ヴォクシーのワイパーは、80系と90系でフロントが運転席700mm・助手席350mmと共通だ。ところがリアだけは80系が400mm、90系が350mmで別物になる。フロントの数字が揃っているぶん、後ろも同じだと見込んで買うと長さが合わない。まずは車検証の型式で世代を確定させ、下の一覧で自分の行を見つけてほしい。
60系から90系までのワイパーサイズ一覧
| 世代 | 年式 | 型式 | 運転席 | 助手席 | リア |
|---|---|---|---|---|---|
| 90系 | 2022年1月〜 | ZWR90W / ZWR92W / ZWR95W / MZRA90W / MZRA92W / MZRA95W | 700mm | 350mm | 350mm |
| 80系 | 2014年1月〜2021年12月 | ZRR80G / ZRR85G / ZRR80W / ZRR85W / ZWR80G / ZWR80W | 700mm | 350mm | 400mm |
| 70系 | 2007年6月〜2013年12月 | ZRR70G / ZRR75G / ZRR70W / ZRR75W | 650mm | 400mm | 400mm |
| 60系 | 2001年11月〜2007年5月 | AZR60G / AZR65G | 650mm | 350mm | 400mm |
この一覧はワイパーメーカー2社(NWBとPIAA)の車種別適用データを突き合わせたもので、60系から90系までの運転席・助手席・リアのすべてで両社の長さが一致している。どちらの適用データも新車時に装着されている純正品に準じて調査したものと明記されているので、純正相当のサイズとして扱ってよい。
他の車種の長さも見比べたいなら
がある。
車検証の型式で自分の世代を確定する
年式の記憶があいまいでも、車検証の型式欄を見れば世代は決まる。AZR60G・AZR65Gなら60系、ZRR70G・ZRR75G・ZRR70W・ZRR75Wなら70系、ZRR80G・ZRR85G・ZRR80W・ZRR85W・ZWR80G・ZWR80Wなら80系、ZWR90W・ZWR92W・ZWR95W・MZRA90W・MZRA92W・MZRA95Wなら90系だ。
先頭がZWRならハイブリッド、ZRRやMZRAならガソリン車を表す。中古で買った車ほど年式の思い違いが起きやすいので、一覧の行は年式ではなく型式で選ぶ。
90系(2022年1月〜)の適合と品番
フロントは運転席700mm・助手席350mm
NWBの車種別適用データではデザインワイパーD70(700mm)とD35(350mm)、PIAAの車種別適用データではスリムヴォーグ系のWSVS70A(呼番70A・700mm)とWSVS35A(呼番35A・350mm)、スーパーグラファイトWG70とWG35が割り当てられている。NWBの適用検索は90系について、新車装着がデザイン型のワイパーであり交換もデザインワイパーを勧める旨を表示する。純正の見た目と拭き方に寄せたいなら同じデザイン型を選べばいい。
取付部はワイパーアーム側がU字フックのUクリップタイプ。市販ブレードはこのU字フックにクリップをスライドさせ、カチッと音がするまで差し込んで固定する。
80系・90系ヴォクシー対応 エアロワイパー 700mm+350mm 左右2本セット
同じ90系のノアで選ぶ場合は
を見てほしい。
リアは350mmの樹脂製専用品
リアはNWBがGRA35(350mm・樹脂製リア専用のRAタイプ)、PIAAがWSU35RL・WG35RL(呼番3RL・350mm)を割り当てている。フロントとは取付部の構造が違う専用品なので、フロント用ブレードを回すことはできない。
替えゴムで済ませるなら、NWBのグラファイト替えゴムがDW70GN・DW35GNとGR43-TN35G、強力撥水コート替えゴムがDW70HA・DW35HA、撥水コート替えゴムがDW70HB・DW35HBという構成になる。
ヴォクシー90系 ワイパー替えゴム フロント2本+リア1本セット
80系(2014年〜2021年)はリアが400mm
フロントは90系と同じ700mm+350mmで、NWBのD70+D35、PIAAのWSVS70A+WSVS35AやWG70+WG35がそのまま当たる。ハイブリッドのZWR80G・ZWR80Wとガソリンの80系で、フロントの適合サイズは分かれない。
違うのはリアだ。NWBはGRB40(400mm・樹脂製リア専用のRBタイプ)、PIAAはWSU40RS・WGW40RS・WG40RS(呼番5RS・400mm)を割り当てる。2022年1月のフルモデルチェンジでリアが400mmから350mmへ短くなったので、80系と90系の間でリアの行き来はできない。替えゴムのリア品番も80系はGR45-TN40Gで、90系のGR43-TN35Gとは別になる。
INEX リアワイパーブレード 400mm 80系ヴォクシー用
70系・60系は運転席が650mm
70系(ZRR70G・ZRR75G・ZRR70W・ZRR75W)は運転席650mm・助手席400mm・リア400mm。NWBがD65+D40とリア用GRB40、PIAAがWSVS65B(呼番65B)+WSVS40A(呼番40A)とWSU40RS・WG40RS(呼番5RS)を割り当てている。
60系(AZR60G・AZR65G)は運転席650mm・助手席350mm・リア400mm。NWBがD65+D35とGRB40、PIAAがWG65+WG35とWG40RS。運転席は70系と同じ650mmでも、助手席は70系の400mmに対して60系は350mmなので、この2世代の間でも流用はできない。
60系のリアにはもうひとつ注記がある。PIAAの適用表は通常WSU40RS(呼番5RS)を割り当てつつ、寒冷地仕様車にはWSU40(呼番5)が適用すると書いている。長さはどちらも400mmだが品番が変わるので、60系は表の注記まで読む。
純正700mmなのに適合が650mmや340mmになる理由
純正より短い長さが正規の適合になる
NWBの適用検索は90系・80系の運転席側について、グラファイトワイパー・スタンダードデザイン・視界スッキリ・視界良好の各ラインに注7を付け、G65やSD65といった650mm品を割り当てている。注7の内容は、純正ワイパーより寸法が短い適合になっているというもの。ソフト99のガラコワイパー適合データも90系・80系の運転席用にパワー撥水ブレードPB-14を指定していて、公式ショップの製品仕様ではPB-14は幅広型8mm・長さ650mmだ。同シリーズに700mm設定がある上で650mmが選ばれている。
これは誤りではなく、メーカーが実車で払拭を確認した上での設定だ。適合表に載っている長さが、その製品での正解になる。純正が700mmだからと製品ラインを問わず700mmを買う選び方が、いちばん外しやすい。
雪用でも同じことが起きる。NWBは、雪用ワイパーは構造の違いから雨用と同等の拭きが得られない場合があるため実車で拭き確認を行っており、雨用より短い適用になる場合があると説明している。実際に80系のグラファイトデザイン雪用は運転席側が650mm品(D65W)だ。
車種専用セットで助手席が340mmになる例
BOSCHの車種専用セット「エアロツイン J-フィット」のエスクァイア/ヴォクシー/ノア(80系/90系)用は、AJ70とAJ34の組み合わせ。製品の仕様表記ではAJ70が700mm、AJ34が340mmで、どちらもUフックタイプだ。助手席側が純正の350mmではなく340mmになっている。BOSCHが車種専用セットとして設定した組み合わせであり、10mmの差はメーカー側の適合設定によるもの。
BOSCH エアロツイン J-フィット ヴォクシー80系・90系用セット AJ70+AJ34
PIAAの適用表に併記される呼番は、PIAAの説明では製品の種類に関わらずゴムの長さや断面形状などの組み合わせに割り当てた番号。製品ラインが違っても呼番が同じならゴムの長さと断面形状は同じなので、表を横断して見るときの手がかりになる。
買う前に確かめたい落とし穴
撥水コートは装備によって適合外になる
NWBの適用検索の注記には、撥水コートワイパーは運転支援システムのセンサーがフロントガラス内側にある車両には適合できない(注5)、運転支援システム搭載車はセンサー(カメラ、レーダー)部分の払拭が不十分なため適合できない(注9)とある。ヴォクシーは世代によってフロントガラス内側にカメラを備える装備があるので、撥水コート系を選ぶ前に、自分の車がこの注記に当たらないかをメーカーの適用検索で確認する。
助手席側だけの交換は避ける
同じくNWBの注記(注6)に、助手席側のワイパーを交換する場合は運転席側も交換すること、助手席側のみ交換した場合は運転席側のワイパーと干渉する恐れがある、と書かれている。フロントは左右セットで替える前提で予算を組んでおくといい。
替えゴムは純正ワイパーが付いている前提
NWBは、替えゴムの適合品番は純正ワイパーに準じたもので、過去にワイパーを交換している場合は購入したワイパー品番を確かめて対応替えゴムを選ぶよう案内している。よくある質問でも、適用表の品番は新車時に装着されているワイパーに適用する品番であり、本体ごと市販品に交換していれば別品番になると説明している。中古で買ったヴォクシーは前オーナーが社外ブレードに替えている可能性があるので、替えゴムを買う前に現物の本体品番を見る。
もうひとつ、NWBのDWタイプの替えゴムには金属レールが付属しない。使用中のワイパーの金属レールを再利用する商品で、NWBは金属レールを絶対に捨てないよう案内している。90系・80系でグラファイト替えゴムを選ぶとDW70GN・DW35GNというDWタイプになるから、古いゴムを抜くときに金属レールを一緒に捨てない。MBタイプ・MWタイプも同じだ。
別売ホルダーが要る品番がある
PIAAの超強力シリコートワイパーWSU70と、輸入車対応超強力シリコートIWS70を90系・80系の運転席側に使う場合、適用表には別売の取付ホルダーSH-9が併記される。取り付けに必要な別売品なのでワイパーと一緒に買うように、という案内だ。ブレード単体だけ買うと取り付けられない。
なお、PIAAの適用ページには、この適用データは新車時装着の純正品に準じてPIAA製品で適用調査を行ったもので他社製品には利用できない、と明記されている。長さの目安としては読めるが、最終的には自分が買うメーカーの適用表で当たり直す。
実車のワイパーを測って確かめる
ソフト99の適合データには、カーメーカーの仕様変更などで適合表の表示内容と実際のサイズ・形状が異なる場合があるので、標準装備のワイパーであっても購入前に実車装着ワイパーの長さと断面形状を確認するように、という注記がある。適合表は出発点で、最後は現物合わせというのがメーカー自身の立場だ。
やり方は難しくない。ワイパーアームをフロントガラスから立て、ブレードを外して端から端までの長さをメジャーで測る。あわせてゴムの断面形状と、アーム側の取付部の形(フロントはU字フック)を見る。外したブレードの品番が読めるなら控えておくと、替えゴムを選ぶときにそのまま使える。前オーナーの手が入っている可能性がある車ほど、この一手間が効く。
ブレードごとか、替えゴムだけか
分かれ目は、今付いているブレードが純正かどうかを自分で確認できるかどうかだ。確認できないならブレードごと替えるほうが手堅い。取付部を含めて新品になるので、サイズと取付形状さえ合えば交換履歴の分からない車でも選べる。替えゴムは費用を抑えられるが、適合品番が純正ワイパー前提であることと、DWタイプのように金属レールを再利用する商品があることが条件として付く。
同じ700mm+350mmの組み合わせでも、汎用の3段式エアロ左右セットが¥1,680、BOSCHの車種専用セットが¥3,324(いずれもAmazon実売価格・確認時点。価格は変動する)。
強力撥水コート系は、装着しただけでは効果が出ない。NWBは、ワイパーを作動させることでシリコンオイルがガラス面に付着して撥水被膜を形成するので、交換時にガラス面の汚れやホコリを落とし、ガラス面が乾いた状態でワイパーを5分以上作動させるよう説明している。気温が低いときはデフロスターでガラスを温めてから乾拭き作動させる。
交換後のビビリや拭きスジも製品不良とは限らない。NWBによれば、ゴムに含まれる劣化防止剤が先端部にしみ出て固まり、ビビリやスジの原因になる場合がある。濡れたタオルなどで軽くなぞるように拭き取る。強く拭くとグラファイト加工を傷めるので力は入れない。
製品ごとの比較は
にまとめている。
よくある質問
80系のリアワイパーを90系に流用できますか
流用できない。リアは60系・70系・80系がいずれも400mm、90系だけが350mmだ。フロントが80系と90系で共通なぶん後ろも同じだと考えやすいが、リアは世代ごとに選び直す。
運転席と助手席は同時に交換しないといけませんか
片側だけの交換は避ける。助手席側のみ替えると運転席側と干渉する恐れがあるとNWBが注記しているためで、費用を抑えたいなら左右セット売りの製品を選ぶほうが早い。
撥水タイプはヴォクシーに使えますか
装備次第だ。運転支援システムのセンサーがフロントガラス内側にある車両には適合できないとNWBが注記しているので、自分の車の装備を見た上でメーカーの適用検索で当たる。
替えゴムだけ買っても大丈夫ですか
ブレード本体が純正のままなら問題ない。過去に本体ごと市販品へ替えていると適用表の品番とは別になるので、現物の品番を先に確認する。
雪用ワイパーは雨用と同じ長さですか
同じとは限らない。NWBは実車の拭き確認をもとに、雨用より短い長さを雪用の適用にする場合があると説明している。90系のリアは適用検索でデジタルインナーミラー装着車の但し書きが付き、装備によって扱いが変わるので、雪用のリアは適用検索で当たり直してほしい。
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まとめ
90系は運転席700mm・助手席350mm・リア350mm、80系は700mm・350mm・リア400mm、70系は650mm・400mm・リア400mm、60系は650mm・350mm・リア400mm。フロントが同じ80系と90系でも、リアだけは400mmと350mmで分かれる。
やることは3つだ。まず車検証で型式と初度登録年月を確認して世代を決める。次に、製品ラインごとに適合長が変わる前提でメーカーの適用表を読む。最後にフロントガラス内側のセンサー装備と、これまでの交換履歴を確かめる。この順で見ていけば、棚の前で長さを迷わずに済む。
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