ワゴンRにドラレコを自分で付けるとき、電源をどこから取り、線をどう通すかは、型式と使い方で答えが分かれる。型式が MH35S なら、取り付けの記録2件がそろってヒューズボックスを助手席側の足元と書いている。そのうえで、駐車監視を使うかどうかで電源の種類が決まり、前だけか前後2カメラかで後ろの線の手間が変わる。まず車検証の型式と、駐車監視を使うかどうかの2つを確かめてから読み進めてほしい。
MH35S のドラレコ取り付けで先に知っておきたいこと
細かい手順の前に、MH35S で押さえておく所をまとめておく。
- 電源: MH35S の取り付け事例を紹介している記事と、MH35S にドラレコを付けた個人の記録の2件が、そろってヒューズボックスは助手席側の足元と書いている。
- 前カメラ: 損害保険会社の解説では、前面ガラスに付けられる場所の例として「ガラスの上縁20%以内の範囲」などが挙がる。その範囲で、ワイパーの拭く範囲に入る位置を選ぶ。
- 後ろカメラの線: MH35S に後ろ用のドラレコを付けた整備記録では、バックドアに内張りが無く、線はバックドアのフレームの中に通す必要がある。
- 作業時間: MH35S にドラレコを付けた個人の記録では前カメラ側が「おおよそ1時間くらい」、後ろ用のドラレコを付けた整備記録では「1時間以内」(難易度は中級と記録)だった。どちらも個人の記録の値なので、初めての作業なら時間に余裕を見ておきたい。
対象は型式 MH35S|まず車検証で確かめる
この記事が扱うのは型式 MH35S だ。新車カタログのサイトの掲載では、MH35S(カタログ上の表記は DBA-MH35S)のグレード名は「FA」と「FA 4WD」の2種類で、変速機は CVT と MT、駆動は前輪駆動と4輪駆動がある(2017年2月モデルとして掲載)。
作業の前に、車検証の型式欄で MH35S かどうかを確かめる。同じワゴンRでも型式が違うとヒューズボックスの位置が違う。MH35S の取り付け事例を紹介している記事は、先代 MH34S のヒューズボックスを運転席足元、MH35S を助手席足元と書き分けている。MH34S の手順をそのまま MH35S に当てはめないこと。
型式ごとの違いは次の記事で見比べられる。
車検証の型式が MH34S だった人は、先代向けの手順へ進んでほしい。
用意する物と、内張りを外す前の確認
用意する物
- 内張りはがし
- 検電テスター
- ヒューズ電源(差し替えるヒューズと形状・アンペアが合うもの)
- 配線通し棒(後ろカメラの線をバックドアに通すとき)
- 結束バンド
- カメラ用の両面テープ
Aピラーのカバーを外す前にエアバッグの位置を確かめる
新車カタログのサイトの FA(DBA-MH35S)のページでは、前席エアバッグ(運転席・助手席)は標準装備で、サイドエアバッグとカーテンエアバッグの欄には値の記載が無い。MH35S のカーテンエアバッグの有無と位置は、この記事で当たった出典では確かめられていない。
だから Aピラーのカバーを外す前に、取扱説明書でエアバッグの位置を確かめる。カバーやその周りにエアバッグの表示がある車や、位置が分からない車では、カバーを無理に外さず、天井とガラスの境目に線を収める範囲にとどめる。ドラレコの電源の取り方を解説した記事も、内張りを無理に外すと傷や破損の原因になるとしている。
自信が無ければ店に頼む
ヒューズの通電の確かめ方やエアバッグの位置に自信が無いときは、販売店やカー用品店などの取り付け店に頼む手もある。部品代のほかに工賃がかかるが、無理に進めて内装を割るよりはよい。
電源の取り方を選ぶ|駐車監視を使うなら常時電源
ドラレコの電源の取り方を解説した記事では、主な取り方としてシガーソケット、ヒューズボックス、ナビやオーディオの裏のコネクターが挙がっている。
シガーソケットから取る
シガーソケット(アクセサリー電源)に差す方法だ。ただしシガーソケットのようなアクセサリー電源では駐車監視に対応できない。駐車監視の機能を使うには、エンジンを止めても通電している常時電源が要る。走行中の記録だけでよい人向けの選び方になる。
ヒューズボックスから取る
ヒューズボックスのヒューズをヒューズ電源に差し替えて取る方法で、MH35S にドラレコを付けた個人の記録もこの方法で取っている。駐車監視を使うなら、この方法を選ぶ。
常時電源につなぐドラレコの電源ケーブルは、常時電源・アクセサリー電源・アースの3本の線になっていることが多い。常時電源とアクセサリー電源を取り違えるとバッテリー上がりのおそれがある。駐車監視でバッテリーを使う前に、いまのバッテリーの状態も見ておくとよい。
ナビ・オーディオ裏から取る
MH35S の取り付け事例を紹介している記事では、社外ナビが付いていた車だったので、オーディオのコネクターから電源を取り、ヒューズから取る場合の場所もあわせて示している。すでにナビを付け替えていて、裏の配線を触り慣れている人なら候補になる。
MH35S は助手席足元のヒューズボックスから電源を取る
MH35S のヒューズボックスは助手席側の足元にある。MH35S にドラレコを付けた個人の記録では、グローブボックスとピラーの化粧カバーを外して配線し、助手席側のヒューズボックスから電源を取っている。
ヒューズの番号は目安にしてテスターで確かめる
MH35S の取り付け事例を紹介している記事は、助手席足元のヒューズボックスのうち、アクセサリー電源(ACC)には14番の15Aの低背ヒューズ、常時電源には17番の室内灯の10Aの低背ヒューズを挙げている。ただし筆者自身が「テスターで要確認」と書いており、事例の車はページ上「ワゴンRスティングレー」とされている。
番号とアンペアは目安にとどめ、ヒューズボックスの配置図と検電テスターで確かめてから差し替える。見分け方は次のとおりだ。
- エンジンを切った状態でも通電している → 常時電源
- 車の電源を ACC にしたときだけ通電する → アクセサリー電源(ACC)
ヒューズ電源は同じ形状・同じアンペアを選ぶ
ドラレコの電源の取り方を解説した記事では、ヒューズ電源は差し替えるヒューズと同じ形状・同じアンペア数のものを選ぶとしている。MH35S の取り付け事例の記事が挙げるヒューズはどちらも低背ヒューズで、MH35S に付けた個人の記録でも低背ヒューズ用の電源取り出しの部品が使われている。買う前に一度ヒューズボックスを開けて、差し替えるヒューズの形を自分の目で見ておく。
アースのつなぎ方
アース線は車体(ボディ)の金属部分につなぐ。アースはつなぎ間違いが多い所なので、つないだ先が金属部分かを確かめてから留める。
前カメラの貼る位置と線の通し方
貼ってよい範囲
損害保険会社の解説では、前面ガラスに取り付けてよい機器と場所は、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示で決められている。ドラレコを付けられる場所として「バックミラーで隠れる範囲」「ガラスの上縁20%以内の範囲」「ガラスの下縁150mm以内の範囲」などが挙がっている。
MH35S の取り付け事例を紹介している記事は、ガラスの上部20%以内で、ワイパーの拭き取り範囲に入る位置に付けるとしている。フロントガラスが汚れていると、きれいな映像は撮れない。
同じ損害保険会社の解説では、衝突被害軽減ブレーキなどのセンサーを遮る場所に付けると、安全装置が作動しないおそれがあるとしている。ガラスの上部にカメラやセンサーが付いている車は、その前をふさがない位置を選ぶ。MH35S(FA)にこのセンサーが付いているかどうかは、この記事で当たった出典では確かめられていないので、自分の車のガラスの上部を見て確かめてほしい。
天井から Aピラーへの通し方
損害保険会社の解説やドラレコの電源の取り方を解説した記事では、線は視界をさえぎらないようにフロントガラスの端(天井との境目)に沿わせて留め、天井の内側から Aピラーの樹脂のカバーの中を通して足元へ下ろし、内張りの内側を通して電源につなぐ。Aピラーのカバーを外す前の確認は、前の節のエアバッグの項のとおりだ。
MH35S の取り付け事例の記事では、後ろカメラの線も左側(助手席側)の天井を通して前まで運び、Aピラーのところで前カメラの電源線と一緒にしている。MH35S はヒューズボックスが助手席足元にあるので、線は助手席側へ集める段取りで考えるとよい。
MH35S の後ろカメラの線はバックドアのフレームの中へ
MH35S に後ろ用のドラレコを付けた整備記録(車は MH35S/85S と表記)では、バックドアに内張りが無く、後ろカメラの線はバックドアのフレームの中に通す必要があるとしている。原文は「ワゴンRは内張りがないためフレーム内への配線通しが必要。」だ。
ジャバラとグロメットから通す
整備記録では、車内からバックドアのジャバラ(ゴムチューブ)を通してバックドア側へ入れ、ジャバラとワイパーユニットの間にあるグロメットを外して、その穴から線を出し、ワイパーのそばのカメラまで届かせている。一度には通らず、部分ごとに縫うように通したという。取り付け事例の記事では、配線通し棒を使い、リアワイパーのモーターのカバーの隙間から線を入れてバックドアの中を通している。
後ろ用のドラレコを別の電源で動かした MH35S の整備記録では、ヒューズボックスから取り出した ACC の電源線を、前から助手席側の床に沿わせ、ジャバラを通してバックドアまで運んでいる。
取り付け事例の記事は、前後2カメラのドラレコのうち前と後ろのカメラをつなぐ線が太い製品では、ジャバラや隙間を通す同じ段取りではうまくいかないことがある、とも書いている。線の太さは買う前に確かめる。
リアワイパーのモーターカバーを外す
取り付け事例の記事によると、リアワイパーのモーターのカバーは4か所のクリップで留まっていて、外すのにかなり力がいり、クリップが破損する可能性もある。一気に引かず、内張りはがしで1か所ずつ浮かせていくのがよい。
カメラの位置は拭く範囲に
後ろカメラは、リアガラスの上部のワイパーの脇(ワイパーモーターのカバーの下あたり)に付け、ワイパーの拭き取り範囲に入るようにする。運転席側に付けた整備記録では、リアワイパーがカメラの前を拭かず、小雨のときに水滴が映った(原文「失敗したのはリアワイパーが運転席側のドライブレコーダー部分を拭かないこと。」)。
レンズの向きを変えられるカメラなら、リアガラスの電熱線が映らない角度に合わせる。整備記録では、製品に付いていた両面テープを当てにせず、別の両面テープに替えている。
内張りを戻す前に動作を確かめる
配線が終わったら、内張りやカバーを戻す前に動作を確かめる。ドラレコの電源の取り方を解説した記事は、配線後の動作確認をエンジンを切った状態で行うとしている。警告灯が点滅する、ドラレコが起動しないといった症状が出たら、常時電源・アクセサリー電源・アースのつなぎ方を見直す。
確かめが済んだら仕上げに入る。余った線は切らずに結束バンドなどでまとめ、グローブボックスの奥など見えない場所に収める。
よくある質問
MH35S のヒューズボックスはどこ?
MH35S は助手席側の足元だ。MH35S の取り付けの記録2件がそろってそう書いている。ヒューズの番号は目安にとどめ、テスターで確かめてから差し替える(手順はヒューズボックスの節)。
シガーソケットの電源で駐車監視は使える?
使えない。シガーソケットのようなアクセサリー電源では駐車監視に対応できず、エンジンを止めても通電している常時電源が要る。
MH34S と同じ手順でよい?
そのままは当てはめない。MH35S の取り付け事例を紹介している記事は、ヒューズボックスを MH34S は運転席足元、MH35S は助手席足元と書き分けている。車検証の型式欄で型式を確かめてから進める。
後ろカメラの線は内張りを外して通す?
MH35S(整備記録の車は MH35S/85S と表記)のバックドアには内張りが無い。整備記録のとおり、ジャバラからバックドアのフレームの中へ線を通す。
まとめ|ヒューズボックスを開けて現物を見るところから
作業の前に、車検証の型式欄で MH35S かどうかを確かめておく。そのうえで手を動かす最初の作業は、MH35S の助手席足元のヒューズボックスを開けて、差し替えたいヒューズの形と表示を現物で見ることだ。ヒューズ電源はそれに合わせて選び、常時電源とアクセサリー電源はテスターで見分ける。
- 電源: MH35S は助手席足元のヒューズボックスから、テスターで確かめて取る
- 前カメラ: ガラスの上縁20%以内などの貼れる範囲で、ワイパーの拭く範囲に入れる
- 後ろカメラの線: MH35S はバックドアに内張りが無いので、ジャバラからフレームの中へ通す
ドラレコのほかに MH35S に付けられるパーツを探すなら、次の記事にまとめてある。

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