フォレスターのスピーカー交換でつまずきやすいのが、17cm の丸型スピーカーを先に買ってから、フロントドアに収まらないと気づく流れだ。SJ系のフロントドアは丸型ではなく 6×9inch で、メーカーが公開している適合一覧表もこの年式からフロントドアの行を載せていない。順序を逆にして、型式と取付位置を決めてから口径を選べば、この取り違えは起きない。
世代別の交換先と候補の早見表
SK系(2018年7月〜)はリアドアの 17cm トレードインが最も手を出しやすく、SJ系(2012年11月〜2018年)はダッシュボード左右のツィーターと、フロントドア用の専用バッフルを組み合わせる形になる。フロントドアに汎用の丸型スピーカーをそのまま入れる前提では考えない、というのがこの車の出発点だ。
| 候補 | 対応型式・年式 | 取付位置 | 追加で要る部品 | 作業の重さ | 価格(確認時点) |
|---|---|---|---|---|---|
| ファクトリーダイレクト リアスピーカー fd-to-b65wf-su06 | SK系 H30.05以降 | リアドア | なし(カプラーオン) | 軽い | 14,000円 |
| KIMISS ツイータースピーカー | フォレスター 2014-2018年 | ダッシュボード左右 | なし | 軽い | 4,391円 |
| ファクトリーダイレクト ABSインナーバッフル mse-spd-m18a56 | SJ系 H24.11-H30 | フロントドア | 165mm のスピーカー本体 | 中くらい | 3,850円 |
| スバル用 フォレスター SK ドアスピーカー カバー | SK9・SKE | ドアスピーカー部 | なし | 軽い | 8,000円 |
価格はいずれも Amazon の実売価格を確認した時点の値で、変動する。
純正スピーカーはどこに何が付いているのか
SJ系(2012年11月〜)の配置
アルパインが公開しているスバル車のスピーカー取付適合表には、フォレスター SJ5/SJG(H24/11 〜)の純正スピーカーが、ダッシュボード左右=6.5cm ツィーター、フロントドア=6×9inch、リアドア=16cm と記載されている。高音を受け持つツィーターがドアではなくダッシュボードの左右に独立して置かれているのがこの世代の並びで、フロントドアだけ丸型ではない。
SH系以前との違い
同じ適合表で、その前の SHJ/SH5/SH9(H19/12 〜 H24/11)はドアミラー裏=3.5cm ツィーター、フロントドア=16cm、リアドア=16cm とされ、前後とも丸型 16cm でそろっている。さらに古い SG5/SG9(H14/2 〜 H19/12)には助手席シート下のウーファーBOX 16cm が、SF5/SF9(H9/2 〜 H14/2)にはリアドアの 6×9inch ウーファーが載るが、いずれも「7スピーカー装着車に限る」「8スピーカー付車に限る」といった条件が付く。
ここまでで何が決まるか
取付位置とサイズが分かれば、買うべき口径と形状は自動的に絞られる。フォレスターの場合、SH系までとSJ系以降で前後の前提が入れ替わるので、車名だけで商品を探すと世代違いの情報を拾いやすい。
適合一覧表に載っている組み合わせ、載っていない組み合わせ
リアドアは17cmと16cmが並んでいる
カロッツェリアが公開しているインナーバッフルの車種別適合一覧表(スバル車用 UD-K525)によると、フォレスターの「H24/11 〜 現在」の行は取付位置がリアドアとして掲載され、17cm の TS-V172A・TS-C1720A・TS-J1710A・TS-F1730S/TS-F1730 と、16cm の TS-C1620A・TS-J1610A・TS-F1630S/TS-F1630 の 7 機種がすべて「○=取付可」になっている。この年式レンジにフロントドアの行はない。
フロントドアの扱いは世代で入れ替わる
同じ一覧表で「H19/12 〜 H24/11」と「H14/2 〜 H19/12」はフロントドアの掲載になり、7 機種すべてが○。掲載されている取付位置そのものが、H24/11 を境にフロントドアからリアドアへ移っている。SK系については、アルパインの公式直販サイトで案内されているフォレスター専用サウンドキットの仕様が参考になる。適合は年式 2018(H30)/7 〜 2025(R7)/4、型式 SK5/SK9/SKE と明記され、サンルーフ装着車には取り付けできないとされたうえで、16.5cm ドアウーファーを専用フロントバッフルを介して組む構成が示されている(ほかに 5cm ルーフスピーカー、専用サウンドネットワーク、各種ケーブルを含む)。フロントドアは汎用バッフルではなく専用設計品が前提になりやすい、と読み取れる。
インナーバッフルは何をしている部品か
カロッツェリアはインナーバッフルの働きを「ドア鉄板部の強度不足を補いながら逆相音の干渉を減少」と説明している。取付穴の形を合わせるためだけの板ではなく、スピーカーを固定する土台の強度と、裏側から回り込む音の干渉に関わる部品という位置づけだ。
選ぶ順序と、見るべき軸
型式 → 取付位置 → 口径の順に絞る
人気順から入らず、自分の型式にどの取付位置とサイズの純正スピーカーが付いているかから逆算する。まず車検証で型式(SJ5/SJG/SK5/SK9/SKE)と年式を確定し、次に前後どちらを替えるかを決め、最後に 17cm か 16cm かを選ぶ。この順序なら適合の取り違えが起きにくい。ヘッドユニット側もあわせて見直すつもりなら、
も先に読んでおくといい。
セパレート型とコアキシャル型
カロッツェリアのスピーカー製品情報では、セパレートタイプは「高音域を担当するトゥイーターが独立しているタイプ。遮蔽物が少ないダッシュボード上などに設置することで音像が上がります」、コアキシャルタイプは「中低域を担当するウーファー部とトゥイーターが一体化しているので、ほぼ同軸から音が鳴り、一体感のある音楽を楽しめます」と説明されている。SJ系はダッシュボード左右にツィーターの取付位置が最初からあるので、セパレート型の考え方と噛み合う配置になっている。
加工が要るかどうかで難易度が変わる
作業の重さは加工の有無で段階的に変わる。純正の穴とコネクターにそのまま入れ替えられる形(トレードイン/カプラーオン)が最も軽く、インナーバッフルを挟む形がその次、グリル裏のリブを切り取ったり鉄板の開口部やネジ穴を加工したりする形が最も重い。メーカーの適合表はこの違いを記号で書き分けている。カロッツェリアは「○=取付可」「▲=スピーカーまたはインナーバッフルにグリル裏円形リブ、斜めリブ等が当たるので、当たる部分の切取加工が必要」と定義し、アルパインは「◎=トレードイン」「○=取付け可」「●=鉄板開口部拡大加工」「▲=鉄板部ネジ穴加工」「S=別売スペーサー使用」「×=取付け不可」「-=対象外」「空欄=未調査」の 8 段階で示している。
SK系のリアドアに入れるトレードインスピーカー
ファクトリーダイレクト スバル専用設計 リアスピーカー fd-to-b65wf-su06(フォレスター SK系用・17cm トレードイン)
メーカーの商品説明では、この製品はフォレスター SK系(H30.05 以降)向けの 17cm トレードインスピーカーで、接続はカプラーオンと案内されている。
どんな人に向くか
配線を切ったり足したりせずに、まず 1 か所だけ替えて様子を見たい人向けだ。カロッツェリアの一覧表がこの年式でリアドアの行を掲載していることとも向きがそろっていて、SK系で最初に手を付ける場所としては素直な選択になる。
取り付け前に確認すること
商品説明には「さまざまな車種に取付可能なように設計されており、一部グレード、年式、車両におきましては純正の金具、ビス、内張りの一部などを切断や加工が必要な場合もございます。すべての車種において完全トレードインを保証するものではございません」「ご購入前に必ず現車にてスピーカーのサイズや端子形状を御確認ください」と明記されている。カプラーオンとうたわれていても、無加工での装着が全車で保証されているわけではない。インピーダンスなどの仕様が自分のシステムに合うかも、あわせて確認しておく。
SJ系のダッシュボードに足すツィーター
KIMISS カーオーディオ ツイータースピーカー(フォレスター・インプレッサ・クロストレック用)
SJ系はダッシュボード左右にツィーターの取付位置がある。そこに入れ替える形の製品で、商品説明ではスバル クロストレック(2013-2017年)、フォレスター(2014-2018年)、インプレッサ 2.0L(2012-2016年/2015-2018年)などに対応するとされている。同梱はツィータースピーカー 2 個、専用ワイヤー 2 本、ホルダー 2 個、素材は高密度 ABS 樹脂という説明だ。
どんな人に向くか
ドアトリムまで外す作業に踏み切れないが、高音側だけ手を入れてみたい人に向く。ダッシュボード側のグリルを外す作業で済むぶん、リアドアの交換より工程が短い。
取り付け前に確認すること
商品説明は「純正部品番号 H631SFJ101 を参照し、ご購入前に適合確認が可能です」と案内している。この番号は照合の手掛かりとして商品側が示しているもので、自分の車両のツィーターがこの部番かどうかは現車で確かめる必要がある。年式の幅も商品説明の記載であって、SJ系のすべての車両を保証するものではない。
一緒に用意しておきたい周辺パーツ
SJ系フロントドア用のインナーバッフル
ファクトリーダイレクト ABSインナーバッフル mse-spd-m18a56(フォレスター SJ系 フロントドア専用・165mm用)
商品名でフォレスター SJ系(H24.11 〜 H30)のフロントドア専用、165mm(6.5 インチ)スピーカー用のアダプターとされている ABS 製のバッフルだ。フロントドアを 165mm のスピーカーで組むなら、これは音のためというより取り付けを成立させるための部品として先に手当てしておく。説明には「ご購入前に必ず現車にて純正スピーカーの端子部が掲載の画像と同等かご購入前に御確認ください」という注意書きがある。
スピーカーまわりの仕上げパーツ
スバル用 フォレスター SK ドアスピーカー カバー パネル ガーニッシュ(ステンレス・シルバー)
SK9・SKE 対応、材質はステンレス、色はシルバーというドアスピーカー部のカバーだ。商品ページに記載があるのは対応型式と材質・色までなので、見た目を整えるための外装パーツとして扱う。内装まわりをまとめて手を入れるつもりなら、
で他の候補も見ておくといい。
取り付けの流れと、止まりやすいところ
作業の流れ
内張りはがしでドアトリムのクリップを外し、パワーウインドウのスイッチ配線やドアハンドルのワイヤーを外してトリムを取り外す。純正スピーカーの固定ビスを外し、配線コネクターを抜いて取り外す。インナーバッフルを使う場合はバッフルをドア鉄板側に固定し、その上に新しいスピーカーを共締めする。配線をつないだら、トリムを戻す前に必ずいったん音を出して左右とも鳴っているか確認する。問題がなければクリップの浮きや欠品を見ながら復旧する。ツィーターだけを交換するなら、ダッシュボード側のグリルを外して同じ手順で入れ替える。
止まりやすいところ
多いのは端子形状の違いと、バッフルの共締めでビスの長さが足りなくなる場面だ。トリムを外した後で気づくと作業が止まるので、外す前に純正スピーカーのコネクター形状を写真で残しておくと戻しやすい。内張りを外す工程そのものは、
の手順と重なる部分がある。
自分でやるか、依頼するか
配線作業に不慣れなら、量販店やディーラーへ取付を依頼する選択肢も現実的だ。工賃を含めた総額で見比べたいときは、
を目安にするといい。
買う前に確認しておきたい落とし穴
オプションのスピーカーセット装着車
カロッツェリアの適合一覧表でフォレスターの行に付いている注記は「DIATONEスピーカーセット付車を除きます」。純正オーディオのオプションとしてスピーカーセットが付いた車両は、市販バッフルの適合対象から外れることがある。自分の車がオプション装着車かどうかは、購入前に確認しておく。
同じ「取付可」でも中身が違う
アルパインの適合表には「鉄板開口部が大きいため取付けできません」「奥行不足のため取付けできません」「純正スピーカーグリル裏側の円筒リブを切除してください」「純正スピーカーが樹脂ブラケットで装着されている場合のみ純正ブラケットへ取付けできます」「純正部品のスピーカーブラケット(部番:H6311FG501)を別途購入することにより取付けが可能となります」「16cm サイズのスピーカー取付け時はバッフルボード内側にバッフルボード付属のスポンジテープを貼ってから取付けます」といった注記が並ぶ。同じ車種でも開口寸法や奥行き、ブラケットの材質で結論が変わりうる、という前提で読む。
新型(第6世代)は別に考える
スバルの公式ニュースリリースによると、2025年4月17日に発表された第6世代のフォレスターには、メーカー装着オプションとしてリヤクォーターに 200mm のサブウーファーを積むハーマンカードン サウンドシステムが設定され、11.6 インチのセンターインフォメーションディスプレイが標準装備される。オーディオまわりの構成が SJ系・SK系と異なるので、この記事の適合情報をそのまま当てはめることはできない。ドアトリムを外すついでに室内側も手を入れるなら、
もあわせてどうぞ。
よくある質問
フロントとリア、どちらから替えるべき?
SK系なら、市販バッフルの一覧表に載っているリアドアから入るほうが手数は少ない。SJ系はフロントドアが 6×9inch でリアドアが 16cm なので、フロントを触るなら専用設計のバッフルを前提に組み立てを考えることになる。どちらの世代でも「載っている取付位置から先に手を付ける」と迷いが減る。
純正のヘッドユニットのままでも交換する意味はある?
スピーカー単体の交換は、ヘッドユニットを替えずに取り付け自体は成立する。ただし今回参照した資料には、その組み合わせでどう変わるかを示す測定値や比較データは含まれていないので、変化の度合いをここで断定はしない。
17cmと16cm、どちらを選べばいい?
カロッツェリアの一覧表では、H24/11 以降のリアドアについて 17cm 系と 16cm 系のどちらも○として掲載されている。どちらでも取付位置としては挙がっているので、口径の選択より先に、現車の開口寸法と奥行き、コネクター形状を確認するほうが優先度は高い。
自分の型式が分からないときは?
車検証を見れば型式と初度登録年月が分かる。SJ5/SJG なら SJ系、SK5/SK9/SKE なら SK系で、この 2 つのどちらかが分かれば、あとはメーカーの適合表でその年式レンジの行を読めばいい。
まとめ
まずは車検証で型式と初度登録年月を確認して、自分の車が SJ系か SK系かをはっきりさせる。そのうえで、SK系ならリアドアの 17cm トレードイン、SJ系ならダッシュボードのツィーターとフロントドア用の専用バッフルという順に候補を当てる。カロッツェリアの一覧表が H24/11 以降でリアドアの行しか載せていないこと、オプションのスピーカーセット装着車が対象外になりうることの 2 点を押さえておけば、届いてから作業が止まる事態はかなり防げる。最後は現車での寸法と端子形状の確認まで自分の目で済ませてから注文する。
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