炎天下に停めたミライースへ昼過ぎに戻ると、ハンドルは素手で握れる温度を超え、ダッシュボードの樹脂はさわると熱い。LA300S / LA310S のサンシェード選びは、毎日の駐車で手早く着脱したいのか、後席の子どもやペットの日除けが目的なのか、車中泊の目隠しまで欲しいのかで答えが分かれる。自分がどれに当てはまるかを先に決め、そのうえで商品ページの寸法を自分のフロントガラスと突き合わせる、という順番になる。
目的で分かれる4つの答え
先に結論を出す。ミライースに付けるサンシェードは、目的でタイプが決まる。
| 目的 | 選ぶタイプ | 着脱の手数 |
|---|---|---|
| 毎日の駐車で手早く着脱したい | ワイヤー型(上部を磁石で留める) | 広げて磁石で留めるだけ |
| とにかく安く済ませたい | 折りたたみ型(サイズ選択式) | サンバイザーで挟む |
| 車中泊や車内の着替えの目隠しまで欲しい | 全窓6枚セット | 吸盤で6枚を貼る |
| 後席の子どもやペットの日除けが目的 | 後席窓のマグネット式メッシュ | 窓枠に磁石で留める |
フロント用と後席用は目的が別なので、両方欲しいなら片方ずつ選ぶか、全窓セットに寄せる。
この記事の前提を2つだけ先に置く。1つ目、サンシェードで下がるのは直射が当たる面の温度で、車内の空気そのものはほとんど下がらない。2つ目、商品名に「ミライース LA300S/310S」と書かれていても、それが専用設計を意味するとは限らない。どちらも後の節で数字と原文にあたる。
まず候補になるのは、価格が最も低い層に入るサイズ選択式の折りたたみ型と、着脱が最短のワイヤー型の2つ。
RAIDOU ミライース LA300S/310S フロントサンシェード(サイズ選択式・収納袋付き)
趣味職人 ミライース LA300S/310S系 対応 フロント ワイヤーサンシェード 単品Mサイズ(17s-h010-fu)
下がるのはダッシュボード、空気は2℃しか変わらない
期待値を数字で固定しておく。JAFのユーザーテスト「真夏の車内温度」では、外気温35℃の条件下で初期の室温を25℃にそろえたミニバン5台を、正午から4時間駐車して測定している。
| 条件 | 車内最高 | 車内平均 | ダッシュボード最高 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
公表された表の数値どうしを引き算すると、効き方の偏りが見える。ダッシュボード最高温度は対策なし(白)の74℃に対して装着車が52℃で、22℃の開き。ところが車内の空気は最高52℃に対して50℃、平均47℃に対して45℃と、どちらも2℃しか違わない。テスト側も、サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、車内温度の上昇を防ぐことはできない、と結論づけている。なお、サンシェード装着車のボディ色は公表された表に書かれていないため、色をそろえた比較とまでは言えない。ここでは効くところと効かないところを分ける材料として使う。
だから買う目的は「涼しくすること」ではない。ダッシュボードやハンドル、シート表面が焼けるのを抑え、内装の日焼けと劣化を減らすこと。乗り込んだ直後にハンドルを握れる、チャイルドシートの金具が熱すぎない、樹脂が反らない——値打ちはこちら側にある。エアコンの効きが早くなることを期待して買うと、実測どおり肩透かしになる。
LA300S / LA310S はどのミライースか
型式を先に確かめる。ダイハツが公表している発売時のリリースと公式カタログでは、初代ミラ イースは2011年9月20日発売で、型式は2WD(FF)がDBA-LA300S、4WDがDBA-LA310S。2017年5月9日に2代目へ切り替わっているので、LA300S と LA310S は世代違いではなく、同じ世代の駆動方式違いだ。車検証の型式欄がこのどちらかなら、この記事の範囲に入る。
2013年8月にはマイナーチェンジが入り、同じ型式でも前期と後期に分かれる。ただし今回確認したサンシェードの商品ページは、いずれも前期・後期を区別せず「LA300S/310S」でひとくくりに書いている。適合の分かれ目は年式ではなく、フロントガラスの寸法と、内側に何が付いているかのほうだ。
車体は全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,500mm、室内長1,920mm×室内幅1,350mm×室内高1,240mm(公式カタログの2011年9月発売G・2WD)。この室内寸法は、あとで収納の話に効いてくる。
「LA300S 対応」でも専用設計とは限らない
ここがこの記事の中心になる。
商品ページのどこに何と書いてあるか
車種名が入っている製品の商品ページを実際に開くと、出品者自身が汎用品だと書いている。折りたたみ型のページには「※専用設計ではなく汎用品です」、ワイヤー型の適合欄には「本商品は汎用品です。“表題に記載している車種”に対する専用品ではありません」とある。つまりタイトルの車種名は、その車種に合うことの保証ではない。
一方で、適合車種を型式で名指ししている製品もある。全窓6枚セットは適合車種欄に「ミライースLA300/310系 LA300S LA310S」と型式を書いており、後席用メッシュは「ダイハツ・ミライースLA300S/310S型 2011年-2017年 に適用」と年式まで書いている。判断の基準は、商品名ではなく適合欄と注意書きの両方を読むこと。この2か所が食い違っていない製品を選ぶ。
買う前の採寸3つ
- フロントガラスの下端(ダッシュボードとの境目)に沿って横幅を測る
- ガラス中央で上下の長さを測る
- 傘式を検討するなら、フロントガラスからインパネ・ダッシュボードまでの奥行きも測る
折りたたみ型のサイズ選択(大は横145cm×縦80cm、小は横140cm×縦70cm)は、この実測値と突き合わせて決める。メジャーが手元になければ、A4用紙の長辺が29.7cmであることを目安に当てていくだけでも見当はつく。
もう1つ、LA300S / LA310S はいま乗られている個体のほとんどが中古で渡ってきたもので、フロントガラス内側のドライブレコーダー、ETCアンテナ、検査標章の位置は個体ごとに違う。ガラス上端まで覆う製品を選ぶなら、実車で干渉しないかを先に見ておく。
タイプ5系統の違い
価格の幅が何の差なのかは、タイプの軸で見ると整理がつく。ミライース向けとして車種名が書かれている製品は、おおむね5系統に分かれる。
| タイプ | 固定 | 収納 | 向いている目的 |
|---|---|---|---|
| 折りたたみ(サイズ選択式) | サンバイザー | 収納袋付き | 費用を抑える |
| ワイヤー+磁石 | 上部を磁石 | ひねって収納袋 | 毎日の着脱 |
| 傘式 | 開いて立てかける | 収納袋付き | フロントの日除け |
| 全窓セット(吸盤・6枚) | 簡易吸盤 | 枚数のぶんかさばる | 目隠し・全席の日除け |
| 後席メッシュ(磁石・4枚) | 窓枠に磁石 | 折りたたみA4以下 | 後席の日除け |
フロント単品より全窓セットのほうが価格帯は上で、それは遮光性能の差というより枚数の差だ。傘式は今回のおすすめ4製品からは外した。フロント用としてワイヤー型と用途が重なるうえ、商品ページがフロントガラスの寸法に加えてダッシュボードまでの奥行きの確認まで求めており、通販で外しにくい寸法の条件が最も多いからだ。逆に言えば、実車で採寸を済ませた人が選ぶなら候補から消す理由はない。
目的別のおすすめ4製品
4系統を1製品ずつ代表させる。以下の説明は商品ページ上の記載に限る。
費用を抑えるなら:折りたたみ型(RAIDOU)
サイズ選択式で、大が横145cm×縦80cm、小が横140cm×縦70cm。収納袋が付く。ページには「※サイズは選択式です、必ずフロントガラスのサイズをご確認下さい」とあり、遮光率99%という表記も出品者による記載だ。選ぶ前に採寸が要る製品なので、上の3つを測ってから注文する。
RAIDOU ミライース LA300S/310S フロントサンシェード(サイズ選択式・収納袋付き)
毎日着脱するなら:ワイヤー型(趣味職人 17s-h010-fu Mサイズ)
商品ページによると、広げてフロントガラスに合わせ、上部を磁石で固定するだけ。サンバイザーで挟む手間がないぶん、駐車のたびの1回が短い。重量は約180gと記載があり、使用後はワイヤーフレームをひねって小さくたたみ、付属の収納袋でドアポケットやシート背面に収まるとされている。通勤で毎日停めるならこれ。
趣味職人 ミライース LA300S/310S系 対応 フロント ワイヤーサンシェード 単品Mサイズ(17s-h010-fu)
目隠しまで欲しいなら:全窓6枚セット(趣味職人 シームレスライト)
内容はフロント1枚、サイドドア2枚、後部座席ドア2枚、リア1枚の計6枚。固定は簡易吸盤で、シボ加工により収納時のシワが目立ちにくいと書かれている。適合車種欄に型式が明記されている点は、今回の5系統のなかでは少数派だ。車中泊や車内での着替えを想定するならこれ一択になる。
趣味職人 シームレスライト サンシェード 全窓6枚セット(ミライース LA300S/LA310S 適合表記)
後席の日除けなら:マグネット式メッシュ(ZTIUR)
後窓とリアドア用の4枚組。N52ネオジウム磁石で窓枠に着脱し、接着剤は使わない。メッシュ素材で運転席から後方が見える半透明という説明で、折りたたむとA4サイズ以下、専用収納袋が付く。3層構造で99%UVカット、車内温度最大10℃低下検証済という表記もあるが、これらはいずれも出品者による記載で、第三者機関の測定値として確認できたものではない。製品どうしを比べる材料としては弱いので、期待値は前掲のJAFの実測値のほうで見ておく。
ZTIUR ミライース LA300S/310S型 後席・リアドア用マグネットメッシュシェード 4枚組
走行前に外す。後席窓は扱いが違う
法令の線を引いておく。国土交通省が不正改造の具体例として示している内容では、前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラスについて、可視光線透過率70%未満の着色フィルム等の貼り付けが認められておらず、根拠は道路運送車両の保安基準第29条とされている。前面ガラス等への装飾板の取り付けも同じ扱いだ。
保安基準第29条第3項は、前面ガラスおよび側面ガラスが運転者の視野を妨げないものとして、ひずみや可視光線の透過率に関する基準に適合することを求めている。続く第4項は、その窓ガラスに装着してよい物を限定列挙している。フロントガラスの内側に広げるサンシェードは駐車中に使う装備で、走行前に外す。
一方、この透過率の規定がかかるのは前面ガラスと運転者席より前方の側面ガラスまでで、運転者席より後方の側面ガラスとリアガラスは範囲外とされている。後席窓用のメッシュがフロント用と位置づけが違うのはこのためだ。ただし車検の合否や取り締まりの結果までは、この条文から断定できない。
そして範囲外だからといって、覆ったまま走ってよいわけでもない。ルームミラーでの後方確認や目視の妨げになる使い方は避ける。車内から外が見えると書かれている製品でも、装着したまま走るかどうかは自分の目で後方を確認できるかどうかで決める。
使わない時期の置き場所
買ったあとに効いてくる差がもう1つある。ミライースは室内長1,920mm×室内幅1,350mmで荷室も大きくないので、通年で積みっぱなしにするなら、たたんだときの大きさが毎日のじゃまになるかどうかを分ける。
フロント単品の折りたたみ型とワイヤー型は、付属の収納袋に入れてドアポケットやシート背面に収まると記載がある。全窓6枚セットは枚数のぶんかさばるので、使う時期だけ載せる運用にするなら自宅側の保管場所も要る。
着脱の手数も同じで、上部を磁石で留めるだけの方式と、サンバイザーで挟む方式では、1回あたりの差が毎日積み上がる。週に何回停めるかを思い浮かべて選ぶと外しにくい。
よくある質問
サンシェードは効果がないと聞きましたが本当ですか
半分あたっている。JAFの実測では車内の空気の温度差は2℃程度にとどまり、テスト側も車内温度の上昇は防げないと結論づけている。ただしダッシュボードの最高温度は22℃の開きがあり、内装の焼けを抑える用途では差が出る。
LA300S 専用設計のサンシェードはありますか
今回確認した範囲では、フロント用の多くは出品者自身が汎用品と明記している。適合車種を型式で書いているのは全窓6枚セットと後席用メッシュで、それでも寸法の確認は自分で行う前提だ。
サンシェードを付けたまま走ってもいいですか
フロントガラス用は駐車中の装備なので、走る前に外す。後席窓とリアガラスは透過率の規定の範囲外だが、後方確認の妨げになるなら外す。
車中泊の目隠しとしても使えますか
フロント用の単品では窓が残るため足りない。フロント1枚・サイドドア2枚・後部座席ドア2枚・リア1枚の全窓6枚セットが、その用途に対応する構成になっている。
まとめ
3点にたたむ。効くのはダッシュボードで、車内の空気は2℃程度しか変わらない。車種名の記載は専用設計の保証ではないので、注文の前にフロントガラスを測る。そのうえで、毎日の着脱ならワイヤー型、費用を抑えるなら折りたたみ型、目隠しまで欲しいなら全窓6枚セット、後席の日除けなら磁石式メッシュ、と目的で1つに絞る。絞ってから、商品ページの適合欄と寸法をもう一度自分の実測値と照らして最終確認する。
最後に1つ。サンシェードを付けていても、JAFの実測では装着車の車内最高温度は50℃に達している。炎天下の車内に人やペットを残さない。
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