車検の見積もりで残り溝を指摘され、通販で同じサイズを探し始めたところで手が止まる——AVV50型カムリではよくある場面だ。同じカムリ ハイブリッドでもグレードによって16インチと17インチが混在し、指定空気圧も250kPaと240kPaで違うため、型式だけではサイズが一つに決まらない。トヨタ公式の取扱説明書(カムリ ハイブリッド 2015年10月版)に載る純正サイズ・指定空気圧・タイヤ空気圧警報システムの扱いを早見表に整理し、用途別の選び方と交換時の注意点をまとめた。
AVV50カムリの純正タイヤ・ホイール早見表
トヨタ公式の取扱説明書の仕様一覧に記載された値をそのまま表にした。自分の車がどちらの標準タイヤかで、選ぶサイズも入れるべき空気圧も変わる。
| 区分 | タイヤサイズ | ホイールサイズ | 空気圧(冷間時) |
|---|---|---|---|
| 標準タイヤ(16インチ) | 215/60R16 95H | 16×6.5J(アルミ)/16×6.5JJ(スチール) | 250kPa(2.5kg/cm2) |
| 標準タイヤ(17インチ) | 215/55R17 93V | 17×7J | 240kPa(2.4kg/cm2) |
| 応急用タイヤ | T155/70D17 110M | 17×4T | 420kPa(4.2kg/cm2) |
タイヤ幅は16インチ車も17インチ車も215mmで共通で、扁平率だけが60と55で分かれる。外径をそろえるためにリム径が大きい方の扁平率を下げている関係なので、幅方向のクリアランスは基本的に同じと考えてよい。
16インチ車と17インチ車の見分け方
AVV50は2011年9月に登場し、2017年まで販売されたハイブリッド専用のカムリだ。この期間にベースのハイブリッド系グレードとGパッケージ系(レザーパッケージを含む)が併売され、前者が16インチの215/60R16、後者が17インチの215/55R17を履く。ブリヂストンの車種別タイヤ検索でも、AVV50のハイブリッド レザーパッケージには215/55R17 93V(ホイール7.0J)が標準装着サイズとして登録されている。
グレード名の記憶があいまいでも、今履いているタイヤの側面を読めば一発で分かる。215/60R16と刻印されていれば16インチ車、215/55R17なら17インチ車だ。運転席側のドアを開けた開口部に貼られたタイヤ空気圧ラベルにも、その車に指定されたサイズと空気圧が印字されている。取扱説明書も、指定空気圧は運転席側のタイヤ空気圧ラベルで確認できると案内している。
ホイール側の共通スペック
取扱説明書にはホイールの取り付け諸元までは載らないが、社外ホイールやスタッドレスのホイールセットを選ぶときはPCDとハブ径の情報が要る。ホイール適合データでは、AVV50はPCD114.3・5穴・ハブ径60mm・インセット+45が純正値とされている。16インチ車と17インチ車でリム幅は6.5Jと7Jに分かれるが、取り付け面側の穴位置とハブ径は共通だ。
つまりスタッドレス用に別ホイールを用意する場合、PCD114.3の5穴・ハブ径60mm以上という条件を満たすホイールが候補になる。ハブ径が純正より大きいホイールを使うときは、径を埋めるハブリングを併用して車体側のハブに芯を出すのが一般的な作法だ。
サイズを外さないための3つの確認ポイント
タイヤ選びで失敗が起きるのは、サイズの数字だけを合わせて刻印の後半を見落とすときだ。215/60R16の後ろに続く95Hと、215/55R17に続く93Vまで含めて純正指定である。
ロードインデックスと速度記号を下回らない
95Hの95が荷重指数(ロードインデックス)、Hが速度記号を表す。純正が95Hの車に、より小さい荷重指数のタイヤを履かせると、想定した荷重を支えられない組み合わせになる。17インチ側の93Vも同様で、数字と記号の両方が純正値以上であることを確認してから注文する。
通販サイトではサイズ表記が215/60R16までしか商品名に入っていないこともあるため、商品ページの仕様欄でロードインデックスと速度記号を照合しておくと取り違えを防げる。
16インチと17インチを入れ替えるときに変わること
16インチ車が17インチ、あるいは17インチ車が16インチのホイールを履くこと自体は、外径がそろっていれば成立する。ただし指定空気圧はサイズごとに決まっているため、履くサイズを変えたら空気圧の基準値も250kPaと240kPaで読み替えることになる。取扱説明書も、タイヤサイズの変更などで指定空気圧が変わった場合はタイヤ空気圧警報システムの初期化が必要だと明記している。
冬用タイヤは4輪すべてで同じサイズにそろえる
取扱説明書の警告には、指定サイズのタイヤを使うこと、空気圧を推奨値に調整すること、装着する冬用タイヤの最高許容速度や制限速度を超える速度で走らないこと、そして冬用タイヤは必ず4輪とも装着することが挙げられている。前輪だけスタッドレスという組み合わせは、駆動輪だけグリップが変わって車の挙動が不安定になるため取扱説明書の指示から外れる。
指定空気圧は250kPaと240kPaに分かれる
同じAVV50でも、16インチ車は250kPa、17インチ車は240kPaが指定値だ。10kPaの差はタイヤサイズの違いから来ているので、隣に停まっているカムリと同じ数字を入れれば正しいとは限らない。
空気圧はタイヤが冷えた状態で測る
取扱説明書の空気圧の数値には、タイヤが冷えているときの値という注記が付いている。走行後のタイヤは内部の空気が膨張して圧力が上がるため、走った直後に測って規定値に合わせると、冷えたときには不足する。給油ついでに測るなら、走行距離が短いうちか、駐車してしばらく置いてからにする。
タイヤ空気圧警報システムを装着している車では、初期化のときにその時点の空気圧が基準として記憶される。取扱説明書は、空気圧の調整と初期化操作はタイヤが冷えた状態で行うよう指示している。
応急用タイヤの420kPaは別枠
トランクの応急用タイヤ(T155/70D17 110M)の指定空気圧は420kPaで、標準タイヤとは桁が違う。応急用タイヤは長期間使わないまま積みっぱなしになるため、空気圧が抜けたまま気づかないことがある。取扱説明書も応急用タイヤの空気圧は必ず点検するよう求めている。
なお応急用タイヤを装着しているときは100km/h以上で走行しないこと、応急用タイヤにはタイヤチェーンを装着しないことが取扱説明書に定められている。
タイヤ空気圧警報システム装着車の交換手順
AVV50のタイヤ空気圧警報システムは、取扱説明書上で★印が付く装備だ。★はグレードやオプションによって装備の有無があることを示すため、AVV50なら全車が装着しているわけではない。メーター内に空気圧の表示があるか、リセットスイッチが備わっているかで判断できる。
ホイールごと替えるときのIDコード登録
タイヤ空気圧警報システム装着車では、ホイールの中に空気圧を測る「タイヤ空気圧バルブ/送信機」が入っている。取扱説明書には、ホイールごとタイヤを交換するときにバルブ/送信機のIDコードが登録されていないとシステムが正しく作動せず、約10分走行したあとシステム異常となってタイヤ空気圧警告灯が約1分間点滅し、その後点灯すると書かれている。
IDコードの登録はトヨタ販売店に依頼する扱いになっている。スタッドレス用に2セット目のホイールを組むなら、そのホイールにも対応するセンサーを入れてIDを登録するか、シーズンごとにセンサーを移設するかを決めておく必要がある。カムリ ハイブリッドAVV50向けには、純正品番42607-48010/42607-39005(PMV-C015)に対応する互換センサーが4個セットで流通している。
HELIOS TPMS カムリAVV50用 空気圧センサー 4個セット(42607-48010/42607-39005 互換)
センサー本体を入手しても、車両コンピューターへのIDコード登録は専用のツールが要る作業だ。取り付けを依頼する店に、登録まで対応できるかを先に確認しておくと二度手間にならない。
初期化(リセット)の手順
取扱説明書が挙げる初期化が必要な場面は、タイヤサイズの変更などで指定空気圧が変わったときと、タイヤローテーションを実施したときだ。手順は、安全な場所に駐車してハイブリッドシステムを停止し、タイヤが冷えた状態で空気圧を指定値に調整したうえで、パワースイッチをONモードにし、タイヤ空気圧警告灯が3回点滅するまでリセットスイッチを押し続ける、という流れになる。
その後、約40km/h以上で約10分走行すると空気圧がマルチインフォメーションディスプレイに表示され、初期化が完了する。信号待ちなどで停車時間が長い場合は10分以上かかることもある。
警報が正しく働かないケース
取扱説明書は、システムが正しく作動しない場合として、純正ホイール以外を使ったとき、純正装着タイヤ以外に交換したとき、指定サイズ以外のタイヤに交換したとき、タイヤチェーンなどを装着しているとき、バルブ/送信機を搭載していないホイールを使っているとき、IDが登録されていないときなどを列挙している。社外ホイールへの交換とスタッドレス化は、この条件にそのまま当てはまる。
同時に取扱説明書は、タイヤ空気圧警報システムは日常点検の代用ではなく、日常点検として必ずタイヤを点検するよう求めている。タイヤの点検方法は別冊のメンテナンスノートを参照する扱いだ。
用途別に見るタイヤの選び方
サイズと空気圧の条件を満たしたうえで、どの性格のタイヤを選ぶかは走り方で変わる。カムリは車重のあるハイブリッドセダンなので、静粛性と摩耗ライフのバランスを見る人が多い。
静粛性と乗り心地を優先する場合
高速道路の巡航が多く、車内の会話やオーディオを重視するならコンフォート系のタイヤが候補になる。カムリはもともとロードノイズの侵入が少ない部類の車なので、タイヤ由来のノイズが目立ちやすい。17インチの215/55R17は扁平率が低いぶん路面の当たりが硬く出やすく、乗り心地を戻したい場合はサイドウォールがしなやかなコンフォート系との相性がよい。
摩耗ライフと価格を優先する場合
年間走行距離が長く、2〜3年ごとに履き替える前提ならスタンダード系や低燃費タイヤの上位グレードが現実的だ。ハイブリッド車は転がり抵抗が燃費に直結するため、転がり抵抗性能の等級が高いタイヤを選ぶと、燃費計の数字が落ちにくい。ウェットグリップ性能の等級と転がり抵抗の等級は両方がラベルに表示されるので、価格だけでなく等級の組み合わせで比較する。
冬に備える場合
積雪地や凍結路を走るなら、冬用タイヤは4輪ともスタッドレスにそろえる。16インチ車ならそのまま215/60R16、17インチ車は215/55R17のスタッドレスを選ぶか、ホイールごと16インチにインチダウンして215/60R16で組む方法もある。インチダウンする場合も、荷重指数と速度記号が純正指定を下回らないことを確認する。
冬道装備とタイヤチェーンの使い方
スタッドレスを履いていても、チェーン規制区間ではチェーンの装着が求められる。AVV50は前輪駆動なので、取扱説明書はタイヤチェーンを前2輪に取り付けるよう指示している。
装着位置と締め直し
取扱説明書のタイヤチェーンの取り扱いには、安全に作業できる場所で行うこと、前2輪に取り付けること、チェーンに付属の取扱説明書に従うこと、そして取り付け後0.5〜1.0km走行したら締め直しを行うことが挙げられている。装着直後はチェーンがタイヤになじんでいないため、少し走ってから締め直す前提で考える。
速度については、装着したチェーンに定められた制限速度、もしくは30km/hのどちらか低い方を超えないこととされている。急加速や急ハンドル、急ブレーキを避け、カーブの手前で十分に減速することも警告として明記されている。またチェーン装着中はレーンディパーチャーアラートを使わないよう指示がある。
チェーンとタイヤ空気圧警報システムの関係
取扱説明書は、タイヤチェーンを装着するとタイヤ空気圧バルブ/送信機が正しく作動しないおそれがあるとしている。チェーンを外したあとに警告灯の挙動が普段と違う場合は、空気圧を指定値に合わせたうえで初期化操作をやり直す流れになる。
トヨタはタイヤチェーンについて純正品の使用を推奨しており、純正以外には車体に当たって走行のさまたげとなるおそれがあるものもあると注意している。社外品を選ぶ場合は、AVV50のタイヤサイズに適合する製品かを確認したうえで、装着後にフェンダーやサスペンション周りとの隙間を目視で点検しておく。金属チェーンより扱いが軽い布製タイプは、常用ではなく規制区間の通過や緊急時の備えとして積んでおく使い方がしやすい。
カムリ AVV50 対応 布製タイヤチェーン(サイズ選択式)
よくある質問
16インチのカムリに17インチのタイヤを履けますか
ホイールごと17インチに替え、外径が純正相当にそろうサイズを選べば成立する。その場合はタイヤサイズが215/55R17になるため、指定空気圧も17インチ車の240kPaを基準にする。タイヤ空気圧警報システム装着車では、指定空気圧が変わったときに初期化が必要だと取扱説明書が指示している。
指定空気圧はどこを見れば分かりますか
運転席側のタイヤ空気圧ラベルに記載されている。取扱説明書の仕様一覧では、215/60R16 95Hが250kPa、215/55R17 93Vが240kPa、応急用タイヤが420kPaとされている。いずれもタイヤが冷えているときの値である。
社外ホイールに替えるとタイヤ空気圧警報は使えなくなりますか
取扱説明書は、純正ホイール以外を使ったときやバルブ/送信機を搭載していないホイールを使ったときに、システムが正しく作動しない場合があると挙げている。社外ホイールでも、対応するバルブ/送信機を組み込んでIDコードを車両に登録すれば機能する。登録作業はトヨタ販売店に依頼する扱いになっている。
タイヤチェーンは後輪に付けてもよいですか
取扱説明書は前2輪に取り付けるよう指示している。AVV50は前輪駆動で、駆動と操舵を担う前輪にチェーンを装着する設計だ。ただし雪道や凍結路で前輪がパンクした場合の応急処置として、後輪を応急用タイヤに交換し、パンクした前輪を外した後輪と入れ替えたうえで前輪にチェーンを装着する手順が別途案内されている。
まとめ
AVV50のタイヤ選びは、まず自分の車が16インチ(215/60R16 95H・250kPa)と17インチ(215/55R17 93V・240kPa)のどちらかを確定させるところから始まる。サイズの数字だけでなく荷重指数と速度記号まで純正指定を満たすものを選び、空気圧はタイヤが冷えた状態で指定値に合わせる。
タイヤ空気圧警報システムが付いている車は、ホイールごと交換するときにバルブ/送信機のIDコード登録が必要になり、未登録のままだと約10分走行したあとに警告灯が点灯する。スタッドレス用に2セット目のホイールを組むなら、センサーの手当てまで含めて計画しておくと冬の直前に慌てずに済む。冬用タイヤは4輪装着、チェーンは前2輪で30km/h以下という取扱説明書の基本を押さえておけば、雪道の判断も迷わない。
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