ロッキー車中泊マット|A200S系の荷室寸法と段差対策

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夜の道の駅に着いて後席を前に倒し、荷室に寝転がった瞬間に気づくことがある。背中の下で床が一段ズレていて、足先へ向かってじわじわと下り坂になっている。ロッキーは全長3,995mmの5ナンバーサイズSUVで、荷室をそのまま寝床に変えるにはひと工夫が要る車だ。ただしロッキーには2段可変式デッキボードという純正の仕掛けがあり、その位置を正しく選ぶだけで段差の大半は処理できる。マット選びは、そこに残る傾斜と長さの不足をどう埋めるかという設計問題になる。

目次

ロッキーの就寝スペース早見表

寝床づくりは寸法の把握から始まる。ダイハツ公式の主要諸元表の数値と、車中泊での実測値を並べると、ロッキーの寝床がどの程度の大きさに収まるかが見えてくる。

カタログ寸法(ダイハツ公式)

項目 数値
全長 3,995mm
全幅 1,695mm
全高 1,620mm
室内長 1,955mm
室内幅 1,420mm
室内高 1,250mm
ホイールベース 2,525mm
最低地上高 185mm
荷室容量(後席使用時) 369L
前後席間隔 900mm

数字の読み方に注意が要る。室内長1,955mmはインパネ側から後席までを含んだ室内全体の長さであり、そのまま寝られる長さではない。荷室容量369Lも後席を立てたままの値で、車中泊で使うのは後席を前倒しした後の空間になる。カタログ値は寝床の上限を示す枠であって、寝床そのものの寸法ではないと考えておきたい。

実測ベースの就寝スペース

車中泊向けの実測データを見ると、後席を前倒しした状態の寝床はおおむね次の水準に落ち着く。

項目 実測の目安
就寝スペース長さ 約1,800mm
荷室高(床面から天井) 約860mm
倒した後席の先端から天井まで 約730mm
後席背面の傾斜による高さ減 約130mm
後席まわりの出っ張り段差 約50mm

寝床の長さは約1,800mmが目安で、身長175cm前後までなら足を伸ばして横になれる計算になる。一方で高さ方向は天井まで860mm程度しかなく、荷室で上体を起こして座るのは難しい。厚手のマットを敷くほど天井が近くなるため、厚みは寝心地と頭上空間のトレードオフになる。

この2つの表を並べると、ロッキーの寝床づくりで効く変数がはっきりする。長さ方向は前席のスライドで多少伸ばせるが、高さ方向は車両側で動かせない固定枠だ。つまりマットの厚みだけが自由に選べる調整代であり、そこに段差処理の役割まで背負わせることになる。逆に言えば、車両側でできる段差処理をやり切っておくほど、マットに求める厚みは薄くて済み、頭上空間に余裕が残る。

後席を倒しただけでは平らにならない理由

ロッキーの荷室は後席を前倒ししても水平な一枚板にはならない。原因は3つあり、それぞれ対処法が違う。ここを分けて考えないと、マットを買い足しても寝心地が改善しない。

リヤシート背面の傾斜

前倒ししたリヤシートの背面は完全な水平にならず、前方へ向かって下る傾斜が残る。実測では倒した後席の先端から天井までが約730mmとなり、荷室高の約860mmから130mmほど低い。つまり後席部分は荷室部分より一段高い位置に持ち上がっており、そのまま寝ると頭側か足側のどちらかが坂になる。

荷室とシート背面の段差

デッキボードの位置が合っていないと、荷室の床面と倒した後席背面の間に段差が生まれる。この段差は腰やお尻の下に来ることが多く、体重が集中する場所なので寝心地への影響が大きい。この段差はマットで埋める前に、デッキボードの位置で消すのが先になる。

両サイドの出っ張り

倒した後席の左右には、シート形状に由来する出っ張りが残る。実測で50mm級の高低差が生じる部分であり、体の幅方向に凹凸ができる。幅の狭いマットを中央に置くと、この出っ張りにマットの縁が乗り上げて傾く場合がある。

デッキボードを上段にして段差を消す

ロッキーの荷室には2段可変式デッキボードが備わる。この位置合わせが、ロッキーの車中泊で最も効く一手になる。

上段位置の効果

ダイハツ公式の説明によれば、デッキボードを上段にするとラゲージ開口部と床面との段差がなくなり、さらに前倒ししたリヤシート背面ともほぼフラットにつながる。つまり上段位置は、荷室と後席背面の高さを揃えるために用意された設定だ。車中泊でロッキーの荷室を寝床に使うなら、デッキボードは上段が基本形になる。

下段位置と取り外しの使い分け

デッキボードを下段にすると、上段時よりも床面が約125mm下がる。背の高い荷物を積むための設定で、荷室高を稼げる反面、後席背面との間に大きな段差ができる。寝床づくりでは不利に働くため、就寝時は下段のままにしない。デッキボードは取り外しても使えるので、日中はギアを深く積み、就寝前に上段へ戻す運用が組みやすい。

寝床づくりの手順

  1. 荷室の荷物を降ろし、デッキボードを上段位置に固定する
  2. 後席のヘッドレストを抜き、シートを前方へ倒して背面を寝床側に向ける
  3. 荷室と後席背面の高さが揃っているかを手のひらで撫でて確かめる
  4. 残った傾斜と出っ張りの位置を把握してから、マットを敷く順番を決める
  5. 前席を前方へスライドさせ、足元側の余白を寝床に取り込む

マットの厚みをどう決めるか

デッキボードを上段にしても、後席背面の傾斜と50mm級の出っ張りは残る。マットの厚みは、この残りをどこまで飲み込ませるかで決まる。厚みの一般的な考え方は車中泊マットの選び方(厚み早見表)にまとめてあるが、ロッキーの場合は次の目安で考えると外しにくい。

厚み別の目安

厚み ロッキーでの使い勝手
3cm以下 出っ張りと傾斜を拾いやすく、単体では寝心地が安定しにくい
5cm前後 段差はかなり吸収できるが、頭が沈む位置だと首が反りやすい
8cm前後 傾斜と出っ張りを飲み込みやすく、頭上空間との両立ラインになる
10cm以上 寝心地は上がるが、天井860mmに対して圧迫感が出やすい

ロッキーのように傾斜と段差が同時に残る車では、薄手のマット1枚で平らを作るのは難しい。厚み5〜8cmを軸に選び、足りない部分をタオルや衣類で局所的に足すほうが実戦的だ。

傾斜を打ち消す敷き方

後席背面は荷室側より高く、前方へ下る傾斜が残る。マットを全面に敷いた上で、低くなる側にタオルや薄いクッションを差し込むと、水平に近づけられる。頭を荷室側(テールゲート側)に向けるか後席側に向けるかで傾斜の向きが変わるため、両方を試して体が沈まない向きを選びたい。頭側がわずかに高いほうが、多くの人にとって寝返りが打ちやすい。

マットのサイズと種類を選ぶ

厚みが決まったら、次は寝床の平面に収まるかどうかを見る。ロッキーの荷室は幅方向にも余裕が大きくないため、サイズの読み違いは寝心地に直結する。

長さと幅の決め方

就寝スペースの長さは約1,800mmが目安になる。長さ190cm級のマットは荷室に収まらず、端が反り返って寝心地を損なう場合がある。前席を前方へスライドさせて足元の余白を取り込めば長さは稼げるが、マット自体は180cm以下を軸に選ぶと収まりが良い。幅は室内幅1,420mmが上限の枠で、後席の出っ張りを避けると実効幅はさらに狭まる。大人2人なら幅60cm前後のシングルマットを2枚並べる構成が現実的だ。

タイプ別の向き不向き

インフレータブルマットはバルブを開くと自動で膨らみ、厚みを稼ぎながら収納時は小さくまとまる。ロッキーのように段差処理が要る車と相性が良い。エアマットは空気量で高さを微調整でき、傾斜の打ち消しに使いやすい反面、ポンプの手間と穴あきのリスクが付く。折りたたみ式のウレタンマットは設営が速く扱いも簡単だが、厚みを増やすとかさばり、369Lの荷室では日中の置き場所に困りやすい。

収納サイズと設営の手間

ロッキーの荷室は決して広くないため、マットは「使わない時間」の置き場所まで含めて選びたい。日中に移動しながら観光する使い方なら、畳んだときに後席の足元へ収まるかどうかが分かれ目になる。インフレータブルタイプは丸めて収納袋に入る形が多く、デッキボード下のアンダーラゲージへ落とし込める場合がある。ウレタンマットは畳んでも体積が減りにくいので、後席を起こして日常使いに戻す運用とは噛み合いにくい。設営時間で見ると、自動で膨らむタイプは放置しておける分だけ手が空き、到着後に食事の準備と並行して寝床を整えられる。

駆動方式・パワートレイン別の注意点

ロッキーは荷室の上側の寸法は共通だが、デッキボードの下=アンダーラゲージの使える容量が仕様によって変わる。車中泊では就寝時に荷物を逃がす先が要るため、ここは効いてくる。型式は車検証で確認できる。

2WDガソリン車

ダイハツ公式によれば、2WDのガソリン車はデッキボードの下に買い物カゴが2つ入る大空間を備える。就寝中に荷物を床下へ落とし込めるため、ロッキーの中では最も寝床を広く使える仕様になる。デッキボードを上段にしたまま、下の空間に衣類や調理器具をまとめておける。

4WD車

4WD車は駆動機構が床下に入るため、公式の注記どおりアンダーラゲージの積載量が変わる。床下に逃がせる荷物が減る分、就寝時の荷物は前席や足元に移す前提で計画したい。寝床の上に荷物を残すと、実効的な就寝幅がそのまま削られる。

e-SMART HYBRID(A202S)

e-SMART HYBRIDは補機バッテリーを搭載する関係で、こちらもアンダーラゲージの容量が2WDガソリン車と異なる。荷室上面の寸法とデッキボードの2段可変機構は共通なので、マット選びの基準そのものは変わらない。変わるのは荷物の逃がし先だけで、そこを見誤らなければ寝床の作り方は同じだ。なお兄弟車のライズも荷室構成が近く、ライズの車中泊レイアウトの考え方はロッキーにそのまま応用できる。

マットと一緒に用意したい車中泊グッズ

マットで寝床が整っても、車中泊の快適性は他の要素にも左右される。ロッキーの車格で効きやすいものを絞って挙げる。

目隠しと遮光

窓からの視線と朝日は睡眠を分断する。ロッキーはガラス面積が広く、フロントとリヤの目隠しがあるかどうかで寝つきが変わる。専用設計のサンシェードは隙間が出にくく、吸盤式より手早く固定できる。

寝袋と寝具

マットは下からの突き上げと冷えを断つ役割で、体温を保つのは寝袋や毛布の担当になる。標高の高い場所や冬季は、マットの断熱性能(R値の表記があるものはその値)を見て選ぶと外しにくい。夏場は通気性のあるシーツを重ねると背中の蒸れを抑えられる。

電源と換気

エンジンを切った状態で電装品を使うため、ポータブル電源があると照明や充電をまかなえる。車内の照明はルームランプの明るさに左右されるので、光量の見直しも効く。換気は結露対策の要で、窓を数cm開けて虫よけネットを併用すると空気が回る。バッテリー上がりを避けるため、就寝中の電装品は車両バッテリーから切り離す運用にしておきたい。

季節別に効く追加対策

同じマットでも、季節によって効く使い方が変わる。ロッキーは室内高1,250mmに対して荷室部分の天井までが約860mmと低く、空気の層が薄いぶん外気の影響を受けやすい。

夏の暑さと湿気

夏場は床からの熱よりも、閉め切った車内にこもる湿気が寝苦しさの原因になる。マットの上に通気性のあるシーツを重ね、背中と接する面の汗を逃がすと体感が変わる。窓を数cm開けて虫よけネットを併用し、対角線上の2か所で空気の通り道を作ると熱がこもりにくい。厚手のマットは断熱層として働くため、地面や床からの放射熱を遮る効果も見込める。

冬の底冷え

冬は床下からの冷えが背中を直撃する。マットの断熱性能を示すR値の表記があるものは、その数値が高いほど床からの冷えを遮る。厚み5〜8cmのマットに銀マットを一枚重ねると、車体の鉄板から伝わる冷たさが和らぐ。就寝中はエンジンを切るのが前提なので、寝袋の対応温度も合わせて見ておきたい。結露は換気で抑えられるが、冬は窓を大きく開けにくいため、就寝前に車内の湿気を逃がしておく段取りが効く。

よくある質問

ロッキーで大人2人の車中泊はできますか?

寝床の長さは約1,800mm、幅は室内幅1,420mmが枠になるため、幅60cm前後のマットを2枚並べれば大人2人でも横になれる。ただし後席まわりの出っ張りで実効幅は削られ、荷物の置き場所も限られる。荷物を前席へ移し、デッキボードを上段にして平面を最大化する前提での話になる。

身長180cmでも足を伸ばして寝られますか?

荷室だけで確保できる長さは約1,800mmなので、180cmだと余裕がほとんど残らない。前席を前方へスライドさせて足元の余白を寝床側へ取り込むと、斜めに寝る必要がなくなる場合が多い。頭側をテールゲート側に置き、足を前席側へ伸ばすレイアウトが収まりやすい。

マットは何cmの厚みを選べばよいですか?

ロッキーは後席背面の傾斜と50mm級の出っ張りが残るため、3cm以下だと凹凸を拾いやすい。5〜8cmを軸に選び、低くなる側へタオルなどを差し込んで水平を出す方法が現実的だ。天井までが約860mmなので、10cmを超える厚みは頭上の圧迫感につながる。

e-SMART HYBRIDでも同じマットが使えますか?

荷室上面の寸法とデッキボードの2段可変機構はガソリン車と共通なので、マットのサイズと厚みの選び方は変わらない。違うのはデッキボード下のアンダーラゲージ容量で、補機バッテリーの搭載により2WDガソリン車と積載量が異なる。就寝中に荷物を逃がす先だけ、事前に決めておきたい。

まとめ|上段デッキボードと5〜8cmマットが基本形

ロッキーの車中泊は、マットを買う前にデッキボードの位置を決めるところから始まる。上段に固定すれば、ラゲージ開口部との段差が消え、前倒ししたリヤシート背面ともほぼフラットにつながる。ここまでが車両側でできる段差処理で、残るのは後席背面の傾斜と50mm級の出っ張りだ。

その残りを引き受けるのがマットで、厚み5〜8cmを軸に、寝床長さ約1,800mm・天井まで約860mmという枠に収まるサイズを選ぶ。低い側にタオルを差して水平を出せば、全長3,995mmのコンパクトSUVでも十分に眠れる寝床になる。駆動方式とパワートレインで変わるのはデッキボード下の容量だけなので、荷物の逃がし先を先に決めておけば、当日の設営は数分で終わる。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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