冬を前にスタッドレスへ履き替えるときや、出先でパンクしたとき、スペーシアのタイヤを自分で替えようとして最初に手が止まるのがジャッキをかける位置だ。かける場所は取扱説明書が指定するジャッキアップポイントで、位置は世代や駆動方式によって違う場合があるから、まず自分の車の取扱説明書で確かめる。位置を押さえたら、あとはナットを緩める順、車体の支え方、締め方と増し締めを手順どおりにたどればよい。
スペーシアのジャッキポイントは取扱説明書の指定位置を使う
取扱説明書が指定する位置にかける
ジャッキは、車体を持ち上げられるように作られた専用の箇所(ジャッキアップポイント)にかける。それ以外の場所にかけると車体を壊すおそれがあるので、取扱説明書で指定された部位にジャッキをセットするのが基本だ。
タイヤ専門店がスペーシアで使う前後の例
タイヤ取付の専門店(タイヤ取付どっとこむ 埼玉狭山店)のブログでは、スペーシアを前後それぞれ1か所ずつ上げる方法として、フロントは「フロントメンバー中央」、リアは「牽引フック」にかける例を紹介している。同店はほかにも方法があるとしており、このブログには型式・駆動方式・使ったジャッキの種類の記載が無い。同店自身も、車種や年式、サスペンションの種類、駆動方式などによってジャッキアップの方法は異なる場合があるとして、内容は参考程度にとどめ、正確な情報は自動車メーカーのディーラーに確かめるよう勧めている。この例は、取扱説明書の指定と照らし合わせるための参考にとどめたい。
世代・駆動方式で位置が違う場合がある
スペーシアのジャッキアップポイントは、世代(MK32S/MK42S・MK53S・MK54S/MK94S)や駆動方式によって違う場合がある。自分の車の取扱説明書のタイヤ交換の項で位置を確かめてから作業し、記載を読んでも分からないときは販売店に確かめる。
自分のスペーシアがどの世代かを型式で見分ける
スペーシアの世代は、型式で見分けられる。
| 世代 | 型式 | カタログに載る時期 |
|---|---|---|
| 初代 | MK32S・MK42S | 2013年3月〜2017年12月 |
| 2代目 | MK53S | 2017年12月〜2023年11月 |
| 3代目 | MK54S・MK94S | 2023年11月〜 |
初代のカタログ(中古車のガリバー)には、MK32SのT(2013年9月〜2014年4月)やMK42SのT(2015年8月〜2016年12月)などのグレードが載っている。2代目は型式がMK53Sで統一されていて、カタログではスペーシアカスタム ハイブリッドXSターボ(DAA-MK53S)が2017年12月から、スペーシア ハイブリッドG(5AA-MK53S)が2023年11月までの販売期間で載っている。
3代目へは2023年11月にフルモデルチェンジした。COBBYの表では、スペーシアカスタム HYBRID XSターボが4AA-MK54S、スペーシア HYBRID X・HYBRID Gとスペーシアカスタム HYBRID GS・HYBRID XSが5AA-MK94Sだ。
世代別の純正タイヤサイズとホイール規格
初代 MK32S/MK42S
カタログ(中古車のガリバー)で確かめたMK32SのT(4WD)とMK42SのT(FF)は、どちらも前後155/65R14 75S。初代のほかのグレード(スペーシアカスタムのターボ車など)の純正タイヤサイズと、初代のホイール規格は確かめていないので、取扱説明書か販売店で確かめてほしい。
2代目 MK53S
COBBYによると、2代目の純正タイヤは14インチが155/65R14、15インチが165/55R15で、純正ホイールのリム幅はどちらも4.5J。カタログでは、スペーシア ハイブリッドG(5AA-MK53S・FF)が前後155/65R14 75S、スペーシアカスタム ハイブリッドXSターボ(DAA-MK53Sと4AA-MK53S、どちらも4WD)が前後165/55R15 75Vだ。
3代目 MK54S/MK94S
COBBYのグレード別の表では、スペーシア HYBRID X・HYBRID Gとスペーシアカスタム HYBRID GSが155/65R14、スペーシアカスタム HYBRID XSとHYBRID XSターボが165/55R15。カタログでも、スペーシア ハイブリッドX(5AA-MK94S・4WD)は前後155/65R14だ。
COBBYによると、3代目の純正ホイールナットはネジM12×P1.25・二面幅19mm・テーパー座。二面幅を確かめたのは3代目だけで、初代・2代目の純正ナットの二面幅は確かめていない。
2代目と3代目で共通のホイール規格
カー用品の解説サイト COBBY によると、2代目 MK53Sと3代目 MK54S/MK94Sのホイール規格は共通だ。
| 項目 | 2代目 MK53S・3代目 MK54S/MK94S |
|---|---|
| 穴数 | 4穴 |
| PCD | 100mm |
| ハブ径 | 54φ |
| ナットのネジ | M12×P1.25 |
| 純正インセット | 45mm |
ホイールの規格の詳しい見方は次の記事にまとめている。
スペーシアギアのサイズは、この記事の表とは別に早見表を用意している。
作業の前に場所・輪止め・道具をそろえる
作業は、地面が固く平らで安全な場所で行う。パーキングブレーキを確実にかけ、シフトをパーキング(MT車は1速かバック)に入れて停める。そのうえで、ジャッキアップ中に車が動かないよう、外すタイヤの対角線上にあるタイヤに輪止めをかける。
道具は、ジャッキとホイールナットレンチに加えて、リジッドラックとトルクレンチを用意する。JAFの案内ではトルクレンチがあると便利なので車に積んでおくことを勧めており、タイヤメーカーのコンチネンタルタイヤも、ナットを正しく締めたり緩めたりするにはトルクレンチという専用の工具が必要としている。
ジャッキとホイールナットレンチが自分のスペーシアに積まれているかは、作業の前に確かめる。くるまのニュースの解説では、近年はスペアタイヤの代わりにパンク修理キットを積む車が増えており、スペアタイヤを省く理由の一つに、レンチやジャッキなどの車載工具の削減が挙げられている。車種を限らない一般の解説でスペーシアの装備には触れていないので、自分の車で確かめ、無ければ用意する。
ナットを緩めてからジャッキアップする
- ホイールキャップが付いている場合は外し、ジャッキで持ち上げる前に、ホイールナットをレンチで少しだけ緩めておく。
- ジャッキアップポイントを確かめてジャッキをかけ、タイヤが路面から少し離れるまで持ち上げる。
- 作業できる高さまで上げたら、リジッドラックで車体を支える。
- ナットを外してタイヤを外し、外したタイヤは車体の下側に置いておく。
乗りものニュースの解説では、ジャッキだけで支えると、外れたときに挟まれる危険があるとしている。ラックが無いときは、交換用のタイヤやホイールを車体の下に置く。
走行直後はホイールやブレーキの周りが高温になっていて、やけどのおそれがある。ナットを回すときも、レンチを足で踏んで使わない。
タイヤを付けてナットを締める
取り付ける前に汚れと異物を確かめる
取り付けるときは、そのホイール専用のナットを使い、ホイールとナットの接触面とネジ部の汚れを拭き取る。ナットをはめる前に、異物をかみ込ませないよう確かめる。ナットやボルトにつぶれ・亀裂・錆があれば、販売店で点検を受ける。
手で仮締めし、対角線の順に締める
ナットはまず手で仮締めし、そのとき引っ掛かりがあれば販売店で点検を受ける。仮締めは2〜3回に分け、タイヤががたつかなくなるまで対角線の順序で締める。乗りものニュースの解説は、地面に近い位置のナットから対角線の順に締めるとしている。
地面に下ろしてから規定トルクで本締めする
ジャッキを少しずつ下げて車体を地面に戻し、ジャッキ・ラック・輪止めを外してから、取扱説明書に記載の規定トルクでナットを本締めする。スペーシアのホイールナットの規定トルクは、自分の車の取扱説明書で確かめる。規定トルクは車種ごとに異なり、ほかの車と同じ値で締めてよいわけではない。タイヤ取付の専門店も、車種や年式、サスペンションの種類、駆動方式などによって締め付けトルクは異なる場合があるとしている。
締める流れは、コンチネンタルタイヤが示すように、まず規定トルクの半分の設定で各ナットを締め、その後に規定トルクで締め上げる。
交換の後の増し締めと、締めすぎ・緩みの注意
コンチネンタルタイヤによると、タイヤ交換の後は50〜100kmほど走ったらナットを点検し、必要なら締め直す。走るうちにまれにナットが緩むことがあり、緩んだままだと最悪の場合は走行中にホイールが外れることもある。
締めすぎも避けたい。JAFの案内では、力任せに締めるとボルトが破損するおそれがある。タイヤ取付の専門店のブログでも、ホイールのナットは感覚ではなくトルクレンチで適正なトルクに締める必要があり、締めすぎや緩みはボルト・ナットやハブボルトの損傷や脱輪につながるおそれがあるとしている。トルクレンチが無いときは、早めにガソリンスタンドや修理工場で、規定トルクでの本締めを頼む。
交換の後に普段と違う音などの異常を感じたら、すぐに販売店に相談する。音の種類から原因の見当をつけたいときは次の記事を使ってほしい。
パンク修理キットで直せるパンク・直せないパンク
修理キットで対応できるか、タイヤ交換が要るかは、パンクの状態で分かれる。くるまのニュースの解説では、パンク修理キットで直せるのは、タイヤの接地面に釘やネジなどが刺さった程度の軽いパンク(4mm程度のキズ)までだ。次の場合はキットが使えない。
- タイヤが割けたようなパンク
- ホイールが壊れた場合
- 2か所以上のキズ
- 2本以上のタイヤ
これらに当たるときは、ここまでの手順でのタイヤ交換が要る。
よくある質問
スペーシアのジャッキアップポイントはどこ?
自分の車の取扱説明書のタイヤ交換の項で指定された位置にかける。世代(MK32S/MK42S・MK53S・MK54S/MK94S)や駆動方式によって違う場合があるので、分からないときは販売店に確かめる。タイヤ専門店がスペーシアで使う前後の例は、型式・駆動方式・ジャッキの種類の記載が無い参考例として冒頭の節に書いた。
ホイールナットの規定トルクは?
自分のスペーシアの取扱説明書で確かめる。取扱説明書の値をまだ確かめられていないので、ここでは数値を挙げない。
増し締めはいつする?
コンチネンタルタイヤの案内では、交換の後50〜100kmほど走ったところで点検し、必要なら締め直す。
2代目と3代目でホイールの規格は同じ?
COBBYによると、2代目 MK53Sと3代目 MK54S/MK94Sは、4穴・PCD100mm・ハブ径54φ・ナットのネジM12×P1.25・純正インセット45mmで共通だ。初代 MK32S/MK42Sのホイール規格は確かめていない。
パンク修理キットで直せないのはどんなとき?
くるまのニュースの解説では、タイヤが割けたようなパンク、ホイールが壊れた場合、2か所以上のキズ、2本以上のタイヤには使えない。
まとめ
作業の前に、まず車検証で型式と初度登録年月を確認し、自分のスペーシアが初代 MK32S/MK42S・2代目 MK53S・3代目 MK54S/MK94Sのどれかを確かめる。そのうえで押さえることは4つだ。
- ジャッキは取扱説明書が指定するジャッキアップポイントにかける
- 上げたらリジッドラックで支え、ジャッキだけで支えない
- 手で仮締め→対角線の順→地面に下ろして取扱説明書の規定トルクで本締め
- 50〜100km走ったら増し締めする
スタッドレスへの履き替えを考えているなら、セットで選べる記事も参考にしてほしい。

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