車載ジャッキを車体の下に差し込み、先端の溝がジャッキポイントに合わないまま上げてしまう。自分でタイヤを交換するときに起きやすい失敗で、ポイントそのものが曲がることがある。ステラ LA150F では、車体の縁にある一般的な目印を手がかりにジャッキポイントを探し、正確な位置は自分の車の発売時期に合う取扱説明書の図で確かめるのが確実だ。そのうえでナットは対角線の順に締め、本締めはトルクレンチで規定トルクにする。
ジャッキポイントは縁の目印と取扱説明書の図で確かめる
ブリヂストンの解説では、ジャッキアップポイントは車体の縁(ふち)の部分にあり、その場所には凹みや三角の印が付いている。これは一般的な目印で、分からない場合は取扱説明書で必ず確かめるよう求めている。
LA150F の正確な位置は、自分の車の発売時期に合う取扱説明書の図で確かめる。スバル公式サイトの取扱説明書のページでは、ステラの取扱説明書が発売時期ごとに分けて PDF で掲載されているので、車内の冊子が見当たらなくても探せる。
この記事で LA150F のジャッキポイントの具体的な位置(前輪から何cm、といった場所)を言い切らないのは、一次の出典で確かめられていないからだ。締め付けトルクの値も同じ理由で書かない。推測でジャッキをかけるより、図を1回見るほうが早くて確かだ。
この記事が対象にするステラ
対象は、2014年12月12日に発売された世代のスバル ステラだ。スバルの発表によると、ステラはダイハツ工業からのOEM供給車で、発売時のグレードは次のとおり。
- ステラ: L・L スマートアシスト・G・G スマートアシスト・GS・GS スマートアシスト
- ステラ カスタム: R・R スマートアシスト・RS・RS スマートアシスト
エンジンは660cc の直列3気筒 DOHC(GS・RS 系はターボ)、変速機は CVT で、全グレードに2WDとAWDの設定がある。
中古車カタログの掲載では、型式 DBA-LA150F として載っているステラ(L・カスタムRS)は、駆動方式が FF(2WD)と書かれている。この記事に出てくる車両の数値は、型式 LA150F として掲載されている車(カタログでは FF)のものだ。AWD 車や別の型式の車に乗っているなら、まず車検証の型式を確かめ、その車の取扱説明書の値を使ってほしい。
自分の車の取扱説明書を見つける
発売時期ごとに並ぶ版
スバル公式サイトの取扱説明書のページでは、ステラの取扱説明書が発売時期ごとに分けて掲載されている。2014年12月以降の発売分として並んでいるのは次の版で、それぞれにクイックユーザーガイドもある。
- 2014年12月発売
- 2015年5月発売
- 2016年6月発売(2016年12月以降発行分が別にある)
- 2017年8月発売
- 2020年8月発売
- 2021年9月発売(2022年7月以降発行分が別にある)
このページには型式(LA150F など)の表記が無い。2025年6月発売など、より新しい発売時期の版も同じページに並ぶので、車検証で自分の車の年式を確かめ、それに合う発売時期の版を選ぶ。車内に保管している冊子があれば、まずそれを見るのが早い。
取扱説明書で確かめる3つのこと
タイヤ交換の前に、次の3つを取扱説明書で見ておく。
- ジャッキポイントの位置の図
- ホイールナットの締め付けトルクの規定値
- 車載工具とスペアタイヤ(またはパンク修理キット)の場所と取り出し方
タイヤメーカーの解説も、ジャッキアップポイントが分からないときや、スペアタイヤと工具の位置は取扱説明書で確かめるよう求めている。作業を始めてから探すと手が止まるので、先に見ておく。
作業の前に道具と場所を整える
用意する道具は次のとおり。
- ジャッキ
- ホイールレンチ(L型または十字)
- トルクレンチ
- 輪止め
- 軍手
場所は、できるだけ平坦で、舗装された地面やコンクリートの上などの安定したところを選ぶ。砂利や土の上は避け、安全な場所を確保できないときは無理をせず専門店に頼む。
走行中にパンクしたときは、減速して安全で周囲の邪魔にならない場所に止め、ハザードランプや三角表示板で周りに知らせる。安全で平坦な場所での作業が難しければ、JAF などのロードサービスを使う。
車を止めたら、シフトを P に入れてエンジンを切り、サイドブレーキを確実にかける。そのうえで、交換するタイヤと対角線上にあるタイヤに輪止めをかける(右前を交換するなら左後ろ)。ジャッキアップした後に車が動いてジャッキが外れる事故を防ぐためだ。
スペアタイヤかパンク修理キットかを先に見る
ブリヂストンの解説では、新車では燃費向上のためにスペアタイヤを積まず、代わりにパンク応急修理キットを採用する例が増えている。キットはタイヤが大きく破損した場合やバーストには対応できないので、どちらが積まれているかで取れる手が変わる。
LA150F にスペアタイヤとキットのどちらが積まれているか、その場所がどこかは、確かめた出典では分かっていない。取扱説明書で、搭載の有無と取り出し方を確かめておく。
応急用タイヤ(テンパータイヤ)は標準タイヤより細く、接地面も小さいため、走行速度や走行距離に制限がある。応急用なので、交換した後はできるだけ早く標準タイヤに戻し、パンクしたタイヤは速やかに修理する(修理できなければ交換する)。
ジャッキを正しくかける
ジャッキアップポイントの一般的な目印は、車体の縁にある凹みや三角の印で、分からない場合は取扱説明書で必ず確かめる。かけるときは次の順で進める。
- ジャッキの先端の溝をジャッキアップポイントに合わせて固定する。ジャッキは補強された部分に正しくセットする
- タイヤが路面から少し浮くまで上げる。高く上げすぎると車体が不安定になり危険
- 外したタイヤとホイールは車体の下に入れておく。ジャッキが外れたときに車体が落ちるのを防げる
溝が合っていないと、ジャッキアップポイント自体が曲がってしまうことがある。ジャッキが外れれば、車体の損傷や作業する人のけがにつながるおそれもある。中古車カタログの掲載では、DBA-LA150F の車両重量は L(2014年12月〜2015年5月)が820kg、カスタムRS(2015年5月〜2016年6月)が850kgで、最低地上高はどちらも150mm。軽自動車でも、車体の下にタイヤを入れておく手間は省かないほうがよい。
フロアジャッキ(ガレージジャッキ)で前や後ろをまとめて上げる位置は、LA150F の位置として確かめられたものが見つかっていない。フロアジャッキを使う場合も、取扱説明書の図に従ってかける。
タイヤ交換の手順
JAF の解説では、交換の大きな流れは「輪止め → ナットを少しだけ緩める → タイヤがわずかに浮くまでジャッキアップ → ナットを外してタイヤを付け替える → 2〜3回に分けて仮締め → 車体を下ろしてジャッキを外し、本締め」の順だ。ここではタイヤメーカーの解説も合わせて、手順ごとの注意を足す。
ナットはジャッキアップの前に少しだけ緩める
ホイールキャップがあれば外し(スチールホイールはキャップを外してから作業する)、ホイールレンチでナットを反時計回りに少しだけ緩める。ここでは外さない。タイヤが地面に着いているうちは空転しないので緩めやすく、固いときはレンチの先端側を持つと緩みやすい。
ナットを外してタイヤを付け替える
ジャッキでタイヤを少し浮かせたら、ナットをすべて外す。一番上のナットを最後に外すと、タイヤが手前に倒れてくるのを防げる。タイヤは重いので、手で支えながら地面に下ろす。
取り付けるタイヤは、ボルトの位置に穴を合わせ、傾かないように奥まで差し込む。ホイールとナットの座面の形が合っているか、ナットの内側にごみが無いかを確かめてから、一番上のナットから時計回りに手で仮止めする。
付ける前に、タイヤの側面の表示も見ておく。矢印と「ROTATION」の表示があれば回転方向の指定、「OUTSIDE」「INSIDE」の表示があれば外側・内側の指定がある。指定と違う向きで付けると、性能や安全に影響する。
仮締めと本締めは対角線の順で
仮締めは、ガタがなくなるまで2〜3回に分けて、対角線の順で均等に締める。片側だけ強く締めると、タイヤが曲がって付いてしまう。
仮締めを終えたらジャッキを下ろし、タイヤが地面に着いて力がかからなくなってからジャッキを外す。本締めも2〜3回に分けて、対角線の順で行う。輪止めを外すのは本締めが済んでからだ。
本締めはトルクレンチで規定トルク
本締めは、必ずトルクレンチを使い、自動車メーカーが定める規定のトルクで締める。手の感覚だけで締めると締め付け不足や締めすぎになり、走行中の脱輪につながるおそれがある。JAF の解説では、締めすぎるとボルトが破損するおそれがあるため、取扱説明書に書かれた規定トルクで締めるよう求めている。トルクレンチが手元に無いときは、早めにガソリンスタンドや整備工場で本締めをしてもらうか、JAF に連絡する。
交換した後に確かめること
ブリヂストンの解説では、交換した後に次のことを確かめる。
- 車両指定の空気圧になっているか(保管していたタイヤや新品は、空気が抜けていたり足りなかったりすることがある)
- 試運転で、急加速や急なコーナリングを避けながら、振動や異音が無いか
- 取り付けてから約100km 走ったら、トルクレンチでナットが緩んでいないか点検する(増し締め)
スタッドレスタイヤなど、保管していたタイヤに履き替えるときは、付ける前に状態も見ておく。溝の残りが1.6mm でスリップサインが出たタイヤは、法律上使えない。亀裂、偏った減り、長く保管したことによるゴムの劣化もあわせて確かめる。
LA150F の純正タイヤ・ホイールの掲載値
グレード・年式ごとの掲載値
純正のタイヤサイズは、グレードと年式で違う。中古車カタログと、車の諸元を集めたサイトの掲載では、次のとおりだ。
| 掲載の車(型式・駆動・年式) | タイヤ・ホイール | 掲載元 |
|---|---|---|
| ステラ L(DBA-LA150F・FF・2014年12月〜2015年5月) | タイヤ 155/65R14(前後)・アルミホイール | 中古車カタログ |
| ステラ カスタムRS(DBA-LA150F・FF・2015年5月〜2016年6月) | タイヤ 165/55R15(前後) | 中古車カタログ |
| ステラ L(DBA-LA150F・2WD・CVT・2019年1月〜2019年9月) | タイヤ 155/65R14(前後)・ホイール 14インチ×4.5・インセット+45mm・PCD100mm・4穴・ハブ径54mm | 車の諸元を集めたサイト |
同じ中古車カタログのカスタムRS の掲載は、タイヤサイズの欄が165/55R15 なのに、アルミホイールの欄は「14インチ標準」と書かれていて食い違っている。カスタムRS のホイールの大きさはこの掲載だけで言い切れないので、今付いているタイヤ側面のサイズ表示で確かめる。ほかのグレード・年式も、タイヤを買う前に側面のサイズ表示と取扱説明書で自分の車の値を見ておく。
ホイールナットの規格とトルク
LA150F のホイールナットの規格(ねじの太さ・ピッチ・二面幅)と締め付けトルクの規定値は、今回確かめた諸元の掲載には書かれていない。レンチのソケットや社外のナットを買う前、本締めの値を決める前に、取扱説明書かスバルの販売店で確かめる。
ホイールの PCD やインセットを詳しく知りたいときは、次の記事を見てほしい。
よくある質問
ホイールナットの締め付けトルクは何N・m?
LA150F の規定値は今回確かめた諸元の掲載には書かれていないため、ここでは数値を書かない。取扱説明書の規定値を見るか、スバルの販売店で確かめる。トルクレンチが無いときは、ガソリンスタンドや整備工場で本締めをしてもらう。
ジャッキポイント以外にかけるとどうなる?
ジャッキは補強された部分に正しくセットするのが前提だ。先端の溝がずれるだけでもジャッキアップポイント自体が曲がることがあり、ジャッキが外れれば車体の損傷やけがにつながる。位置に迷ったら、取扱説明書の図に戻る。
スペアタイヤは積んである?
LA150F にスペアタイヤとパンク修理キットのどちらが積まれているかは、確かめた出典では分かっていない。キットは大きな破損やバーストに対応できないので、出かける前に取扱説明書で搭載の有無と場所を見ておく。
増し締めはいつする?
取り付けてから約100km 走った後に、トルクレンチでナットが緩んでいないかを点検する。
まとめ
作業の前と後に、次の点を確かめておく。
- 車検証の型式が LA150F か(AWD 車・別の型式なら、その車の取扱説明書の値を使う)
- 年式に合う発売時期の取扱説明書で、ジャッキポイントの図・締め付けトルク・車載工具の場所を見たか
- ジャッキの先端の溝を、ジャッキアップポイント(一般的な目印は車体の縁の凹みや三角の印。分からなければ取扱説明書の図)に合わせたか
- ナットは対角線の順で2〜3回に分けて締め、本締めはトルクレンチで規定トルクにしたか
- 空気圧を確かめ、約100km 走った後に増し締めをしたか
同じステラ LA150F の記事も参考にしてほしい。

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