フォレスターのブレーキパッドは、車検証の型式・年式・グレードで合う品番が決まる。今回の候補は、SJ5に乗っている人向けのアケボノ AN-771WK(前用)と、SG5・SH5に乗っている人向けの前用の互換パッドの2つだ。SK系・SL系の人はこの2つを選ばず、適合表で自分の型式の品番を確かめてから選んでほしい。以下で、型式ごとの品番の分かれ方と、買う前に見ておく所を順に説明する。
フォレスターのパッドは型式で分かれる|今回の候補と対象
ブレーキパッドメーカー DIXCEL の適合表によると、フォレスターの前用パッドは型式ごとに品番が分かれ、同じ型式の中でも年式やグレードで品番が変わる行がある。たとえば SH5 の 2.0XT(ターボ)は2010年4月を境に前用の品番が変わり、SJG とその tS(Brembo 装着)も前用の品番が別になっている。「フォレスター用」というだけで選ぶと、合わないパッドを買うことがある。
そこで今回は、販売ページの表記が適合表とそろう範囲に絞って、2つの候補を紹介する。
| 候補 | 商品名の表記上の対象 | 向いている人 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| アケボノ AN-771WK(前用) | SJ5(H24.11〜H30.6・2000cc) | SJ5 | SJG・tS には選ばない |
| 前用の互換パッド 左右セット | SG5・SH5・SH9・SHJ ほか | SG5、SH5 の NA と2010年4月までの 2.0XT | SH9・SHJ・2010年4月以降の SH5 2.0XT は出品者に確認 |
| 該当なし | — | SK系・SL系 | 今回の2つは選ばず、適合表の品番から探す |
買う前に型式・年式・グレードと前後を確かめる
最初に車検証を手元に置き、型式欄の記号(SJ5・SK9 など)と初度登録年月を確かめる。あわせて、グレードが NA かターボか、STi や tS のような Brembo 装着車かも見ておく。
次に、前用と後用は別の品番だと覚えておきたい。DIXCEL の適合表でも、SJ5 は前用 361055・後用 365089、SK系は前用 361162・後用 365091 と分かれている。前後とも替えるなら、前用と後用をそれぞれ確かめる。
もうひとつ、DIXCEL の適合表には注記の印が付いた行があり、条件付きの適合の可能性がある(注記の文言までは確認できていない)。適合表の品番はあくまで目安とし、最後は販売店やディーラーに車台番号・年式・グレードを伝えて適合を確認する。この確認の手順は、以降のどの型式でも同じだ。
型式ごとの前用パッドの品番の分かれ方
ここからは、DIXCEL の適合表の品番を使って、型式ごとの分かれ方を整理する。品番は型式の違いを示す目安として載せているもので、DIXCEL の商品の販売状況までは確かめていない。
SG系
| 型式 | 年式 | グレード | 前用 | 後用 |
|---|---|---|---|---|
| SG5 | 2002年3月〜2007年12月 | NA・ターボ | 361110 | 年式と NA・ターボで分かれる(365084・365087 など) |
| SG9 | 2004年2月〜2007年12月 | STi(Brembo 装着) | 361077 | — |
SG5 は適合表の4行すべてで前用が同じ品番だが、後用は年式と NA・ターボで分かれる。SG9 は前用からして SG5 と別になる。
SH系
| 型式 | 年式 | グレード | 前用 | 後用 |
|---|---|---|---|---|
| SH5 | 2007年12月〜2012年11月 | 2.0X・2.0XS(NA) | 361110 | 365089 |
| SH5 | 2007年12月〜2010年4月 | 2.0XT(ターボ) | 361110 | 365089 |
| SH5 | 2010年4月〜2012年11月 | 2.0XT(ターボ) | 361055 | 365089 |
| SH9・SHJ | 2010年10月〜2012年11月 | — | 361055 | 365089 |
SH5 の 2.0XT は、2010年4月を境に前用の品番が変わる。後用はどの行も同じ品番だ。
SJ系
| 型式 | 年式 | グレード | 前用 | 後用 |
|---|---|---|---|---|
| SJ5 | 2012年11月〜2018年7月 | — | 361055 | 365089 |
| SJG | 2012年11月〜2018年7月 | — | 361075 | 365085 |
| SJG | 2014年11月〜2018年7月 | tS(Brembo 装着) | 361077 | 325499 |
SJ5 は1行だけで、年式の途中で品番が切り替わる行は無い。SJG は前後とも SJ5 と別の品番で、tS はさらに別になる。
SK系・SL系
| 型式 | 年式 | 前用 | 後用 |
|---|---|---|---|
| SK5・SK9・SKE | 2018年7月〜2025年3月 | 361162 | 365091 |
| SL5 | 2025年4月〜 | 361162 | 365091 |
| SLG | 2025年4月〜 | 確認できなかった | 365091 |
SK系の3型式は1行にまとめて載っていて、SL5 も前用・後用とも SK系と同じ品番になっている。
ブレーキパッドを選ぶ順番と比べる観点
選ぶ順番は次の3つで考えると迷いにくい。
- 型式・年式・グレードで、前用・後用それぞれの適合を絞る
- 販売ページの適合表記と適合表を照らし、食い違いがあれば買う前に確認する
- 普段使い中心か、効きや鳴きの少なさを優先するかで種類を決める
3つ目で比べる観点は、ブレーキメーカーの考え方を借りるのが早い。曙ブレーキ工業は、摩擦材に求められる性能として次のものを挙げている。
- 効き(摩擦係数)
- 速度・車重・温度・湿度・水・泥などで効きが変わりにくいこと
- 熱や力に耐える強度
- 摩耗しにくさ(耐久性)
- 鳴き・異音・振動が起きにくいこと
- ディスクローターを傷めにくいこと
- 熱を伝えにくいこと
ただし、今回の2商品をこれらの観点で比べた資料は手元に無い。どちらの商品も、まずは適合で選ぶものと考えてほしい。性能の差で選び分けるのは、適合する候補が複数そろってからでいい。
SJ5の人向け: アケボノ AN-771WK(前用)
販売ページの商品名の表記では、曙ブレーキ(アケボノ)の AN-771WK を「スバル フォレスター SJ5(H24.11〜H30.6・2000cc)のフロント用」としている。なお、ブランド欄の表記はノーブランド品になっている。
DIXCEL の適合表でも、SJ5 の前用は2012年11月〜2018年7月を通して1つの品番で、販売ページの表記と年式の範囲がそろう。SJ5 に乗っているなら、最初に検討していい候補だ。
一方で、SJG(2.0XT)と tS は前用の品番が SJ5 と違うので、この商品は選ばない。また、曙ブレーキ自身の適合資料では確認できていないので、注文の前に出品者へ車台番号を伝えて確かめておきたい。
アケボノ AN-771WK フォレスター SJ5用 フロントブレーキパッド
SG5・SH5の人向け: 前用の互換パッド 左右セット
販売ページの商品名の表記では、この前用パッド(左右セット・ブランド欄はノーブランド品)をフォレスター SG5・SH5・SH9・SHJ とレガシィの各型式向けとし、スバルの純正品番 26296FG010・26296AE160 を併記している。純正品番の併記は出品者の表記で、純正品と同じ品質・性能を示すものではない。
ここで適合表と食い違う所がある。DIXCEL の適合表では、SG5 と、SH5 の 2.0X・2.0XS、2010年4月までの SH5 2.0XT は前用が同じ品番だが、2010年4月以降の SH5 2.0XT と SH9・SHJ は前用が別の品番だ。販売ページの表記は SH9・SHJ も含めているので、ここが合わない。
そのため、この商品は SG5 と、SH5 の NA・2010年4月までの 2.0XT に乗っている人向けの候補とする。SH9・SHJ・2010年4月以降の SH5 2.0XT の人は、出品者へ車台番号で適合を確認し、確認できなければ選ばない。
フォレスター SG5・SH5ほか用 フロントブレーキパッド 左右セット
SK系・SL系の人の選び方
今回紹介した2商品の商品名には、SK系(SK5・SK9・SKE)と SL系(SL5・SLG)の表記が無い。SK系・SL系の人は、この2商品を選ばない。
まず前の表で自分の型式の品番を確かめ、その品番に合う商品を販売店で探すのが近道だ。SK系と SL5 は前用が同じ品番なので、探し方も同じでいい。SLG は前用の品番を確認できなかったので、販売店やディーラーに車台番号で問い合わせてから選んでほしい。
SK系でほかのパーツも検討しているなら、こちらも参考になる。
交換時期の目安と残量の見方
残りの厚みで判断する
自動車メディアのレスポンスによると、パッドの摩擦材は新品で片側約10mmの厚みがある。ベストカーは摩耗限界を2mmとし、5mm以下になったら交換を検討したいとしている。レスポンスも、街乗りでも残り数mmになったら交換したほうがよいとしている。
残量が0になるまで使うのは避ける。レスポンスによると、0になるとブレーキが効かなくなり、パッドの裏板がディスクローターを直接押して削るので、ローターの交換まで必要になる。
年数でも硬くなる
ベストカーによると、交換時期は残量が第一だが、熱を受けながら年数がたつとパッドは硬くなる。走行距離が少ない車でも、年数や使い方を合わせて判断したい。
残量の確かめ方
レスポンスによると、パッドの残量はタイヤを外さないとほぼ見えない。パッドが減るとキャリパーのピストンが押し出され、ブレーキフルードのタンクの液面が下がる。減った状態でフルードを継ぎ足すと、液面で減り具合を判断できなくなるので注意したい。
タイヤを外して見るときの手順とジャッキポイントは、次の記事にまとめている。ブレーキの音が気になっているなら、音の種類から原因を探す記事もあわせて見てほしい。
ブレーキは車を止めるための部品だ。作業に慣れていなければ、交換は整備工場やディーラー、カー用品店に頼もう。
よくある質問
前と後ろは同じパッドを使える?
使えない。同じ型式でも前用と後用は別の品番で、たとえば SH系は前用が年式やグレードで分かれる一方、後用はどの行も 365089 になっている。前後で別々に品番を調べよう。
同じSH5なら同じパッドでいい?
同じ SH5 でも、2.0XT は登録時期で前用が変わる。2010年4月前後の車は、車検証の初度登録年月だけでなく車台番号でも確かめたほうが確実だ。
交換は何キロごと?
走行距離だけでは決まらない。残りの厚みを第一に、年数による硬化も合わせて判断する。距離をあまり走らない車ほど、年数の目線を忘れないようにしたい。
tSやSTiのブレンボ付きは?
DIXCEL の適合表では、SG9(STi)と SJG の tS はどちらも前用が 361077 で、通常のグレードとは別の品番だ。今回の2商品はどちらも対象外なので、適合表の品番から探してほしい。
まとめ
注文ボタンを押す前に、次の5つを見直してほしい。
- 車検証の型式・初度登録年月・グレード(NA かターボか、Brembo 装着か)を確かめたか
- 前用か後用か、替える側の品番を調べたか
- SJ5 なら AN-771WK、SG5・SH5(NA と2010年4月までの 2.0XT)なら前用の互換パッドが候補
- SH9・SHJ・2010年4月以降の SH5 2.0XT は、出品者に車台番号で確認が取れたか
- SK系・SL系なら、今回の2つではなく適合表の品番から選ぶ
ブレーキパッドを見直すタイミングで、ほかの定期メンテナンスもまとめて確認しておくと手間が減る。
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