雨の日にふき取りが線で残る、動かすとビビリ音が鳴る——ロッキーでその段階に来たなら、買う長さはもう決まっている。運転席525mm、助手席375mm、リヤ275mmの3本だ。2019年11月以降のロッキーは型式が4つあっても適合はひとつにまとまっていて、駆動方式やエンジンで長さは分かれない。迷いどころは長さではなく、ブレードごと替えるか替えゴムだけにするか、前だけで足りるか、のほうにある。
ロッキーのワイパーの長さは3本とも決まっている
ワイパーメーカーが公開している車種別の適合検索では、2019年11月以降のロッキーに適用される替えゴムの長さが次のように示されている。ブレードごと買う場合も、運転席とリヤはこの長さ区分がそのまま当てはまる。
| 取り付け位置 | 長さ | 替えゴムの幅 |
|---|---|---|
| 運転席側 | 525mm(21インチ) | 10.2mm |
| 助手席側 | 375mm(15インチ) | 10.2mm |
| リヤ | 275mm | 6mm(樹脂ワイパー用) |
商品ページで「525mm×375mm」「21インチ/15インチ」と書かれているのは、この前席2本のことだ。適合区分は「2019年11月~」のひとつだけで、そこに A200S・A201S・A202S・A210S の4型式がすべて入る。2WDか4WDか、ガソリンか e-SMART HYBRID かで分かれず、マイナーチェンジによる枝分かれもない。車検証の型式がどれであっても、選ぶ長さは同じでいい。
なお同じ適合検索には1990年代の初代ロッキーの年式区分も別に残っている。今の型を探しているなら、年式が2019年11月以降になっている行を見る。
純正と同じ長さを外せない理由がロッキーにはある
ロッキーはフロントガラス越しに前方を見るステレオカメラで運転支援を成立させている。だから取扱説明書のワイパーの扱いは、視界の話だけで終わっていない。
ロッキーの取扱説明書(詳細版)によると、衝突警報機能と衝突回避支援ブレーキ機能が作動しないおそれのある状況のひとつとして、「ダイハツ純正品以外のワイパーブレードを装着したとき(長さが短いタイプ含む)」が明記されている。同じ趣旨の記載はブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方)の項にもある。
同じ取扱説明書は、ステレオカメラの故障や誤作動を防ぐための警告として、カメラ前部の水滴をワイパーが正しくふき取れないときはゴムまたはブレードを交換するようにとも指示している。ふき取りの劣化を放置することと、純正より短い製品を選ぶことは、どちらも運転支援の前提を崩す側に働く。社外品を選ぶこと自体を止める話ではないが、長さだけは純正と揃える——ロッキーではここを最初の条件にしておきたい。
買う前に決める4つの分岐
商品を見る前に、自分がどれを買う人なのかをここで絞っておくと早い。
ブレードごと替えるか、ゴムだけ替えるか
替えゴムだけで足りるのは、ブレード本体の骨組みが健全な場合に限られる。骨組みが錆びている、押し付ける力が落ちてガラスから浮いている、というならブレードごと。裂けているのがゴムだけで、骨格とバネがまだ生きているならゴムだけで済む。判断がつかないときは、アームを起こしてブレードを横から見て、歪みと錆を確認するといい。
前だけで足りるか、リヤも替えるか
リヤは前席と別系統の部品で、脱着の手順も替えゴムの幅も違う。製品のシリーズによってはリヤの適用そのものが取れていないこともある。前後まとめたいなら、最初から1台分3本のセットを選ぶほうが確実だ。
撥水タイプかグラファイトタイプか
メーカーの製品説明では、撥水タイプはワイパーの動きでガラス面に撥水被膜をつくる性格、グラファイトタイプは摩擦抵抗を下げてふき取り音を抑える性格、と説明が分かれている。比較試験の裏づけがある優劣ではないので、雨天の水はけを優先するか、動きの静かさを優先するかで決めれば足りる。
降雪地なら冬用を別に用意する
降雪期に使う寒冷地用ブレードは、通常品とは別に用意する前提の部品になっている。詳しくは後半で扱う。
サイズが合っていても付かないことがある
「525mm/375mmと書いてあれば何でも付く」とは限らない。ワイパーメーカーの適合検索を読むと、ロッキー固有の注意がいくつか出てくる。
- 運転席側は、骨組みが見えるトーナメント型のブレードを付ける場合に別売の取付ホルダーが必要と案内されている製品がある(指定されているのは湾曲対応のオフセットホルダー)。助手席側に同じ指定はない。本体だけ買って、届いてから足りないと気づく箇所がここだ。
- 大型スポイラー付きのブレードは、運転席側・助手席側とも適用なしとされている。理由は、ワイパーとワイパーアームが干渉するため。見た目でスポイラー付きを選びたくても、この車種では選択肢に入らない。
- エアロ/フラットタイプや雪用の一部には、「純正ワイパーより寸法が短くなります」と注記が付く製品がある。エアロデザイン系なら助手席側、雪用ならリヤ側に付くことが多い。ふき取り範囲が狭くなるのを承知したうえでの選択になる。
- 助手席側は、替えゴムなら375mm、ブレードごとなら380mmの呼び寸を適用としている製品がある。表記が割れて見えるが、どちらもメーカー側が適合と判断した寸法で、別物を選んでしまったわけではない。
この適合検索はそのメーカー自身の製品についての調査で、他社製品の適合まで保証するものではない。社外品を買うときは、商品ページ側の適合表記でロッキーと年式が挙がっているかを自分で確かめてから注文したい。
フロント2本をブレードごと替える
いちばん多いのがこのケースだ。ふき取りが線で残る、ゴムが裂けている、ブレードが錆びて曲がっている——このどれかに当てはまるなら、前席2本をまとめて新品にするのが素直な解になる。
ロッキー用 フラットワイパーブレード 525mm/375mm フロント2本セット(U字フック・グラファイト加工)
純正と同じ525mm・375mmの2本セットで、Amazon実売価格(確認時点)は1,980円。フラットタイプなのでスポイラー付きのような干渉の心配がなく、U字フック用として売られているため取付ホルダーを別に足す必要もない。前席だけ片づけたい人はここから入るのがいい。価格は変動するので、注文時に必ず確認してほしい。
前後まとめて撥水タイプにする
リヤまで一度に終わらせたい人、雨天の水はけを優先したい人はこちら。
INEX 撥水ワイパー フロント左右+リア 1台分3本セット(ロッキー A200S/A201S/A202S/A210S 対応)
フロント左右とリヤの3本が1台分で揃い、Amazon実売価格(確認時点)は3,480円。リヤだけ別に探す手間がないのが利点で、前席と別系統のリヤをシリーズごと揃えられるのはセット品の強い場面だ。前席が新品になればステレオカメラ前のふき取りも同時に戻るので、運転支援を使っている車なら前後同時更新は理にかなう。
替えゴムだけで費用を抑える
ブレード本体がまだしっかりしているなら、ゴムだけの交換がいちばん安い。
ProTorque ロッキー用 ワイパー替えゴム 運転席・助手席・リア 3本セット
前後3本セットで、Amazon実売価格(確認時点)は1,550円。ブレードごと替える構成と比べると、同じ前後3本でも支出は半分以下に収まる。
ただし替えゴムは、買う前に確認しておくことが2つある。ひとつは、いま付いているブレードが純正のままか社外品に替えてあるか。もうひとつはゴムの系統で、前席は10.2mm幅、リヤは樹脂ワイパー用の6mm幅と分かれている。長さが合っていても幅の系統が違うゴムは入らないので、3本を「同じものが3つ」と考えないほうがいい。
もう1点、前席の替えゴムには金属レールが付属しない製品がある。メーカーの適合情報にも、使用中のゴムに入っている金属レールをそのまま使うようにという注記がある。古いゴムを抜いたらすぐ捨てず、金属プレートを抜き取ってから処分する。個々の商品にレールが付くかどうかは商品ページの記載で確かめてほしい。
降雪地・凍結する地域で使うなら冬用
取扱説明書は寒冷地用ブレードについて、雪が付着するのを防ぐために金属部分をゴムで覆ってある、と説明している。あわせて、高速走行時は通常のブレードよりガラスをふき取りにくくなることがあり、その場合は速度を下げるようにとも注意している。冬用に替えたら速度域の癖も変わる、と考えておきたい。
冬用(雪用)スノーワイパーブレード フロント・リア 1台分3本セット(ロッキー 2019年11月~対応)
前後1台分の3本セットで、Amazon実売価格(確認時点)は3,740円。なお雪用の製品には、リヤ側が純正より短い寸法になると注記されているものがある。購入前に注記を読んでおく。
冬用に替えても、凍結時の扱いは変わらない。取扱説明書は、ワイパーが凍結したときは無理に動かさず、ぬるま湯をかけて氷を解かしてから水分を十分にふき取るように、としている。熱湯をかけると部品が破損したり変形したりするおそれがあり、凍結したまま無理に作動させるとゴムを損傷したりモーターが故障したりするおそれがある、とも書かれている。冬場はこの手順のほうが部品代より効いてくる。
交換のやり方と、次に替える時期
取扱説明書に手順が載っている。フロントとリヤで外し方が違うので、そこだけ押さえておけばいい。
フロントはスライドさせて外す
ブレードは、アームを起こしてマイナスドライバーなどでカバーを起こし、スライドさせてアームから抜く。工具の先端には布などを巻いて、傷が付くのを防ぐ。取り付けは逆の手順。
ゴムだけを替えるときは、ゴムを引っ張ってストッパーをブレードのツメから外し、そのまま引き抜く。古いゴムから金属プレート2枚を取り外して新しいゴムに付け替える——切り欠きと反りの向きに注意する、と取扱説明書は指示している。入れるときはストッパーのないほうから、ブレードにある矢印の方向へ挿し込み、ストッパーをツメで固定して仕上げる。
作業中の注意もそのまま守りたい。ブレードの部分だけを持って起こすと変形するおそれがあるので必ずアームを持つ。ブレードを外したあとはガラスとアームの間に布などを挟む。ツメの破損と金属プレートの変形にも注意する。取扱説明書は、自分で交換するのが不安ならダイハツサービス工場に相談するように、とも書き添えている。
リヤは回して外す
リヤはフロントと方式が違う。アームを起こし、ツメのかん合が外れる位置までブレードを回してから、アームから取り外す。フロントと同じ感覚でスライドさせようとしても外れない。取り付けは逆の手順で、起こしたアームは手を添えながらゆっくり戻し、接続部が確実にロックされているかを確認する。
ゴムを替えるときは、ストッパーからゴムを引き出して抜き、金属プレート2枚を反りの向きに注意して移し替える。溝に入りにくいときはウォッシャー液を少量塗ると入れやすくなる、と取扱説明書にある。ゴムをつまんで数回スライドさせる、中央部を軽く持ち上げる、というコツも書かれている。
交換のあとに確認すること
ワイパーメーカーは交換頻度の目安として、ワイパーは年に1回、ゴムは半年に1回を推奨している。これはメーカーの推奨であって法令上の期限ではないので、ふき取りに線が残る・ビビリ音が出る・ゴムが裂けているといった症状が出た時点を交換のサインと考えればいい。
ウォッシャー液も一緒に見ておく。取扱説明書は、容器に表示してある凍結温度を参考に希釈して補給するようにとし、せっけん水やエンジン不凍液を代わりに入れないよう注意している。塗装にしみが付いたり、ポンプが故障して液が出なくなったりするおそれがあるためだ。エンジンが熱いときやかかっているときの補充も、アルコール成分を含むので避ける。
よくある質問
A200SとA210Sでワイパーのサイズは違う?
違わない。適合検索は2019年11月以降のロッキーをひとつの年式区分にまとめていて、A200S・A201S・A202S・A210Sの4型式がすべてその中に入る。ちなみに2025年9月~版の取扱説明書に載っている型式はA201S・A202S・A210Sで、A200Sは2019年11月からの初期型にあたる。
ワイパーは車検の対象になる?
道路運送車両の保安基準 第45条(窓ふき器等)では、前面ガラスの直前の視野を確保できる自動式の窓ふき器を備えることが義務づけられている。洗浄液噴射装置とデフロスタも同じ条で義務づけられた装備だ。つまり装置としては法令が求めているものになる。ただしこの条文にゴムの摩耗限度やふき取り性能の数値基準は書かれていないので、「ゴムが劣化していると必ず落ちる」といった線引きまではここから読み取れない。
社外品に替えてもスマートアシストは大丈夫?
取扱説明書は、純正品以外のブレードを装着したとき(長さが短いタイプ含む)を、衝突回避支援ブレーキが作動しないおそれのある状況として挙げている。社外品を使うなら、せめて長さは純正と同じ525mm・375mmを選ぶ。判断に迷うならダイハツ純正品を選ぶのが確実だ。
替えゴムだけとブレードごと、どちらが得?
ブレード本体が健全ならゴムだけのほうが安く済む。骨組みが錆びていたり押し付ける力が落ちていたりする場合は、ゴムを新品にしてもふき取りは戻らないので、ブレードごとのほうが結果として安い。2年ほど交換していない、走行距離が伸びている、というならブレードごとを勧めたい。
リヤワイパーも同じタイミングで替えるべき?
同時である必要はない。リヤは使用頻度が前席より低いことが多く、劣化の進み方も違う。ただ前後セット品を選べば1回の作業でまとめて終わるので、リヤも数年替えていないなら一緒に済ませたほうが手間は少ない。
まとめ:長さは3本とも決まっている
ロッキーのワイパー選びは、運転席525mm・助手席375mm・リヤ275mmという3つの長さを守るところから始まる。型式が4つあっても適合はひとつにまとまっているので、車検証の型式で悩む必要はない。そのうえで、選ぶのは次の4つのどれかになる。
- ふき取りが落ちてきた前席だけ替える → フロント2本のブレード交換
- リヤまで一度に片づけたい → 前後1台分の撥水セット
- ブレードはまだ生きている → 前後3本の替えゴム
- 降雪地で冬を越す → 冬用の前後セット
そして最後にもう一度置いておきたいのが、純正と同じ長さを選ぶという原則だ。ロッキーの運転支援はフロントガラス越しのカメラで成り立っていて、取扱説明書が純正以外のブレード(短いタイプを含む)を作動しないおそれのある状況に挙げている。安さや見た目より、長さを合わせることを先に決めてしまうほうがいい。
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