CR-Vハイブリッド RT5のタイヤ交換は、ホンダの取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)の記載では、車に積まれているジャッキを交換するタイヤに最も近いジャッキポイントにかけて上げ、ホイールナットを108N・mで締める、という流れで進める。2020年6月以降の改良モデルは、ジャッキの手順と締め付けトルクが車に付いている取扱説明書で同じ記載かを確かめてほしい。ジャッキポイントの位置は取扱説明書の図で示されているので、図と車体の目印を突き合わせてから作業に入るのが確実だ。スタッドレスへの履き替えを自分でやるなら、トルクレンチと車を支える物を先にそろえておこう。
RT5のタイヤ交換で最初に押さえる4つの値と決まり
まず対象の車を確かめておく。ホンダ公式サイトの生産終了モデルのQ&A(CR-V 2018.08〜2022.12)では、ハイブリッドの型式をRT5・RT6、ガソリンをRW1・RW2としている。中古車情報サイトのカタログ(ガリバー)では、RT5(型式6AA-RT5)はCR-VハイブリッドのFF(前輪駆動)で、2018年11月から販売されたEXとEX・マスターピースがこの型式に当たる。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| ホイールナットの締め付けトルク | 108N・m(11kgf・m) | 取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド) |
| 使うジャッキ | この車に搭載されているジャッキ | 同上 |
| ジャッキをかける所 | 交換するタイヤに最も近いジャッキポイント(位置は図で示されている) | 同上 |
| タイヤサイズ | 235/60R18 103H | 同上・ホンダ公式Q&A |
ホンダの取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)のタイヤのローテーションの項に、ホイールナットの締め付けトルクは108N・m(11kgf・m)と書かれている。ジャッキの項には「この車に搭載されているジャッキをお使いください」とあり、ほかのジャッキは呼荷重(持ち上げられる重さ)が足りなかったり、形が合わなかったりするおそれがあるとしている。表の値もこの2019年版の記載で、2020年6月以降の改良モデルのジャッキの手順と締め付けトルクは、車に付いている取扱説明書で同じ記載かを確かめる。
RT5のタイヤとホイールの仕様
タイヤサイズと指定空気圧
ホンダの取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)の車両仕様一覧では、RT5のタイヤは235/60R18 103H、リムサイズは18X7 1/2Jで、タイヤ仕様は1種類だけ載っている。ホンダ公式サイトの生産終了モデルのQ&A(2021年・2020年6月発表モデルの情報)でも、全タイプが18インチのアルミホイールと235/60R18 103Hだ。
同じ取扱説明書の指定空気圧は、前輪240kPa(2.4kgf/cm²)、後輪220kPa(2.2kgf/cm²)。運転席側の車体に貼られた空気圧のラベルでも確かめられる。前と後で値が違うので、入れ替えたあとに合わせ直すのを忘れないこと。
タイヤの組み合わせにも決まりがある。取扱説明書のタイヤとホイールの交換の項では、4輪とも同一指定サイズ・同一種類・同一銘柄で、摩耗差のないタイヤを使うよう求めている。違うと運転に関わるシステムが正常に働かなくなったり、動力伝達装置に悪影響が出たりするおそれがある。交換は4本同時が勧められ、難しいときは前輪か後輪のどちらか1軸の左右2本をまとめて替える。取り付けるホイールが純正ホイールと同じ仕様かも確かめておく。
ホイールの寸法
ホンダ公式サイトの生産終了モデルのQ&A(CR-V 2018.08〜2022.12・2021年〈2020年6月発表モデル〉の情報・全タイプ)に載っている純正ホイールの値は次のとおり。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| サイズ | 18インチ アルミホイール |
| リム幅 | 7.5J |
| P.C.D. | 114.3mm |
| 穴数 | 5穴 |
| インセット | 45mm |
| ハブ径 | 64mm |
| 重さ | 約12.6kg |
同じQ&Aには、ホイールナットのサイズや形状、締め付けトルクの記載は無い。社外ホイールに替えるときのナット選びは、販売店で確かめてほしい。
車の重さも頭に入れておきたい。中古車情報サイトのカタログ(ガリバー)では、2018年11月〜2019年9月に販売されたRT5の車両重量はEXが1610kg、EX・マスターピースが1650kgで、最低地上高はどちらも190mm。1.6トンを超える車を持ち上げる作業になる。
ジャッキポイントの位置と見分け方
取扱説明書の図で確かめる
ホンダの取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)のジャッキの項では、交換するタイヤに最も近いジャッキポイントの下にジャッキを置き、ジャッキの上部がジャッキポイントに触れるまで回して、ジャッキの溝にジャッキポイントがはまったことを確かめてから上げる。
ジャッキポイントの位置は取扱説明書の図で示されていて、本文の文字では位置を説明していない。そのため、この記事でも位置を文字では書かない。作業の前に取扱説明書の図を開き、実車のどこに当たるかを見比べるのが一番確かな方法だ。
車体の目印の探し方
自動車情報サイトCARPRIMEの解説では、一般的な車の目印として、前輪と後輪の間の車体側面の下部に逆三角形や矢印のマークがあり、その奥のプレスラインにある切り欠きにジャッキを合わせる、としている。ジャッキアップポイントは車の重さがかかっても損傷しないよう補強された場所で、強度のない所にかけると車体やプレスラインが変形するおそれがある。
これは車種を問わない一般論なので、RT5では取扱説明書の図と車体の目印の両方が合っているかを確かめてからジャッキを当てる。
ガレージジャッキを使うとき
今回確かめた取扱説明書のジャッキの項は、車に積まれているジャッキの使い方で、ガレージジャッキ(フロアジャッキ)をかける位置を文字で示した記載は無かった。同じ項は、この車に積まれているジャッキを使うよう求めている。ガレージジャッキを使いたいなら、かける位置を販売店に確かめてからにしよう。
用意するものと車載工具の置き場所
取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)の工具の項とジャッキの手順では、工具は荷室(カーゴスペース)に収められていて、カーゴリッド(荷室の床のふた)を開けてジャッキ・ジャッキハンドルバー・ジャッキハンドルを取り出す。パンクの応急修理キットも、同じくカーゴリッドを開けて取り出す。
そろえておく物は次のとおり。
- 車載のジャッキ・ジャッキハンドルバー・ジャッキハンドル
- 輪留めにする石など
- リジッドラック(ジャッキの代わりに車を支える台)
- ホイールナットを回すレンチ(車載工具にあるかは、取扱説明書の工具の図と荷室の現物で確かめる)
- 締め付けトルクを設定できるトルクレンチ(値は次の手順の節で確かめる)
本締めにはトルクレンチが要る。JAFの解説でも、トルクレンチを車に積んでおくと規定のトルクで締められて便利だとしている。荷物が多いと工具を出すまでに手間取るので、荷室の床下の整理は
も参考にしてほしい。
RT5のタイヤ交換の手順
ここで示すジャッキの手順と締め付けトルクは、ホンダの取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)の記載に沿っている。2020年6月以降の改良モデルは、車に付いている取扱説明書で同じ記載かを確かめてから進める。
停車して準備する
- 硬くて平らで滑らない場所に停める
- シフトをPに入れ、パーキングブレーキをかけ、パワーモードをOFFにする
- 交換するタイヤの対角線上にあるタイヤの前後に、石などで輪留めをする
ここまでは取扱説明書のジャッキの手順どおりだ。
ナットを緩めてからジャッキで上げる
- ホイールキャップがあれば先に外す
- ジャッキで上げる前に、ホイールナットを少しだけ緩めておく
- 交換するタイヤに最も近いジャッキポイントの下にジャッキを置き、上部がジャッキポイントに触れるまで回して、溝にはまったのを確かめる
- ジャッキハンドルとジャッキハンドルバーで、タイヤが地面から離れるまで車体を上げる
- ジャッキだけで支えず、リジッドラックを入れる。用意できないときは、外したタイヤを車体の下に置いておくという方法も紹介されている
取り付けて仮締めする
- ナットを外してタイヤを替える
- 取り付ける前に、ホイールの接触面とネジ部の汚れや異物を取り除く(ホイールの内側に息を吹きかけるなど)
- ナットは手で回して仮締めする。引っ掛かりがあれば、無理に回さず販売店で点検を受ける
- がたつきが無くなるまで、対角線の順に2〜3回に分けて締める
下ろしてから規定トルクで本締めする
- 支えを外し、ジャッキをゆっくり下ろしてから外す
- トルクレンチを108N・mの半分の値に合わせ、各ナットを締める
- 108N・mに設定し直して、もう一度締める
5本のナットは、どちらの段階も星を描く順(対角線の順)で回る。本締めはタイヤが地面に着いてから行うこと。
ジャッキ作業でやってはいけないこと
ホンダの取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)のジャッキの項は、次のことを禁じている。
- パワーシステムを起動したままにする
- 硬く平らな場所以外で使う
- 指定のジャッキポイント以外にかける
- 人や荷物を乗せたまま上げる
- ジャッキを使っている間に車内に入る
- ジャッキの上や下に物を挟む
- ジャッキだけで支えられている車の下に入る(ジャッキが外れると重傷を負うおそれがある)
レンチの扱いも気をつけたい。レンチを足で踏んで回さないこと。走った直後はホイールやブレーキが熱くなっているので、やけどにも注意する。
締めすぎも害になる。強く締めすぎるとネジ山がつぶれたり、ホイールのボルト(スタッド)が伸びたりし、ブレーキローターやハブが歪むおそれもある。ネジ部やホイールとの間にゴミ・砂・サビがあると、締まったように見えても正しいトルクにならない。力任せにせず、規定のトルクで止めるのが正解だ。
交換した後の増し締めと点検
タイヤメーカーのコンチネンタルの解説では、タイヤを替えた後、50〜100kmほど走ったらナットのゆるみを点検し、必要なら規定のトルクで締め直す(増し締め)としている。締め付けトルクが適切でなかったり、走り始めのころの環境の変化があったりすると、まれにナットがゆるむことがあり、ゆるんだまま走ると最悪の場合ホイールが外れるおそれがある。整備工場やタイヤ販売店も、交換後50〜100km走った車に増し締めを行うことが多い。
あわせて次も見ておく。
- 空気圧はタイヤが冷えているときに測る(温まっていると高めに出て正しく測れない)
- 取扱説明書のタイヤの点検の項では、接地面のウェアインジケーター(摩耗限界の表示)はほかの部分より溝が1.6mm浅く、接地面がこの表示と同じ高さまで減ったら交換する
- 接地面や側面に異常な突起や膨らみがある、側面に裂け目やひび割れがある、ときも交換が必要
外したタイヤは、自分の重さで変形しないよう平積みにし、日光や雨の当たらない所に保管する。
スタッドレス・チェーン・ローテーションの決まり
ホンダの取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)の冬期のタイヤの項では、スノータイヤは4輪とも同じ種類・指定サイズのものを4輪すべてに付ける。夏タイヤと同じく、4本そろえるのが前提だ。
タイヤチェーンはHonda純正スチールチェーンを前輪に付け、後輪には付けない。チェーンを付けたら30km/h以下で走る。サイズや付け方が不適切だと、ブレーキライン・サスペンション・ボディー・ホイールを傷めるおそれがある。
ローテーションは、取扱説明書のタイヤのローテーションの項で走行距離5,000kmごととされている(偏った摩耗を防ぐため)。回転方向が決まったタイヤには回転指示マークがあり、マークが車の前進方向を向くように付ける。入れ替えの順は取扱説明書の図で示されている。冬と夏の履き替えのときに図の順で付け替えておけば、作業は1回で済む。
自分でやらずに任せる道
トルクレンチが無いときは、仮締めまで済ませたら早めにガソリンスタンドや整備工場で規定のトルクでの本締めを頼む。整備に自信が無いときはJAFに頼める。
乗りものニュースの記事では、年に2回ほどの履き替えなら、自分で作業するより販売店・整備工場・カー用品店に任せるほうが安全の面でも勧められるとしている。2018年11月〜2019年9月に販売されたRT5でも1610kg以上ある車なので、支えの台が用意できない、平らな場所が無い、という条件がそろわないなら、無理をせず任せる判断で構わない。
よくある質問
パンクしたらジャッキでタイヤを替えるの?
取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)の「パンクしたとき」の項は、応急修理キット(修理剤とエアコンプレッサー)で一時的に補修して販売店まで走る手順になっている。キットが使えないのは、修理剤の有効期限切れ・2本以上のパンク・約4mm以上の切り傷や刺し傷・接地面以外の損傷・ほとんど空気が抜けた状態で走った・タイヤがホイールから外れた・ホイールが壊れた、のときで、その場合は販売店かロードサービスに連絡する。刺さったクギなどは抜かない。この項にスペアタイヤの有無の記載は無い。
ガレージジャッキはどこにかければいい?
確かめた取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)のジャッキの項には、ガレージジャッキをかける位置を文字で示した記載が無かった。位置は販売店に確かめる(詳しくは「ガレージジャッキを使うとき」の節)。
ホイールナットの締め付けトルクは?
ホンダの取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)では108N・m(11kgf・m)。2020年6月以降の改良モデルは、車に付いている取扱説明書で同じ記載かを確かめる。タイヤが地面に着いてから、トルクレンチで締める。
2020年6月以降のモデルも同じ?
この記事で確かめたのは、ホンダのWEB取扱説明書の「CR-V 2019年版(ハイブリッド)」の記載だ。タイヤとホイールの仕様は、ホンダ公式サイトの生産終了モデルのQ&A(2021年・2020年6月発表モデルの情報・全タイプ)でも同じ235/60R18 103Hだった。2020年6月以降の改良モデルのジャッキの手順や締め付けトルクは、車に付いている取扱説明書で同じ記載かを確かめてほしい。
まとめ
作業を始める前に、まず実車でタイヤの側面の235/60R18 103Hの表示と、車体のジャッキポイントの目印を自分の目で確かめよう。そのうえで車検証の型式が6AA-RT5かを見て、取扱説明書の図とジャッキポイントの位置を見比べる。
- ジャッキは車に積まれているものを使い、交換するタイヤに最も近いジャッキポイントにかけて、溝にはまったのを確かめてから上げる(取扱説明書〈CR-V 2019年版・ハイブリッド〉の手順)
- ジャッキだけで支えず、車の下に入らない
- 本締めは下ろしてから、取扱説明書(CR-V 2019年版・ハイブリッド)の108N・mで締める。2020年6月以降の改良モデルは、ジャッキの手順と締め付けトルクが車に付いている取扱説明書で同じ記載かを確かめる
- 50〜100km走ったら増し締めの点検をする
RT5のほかの手入れは、次の記事にまとめている。

コメント