買い物カゴを2つ積んだだけで工具箱の置き場がなくなる、ベビーカーを入れると段差に引っかかって斜めにしか収まらない。ロッキーの荷室で行き詰まるのは、容量そのものより床面の高さをどこに決めるかという部分だ。ロッキーの荷室容量はダイハツ公式値で369L(VDA法による社内測定値・後席使用時)あり、全長3,995mmの5ナンバーサイズSUVとしては大きい部類に入る。ただしこの369Lは2段可変式デッキボードを下段にしたときの数字で、上段のまま使うと303L相当まで縮む。デッキボードの3モード、後席の6:4分割、そして駆動方式で深さが変わるアンダーラゲージ。この3つを押さえると、同じ車でも積める量ははっきり変わる。
ロッキーの荷室スペックを数字で押さえる
収納の工夫に入る前に、床面の寸法と容量の内訳を頭に入れておきたい。ロッキーの荷室はデッキボードより上の空間と、その下のアンダーラゲージという二階建て構造で、下側の深さが駆動方式によって変わる。
荷室容量と寸法の早見表
| 項目 | 数値 | 条件・出典 |
|---|---|---|
| 荷室容量 | 369L | 後席使用時・デッキボード下段(ダイハツ公式・VDA法による社内測定値) |
| 荷室容量 | 303L | デッキボード上段時(兄弟車ライズの公開値) |
| 荷室幅 | 1,000mm | 兄弟車ライズの公開値(ボディは共通) |
| 荷室床面長(奥行) | 755mm | 後席使用時 |
| 荷室高 | 865mm | デッキボード下段時 |
| デッキボードの上下差 | 約125mm | 下段にすると床面が約125mm下がる(ダイハツ公式) |
| 前後席の間隔 | 900mm | ダイハツ公式 |
荷室幅1,000mm・奥行755mmという枠は、収納ボックスを買う前の実寸としてそのまま使える。 高さは下段時が865mm、上段にすると約125mm浅くなるので実質740mm前後になる、と読み替えればいい。ロッキーは全幅1,695mm・全高1,620mm・ホイールベース2,525mmという小柄なボディなので、この荷室幅1,000mmは体感よりも広い。
駆動方式でアンダーラゲージの深さが変わる
デッキボードの上は369Lで共通だが、その下に潜っている空間は仕様によって違う。ダイハツは4WDには4WD機構、ハイブリッド車には補機バッテリーが床下に載るため積載量が変わる、と明記している。
| 仕様 | 型式 | 駆動 | デッキボード下を含む容量 |
|---|---|---|---|
| 1.0Lターボ | A200S | 2WD | 449L |
| 1.2Lガソリン | A201S | 2WD | 449L |
| 1.0Lターボ | A210S | 4WD | 407L |
| e-SMART HYBRID | A202S | 2WD | 386L |
2WDガソリン車のアンダーラゲージは、ダイハツ公式の説明で買い物カゴ2個分の広さがある。4WDとハイブリッドは同じ深さを期待できないので、床下に洗車用品一式を沈める前提で収納計画を立てるなら、まず自分の型式を車検証で確認しておく。 型式は運転席側のドア開口部やエンジンルームの車台番号刻印でも追えるが、車検証の「型式」欄が一番早い。
2段可変式デッキボードの3モードを使い分ける
ロッキーの荷室でいちばん効くのがデッキボードの位置決めだ。ダイハツはフラットラゲージモード(上段)、下段モード、デッキボードを外す大容量モードの3つを用意している。積む物ごとに正解が変わるので、毎回同じ位置で固定してしまうのがいちばんの損になる。
上段(フラットラゲージモード):重い物を引きずり出す日
デッキボードを上段にすると、バックドアの開口部と床面の段差が消える。重いキャンプギアやケース入りの工具、水を入れたポリタンクなど、持ち上げずに引きずって出し入れしたい荷物はこのモードが速い。 開口部で引っかからないので、腰への負担も減る。
引き換えに天井までの余裕は減り、容量は303L相当になる。スーパーの買い物袋やスポーツバッグのような「低くて広い」荷物なら、この303Lでも不足しない。
下段モード:369Lを使うのはこの位置
床面を約125mm下げると、荷室高は865mmに増えて容量は369Lになる。背の高い段ボール、縦置きのベビーカー、観葉植物、ワインの箱買いのように高さのある荷物はこの位置が前提。 開口部との段差ができるので、重い物を引きずり出す用途とは相性が悪い。
日常の使用頻度で言えば、下段を常用位置にして、重い荷物を積む日だけ上段へ戻すという運用が扱いやすい。デッキボードの入れ替えは工具なしで数十秒だ。
取り外し(大容量モード):背の高い物を立てる
ダイハツ公式はデッキボードを取り外して使えると案内しており、外すとアンダーラゲージと上の空間がつながって一続きの深い箱になる。外したデッキボードの置き場が必要になるのが唯一の弱点で、後席に立てかける、自宅ガレージに残す、のどちらかを決めておかないと車内で暴れる。
引っ越しの小物運搬、キャンプ用の大型クーラーボックス、脚立といった「高さが決め手」の荷物に対して、このモードは他のコンパクトSUVに対する明確な優位点になる。
後席を倒して長い荷物を積む手順
ロッキーの後席は6:4分割可倒式で、2段階のリクライニング機構も付く。長尺物は後席を倒して奥行を稼ぐが、倒し方を間違えると使える面が凸凹になる。
6:4分割をどちら側に倒すか
分割可倒の利点は、乗員を残したまま長い物を積める点にある。4側(狭い方)だけを倒せば後席に2人乗せたまま斜めの長物スペースを作れるので、家族4人でスキー板やゴルフバッグを運ぶ場面ではこの倒し方が現実解になる。 全部倒すのは、乗員が前席の2人だけと分かっている日に限ってよい。
倒した後席の背もたれ面は、デッキボードを上段にしたときの床面とつながって段差の少ない面になる。長い荷物を積むなら、後席を倒す前にデッキボードを上段へ移しておくと面がそろう。
倒す前の3ステップ
- 後席のヘッドレストを抜くか一番下まで下げる(背もたれが前席背面に当たって寝きらない原因の大半がこれ)
- デッキボードを上段(フラットラゲージモード)へ移し、背もたれ面との段差を減らす
- リヤシートのシートベルトを座面に噛ませないよう、バックル側に寄せて逃がす
シートを頻繁に倒す使い方なら、座面の擦れが早く出る。表皮の保護を先に考えるならロッキーのシートカバー選びを先に済ませておくと、倒す作業に気を使わずに済む。
荷室を3ゾーンに分けて散らかりを止める
369Lという容量は、何も仕切らずに使うと「奥に転がった物を取り出せない箱」に化ける。ロッキーの荷室は床・サイド・アンダーの3層に分けて役割を与えると、探す時間が消える。
床ゾーン:ボックスで区画を固定する
床面は幅1,000mm・奥行755mm。ここに幅400mm前後の収納ボックスを横に2つ並べると、幅方向に約200mmの余白が残り、細長い物(三脚、傘、洗車ブラシ)を差し込む隙間になる。ボックスは「幅の合計が900mmを超えないこと」を目安にすると、出し入れの手が入る余白が残る。
高さのある折りたたみコンテナを選ぶ場合は、下段モードの865mmが上限になる。上段運用が中心なら740mm前後で収まる高さのものを選ぶ。
サイドゾーン:縦方向のデッドスペースを使う
荷室の左右壁面と、リヤピラーの内側は空きやすい。ネット式の壁面ポケットやフック掛けのバッグを使うと、レジ袋・スプレー缶・軍手のような小物が床に転がらなくなる。
床に直置きする物を減らすほど、デッキボードの上げ下げが楽になる。上段と下段を切り替えるたびに床の物をどけるのが面倒で結局モードを固定してしまう、というのが最も多い失敗の形だ。
アンダーゾーン:頻度の低い物を沈める
デッキボード下のアンダーラゲージは、2WDガソリン車で買い物カゴ2個分。ここには「月に1回使うか使わないか」の物だけを入れる。 具体的には、パンク修理キット周辺の予備、洗車セット、雨具、ブースターケーブルあたりが定番になる。
4WDとハイブリッドは同じ深さがないため、このゾーンに期待しすぎないほうがいい。その分は床ゾーンのボックスか、後席足元に振り分ける。
収納グッズをサイズから逆算して選ぶ
ロッキー専用と銘打った製品は多くないが、寸法さえ握っていれば汎用品で十分に組める。専用品を探して見つからないまま何も買わない、という状態がいちばん荷室を遊ばせる。
ボックス寸法の割り付け早見表
幅1,000mm・奥行755mmという床面に対して、市販の収納ボックスをどう並べるかで使い勝手が決まる。
| 置き方 | 幅の合計 | 残る余白 | 想定する使い方 |
|---|---|---|---|
| 幅400mm×2個を横並び | 800mm | 約200mm | 三脚・傘・洗車ブラシを縦に差す |
| 幅300mm×3個を横並び | 900mm | 約100mm | 小物を種類別に3区画へ分ける |
| 幅600mm×1個+余白 | 600mm | 約400mm | 大物1つと日用品スペースを併存させる |
高さの上限は下段モードで865mm、上段モードなら740mm前後(865mmから約125mmを引いた値)。折りたたみコンテナは畳んだときの厚みも見て、使わない日にアンダーラゲージへ沈められるかどうかで選ぶと荷室が空く。
ボックスとトレイはモード別に選ぶ
デッキボードを上段で使うなら、面がフラットな分だけボックスが滑る。滑り止めシートかラバー底のボックスを合わせると、コーナーで中身が寄らない。下段モードで使うなら、段差が壁の役割をしてくれるので滑りは出にくい。
汚れ対策では、デッキボード上に敷く防水トレイと、荷室からリヤシート足元まで続くマットの2系統がある。土や水を持ち込む使い方が多いなら、荷室側を防水トレイ、乗員側をロッキーのフロアマットで分担させると洗う手間が減る。
積載量そのものを増やしたいとき
荷室の工夫だけで足りない場合、屋根に逃がす選択肢がある。全高1,620mmという低さは立体駐車場での取り回しに効いているので、ルーフキャリアを付けるとその強みは失われる。使う頻度が年に数回なら着脱式にしておくのが妥当だ。
車内側の収納を荷室の延長として使う
ロッキーの前後席間隔は900mm(ダイハツ公式)ある。荷室だけで全部を抱え込もうとせず、車内側に定位置を作ると、荷室の床ゾーンが一区画分まるごと空く。
前席まわりに残す物を絞る
標準の収納はセンターコンソールボックス、グローブボックス、ドアポケット、フロントコンソールサイドポケット、シートバックポケット。ここに置くのは、走行中に手が届く必要のある物だけに絞りたい。車検証入れ、サングラス、駐車券、充電ケーブル、モバイルバッテリーあたりが該当する。
それ以外を荷室のサイドゾーンへ追い出すと、コンソールの蓋が閉まらない、ドアポケットからペットボトルが落ちるといった日常の小さなストレスが消える。 前席の収納は容量勝負ではなく、頻度の高い物だけを残す場所として設計するのが実態に合う。
後席足元とシートバックを使う
後席に人を乗せる機会が少ないなら、後席足元は最も使われていない空間になる。ここにコンテナを1つ置くだけで、荷室の床ゾーンから区画を1つ移せる。前後席間隔900mmという数字は、後席に人が座った状態でも足元に薄い物を置ける余裕があることを意味する。
ただし急制動時に前へ転がる形状の物(丸い容器、キャスター付きバッグ)は足元に置かない。前席下へ潜り込んでペダル操作を妨げる経路が実在するためだ。足元に置くのは、直方体で自立し、シートレールに引っかかって止まる形の物に限る。
積み方で変わる安全と車検の線引き
荷室の使い方は快適性だけの話ではない。積み方が後方視界と荷崩れの両方に効く。
視界と荷崩れ
リヤウインドウ下端を超える高さまで積むと、ルームミラーの視界が塞がる。高く積む日は、荷物の天面を後席ヘッドレストの高さで止めるのが分かりやすい基準になる。 それを超える荷物を運ぶ日は、事前にドアミラー中心の運転へ切り替える意識を持ちたい。
固定していない荷物は、急制動時にそのまま前方へ飛ぶ。ラゲージフックにゴムバンドを渡す、コンテナごと荷締めベルトで留めるなど、重い物ほど固定の優先度が上がる。荷物の転がる音は走行中の異音と紛らわしいので、原因の切り分けが必要ならロッキーの異音の原因と対処の手順が使える。
後席を倒したままの乗車
後席を倒したまま人を乗せることはできない。倒した状態ではシートベルトが本来の位置で拘束できず、乗車定員の座席として成立しないためだ。全席を倒して大きな荷物を積む日は、乗るのは前席の2人までと決めて出発する。
よくある質問
ロッキーの荷室にゴルフバッグは積めますか
荷室幅は1,000mm、床面長は755mmなので、9型クラスのキャディバッグ(全長1m超)を後席を立てたまま横向きに寝かせるのは難しい。6:4分割の4側だけを倒して斜めに入れると、後席に2人残したままバッグを積める。2つ以上運ぶなら後席を全部倒すのが早い。
デッキボードを外したまま走っても問題ありませんか
ダイハツはデッキボードを取り外して使えると案内しているので、外した状態での使用そのものは想定内だ。ただし外したボードを車内に置き去りにすると急制動時に飛ぶ。降ろすか、後席背面に立てて固定するかを決めてから走り出したい。
ハイブリッド車の荷室はガソリン車より狭いですか
デッキボードより上の空間は369Lで共通だが、その下は違う。ダイハツはハイブリッド車には補機バッテリーが搭載されるため積載量が変わると明記しており、デッキボード下を含めた容量はハイブリッド車で386L、4WDで407L、2WDガソリン車で449Lとなる。差が出るのは床下だけなので、日常の買い物や旅行の荷物で体感差が出る場面は限られる。
後席を倒すと完全にフラットになりますか
デッキボードを上段(フラットラゲージモード)にすると、開口部と床面の段差が消えるとダイハツは説明している。倒した後席の背もたれ面とこの床面はつながって段差の少ない面になるが、完全な水平面になるとは公式には謳われていない。車中泊のように寝る用途では、残った傾斜と段差を埋めるマットが前提になる。
後席に人を乗せたまま長い荷物を積めますか
6:4分割可倒式なので、4側だけを倒せば後席に2人を残したまま長物スペースを作れる。前後席の間隔は900mmあるため、倒した4側の背もたれ越しに荷物を前方へ伸ばせば、荷室床面長755mmを大きく超える長さを収められる。倒した側の座席には人を座らせられないので、この積み方での乗車人数は前席2人+後席2人が上限になる。
まとめ:369Lを引き出す順番
ロッキーの荷室で成果が出る順番ははっきりしている。第一にデッキボードを積む物に合わせて上段・下段・取り外しの3モードで動かすこと。369Lは下段でしか成立せず、上段のままでは303L相当にとどまる。第二に幅1,000mm・奥行755mmという実寸からボックスを逆算し、床・サイド・アンダーの3ゾーンに役割を割り振ること。第三に、自分の型式(A200S/A201S/A210S/A202S)でアンダーラゲージの深さが違う点を織り込むこと。デッキボード下を含む容量は2WDガソリン車449L、4WD 407L、ハイブリッド386Lで、床下に何を沈められるかがここで決まる。この3段階を順に踏めば、コンパクトSUVの中でも上位の荷室を数字どおりに使い切れる。

コメント