2025年6月にスバルが発表した新型ステラの2WD車(型式 LA850F)は、ジャッキをかける位置を自分の車の取扱説明書の図で確かめるのが基本だ。スバル公式サイトでも、新型の取扱説明書が発売時期ごとに公開されている。もう1つ先に知っておきたいのは、新型ステラの価格にタイヤパンク修理キットが含まれていることだ。ジャッキやレンチが積まれている前提で段取りを組まず、道具の有無を確かめるところから始めよう。
ステラ LA850F のジャッキポイントと、交換の前に知っておくこと
先に要点だけまとめる。
- ジャッキの位置は、取扱説明書に載っているジャッキアップポイントの図で確かめる。それ以外の部分にはかけない
- 店の作業例として、ステラと同じ型式系(LA850S)のムーヴキャンバスでは、タイヤ取付店が前はメンバー部分、後ろはけん引フックでジャッキアップしている。記録に年式とジャッキの種類の記載は無く、メーカーが指定した位置かどうか、ステラ LA850F でも同じ位置かは確かめられていない。車載用のジャッキの位置としては扱わない
- スバル公式サイトでは、ステラの価格はタイヤパンク修理キットを含む価格と注記されている。ジャッキ・レンチ・輪止めが積まれているかを先に見る
対象は新型ステラの2WD車(LA850F)
スバルの新型ステラの発表資料では、ステラはダイハツ工業からのOEM供給車で、2025年6月12日に発表された。グレードは L・G・Z・ZS の4つで、どのグレードにも2WDと4WDがある。ガリバーの新車カタログの掲載(L と Z)では、型式 5BA-LA850F が駆動方式 FF(2WD)、5BA-LA860F が4WDだ。ここで扱うのは2WDの LA850F になる。
ベース車のムーヴ・ムーヴキャンバスとの関係
ベストカーの記事によると、ステラはダイハツ工業から「ムーヴ」のOEM供給を受けて売られている軽自動車だ。carview! の新車カタログの掲載では、ベース車のムーヴ(G・2025年6月発売)の型式は 5BA-LA850S で、全長3395mm・全幅1475mm・全高1655mm・ホイールベース2460mm・最低地上高150mm。ガリバーの新車カタログの掲載では、ステラ LA850F の寸法も同じ値で、ムーヴキャンバスも型式は 5BA-LA850S、寸法は同じだ(車両重量はムーヴキャンバスが870kg、ステラが860kgと掲載が違う)。近い車ではあるが、車名も型式も違う別の車として扱う。
改良モデル・4WD車・先代の扱い
2026年8月6日には改良モデルが発表された。スバルの改良モデルの発表資料では改良の中心は運転支援機能「スマートアシスト」の性能向上で、タイヤ・ホイール・パンク修理キット・ジャッキの変更についての記載は無い(変わっていない、とも書かれていない)。取扱説明書も発売時期ごとに分かれているので、自分の車に合うものを見る(ジャッキポイントの節で触れる)。
4WD車(LA860F)のジャッキの位置は、ここでは確かめていない。先代のステラ(LA150F)とは型式が違うので、先代のジャッキの位置や手順の情報をそのまま LA850F に当てはめず、自分の車の取扱説明書で確かめる。
グレード別のタイヤとホイール
スバルの発表資料の主要諸元に載るタイヤサイズは、155/65R14と165/55R15の2種類だ。
14インチ車(L・G・Z)
スバル公式サイトのグレード別装備では、L と G は14インチのホイールにフルホイールキャップ、Z は14インチアルミホイールだ。ガリバーの新車カタログは、LA850F の L と Z のタイヤを前後とも155/65R14と掲載している。L と G は、作業の最初にホイールキャップを外すことになる。
15インチ車(ZS)
ZS はスバル公式の装備で、15インチアルミホイール(切削)と165/55R15タイヤの組み合わせだ。ZS のホイールの幅やインセットは確かめていない。
ホイールのPCDとナット
車種データサイトの Cars Japan の掲載では、ステラ LA850F(Z・2WD)の純正ホイールは14インチ×4.5J・インセット+45mm、PCD100・4穴・ハブ径54mm。海外のタイヤ・ホイール情報サイト Tire Wheel Guide のムーヴ(2025年式)の掲載では、ベース車のムーヴ(LA850S/LA860S)は全グレード4×100で、ナット・ボルトのねじ規格は M12×1.5 だ。どれもデータサイトの掲載値で、スバルの公式諸元で確かめた値ではない。
ステラ LA850F 自体のナットのねじ規格と、ナットの二面幅(合うレンチやソケットの大きさ)は、スバルやダイハツの公式資料では確かめていない。Cars Japan の LA850F の掲載もねじ径・ピッチの欄は空で、Tire Wheel Guide にも二面幅の記載は無い。レンチやナットを買う前に、今付いているナットで確かめる。
交換に使う道具を先に確かめる(パンク修理キットが標準)
パンク修理キットが標準
スバル公式サイトのステラのグレード・装備ページには「価格はタイヤパンク修理キットを含む価格です」という注記がある。同じページに、応急用タイヤ(スペアタイヤ)・ジャッキ・車載工具の記載は無い。パンクしたらスペアタイヤに替えればいい、という前提で考えないほうがいい。
ジャッキやレンチが積まれているかを見る
別メーカーの例として、トヨタのヤリスの取扱説明書では、パンク応急修理キットが標準装着のため、輪止め・ホイールナットレンチ・ジャッキ・ジャッキハンドルは搭載されておらず、販売店で買えるとしている。ステラにジャッキやレンチが積まれているかは確かめていない。季節のタイヤの履き替えをする前に、荷室などに何が積まれているかを自分の車で見て、足りない物を用意しておく。
そろえておきたいのは次の4つだ。
- ジャッキ(買い足すときの見方は次の節)
- ホイールナットレンチ(合う大きさは今付いているナットで確かめる)
- 輪止め
- トルクレンチ
JAF は、締め付けトルクを指定できるトルクレンチを万が一に備えて積んでおくと便利だとしている。規定トルクの値は車種ごとに違い、タイヤメーカーのコンチネンタルによると、オーナーズマニュアル(取扱説明書)などに載っている。
ステラ LA850F のジャッキポイントの確かめ方
取扱説明書の図で確かめる
ジャッキは取扱説明書に載っているジャッキアップポイントにかける。乗りものニュースの解説によると、それ以外の部分にかけると、車体の重さで車を壊してしまう可能性がある。JAF の手順でも、ジャッキアップポイントを確認してからジャッキをかける。
スバル公式サイトの取扱説明書の一覧では、ステラの取扱説明書とクイックユーザーガイドが「2025年6月発売」と「2026年8月発売」の分に分かれて公開されている。同じページには、年式によって使い方が違う場合があるので手元の車に積まれている取扱説明書と付属資料を優先するよう注意書きがある。なお、取扱説明書の本文(ジャッキの位置・締付トルク・車載工具)までは確かめていない。図の位置を自分の目で見てからジャッキをかける。
同じ LA850S 系のムーヴキャンバスの店の作業例
タイヤ取付店(タイヤ取付どっとこむ 埼玉狭山店)のムーヴキャンバスの作業記録(2024年3月)では、フロントはメンバー部分、リアはけん引フックでジャッキアップしたと書かれている。ムーヴキャンバスは、ステラと同じ型式系(ダイハツ LA850S)の車だ。
ただし記録に年式と使ったジャッキの種類の記載は無く、位置は写真で示されていて、字の説明は前と後ろの1文ずつだけだ。店の作業の例で、メーカーが指定した位置かどうか、ステラ LA850F でも同じ位置かは確かめられていない。車載用のジャッキをかける位置としては扱わない。
ジャッキを買い足すときに見ること
ジャッキの説明書で、次の3つを確かめる。
- 使える車の重さが足りるか。スバルの発表資料の主要諸元では、2WD車の車両重量は860kgまたは890kg(表の列の対応が崩れていて、どのグレードがどちらかは読み取れない)
- 一番低くしたとき、ジャッキの先が車体の下に入るか。スバル公式サイトの諸元のページでは、ステラの最低地上高は150mm(4WD車は165mm)
- タイヤが路面から少し離れる高さまで上げられるか
別メーカーの例だが、トヨタのヤリスの取扱説明書は、他の車のジャッキを使わないよう書いている。使えるかどうかは、ジャッキと車の両方の説明書で確かめる。
作業の前の準備
ジャッキをかける前に、次の3つを済ませる。
- 周囲の安全を確かめ、ほかの車の邪魔にならない平らで固い場所に止める(JAF)
- 駐車ブレーキを確実にかけ、変速機をPレンジに入れる(乗りものニュース)
- 交換するタイヤの対角線上にあるタイヤに輪止めをかけ、ジャッキアップ中に車が動かないようにする(JAF・乗りものニュース)
ステラ LA850F のタイヤ交換の手順
ナットを少し緩めてからジャッキアップ
ホイールキャップが付いているときは先に外す。ステラでは L と G がこれに当たる。続いて、ジャッキアップする前に、レンチでホイールナットを少しだけ緩めておく(JAF・乗りものニュース)。
ジャッキアップポイントを確かめてジャッキをかけ、タイヤが路面から少し離れるまで持ち上げる(JAF)。持ち上げたら、交換用のタイヤを車体の下に置いておく(乗りものニュース)。
タイヤを替えて仮締め
ホイールナットを外してタイヤを交換し、外したタイヤも車体の下に置く。ナットをはめる前に、ホイール側に異物を噛み込ませないようにする。コンチネンタルによると、ナットのネジ部や座面にゴミ・砂・サビがあると正しく締まらないことがある。
ナットを付けたら、タイヤががたつかなくなるまで2回から3回に分けて仮締めする(JAF)。締める順は路面に近い側から始めて対角の位置へ進め(乗りものニュース)、4本のナットは十字の対角線の順にする(コンチネンタル)。
車を下ろしてから本締め
車体を下ろしてジャッキを外してから、仮締めと同じ順で本締めする。締める力は取扱説明書の規定トルクに合わせる(JAF)。JAF によると、無理に締め付けるとボルトが破損する場合がある。
締付トルクと増し締め
車種データサイトの Cars Japan の掲載では、ステラ LA850F(Z・2WD)のホイールの締付トルクは103N·m だ。スバルやダイハツの公式値・取扱説明書の値として確かめた数値ではないので、作業のときは取扱説明書の指定値を確かめ、トルクレンチで締める。JAF も、取扱説明書に載っている規定のトルクで締めるよう案内している。
タイヤメーカーのコンチネンタルの解説によると、締めすぎるとネジ山がつぶれたりホイールスタッドが伸びたりするおそれがあり、緩んだままだと走行中にホイールが外れる危険がある。どの車も同じトルクで締めてよいわけではない。
同じくコンチネンタルの解説では、交換後50〜100kmを目安に走ってからナットを点検し、必要に応じて規定トルクで締め直す。
ジャッキアップでやってはいけないこと
ジャッキの扱いを誤ると、車が落下して重大な傷害におよぶおそれがある。別メーカーの例だが、トヨタのヤリスの取扱説明書は次のように書いている。
- ジャッキで支えられている車の下に体を入れない
- ジャッキで支えた状態でエンジンをかけたり、車を走らせたりしない
- 車内に人を乗せたまま持ち上げない
- タイヤ交換できる高さ以上に上げない
- 他の車のジャッキを使わない
- 車の下にもぐって作業するときはジャッキスタンドを使う
乗りものニュースの解説によると、ジャッキだけで車を支えていると、ジャッキが外れて車が落ちた場合に挟まれる危険があるので、リジッドラックを使うのが望ましい。無いときは交換用のタイヤを車体の下に置く。手順の節でタイヤを車体の下に置いたのはこのためだ。ジャッキだけで支えた車の下には体を入れない。取扱説明書のジャッキアップポイント以外にかけないことも、前の節のとおり守る。
よくある質問
ムーヴやムーヴキャンバスのジャッキの情報は使える?
同じ系統の車の例として参考にはなる。ステラはムーヴのOEM供給車で、ムーヴ(2025年6月発売)・ムーヴキャンバスとも型式は LA850S、掲載寸法も同じだ。ただし車名と型式(LA850F と LA850S)が違い、ムーヴキャンバスは別の車種なので、ジャッキの位置や締付トルクはステラの取扱説明書の図と値で確かめる。
締付トルクはいくつ?
Cars Japan の掲載では、ステラ LA850F(Z・2WD)は103N·m。公式値・取扱説明書の値として確かめた数値ではないので、取扱説明書の指定値で締める。
スペアタイヤは積まれている?
スバル公式サイトのグレード・装備ページは、価格にタイヤパンク修理キットを含むと注記していて、応急用タイヤ(スペアタイヤ)の記載は無い。積まれているかどうかは、自分の車の荷室などで確かめる。
増し締めはいつする?
コンチネンタルの解説では、交換後50〜100kmを目安に走ってからナットを点検し、必要に応じて規定トルクで締め直す。
4WD(LA860F)も同じ位置?
確かめていない。4WD車の型式は LA860F(ガリバーの新車カタログ)で、スバル公式の諸元のページの注記では最低地上高が165mm・全高が1670mm と2WD車と違う。ここで扱ったのは2WDの LA850F で、店の作業記録も2WDの型式 LA850S のムーヴキャンバスのものだ。4WD車は自分の車の取扱説明書で確かめる。
まとめ
作業の前に、まず車検証で型式と初度登録年月を確かめる。LA850F(2WD)か LA860F(4WD)かを見たうえで、車に積まれている取扱説明書を開く。
- ジャッキの位置は取扱説明書の図で確かめる。同じ型式系のムーヴキャンバスの店の作業例は、メーカーが指定した位置かどうか、ステラ LA850F でも同じ位置かは確かめられていないので参考にとどめる
- 価格にタイヤパンク修理キットを含む車なので、ジャッキ・レンチ・輪止めが積まれているかを先に見る
- ジャッキだけで支えた車の下に体を入れない
- 取扱説明書の値でトルクレンチを使って締め、50〜100km走ったら増し締めする
タイヤやホイールの交換を足がかりに、ほかのパーツも考えているなら次の記事も参考にしてほしい。

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