今販売されているソリオとソリオ バンディットは、買ったままの状態ではジャッキもホイールレンチも積んでいないので、自分でタイヤを替えるなら工具をそろえるところから始まる。ジャッキをかける場所は車体のマークと切り欠きを目印に探し、最後は自分の車の取扱説明書で確かめる。ナットの締め付けトルクも、Web 上の値ではなく取扱説明書の値で締めるのが正しい手順だ。冬タイヤへの履き替えやパンクに備えて、作業の前に知っておきたいことを順に整理する。
作業の前に押さえる3つのこと
1つ目は工具の有無。スズキ公式サイトのソリオのページでは、2026年10月時点の販売モデル(ソリオの HYBRID MZ・HYBRID MX・HYBRID MG と、ソリオ バンディットの HYBRID MV)について、「工具(ジャッキ、ジャッキハンドル、ホイールレンチ)は装備しておりません。販売会社装着アクセサリーとしてご用意しております。」と注記している。今販売されているソリオで自分でタイヤを替えるには、工具を別に用意する必要がある。
2つ目はジャッキをかける場所。車体の側面にある逆三角形のマークと、その奥の切り欠きが目印になる。ソリオでの正確な位置は、取扱説明書のタイヤ交換やジャッキの項で確かめる。
3つ目は締め付けトルク。ソリオの値は Web 上の記事の間でそろっていないので、取扱説明書に書かれた規定トルクで締める。
この記事の対象の型式とタイヤサイズ
対象は2020年12月以降のソリオ・ソリオ バンディット(MA27S・MA37S・MAD7S)。中古車カタログ(ガリバー)の掲載と自動車専門誌のサイトの報道をもとに、型式とタイヤサイズを並べると次のとおり。
| 区分 | グレード | 型式(エンジン) | タイヤサイズ(前後同じ) |
|---|---|---|---|
| 2020年12月から | ソリオ G | 5BA-MA27S(K12C) | 165/70R14 81S |
| 2020年12月から | ソリオ ハイブリッド MX・ハイブリッド MZ | 5AA-MA37S(K12C) | 165/65R15 81S |
| 2025年1月から | ソリオ バンディット HYBRID MV | 5AA-MAD7S(Z12E) | 165/65R15 81S |
自動車専門誌のサイトの報道では、スズキは2025年1月16日にソリオ/ソリオ バンディットの一部仕様変更を発表し、全グレードが3気筒の Z12E 型エンジンと CVT のマイルドハイブリッドにそろえられた。ソリオ バンディットは HYBRID MV の1グレードの展開で、同じ報道はソリオとソリオ バンディットでタイヤサイズが共通だとしている。2025年1月以降のソリオ(バンディットでない方)の型式は、この記事の出典では確かめていない。
グレードや年式でタイヤサイズが違うので、替えるタイヤを買う前に自分の車のサイズを確かめておく。自分の車の型式は車検証の「型式」の欄で分かり、型式とグレードが分かれば取扱説明書やタイヤサイズを正しく照らし合わせられる。
作業の前にそろえる道具
ジャッキ・ジャッキハンドル・ホイールレンチ
公式の注記どおり、今販売されているソリオには車載の工具が無い。スズキの販売店のブログも、スズキの新車にはジャッキやスペアタイヤが標準では付いておらず、従来どおりタイヤ交換をしたい人はオプションでジャッキセットやスペアタイヤを付けられると案内している(車種名を挙げない一般の案内)。
ただし、この注記は今の販売モデルについての記載だ。2020年12月から2024年までに作られた MA27S・MA37S や中古で買った車にジャッキが付いているかどうかは、この記事の出典では確かめられていない。前の年式の車は、荷室の床下と取扱説明書で、ジャッキ・ジャッキハンドル・ホイールレンチがそろっているかを先に見ておく。
工具の手配は2通り
1つは、スズキが販売会社装着アクセサリーとして用意している工具を販売店で付けてもらう道。もう1つは、ジャッキ・レンチ・トルクレンチを自分でそろえる道だ。年に2回の履き替えだけなら、タイヤ店や販売店に作業を頼む道もある(部品代とは別に工賃がかかる)。工具を持っていない人で、作業に慣れていないなら、まず販売店の工具の装着か作業の依頼から考えるのが無理のない順番だ。
自動車情報サイトの解説は、ジャッキはその車に積まれている車載のジャッキを使うこととし、「別の車のジャッキを使うのは、事故につながることがあります。」と注意している。ソリオには車載のジャッキが無いので、別のジャッキを使うときは、その車で使えるものかを確かめてから使う。
レンチの寸法とトルクレンチ
整備の解説サイトは、ソリオ(2020〜2024年の MA27S・MA37S)の純正ホイールナットには 19mm のレンチやソケットを使うとしている(メーカーの資料での裏付けは示されていない)。社外のホイールやナットに替えている車はナットの寸法が違うことがあるので、工具を買う前に自分の車のナットで確かめる。
JAF の解説では、ナットを無理に締めるとボルトが破損する場合があるため、トルクレンチという専門工具を備えておくと便利だとしている。タイヤメーカーのコンチネンタルの解説も、ナットを正しく締めたり緩めたりするにはトルクレンチが必要だとしている。自分で履き替えるなら、ジャッキとレンチに加えてトルクレンチもそろえておきたい。
ジャッキポイントの見つけ方
マークと切り欠きで探す
自動車情報サイトの解説によると、車種共通の一般論として、車体の側面やドアの下部(スカート)に、逆三角形のマーク(車種によっては矢印)がある。前輪と後輪の間の車体下部にあることが多い。マークの奥をのぞき込むと、プレスラインに切り欠きがある箇所があり、ジャッキはこの切り欠きに合わせてセットする。
ソリオのジャッキアップポイントの正確な位置を字で示した公式の資料は、この記事の出典では確かめられていない。スズキの販売店のブログは位置を写真だけで示しており、タイヤ店やカー用品のブログの説明には型式の区別やメーカーの資料での裏付けが無い。位置はマークと切り欠きを目印に探し、最後は自分の車の取扱説明書(タイヤ交換やジャッキの項)で確かめる。冊子が見当たらないときは、スズキの販売店に聞けばよい。
ポイント以外にかけてはいけない理由
同じ解説によると、ジャッキアップポイント以外の場所は車体の重さを支える強度が無く、そこにジャッキを入れると車体やプレスラインが変形することがある。スズキの販売店のブログも、ジャッキポイントではない所で車を上げると車が傷つき、作業中に車が落ちる危険もあるので、正しい位置で作業するよう呼びかけている。同じブログは、上げる前にシフトをパーキングに入れ、安全で平らな所に車を置き、サイドブレーキを引くことも案内している。
タイヤ交換の手順
手順は JAF の解説の流れに沿って、6つに分けて進める。
手順1 平らで安全な所に停める
周りの安全を確かめ、ほかの車の邪魔にならない、平らで安全な所に停める。傾いた場所や砂利の上はジャッキが倒れたり曲がったりして事故につながるので避ける。シフトをパーキング(P)に入れ、サイドブレーキを確実に引く。
手順2 輪止めをかける
替えるタイヤの対角線上にあるタイヤに輪止めをかける。
手順3 ナットを少し緩める
ホイールキャップが付いているものは外し、車を持ち上げる前に、ホイールナットを少しだけ緩めておく。
手順4 ジャッキアップする
ジャッキアップポイントを確かめてジャッキをかけ、タイヤが路面から少し離れるまで持ち上げる。自動車情報サイトの解説では、ジャッキは伸ばしきらずに使う(高く上げるほど不安定になる)。車体の下に体を入れるような作業をするときは、ジャッキスタンドで車を固定してから作業する。
手順5 タイヤを替えて仮締めする
ホイールナットを外してタイヤを替える。ナットを取り付け、タイヤががたつかなくなるまで、2回から3回に分けて仮締めする。
手順6 車を下ろして本締めする
車体を下ろしてジャッキを外してから、仮締めと同じ順番でホイールナットを本締めする。最後は取扱説明書に書かれた規定のトルクで締める。
締め付けトルクと締める順番
トルクの値は取扱説明書で確かめる
ソリオのホイールナットの締め付けトルクは、Web 上の解説記事の間で値がそろっていない。整備の解説サイトとカー用品の解説ブログがそれぞれ違う値をソリオの値として載せていて、どちらもメーカーの取扱説明書などの出典を示していないので、ここでは特定の値を挙げない。
JAF の解説では、ホイールナットはその車の取扱説明書に書かれた規定のトルクで締めるとしている。コンチネンタルの解説も、どの車も同じトルクで締めてよいわけではなく、車種ごとに規定のトルクは違うとしている。ソリオの規定トルクは、自分の車の取扱説明書で確かめる。社外のホイールやナットを使っている場合は、その製品の説明書に締め付け後の確かめ方の指定が無いかも見ておく。
対角線の順で何回かに分けて締める
コンチネンタルの解説では、ホイールナットは決まった順で締め、ナットが4本のホイールでは十字形に対角線の順で締めていく。整備士は、まず規定トルクの半分の値にトルクレンチを合わせて各ナットを締め、その後に規定トルクに合わせ直して正しい値まで締める、とも説明している。1本ずつ一気に締めきらず、全体を少しずつ締めていくのが正しい進め方だ。
交換したあとの増し締め
コンチネンタルの解説では、交換のときの締め付けが適切でなかったり、走り始めの環境の変化などで、走るうちにまれにナットが緩むことがあり、最悪の場合は走行中にホイールが外れることもあるとしている。交換後50〜100kmを目安に走ったら、ナットを点検し、必要であれば締め直す。
別のホイールに替えるときのナットの注意
スズキ公式の純正アクセサリーのページでは、純正のアルミホイール(ブラック・15×5.0J)を付けるとき、「ホイールナットは標準装備品またはホイールナット(4個セット)をご使用ください。」とし、「HYBRID MGはホイールナット(4個セット)が必要となります。」と注記している。グレードによっては、今付いているナットを別のホイールにそのまま使えないことがある。
冬タイヤを別のホイールに組んで履き替えるときは、そのホイールに合うナットかを販売店やタイヤ店で確かめる。社外のホイールやナットではナットの寸法も変わることがあるので、レンチが合うかも一緒に見ておく。
パンクしたときはどうするか
スズキ公式サイトでは、今販売されているソリオ、ソリオ バンディットは全車、スペアタイヤの代わりにタイヤパンク応急修理セットを装備しているとしている。パンクしたときは、タイヤを替えるのではなく、まず修理セットで応急の処置をする流れになる。
修理セットの使い方と使える条件は、自分の車の取扱説明書で確かめる。JAF の解説のとおり、不安が残るときは JAF などのロードサービスに連絡すればよい。応急の処置の後は、早めにタイヤ店や整備工場でタイヤを直す。
よくある質問
ソリオにジャッキは付いている?
2026年10月時点で販売されているソリオ(HYBRID MZ・HYBRID MX・HYBRID MG)とソリオ バンディット(HYBRID MV)は、スズキ公式サイトの注記でジャッキ・ジャッキハンドル・ホイールレンチを装備していないとされている。2020年12月から2024年までの MA27S・MA37S や中古車は、荷室の床下と取扱説明書で確かめる。
締め付けトルクは何N·m?
Web 上の記事の間で値がそろっておらず、メーカーの資料で確かめられた値が無いので、ここでは数値を挙げない。自分の車の取扱説明書の規定トルクで締める。
増し締めはいつする?
交換後50〜100kmを目安に走ったあとに、ナットを点検して必要なら締め直す。
トルクレンチが無いときは?
JAF の解説では、本締めの後できるだけ早くガソリンスタンドや修理工場で規定のトルクで締めてもらうか、不安が残る場合は JAF に連絡するよう案内している。
冬用のホイールに今のナットを使える?
グレードやホイールによって使えないことがある。公式の純正アクセサリーのページでは、ブラックの純正アルミホイールを HYBRID MG に付けるときはホイールナット(4個セット)が必要だとしている。組み合わせは販売店やタイヤ店で確かめる。販売店に点検を頼むついでに相談してもよい。
まとめ
まず車検証で型式と初度登録年月を確認する。そのうえで次の順に進めれば、ソリオのタイヤ交換で迷う所は少ない。
- 今販売されているソリオ・ソリオ バンディットはジャッキもホイールレンチも積んでいないので、工具を販売店で付けてもらうか自分でそろえる(2020年12月から2024年の MA27S・MA37S や中古車は自分の車で有無を確かめる)
- ジャッキはマークと切り欠きを目印にかけ、位置は取扱説明書で確かめる
- ナットは取扱説明書の規定トルクで、決まった順に何回かに分けて締める(ナットが4本のホイールなら十字形に対角線の順)
- 50〜100km 走ったら増し締めする

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