夏場に屋根のない駐車場へ数時間置いたプレオプラスは、乗り込んだ瞬間にハンドルもダッシュボードも触れないほど熱くなっている。サンシェードはこの熱さに効くものの、効き方には偏りがあり、どこまで覆うかで商品も総額も変わってくる。対象は2012年12月から2017年5月まで売られた初代、型式で言えば LA300F と LA310F だ。
覆う範囲で分かれる4つの選択肢
先に前提を1つ。サンシェードは車内の空気を冷やす道具ではなく、日射が直接当たる面を守る道具だ。ダッシュボードやハンドルが焼けるのを防ぐ効果は大きいが、車内の空気の温度はさほど下がらない。根拠になる数値は後の節で示す。
そのうえで、覆う範囲は目的で決まる。日中の駐車でダッシュボードやハンドルの熱さ、内装の日焼けを抑えたいだけなら前面ガラスまわりで足りる。後席に人を乗せて横からの日差しを避けたい、駐車中に車内を見られたくない、車中泊で外からの視線を切りたいとなると、後部座席ドアガラスとリアガラスまで必要になる。
この車の型式で売られている商品は、次の4つの守備範囲に分かれている。
| 覆う範囲 | 枚数 | 価格(確認時点) | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| フロントガラスのみ(傘型) | 1枚 | 2,599円 | 通勤・買い物の駐車で毎日着脱する人 |
| フロント+前席ドア | 3枚 | 13,500円 | 前席まわりを隙間なく覆いたい人 |
| 後席ドア+リア | 3枚 | 13,500円 | 後席の日差しと視線を切りたい人 |
| 全窓セット | 6枚 | 9,800円 | 車中泊も視野に入れる人 |
価格はいずれもAmazon実売価格の確認時点の値で、購入前に販売ページで見直してほしい。枚数と価格が釣り合っていないように見えるのは商品シリーズが違うためで、この点は総額の節で詳しく扱う。
LA300F と LA310F、そして世代の境目
商品の適合表記は型式で書かれている。自分の車がどれなのかを先に押さえておく。
型式は駆動方式で分かれる
スバル公式のカタログに載っている諸元では、FF車が DBA-LA300F、フルタイム4WD車が DBA-LA310F と記載されている。頭に付く DBA- は排出ガス規制の識別記号で年式によって変わりうるため、適合を照らし合わせるときは LA300F / LA310F の部分を見る。用品側も「LA300F/LA310F系」「LA300F/310F型」のように2つを並べて書いており、この2つは同じ世代として同じ商品が案内されている。
同じカタログの諸元では、全長3,395mm・全幅1,475mm・ホイールベース2,455mm・乗車定員4名。全長と全幅は軽自動車の規格いっぱいの数値で、この世代を通して変わっていない。
2017年5月に世代が切り替わっている
初代は2012年12月10日に発表、同年12月21日に発売された。スバルの発表資料には「プレオ プラスは、ダイハツ工業よりOEM供給を受ける商品です。」と明記されており、発売時のグレードは E・F・L・G・FA・LA・GA の7種類だった。
2代目の発売を伝えるスバルの発表資料では、2017年5月9日に世代が変わり、先代からの変更点としてステレオカメラを使うスマートアシストIIIの採用、フロント2個リヤ2個のコーナーセンサー、最大80kgの車両軽量化が挙げられている。この世代の運転支援は2013年8月の改良で設定されたもので、当時の発表資料では短距離レーザーレーダーを使う方式と説明されている。前まわりの装置構成が変わっているので、車名が同じでも世代をまたいだ流用は前提にできない。商品を選ぶときは車名だけでなく、販売元の適合表記に LA300F または LA310F が入っているかを確かめる。
サンシェードで実際に何がどれだけ変わるか
JAF が公開している真夏の車内温度のテストでは、外気温35度・晴天の屋外駐車場にミニバンを正午から4時間置いて温度を測っている。結果は次のとおり。
| 測定箇所 | 対策なし(黒) | 対策なし(白) | サンシェード装着 |
|---|---|---|---|
| 車内最高温度 | 57℃ | 52℃ | 50℃ |
| ダッシュボード最高温度 | 79℃ | 74℃ | 52℃ |
読み取れることははっきりしている。ダッシュボードは79℃から52℃へ27℃下がる一方、車内の空気は57℃と50℃で7℃の差にとどまる。JAF 自身もこの結果について、サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、車内温度の上昇を防ぐことはできなかったと結論づけている。
だからサンシェードは、乗り込んだ瞬間にハンドルが握れない、ダッシュボードの樹脂が色あせる、置いたものが高温になる、といった困りごとに効く道具として考えるのが正しい。付けたから車内が涼しい、という期待は持たないほうがいい。なおこのテストの車はミニバンで軽自動車ではないため、プレオプラスで同じ数値が出るとは限らない。
買う前に決めておく5つの軸
覆う範囲と毎日の手間
範囲は前の節のとおり目的で決まるが、そこに着脱の手間が絡む。通勤で毎日使うなら枚数の少ないものが続きやすく、週末や車中泊が中心なら枚数の多いセットでも負担になりにくい。毎日6枚を出し入れするつもりがあるかを、買う前に自分に確かめておきたい。
専用設計か汎用品か
汎用品はサイズを自分で選ぶため、実車の採寸が要る。専用設計をうたう商品でも表記の読み方に注意が必要で、これは後の節で扱う。
固定方式
この車の型式で売られている商品では、販売元の商品説明によると趣味職人の2シリーズがいずれも簡易吸盤で、使わないときは折りたたんで収納できるとされている。FXXKOE の傘型は、サンシェード上部の開口部にルームミラーを通し、ミラーの根元にある面ファスナーで固定する方式だ。同じ傘型でも中棒があるものと中棒無しのものがあり、中棒無しの商品について販売元は、取り付け時にダッシュボードと内装へ傷をつけないと説明している。
畳んだときの大きさ
軽自動車は置き場所が限られるので、ドアポケットやグローブボックスに入るかどうかが効いてくる。6枚組を積みっぱなしにするなら、荷室のどこに置くかまで決めておく。
グレードで違う前席ドアガラスの仕様
2014年7月の改良を伝えるスバルの発表資料では、「スマートアシストα」が設定された。これはスマートアシストとスーパーUVカット&IRカットガラス(フロントドア)、花粉除去機能付エアクリーンフィルターを組み合わせた装備で、搭載車は97万5,600円からとされている。
つまり同じ LA300F でも、前席ドアガラスの素の条件は全車同じではない。ただしこのガラスの遮蔽性能を示す数値は公表されておらず、どの程度違うかは書けない。装備の有無は型式では判別できずグレードで分かれるため、確かめたい場合は車検証のグレード表記や納車時の書類を見る。サイド用を足すか迷ったときの判断材料の1つ程度に扱い、装備の有無で必要・不要が決まるとは考えないほうがいい。
この型式で買える4つの商品
全窓6枚をまとめる:趣味職人 シームレスライト
適合車種は「プレオプラスLA300F/LA310F系」。フロントガラス1枚、サイドドアガラス2枚、後部座席ドアガラス2枚、リアガラス1枚の合計6枚が入る。販売元の商品説明によると固定は簡易吸盤で、生地は特殊生地で光りをカットするもの、シボ加工の採用により耐久力があり収納時のシワが目立ちにくいとされている。確認時点の価格は9,800円で、6枚そろえる買い方としてはこれが最も安い。
趣味職人 シームレスライト サンシェード プレオプラス LA300F/310F系 対応(全窓6枚セット)
前まわりだけ:趣味職人 プライバシーサンシェード フロントセット
同じく適合車種は「プレオプラスLA300F/LA310F系」で、フロントガラス1枚とサイドドアガラス2枚の3枚組。販売元は「※本製品は【フロントセット】です。フルセットではありません。」と明記している。説明では特殊生地で光りを遮断し、外からの視線を遮ること、簡易吸盤で脱着が簡単なこと、各車種に合わせた専用設計により隙間なくフィットすることが挙げられている。確認時点の価格は13,500円。
趣味職人 プライバシーサンシェード プレオプラス LA300F/310F系 フロントセット(3枚)
後ろ側だけ:趣味職人 プライバシーサンシェード リアセット
後部座席ドアガラス2枚とリアガラス1枚の3枚組で、こちらも「※本製品は【リアセット】です。フルセットではありません。」と但し書きがある。生地・固定方式・専用設計についての説明はフロントセットと同じ文言だ。確認時点の価格は13,500円。前席側はすでに何かを使っていて、後席の日差しだけを足したい人向けの買い方になる。
趣味職人 プライバシーサンシェード プレオプラス LA300F/310F系 リアセット(3枚)
前面ガラス1枚:FXXKOE 傘型
販売元の記載では、スバル プレオプラス LA300F/310F型 2012年-2017 に適合する傘式のサンシェード。素材は6層構造のナノポリマー断熱材で表面にチタンシルバーコーティングを施したものとされ、紫外線を99%カットするとうたわれている。360度回転・調整可能なシャフトを備え、ダッシュボードの高さに合わせて角度を変えられる、カーナビへの干渉を避けられる、という説明もある。使用後は一般的な傘のように折りたたんで付属の収納ケースに入れる形で、ドアポケットやグローブボックスにも収まる。確認時点の価格は2,599円。
なお紫外線99%カット、光りをカット、隙間なくフィットといった表現はいずれも販売元が自社で示している主張であって、第三者機関の実測ではない。車内温度が何度下がるかの保証としては読まないでほしい。
FXXKOE 傘型サンシェード スバル プレオプラス LA300F/310F型 フロント用 360度回転シャフト
6枚そろえる総額はシリーズで逆転する
同じ趣味職人でも、シリーズが違うと枚数と価格の関係がひっくり返る。シームレスライトは全窓6枚で9,800円。一方プライバシーサンシェードはフロントセット3枚が13,500円、リアセット3枚が13,500円なので、両方買って同じ6枚をそろえると27,000円になる。枚数の多いほうが安いという並びなので、どちらのシリーズを選ぶかは価格ではなく仕様で決めることになる。
ただし販売元の説明から読み取れる差は、シームレスライトがシボ加工の採用をうたい、プライバシーサンシェードが専用設計と日本の職人による製作をうたっている、という表現上のところまでだ。遮光性能や生地の厚みを数値で比べられる情報は公開されていないため、どちらの生地が上かは判断できない。前面ガラス用だけ先に買って後から後ろ側を足す買い方をするなら、同じシリーズが後で手に入るとは限らない点も頭に入れておきたい。
「車種専用設計」をそのまま信じない
タイトルに車種名と型式が入っていても、専用設計とは限らない。
前述の FXXKOE の傘型は、タイトルと説明の冒頭で車種専用設計と書きながら、同じ説明文の中に「サンシェード 車は様々な車種にフィットするよう設計されています」という汎用品向けの文言を併記している。フロントガラスを1枚で覆う傘型は構造上サイズの許容幅が広く、この価格帯の傘型は車種名を差し替えて出品されていることも珍しくない。買ってはいけないという話ではなく、専用設計であることの裏付けとしては読めない、という受け取り方をする。届いたときに多少の余りや隙間が出る前提で選ぶといい。
もっとはっきりした例もある。趣味職人のワイヤーサンシェード単品は、タイトルに「プレオプラス LA300F/310F系 対応」と入っているが、適合の欄で販売元自身が「本商品は汎用品です。“表題に記載している車種”に対する専用品ではありません。」と断っている。同じ検索結果の中に、専用設計をうたうセット物と、汎用品と明記された単品と、両方の文言が混在した傘型が並んでいる。商品名だけで判断せず、必ず適合の説明文まで読む。ちなみにこのワイヤー式の単品は、確認時点で取り寄せ扱いだった。
汎用品や傘型を選ぶなら3か所を測る
1つ目は前面ガラスの横幅と縦の長さ。上端と下端で幅が違うので、広いほうを控える。2つ目はルームミラーの取り付け位置と、ドライブレコーダーを付けている場合はその本体の位置。傘型やワイヤー式はミラーの根元を通す前提の商品が多く、ここに別の機器があると干渉する。3つ目はガラスからダッシュボードまでの奥行きで、中棒があるタイプは畳んだ柄がダッシュボードに当たることがある。
ベース車のミライースまで候補を広げる
初代プレオプラスのベース車はダイハツ ミライースの初代だ。ダイハツ公式のカタログでは、ミライース 2011年〜2015年モデルの型式が LA300S型=FF、LA310S型=フルタイム4WD と記載されており、5ドア・乗車定員4名・排気量658cc・CVT という構成もプレオプラスと共通している。型式の数字の並びまで LA300/LA310 で FF と4WD が分かれる同じ構成だ。
これがわかっていると、プレオプラス名義の商品が見つからないときにミライース LA300S / LA310S 用も候補として見られる。ただし外寸や成り立ちが同じことは、ガラス形状まで同一であることの証明にはならない。候補として広げるところまでは有効でも、最後に確認するのは販売元の適合表記に自分の型式が書かれているかどうかだ。適合表記に「プレオプラス」または LA300F / LA310F が入っていない商品は、ミライース用というだけでは選べない。
走り出す前に必ず外す
道路運送車両の保安基準第29条は、第3項で前面ガラスと側面ガラスが運転者の視野を妨げないものとして告示で定める基準に適合することを求め、第4項でその窓ガラスには整備命令標章・検査標章・保安基準適合標章・自動車損害賠償保障法の保険標章などとして列挙されたもの以外が装着され、貼り付けられ、塗装され、又は刻印されていてはならないと定めている。
この条文があるため、サンシェードは駐停車中に使うものとして扱い、走り出す前に必ず外す。とくに前面ガラスと運転席・助手席側は条文が対象にしている場所だ。サンシェードそのものが違法という意味ではなく、条文が定めているのは前面ガラス・側面ガラスに何を装着してよいかであって、駐車中の使用を禁じるものではない。
実務上は、後席やリアの分まで付けるセットを使う人ほど外し忘れが起きやすい。降車のたびに全部外して1か所にまとめる習慣にしておくと安全側に寄る。簡易吸盤式は畳んで重ねる、傘型は付属ケースに戻す、と置き場所まで決めておくと続く。
よくある質問
2代目のプレオプラス用と書かれた商品はこの車に使えるのか
使える前提では選ばないほうがいい。2017年5月に世代が変わり、前まわりの装置構成も変わっている。適合表記に LA300F / LA310F が入っているかで判断する。
サンシェードを付ければエアコンの効きは良くなるのか
そこを目当てにする道具ではない。JAF のテストで車内の空気の温度差が7℃にとどまっていたとおり、効くのは日射が直接当たる面のほうだ。ハンドルやダッシュボードが焼けるのを防ぐ目的で選ぶと期待と結果が合う。
前面ガラス用だけ買って後から後ろ側を足せるのか
趣味職人のプライバシーサンシェードはフロントセットとリアセットが別売りなので、順番に買い足せる。ただし6枚そろえた総額は全窓セットより高くなるうえ、生産を終えた世代の車なので、後で同じシリーズが手に入るとは限らない。
汎用品を買う場合はどこを測ればよいのか
前面ガラスの幅と長さ、ルームミラーとドライブレコーダーの位置、ガラスからダッシュボードまでの奥行きの3か所だ。届いてから寸法が合わずに使えない事態は、この3点を控えておけば避けられる。
まとめ:まず実車のガラスまわりを見る
買う前にやることは、実車の運転席に座ってフロントガラスまわりを見ることだ。ルームミラーの根元にドライブレコーダーが付いていないか、ダッシュボードまでどれくらい奥行きがあるか、6枚をどこに置くか。傘型や汎用品を考えているなら、この段階でガラスの幅と長さも測っておく。グレードによる前席ドアガラスの違いを確かめたいときは、そのあとで車検証のグレード表記を見ればいい。
そのうえで選び方は3つに整理できる。毎日の駐車でダッシュボードとハンドルを守りたいだけなら傘型1枚。前席まわりを隙間なく覆いたいならフロントセット。車中泊や後席の日差しまで視野に入れるなら全窓セットが総額でも収まりがいい。価格も在庫も確認時点のものなので、購入前に販売ページで必ず見直してほしい。
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