいる。公表されているのは条件ごとの実測値であって、条件間の差が「サンシェードで何度下がる」という形でテスト元から示されているわけではない。測定車両はミニバンで、セダンのAVV50での実測値でもない。ガラス面積も室内容積も違うから、同じ数字がそのまま出る保証はない。
そのうえで押さえておきたいのは、サンシェードを装着した条件でも車内最高温度は50℃と公表されているという点だ。JAFは同じテストの別項目で、エアコン停止から15分で熱中症指数が危険レベルに達したとも公表している。日射を遮っても車内は高温になる。子どもやペットを車内に残す判断はしない。
AVV50に対応表記のある3製品
在庫と適合表記を確認できた3製品を、塞ぐ窓の順に挙げる。いずれも販売ページに記載された仕様が根拠で、遮光率やUVカット率は販売元の公称値だ。価格は変動するため、購入時点の表示価格を確認してほしい。
傘型フロントサンシェード
カーキャンパージャパンの車種別サイズ品で、車種参考として型式AVV50・年式H23.9〜と明記されている。バックミラー部分に切れ込み加工があり、ミラーを避けて取り付けられる。中棒は360度回転するので、干渉しない向きに調整できる。傘の骨で開閉する構造のため、畳むと細長くなり収納場所を選ばないのが日常使いで効いてくる。表面は太陽光を断熱し紫外線から車内を守る素材としている。
カーキャンパージャパン カムリ AVV50用 傘型フロントサンシェード 折り畳み式
前席サイド用マグネット式
確実車匠の前席1対セット。強力なマグネットで窓枠に吸着させる方式で、工具はいらない。窓枠や車体を傷つけず、折りたたみと巻き上げで小さく収納できるとしている。紫外線を90%以上カットという記載があるが、これは販売元の公称値で、第三者が検証した数値ではない。適合年式の表記は2012-2016で、AVV50の販売期間の両端は入っていない。
確実車匠 カムリ XV50/AVV50 前席サイド用マグネットサンシェード 前席1対 ブラック
サイド4窓の格納式メッシュ
EYQDYの4窓分セット。両面粘着テープで窓のフレームに取り付ける常設タイプで、窓と一緒に動く付け方と、動かないよう固定する付け方の2通りから選べる。通気性のあるメッシュ構造なので窓を開けたままでも使え、灰や落ち葉が車内に入りにくいとしている。3製品のなかでは価格が最も高い側で、塞ぐ窓の枚数と常設構造がその理由と読める。
EYQDY カムリ XV50/AVV50 格納式サイドウィンドウサンシェード 4窓分 メッシュ
タイプ別の比較の考え方は他車種でも同じで、選択肢の並べ方は
も参考になる。
注文する前に確かめること
3製品はいずれも販売ページに寸法(mm)の記載がなかった。フロントガラスの実寸に対して何mm、という形の適合判断はできないので、寸法で確かめたいなら現車のガラス開口部を採寸したうえで出品者に問い合わせることになる。
もう一つが年式表記のずれだ。前席サイド用マグネット式の適合表記は2012-2016だが、AVV50が売られていたのは2011年9月から2017年7月。2011年式と2017年式の車両は表記の範囲から外れている。型式としてAVV50対応と書かれていても、年式範囲まで一致しているかは別の話になる。年式が端にかかる車両では注文前に出品者へ確認する。前期後期で骨格寸法が同じことは前述のとおりだが、それは諸元表の話で、販売ページの適合表記とは別に扱う。
取り付けと日々の扱い
傘型フロント用
車内側から傘を開き、ルームミラーの位置に合わせて切れ込み部分を通す。中棒は360度回転するので干渉しない向きに調整する。広げた状態でサンバイザーを下ろして上端を押さえると位置が定まる。外すときは骨を畳んで細長い状態にする。
格納式メッシュ
両面粘着テープで窓のフレームに固定するので、貼る前に取り付け面の油分とホコリを拭き取る。粘着テープは貼り直しが利きにくいから、剥離紙を剥がす前に本体を窓枠に当てて位置と向きを決めておく。窓と一緒に動く付け方にするか固定するかも、貼る前に決める。
外したサンシェードを車内に置きっぱなしにすると、ダッシュボード上や足元に落ちて運転操作の邪魔になる。畳んだ状態で助手席足元・ドアポケット・トランクなど定位置を決めて収める。
仮眠や停車中の視線対策で使う場合
フロントガラス用だけでは前席サイドの窓から車内が見えるので、視線を切る目的には足りない。前席サイドと後席側を含む複数面を塞ぐ構成が要る。窓枠に常設できる格納式メッシュの4窓分は、この用途では出し入れが不要な分だけ扱いやすい。ただしAVV50はセダンで荷室と客室が仕切られているため、後席を倒して横になる前提の使い方は他のボディ形状と同じにはならない。
よくある質問
前席の窓に付けたまま走ってもよいか
走らない。保安基準第29条は前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラスを対象にしており、第4項が列挙されたもの以外の装着を禁じている。富山県警察も取締りの対象として公表している。
AVV50用の表記があれば前期でも後期でも合うか
諸元表で前期後期の違いは全長25mmだけなので、車体の骨格から見れば年式で神経質になる場面は多くない。ただし販売ページ側の適合年式表記は製品ごとに違い、2012-2016のように販売期間の端が抜けている例がある。型式表記と年式表記は別々に確認する。
サンシェードで車内はどのくらい涼しくなるか
JAFの公表値は条件ごとの実測値で、差分としての低下幅は示されていない。サンシェードを装着した条件でも車内最高温度は50℃と公表されている。涼しくなるというより、ダッシュボードへの直射日光を抑える装備として考えたい。
後席側の窓なら付けたままでよいか
運転者席より後方の窓は、保安基準第29条第3項が対象とする部分から除かれている。ただし後方の視界を自分で塞ぐことになる点は変わらないので、車両後方の確認ができる範囲で使う。
まとめ
購入前に見る順番はこうなる。
- 何を防ぎたいか決める(ダッシュボードの直射日光なら傘型フロント用、停車中の視線なら前席サイド用、通風を残すなら格納式メッシュ)
- 車検証で自分の車の年式を確認し、販売ページの適合年式表記と突き合わせる(2011年式・2017年式は表記から外れる製品がある)
- 寸法で判断したい場合は現車を採寸して出品者に確認する
- 購入時点の表示価格を確認する
フロント用と前席サイド用は駐車中の装備で、走り出す前に外す。そしてサンシェードを使っていても車内は高温になる。人やペットを車内に残さないことだけは、どのタイプを選んでも変わらない。
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