中古で買ったランディに外装の部品を足すとき、見落としやすいのが年式の違いだ。3代目ランディ(SC27 系)は2020年3月の一部仕様変更でフロントとリヤのバンパー、フロントグリル、ヘッドランプの意匠が変わっているので、「SC27」の字だけを見て選ぶと、自分の車と違う年式に合わせた物を選びかねない。部品は型式・年式・グレードの3点と、保安基準に関わる部位かどうかで選び、手を付けるなら元に戻せる内装の物から始めるのがいい。
ランディ SC27 のカスタムパーツは4つの物差しで選ぶ
3代目ランディは、スズキが2016年12月13日に発表し、12月20日に発売した3列シート8人乗りのミニバンだ。スズキの発表は日産自動車からOEM供給を受けるモデルとしていて、スズキの歴代車種の資料も、日産との事業協力の拡大でセレナがOEM供給されることになった車種と説明している。エンジンは全グレード2.0L(MR20型)。
部品を選ぶ物差しは次の4つ。商品の良し悪しを比べる前に、この4つで自分の車に合う物を絞り込む。
| 物差し | 確かめること |
|---|---|
| 型式 | DBA-SC27・DAA-SGC27・DAA-SGNC27 などが商品の適合表にあるか |
| 年式 | 2016年12月〜のうち、2020年3月の意匠変更の前か後か |
| グレードと装備 | 2.0S・2.0X・2.0G、2列目の仕様、2020年3月の一部仕様変更で 2.0G に設定されたアダプティブ LED ヘッドライト |
| 保安基準 | 灯火の色・窓のフィルム・タイヤのはみ出し・マフラーなど、国土交通省が不正改造の例に挙げる部位か |
4つ目は見落とすと車の側の問題になる。国土交通省は不正改造を「自動車又はその部分の改造、装置の取り付け、取り外しその他これらに類似する行為のうち、それによって自動車が保安基準に適合しなくなるもの」と説明している。車種専用の部品でも、付けたことで保安基準に適合しなくなれば不正改造に当たる。
自分のランディの型式・グレード・年式を確かめる
型式とグレードの対応
スズキの歴代車種の資料が3代目ランディの型式として載せているのは DAA-SGC27 と DBA-SC27 で、グレードは 2.0G・2.0X・2.0S。スズキの2016年12月の発表では、スマートシンプルハイブリッド(S-HYBRID)は 2.0X と 2.0G に搭載し、2.0S は非搭載。2.0S は2WDのみで、2.0X と 2.0G には2WDと4WDがある。
中古車カタログの諸元では、グレードと駆動方式ごとの型式は次のように載っている。
| グレード | 駆動方式 | 型式(中古車カタログの諸元) |
|---|---|---|
| 2.0S | 2WD(FF・ガソリンエンジン) | DBA-SC27 |
| 2.0X・2.0G | 2WD | DAA-SGC27(2020年8月〜2022年8月の期間の FF は 5AA-SGC27) |
| 2.0X・2.0G | 4WD(フル4WD) | DAA-SGNC27 |
2020年3月の一部仕様変更(前期と後期)
スズキは2020年2月24日にランディの一部仕様変更を発表し、3月4日に発売した。外観は「フロントバンパー、フロントグリル、リヤバンパー、ヘッドランプの意匠を変更」している。安全装備では、後側方衝突防止支援システム(BSI)と後側方車両検知警報(BSW)、車線逸脱防止支援システム(LI)、後退時車両検知警報(RCTA)を採用した。以下、この変更より前の車を前期、後の車を後期と呼ぶ。
2代目・4代目と取り違えない
スズキの歴代車種の資料では、2代目ランディ(2010年)の型式は DBA-SNC26・DBA-SC26、4代目ランディ(2022年)の型式は 6AA-ZWR90C・6BA-MZRA90C で、2022年からはトヨタのノアがOEM供給されている。3代目(SC27 系)とは型式も供給元も違うので、「ランディ用」とだけ書かれた部品は、どの世代の型式に向けた物かを見て分ける。
確かめる順番
- 車検証で型式と初度登録の年月を確かめる。初度登録の年月は、2020年3月の一部仕様変更の前の車か後の車かの目安になる。
- グレード(2.0S・2.0X・2.0G)と駆動方式(2WD・4WD)、2列目のシートの仕様、ヘッドライトの方式など、部品に関わる装備を確かめる。
最初のカスタムは元に戻せる内装の物から
取り外せば元に戻せて、国土交通省が不正改造の例に挙げる部位(灯火の色・窓ガラスのフィルム・タイヤとホイールのはみ出し・マフラー・前面ガラスへの装飾板など)に当たらない内装の物、たとえばカバー類・マット類・日よけは、最初のカスタムに向いている。合わなければ外して戻せるので、選び間違えても取り返しがつく。ただし国土交通省の一覧は例で、例に無いことは基準に合うことの保証にはならない。
フロアマットとシートカバーは2列目の仕様で選ぶ
スズキの2016年12月の発表では、2列目の690mmの超ロングスライドと3列目のスライド機構は 2.0G・2.0X に標準装備。2列目の左右のシートの間隔は220mmで、2列目から3列目へのウォークスルーができる。座席の仕様がグレードで違うので、フロアマットやシートカバーのように床や座席の形に合わせる物は、自分の車のグレードと2列目の仕様を確かめてから、商品の適合表の書き分けと照らして選ぶ。
スズキの純正アクセサリーの案内では、フロアマットは「フロアにジャストフィットサイズになるように設計」され、「留め具も車種に合わせて位置調整」されていると説明している(スズキの純正用品全般の説明で、ランディ SC27 用の個別の品番や設定は書かれていない)。社外品を比べるときも、車種に合わせた形と留め具の位置が目安になる。
日よけ(サンシェード)
日よけも、外せば元に戻せる内装の物に入る。窓の形に合うかが選ぶ目安になるので、ランディ SC27 向けの選び方は次の記事にまとめた。
WeCar のランディ SC27 専用の内装カバー(2色)
商品説明が言っていること
WeCar の2商品(B0CW23BTYF と B0CW1Z6TZ9)は、商品名の末尾の色名が blackline と redline で違うだけで、商品名のほかの部分と、販売ページの商品説明の箇条書きは同じ字になっている。商品名は「ランディ SC27 スズキ専用 DIY 本革材質 内装カスタムパーツ アクセサリー爪キズ防止 防止防塵 取り付け簡単 車種専用設計」。
販売ページの商品説明(出品者の記載)では、2商品とも車種別に設計した専用仕様で、ウレタンとは異なる手触り、張り替え加工で純正品と見分けがつかない仕上がりをうたい、柔軟なPU生地で柔らかく通気性があり、耐摩耗性が高いと説明している。職人が一つずつ手作りしているともしている。商品名には「DIY」「取り付け簡単」とある。
適合車種は、商品説明の箇条書きが「鈴木ランディ SC27 2016年12月~2022年7月」とし、商品名にも「SC27 2016年12月~2022年7月」とある(出品者の記載)。商品名と箇条書きのどちらにも、SGC27・SGNC27 などハイブリッドや4WDの型式の書き分けや、グレードによる違いの記載は無い。
WeCar ランディ SC27 専用 革調の内装カバー(blackline)
WeCar ランディ SC27 専用 革調の内装カバー(redline)
注文前に確かめること
- 型式: ハイブリッドの SGC27(5AA-SGC27 を含む)や4WDの SGNC27 に乗っている人は、自分の型式が対象に含まれるかを販売元に確かめる。
- 素材: 商品名は「本革材質」と書いているが、販売ページの商品説明の箇条書きは「柔軟なPU生地を使用」「PU革に刺繍」と書いていて、表記が食い違っている。素材が気になる人は購入前に販売元へ確かめる。
- 付ける部位: 商品名は「内装カスタムパーツ」「爪キズ防止」とだけ書き、どの部位に付けるカバーかを書いていない。箇条書きは「純正のシフトレバーの上から簡単に取り付けられます」と書く一方で、「革サイドブレーキカバー」を「車のサイドブレーキに簡単に取り付けることができ」とも書いている。商品の画像と説明で部位を確かめ、分からなければ販売元に問い合わせる。
- 糸の色: 色名が blackline の商品(B0CW23BTYF)も、箇条書きは redline の商品(B0CW1Z6TZ9)と同じく「赤い糸でPU革に刺繍しています」と書いている。商品名の色名と箇条書きが食い違うので、糸の色は注文前に商品の画像で確かめる。
| 商品 | 商品名の末尾の色名 | 箇条書きの刺繍の糸の書き方 |
|---|---|---|
| B0CW23BTYF | blackline | 赤い糸 |
| B0CW1Z6TZ9 | redline | 赤い糸 |
4つのうち、いちばん先に片付けたいのは付ける部位だ。画像で形を見て、自分の車のどこに付く物かが分かってから買えば、届いてから困ることは減る。
外装と灯火は前期・後期と装備で確かめる
フロントバンパー・フロントグリル・リヤバンパー・ヘッドランプに付ける部品や、これらの形に合わせる部品は、前期(2016年12月〜)と後期(2020年3月〜)のどちらに合わせた物かを、商品の適合表の年式の記載で確かめる。前期・後期の両方に対応と書かれていない物は、自分の年式が含まれるかを販売元に確かめる。
装備でも選ぶ物が変わる。スズキの2020年2月の発表では、2020年3月の一部仕様変更で「アダプティブLEDヘッドライトシステム」と「インテリジェント ルームミラー」が 2.0G に設定された。ヘッドライトやルームミラーまわりの部品は、自分の車の年式とグレード、この装備が付いているかを先に確かめる。
灯火を替えるときは色に気をつける。国土交通省の不正改造の具体例では、灯火類の灯光色が指定以外の色だと他の運転者や歩行者に誤解を与えるので「灯光色の変更を禁止しています」としていて、制動灯や方向指示器などには色が定められている。LED の灯火やバルブに替えるときは、元の灯火と同じ色の物を選ぶ。
車検・保安基準の境目:窓のフィルム・タイヤ・マフラー・車高
国土交通省の案内では、保安基準に適合しなくなるような改造(不正改造行為)は誰も行ってはならず、違反には刑罰(拘禁刑または罰金)が科せられる。改造で保安基準に適合しない状態の車の使用者には整備命令が出されることがあり、従わない場合は車両の使用停止命令や罰金の対象になる。外装や足回りに手を入れるなら次の4つの部位の決まりを先に知っておき、灯火・窓のフィルム・タイヤとホイール・マフラー・車高のように保安基準に関わる部位で、基準に合うかを自分で判断しきれないときは、取り付けの前に販売店や整備工場に相談する。
窓ガラスのフィルム
国土交通省の不正改造の具体例では、前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラスについて「可視光線の透過率70%未満の着色フィルム等の貼り付けを禁止しています」としている。フィルムを貼るなら、前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラスか、それ以外の窓かで分けて考える。
タイヤ・ホイール
同じ具体例では、タイヤ・ホイールについて「車体より回転部分が突出することを禁止しています」としている。中古車カタログの諸元では、3代目ランディ(DBA-SC27・DAA-SGC27・DAA-SGNC27・5AA-SGC27 の各ページ)の純正のタイヤサイズは、前後とも 195/65R15 91S として載っている。ホイールやタイヤのサイズを変えるときは、はみ出さないかを取り付ける店で確かめてから決める。
マフラー
国土交通省は、交換用マフラーの騒音防止性能などを登録された機関が確かめ、確かめたマフラーに「性能等確認済表示」を表示する制度を設けている。乗車定員11人以上の自動車などは対象外だが、8人乗りのランディはこの乗車定員の条件では対象外に当たらない。国土交通省の2016年4月の発表では、加速走行騒音を有効に防止するものか不明な消音器を備えた自動車などは保安基準不適合の扱いになる。消音器の切断や取り外しも、不正改造の具体例で騒音公害の原因として挙がっている。交換用マフラーを選ぶなら、性能等確認済表示がある物かを最初に確かめる。
車高を下げるとき
中古車カタログの諸元では、2016〜2022年の2WD(FF)の DBA-SC27・DAA-SGC27 の最低地上高は160mm、全高は1865mm、2016〜2018年の4WD の DAA-SGNC27 の最低地上高は140mm、全高は1875mm として載っている。
くるまのニュースの解説では、ローダウンをする場合も保安基準の地上高(同記事は9cm以上と説明)に従う必要があるとし、ストロークが狭まるのでスプリングを硬くする必要があること、純正の部品のままだとショックアブソーバの底付きやタイヤハウス内での干渉のおそれがあること、段差や駐車で外装やマフラーを傷めやすくなること、足回りの部品の寿命を縮めることもあることを挙げている。下げ幅は純正の数値からの引き算で決めず、足回りの部品と一緒に販売店や整備工場で相談して決める。
セレナ用として売られる部品はランディの記載で確かめる
ランディは日産からOEM供給を受けるモデルだが、セレナ用として売られる部品がランディに合うかは、部品ごとに違う。セレナ用と書かれた部品は、商品の適合表にランディと型式(SC27・SGC27・SGNC27 など)、年式の記載があるかを確かめ、記載が無ければ販売元に問い合わせる。
適合表や商品説明では、車名・型式・年式の範囲に加えて、取り付けできない装備や条件の記載も読み、自分の車と照らす。記載が足りない物は購入前に販売元へ問い合わせる。セレナの名前しか書かれていない物を、OEM だから同じだろうという見込みで買うのは避けたい。
よくある質問
セレナ用の部品はランディに付く?
部品ごとに違うので、まとめて付くとは言えない。商品の適合表にランディと型式(SC27・SGC27・SGNC27 など)、年式の記載があるかで確かめ、記載が無ければ販売元に問い合わせる。
前期と後期で部品は違う?
2020年3月の一部仕様変更で意匠が変わったフロントバンパー・フロントグリル・リヤバンパー・ヘッドランプに付ける部品や、その形に合わせる部品は、前期(2016年12月〜)と後期(2020年3月〜)のどちらに合わせた物かを適合表の年式で確かめる。確かめ方は「外装と灯火は前期・後期と装備で確かめる」の節に書いた。
4代目ランディ用の部品は使える?
4代目(2022年〜、6AA-ZWR90C・6BA-MZRA90C)はトヨタのノアがOEM供給されているモデルで、3代目(SC27 系)とは型式も供給元も違う。使えるかを見込みで決めず、部品の適合は型式で分けて確かめる。
車検に通らなくなるカスタムは?
保安基準に適合しなくなる改造は不正改造に当たる。国土交通省が例に挙げるのは、灯火の色の変更、前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラスへの透過率70%未満の着色フィルムの貼り付け、タイヤ・ホイールの車体からのはみ出し、消音器の切断や取り外しなどだ。一覧は例なので、例に無い改造も基準に合うとは限らない。
まとめ
まず車検証で型式と初度登録年月を確認する。そのうえで、型式(DBA-SC27・DAA-SGC27・DAA-SGNC27 など)が商品の適合表にあるか、前期か後期か、グレードと装備(2.0S・2.0X・2.0G、2列目の仕様、2020年3月の一部仕様変更で 2.0G に設定されたアダプティブ LED ヘッドライト)、保安基準に関わる部位かの4つで選ぶ。最初の1つは、元に戻せる内装の物から始めるのがいい。
同じ車の部品選びでは、エアコンフィルターを純正品番から選ぶ記事もある。
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