BMW M5 F90のオイル交換時期と量|CBS表示の見方

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F90型のM5を中古で手に入れたばかりで前回の交換がいつか分からない、あるいは新車から乗って距離が伸びてきた。そんな場面でまず決めたいのは、いつ替えるか、何を何リットル入れるか、どのフィルターを用意するかの3つだ。時期はBMWのCBS(コンディション・ベースド・サービス)の表示を軸にし、量は米国のBMW部品専門店の説明で約10.5クォート(約9.9L)が目安になる。ただしこの量はメーカーの公式値ではないので、規格とあわせて取扱説明書かディーラーで確かめてから作業に入ろう。

目次

F90 M5のオイル交換の時期・量・規格の目安

先に全体の答えを表にまとめる。どの値も、出典の確かさを一緒に見てほしい。

項目 目安 出典と確かさ
交換の時期 CBSの表示に従う BMW全般のCBSの解説による。F90 M5の距離・期間の指定はBMWの資料で確かめられていない
オイルの量 約10.5クォート(約9.9L) 米国のBMW部品専門店BimmerWorldの説明。メーカーの公式資料の値ではなく、オイルフィルター交換を含む量かは書かれていない
規格と粘度 取扱説明書の指定 BMWが指定する規格と粘度は、BMWの取扱説明書やサービス資料で確かめられていない

量と規格は、作業の前に取扱説明書かディーラーで確かめる。それぞれの詳しい扱いは下の節で説明する。

当てはまるF90 M5とエンジン

自動車ニュースサイトCar Watchの報道によると、F90型の新型M5は日本では2017年10月24日に受注が始まり、納車は2018年4月以降の予定とされた。エンジンはV型8気筒4.4リッターのツインパワーターボで、最高出力441kW(600PS)/5,600〜6,700rpm、最大トルク750Nm/1,800〜5,600rpm。駆動方式はM専用の4輪駆動システム「M xDrive」、変速機は8速Mステップトロニックで、ハンドル位置は左右どちらも用意された。なお、この報道にはエンジンオイルの量や規格の記載は無い。

フィルターのメーカーFILTRONの適合表では、M5(F90)のエンジン型式はS63B44B、総排気量4,395cc、441kW(600HP)で、生産は2017年12月から。M5 CS(F90)も同じS63B44Bで、467kW(635HP)・2021年4月からとされている。同じ適合表にM5 Competition(F90)の行は無い。M5 CSとM5 Competitionのオイル量や指定オイルは、標準車と同じかどうかをディーラーで確かめてほしい。

米国のBimmerWorldは、部品の適合を「F90(2018〜2023)M5」と書いている。これは米国の年式の数え方だ。またエンジンの呼び名は出典でそろわず、BimmerWorldはオイル交換キットの説明でS63TUとS63TU4、フィルターキットの説明でS63T4とS63Mと書いている。部品を買うときは、エンジンの呼び名ではなく車台番号で適合を確かめる。

オイル交換の時期の決め方

F90 M5のオイル交換の距離や期間の指定は、BMWの資料で確かめられていない。そこで時期は、CBSの表示に従う、JAFの一般的な目安を参考にする、負担の大きい使い方なら早める、の3つの考え方から、自分の使い方に合わせて選ぶ。迷うときはディーラーに相談すればよい。

CBSの表示の見方

BMWのCBSを解説した海外の整備情報サイトによると、CBSはエンジンオイルの寿命を監視しており、エンジン制御のコンピューター(DME)が燃料の消費量とオイルの状態をもとに交換時期を示す。オイルの電気の通りやすさを測るオイル品質センサーの情報も使う。

表示はメーターに出る車と、iDriveの「設定」から「サービス」を選んで見る車がある。アイコンで表示する車では、オレンジが通常、黄が交換時期、赤が期限超過だ。これはBMW全般の解説で、M5専用の説明ではない。普段使いなら、まずこの表示を基準にするのが分かりやすい。

JAFの一般的な目安

JAFの解説では、交換時期は車の種類や使い方で違うので取扱説明書等で確かめるよう勧めたうえで、一般的な目安としてガソリンターボ車は1万kmまたは6カ月(シビアコンディションでは5,000kmまたは3カ月)と示している(2025年7月時点の表)。ターボなどの過給器付きエンジンは高回転・高負荷になりやすいため、早めの交換が望ましいともしている。これはBMWの指定ではなく、車全般の目安だ。

負担の大きい使い方のとき

JAFの解説では、悪路の走行が多い、走行距離が多い、山道の登り下りを頻繁に行うなど、エンジンへの負荷が大きい使い方がシビアコンディションに当たる。サーキット走行や短距離の走行が多い使い方も、負担の大きい側に入れて考えたい。こうした使い方が多いなら、CBSの表示を待たずに早めに替えるのがよい。

オイルの量は約10.5クォートが目安

米国のBMW部品専門店BimmerWorldの説明では、F90 M5のエンジンオイル量は約10.5クォートだ。クォートは米国の単位で、1クォート約0.946Lで換算すると約9.9Lになる。同店のF90 M5用オイル交換キットはオイルを11クォート(約10.4L)入れた構成で、説明には「エンジンには10.5クォート入るはず」とある。

この値の扱いには注意がいる。約10.5クォートはメーカーの公式資料の値ではなく、オイルフィルター交換を含む量かどうかもBimmerWorldの説明に書かれていない。キットの11クォートはキットに入れた量で、エンジンの規定量ではない。BMWの取扱説明書やサービス資料で量を確かめられていないので、入れる量は取扱説明書かディーラーで確かめ、交換後は車側の油量の表示で確かめよう。

オイルの規格と粘度の選び方

F90 M5にBMWが指定するオイルの規格(BMWの承認の名前)と粘度は、BMWの取扱説明書やサービス資料で確かめられていない。

BimmerWorldの説明では、同店はF90 M5用のキットにレッドラインの5W30を入れ、これを「BMW LL-01の基準を上回る」オイルとしている。工場出荷のオイルに近い種類は燃費や排ガスの効率を重視した添加剤を入れており、高い性能を使う走り方では早く傷む、という考えからの選択だ。同店はまた、BMWが純正の5W30をやめて0W20と0W30に切り替えたとも書いている。どちらも販売店の見解で、F90 M5の指定を示すものではない。

JAFの解説では、エンジンオイルは取扱説明書に記載のものを推奨し、指定のオイルを使わないと車本来の性能を発揮できないことがあるとしている。粘度の表示のうちWの前の数字は小さいほど寒い時期でも始動しやすく、Wの後の数字は高温時の粘度で、大きいほど高速・高負荷の走行で油膜を保つ力が高い。粘度を下げると高負荷に耐えられないことがあり、上げると始動性や燃費が悪くなるおそれがあるため、粘度は取扱説明書の指定に従うよう勧めている。入れるオイルは、取扱説明書の指定か、ディーラーで車台番号から確かめたものにする。

交換で用意する部品と工具

純正オイルフィルターキット

米国のBMW部品専門店BimmerWorldによれば、F90 M5(2018〜2023の米国の年式)の純正オイルフィルターキットはBMWの部品番号11 42 5 A33 C43だ。中身はフィルターのカートリッジ、フィルターハウジングのシールのOリング、ハウジングのドレンプラグとそのOリング、オイルパンのドレンプラグのシールリング。このキットは、ドレンねじ付きの後期のフィルターキャップに合わせた部品だと説明されている。

フィルターキャップは前期と後期の2種類

BimmerWorldの説明では、フィルターキャップにはドレンねじの無い前期のものと、ドレンねじ付きの後期のものの2種類があり、フィルターはキャップごとに違う。同店はドレンねじ付きのキャップ(BMWの部品番号11 42 5 A34 A34に替わる品)の適合にF90 M5を挙げ、キャップのドレンねじとシールは単品では出ず、純正フィルターキットに入っているとしている。自分の車のキャップにドレンねじがあるかを確かめてから、フィルターを買う。

フィルターのメーカーFILTRONの適合表では、オイルフィルターOE 679/1がM5(F90)とM5 CS(F90)に挙げられている。寸法は外径75mm・高さ122mm・内径29mmと45mm。BMWの部品番号の照合欄には11 42 5 A33 C43など5つの番号が並ぶが、どの番号がどの車に当たるかは書かれていない。

これらの部品番号は米国の部品専門店の説明とフィルターのメーカーの適合表による値で、どちらも車台番号ごとの照合ではない。キャップの種類で合うフィルターが違うので、買う前に車台番号でディーラーか部品店に照合してもらおう。

工具とフィルターの交換頻度

BimmerWorldは、ドレンねじ付きフィルターキャップの関連商品に32mmのオイルフィルターキャップ用ソケットを挙げている。ただし関連商品の欄の記載で、F90 M5のキャップの寸法を説明した文ではない。工具は自分の車のキャップに合わせて確かめる。

JAFは一般論として、オイルフィルターの交換の目安をオイル交換2回ごとに1回としている。一方、BimmerWorldのF90 M5用オイル交換キットは、オイル交換のたびにフィルターも新品にする構成だ。シール類もキットに入っているので、オイル交換のたびにキットごと替えるほうが段取りは分かりやすい。

室内側のフィルターもあわせて替えるなら、型番は次の記事にまとめている。

オイル交換の手順

車の下にもぐる作業は、ジャッキだけで支えた状態では行わない。車を安全に持ち上げて支えてから、次の順で進める。

  1. ドレンねじ付きのフィルターキャップの車では、キャップを外す前にキャップのドレンねじからフィルターの中のオイルを抜いておく。BimmerWorldの説明では、こうするときれいに楽に作業できる。
  2. フィルターのカートリッジと、ハウジングのシールのOリング・ドレンプラグのOリングを新品に替える。キャップのドレンのシールは、付け直すときにエンジンオイルを塗っておく。
  3. オイルパンのドレンプラグからオイルを抜き、ドレンプラグのシールリングを純正フィルターキットに入っている新品に替えてから付け直す。
  4. 新しいオイルを入れる。量は取扱説明書かディーラーで確かめた規定量に合わせ、米国の部品専門店の値(約10.5クォート・約9.9L)は目安にとどめる。

オイルパンのドレンプラグとフィルターキャップの締め付けトルクは確かめられておらず、米国の部品専門店の説明にも記載が無い。トルクレンチで締める値は、BMWのサービス情報かディーラーで確かめてほしい。

交換後の油量の確認と表示のリセット

交換後の油量の確かめ方(エンジンを温めるか、待つ時間、表示の出し方など)は、F90 M5の資料で確かめられていない。取扱説明書の手順に従い、規定より多く入れたまま走らないようにする。

あわせて、CBSのオイル交換の表示を戻す(リセットする)。手順は車種で違うため、取扱説明書かBMWのサービス情報で確かめる。

BimmerWorldは、オイル交換のついでに次の点検も勧めている。

  • 冷却水・ブレーキフルードなど、ほかの油脂類の補充と点検
  • エンジンのエアフィルターとエアコンフィルターの清掃か交換
  • タイヤの空気圧、ブレーキパッドとローター・ベルトの点検
  • エンジンの上のカバーを外しての、ターボと配管の漏れの点検
  • ホースと吸気のゴム管の点検

車の下や周りを見るついでに、ほかの消耗品も見直しておくと手間が1回で済む。

自分で替えるか、店に頼むか

自分で替えるなら、次のものが手元にそろっているかを確かめる。

  • 車を安全に持ち上げる設備
  • フィルターキャップに合う工具
  • 締め付けトルクを守るトルクレンチと、そのトルクの値を確かめる手段
  • 約10Lの廃油を受ける容器と、処分の手段
  • 交換後の油量の確認と、CBSの表示を戻す手順の確認

これに加えて、フィルターキャップの種類と部品番号を車台番号で確かめる手間もかかる。1つでも欠けるなら、ディーラーや輸入車を扱う整備工場に頼むほうがよい。その場合は部品代のほかに工賃がかかるので、見積もりで確かめておこう。

よくある質問

約10.5クォートはオイルフィルター交換込みの量か

BimmerWorldの説明には、フィルター交換を含むかどうかが書かれていない。約10.5クォート(約9.9L)は米国の部品専門店の値でメーカーの公式値でもないので、入れる量は取扱説明書かディーラーで確かめ、交換後に車側の表示で確かめる。

0W30と5W30のどちらを入れればよいか

F90 M5の指定の規格と粘度は、BMWの資料で確かめられていない。5W30を勧めるのも、BMWが0W20と0W30に切り替えたとするのも米国の販売店の見解だ。取扱説明書の指定に従い、分からなければディーラーで車台番号から確かめる。

フィルターはどれを買えばよいか

まず自分の車のフィルターキャップにドレンねじがあるかを見る。純正キット11 42 5 A33 C43は、BimmerWorldの説明ではドレンねじ付きの後期のキャップに合わせた部品だ。キャップの種類でフィルターが違うので、買う前に車台番号で照合してもらう。

ほかのBMW Mモデルも同じ値でよいか

量・規格・部品番号はF90 M5の値を当てはめず、車種ごとに確かめる。M4 F82とM3 G80は、それぞれの記事にまとめている。

まとめ

最初にやるのは、車検証で型式と初度登録年月を確認することだ。そのうえで、次の順に決めていく。

  • 時期はCBSの表示を軸にし、サーキットや山道など負担の大きい使い方なら早める
  • 量は、米国の部品専門店BimmerWorldの値で約10.5クォート(約9.9L)が目安。メーカーの公式値ではないので、取扱説明書かディーラーで規定量を確かめる
  • オイルは、JAFも勧めるとおり取扱説明書の指定に従う
  • フィルターはキャップのドレンねじの有無を見て、車台番号で部品番号を照合してから買う
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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、車種ごとの記事と、車種を横断した早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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