更新日:2026年3月
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音の種類と発生タイミングで原因部位を絞れる
ヴォクシーの異音は「音の種類」と「いつ鳴るか」を組み合わせれば、原因の部位をかなり絞り込めます。本記事では足回り・CVT・ドライブシャフト・エンジン・室内など部位別に原因・対処法・費用の考え方を整理し、DIY可否の判断軸まで示します。
ヴォクシーは重量のあるミニバンのため、年式や走行距離とともに足回り・エンジン・室内など複数の部位から異音が出やすくなります。「コトコト」「ゴゴゴ」「ウィーン」など、音の種類や発生するタイミングによって原因部位はある程度絞れます。以下では部位別に原因・対処法・費用の考え方をまとめています。
型式に関するご注意: 80系ヴォクシーの型式は1つではありません。トヨタの主要諸元表(2018年6月)では、ガソリン車がZS(エアロ・3ナンバー)のZRR80W/ZRR85W、V・X(5ナンバー)のZRR80G/ZRR85Gに分かれ、ハイブリッド車はZWR80W(ZS)/ZWR80G(V・X)です。型式の数字が85のZRR85W/ZRR85Gが4WDで、ハイブリッドは2WDのみの設定です。ZS系は全長4,710mm・全幅1,735mm、V・X系は全長4,695mm・全幅1,695mmとボディ寸法も違います。90系(MZRA90W/MZRA95W・ZWR90W/ZWR95W)とは車体構造そのものが異なるため、年式・型式によって症状や修理費用が変わる場合があります。作業前に車検証で型式をご確認ください。
ヴォクシー異音の診断早見表|音の種類×発生タイミング
異音の原因を探るときは「どんな音か」と「いつ鳴るか」の2点を確認するのが基本です。下の表で当てはまるパターンを探してみてください。
| 音の種類 | 発生タイミング | 疑われる部位 |
|---|---|---|
| コトコト/カタカタ | 低速走行・段差通過時 | スタビリンク・ブッシュ |
| ゴトゴト | 段差通過・コーナリング時 | ショックアブソーバー |
| ゴーゴー/ウィーン | 速度に比例して増大 | ハブベアリング・CVT |
| キュルキュル | 走行中・エンジン始動時 | ファンベルト |
| コンコン/カラカラ | 発進時・旋回時 | ドライブシャフト |
| ギシギシ | 段差・荒れた路面 | ダッシュボード・ドア |
| キーキー | ブレーキ踏み込み時 | ブレーキパッド |
| シャリシャリ | 走行中・ブレーキ時 | ブレーキキャリパー |
複数の音が同時に出る場合、複数の部位が同時に劣化していることもあります。気になる症状がある場合は早めに整備工場で点検を受けてください。
ヴォクシーのフロアマットを確認したい場合はこちら。
部位別の原因と対処法|足回り・駆動系・エンジン・ブレーキ・室内
足回り(スタビリンク・ショックアブソーバー・ハブベアリング)
足回りは異音の代表的な発生部位です。その一例がスタビライザーリンク(スタビリンク)のボールジョイント劣化で、低速走行中や段差通過時に「コトコト」「カタカタ」という音が出ます。
スタビライザーは左右のサスペンションをつなぐ棒状の部品で、コーナリング時の横揺れを抑える役割を持っています。背の高いミニバンほど負荷がかかりやすく、足回りの中では交換頻度の高い部位です。
費用の考え方:
| 部品名 | 費用の考え方 |
|---|---|
| スタビリンク(左右) | 部品代+工賃。作業範囲で変わる |
| ショックアブソーバー(前後) | 部品代+工賃。作業範囲で変わる |
| ハブベアリング(1輪) | 部品代+工賃。作業範囲で変わる |
速度に比例して「ゴーゴー」という音が大きくなる場合は、ハブベアリング劣化の可能性があります。ハブベアリングはタイヤと車軸をつなぐベアリングで、劣化すると走行音が大きくなります。放置すると音がさらに大きくなるうえ走行安定性にも影響するため、早めの点検が必要です。
ショックアブソーバーが劣化すると、段差通過時に「ゴトゴト」という音が出るようになります。交換の時期は整備工場の点検で判断しましょう。
ドライブシャフト(等速ジョイント・ブーツ)
等速ジョイントの摩耗は、世代を問わず代表的な異音原因です。発進時や旋回時に「コンコン」「カラカラ」という音が出る場合は、ドライブシャフトを疑いましょう。
ドライブシャフトブーツが破れてグリスが飛散すると、等速ジョイントの摩耗が進みます。ブーツが破れた段階で気づければ、交換する範囲は小さくて済みます。
費用はブーツのみの交換で済むか、シャフト一式の交換になるかで大きく変わります。具体的な金額はディーラーや整備工場の見積もりで確認してください。
CVT(80系特有の注意点)
ヴォクシー80系のガソリン車では、速度に比例して「ウィーン」「キーン」という音が出ることがあります。原因のひとつとしてCVT内部のベアリング劣化が挙げられ、進行するとCVTミッション本体の交換が必要になります。対象はZS系のZRR80W/ZRR85Wだけでなく、V・XのZRR80G/ZRR85Gも同じSuper CVT-i(自動無段変速機)を積んでいるため同様です。一方でハイブリッド車(ZWR80W/ZWR80G)の変速機は電気式無段変速機で構造が異なり、ここで扱う症状とは別に考えてください。
CVTミッションの交換は費用が大きくなるため、症状が出たらすぐにディーラーで診断を受けることをおすすめします。なお、トヨタは2017年7月に、平成25年12月から平成28年に生産したノア・ヴォクシー・エスクァイア(ZRR80W/ZRR80G/ZRR85W/ZRR85G)の一部を対象として、無段変速機(CVT)のトルクコンバータの無料修理を案内しました。ただし対象として案内されている現象はここで扱っている音ではなく、製造ばらつきにより、ロックアップクラッチの構成部品の一部に強度が不足しているものがあり、頻繁に加減速を繰り返すと当該クラッチが作動しなくなり、警告灯が点灯しフェールセーフ走行となる場合がある、というものです。この現象についてトヨタ販売店で点検の結果、該当する場合は、新車を登録した日から13年以内であれば、トルクコンバータおよび無段変速機内の一部構成品を補給部品と交換(無料)してもらえます。対象かどうかは型式と車台番号の範囲で決まり、無料修理には上記の期間の区切りもあります。対象と期間、現在の取り扱いは担当ディーラーで確認してください。
ドライブレコーダーの確認はこちら。
エンジン・補機類
エンジン付近からの異音にはいくつかのパターンがあります。
ファンベルト(Vベルト)の劣化は「キュルキュル」という音で始まり、放置すると「カタカタ」へと変化します。ベルトは補機の駆動に関わるため、キュルキュル音に気づいたら早めに点検しましょう。
エンジンマウントの劣化はアイドリング時の「カタカタ」した振動や、発進時の振動増加として現れます。劣化したまま走行を続けると、振動がボディへ直接伝わります。交換の時期と費用は、ディーラーや整備工場に相談してください。
ウォーターポンプが故障すると「ガラガラ」「うなり音」が出ることがあります。冷却に関わる部品のため、この音に気づいた場合は走行を中止して整備工場へ連絡してください。
ブレーキ系
ブレーキからの異音は安全に関わる部位のため、最優先で点検を受けてください。
ブレーキ踏み込み時の「キーキー」音は、ブレーキパッドのウェアインジケーターが接触しているサインです。パッドの摩耗限界を知らせる設計になっており、この音が出たら早急にパッド残量を確認して交換が必要です。
なお80系はリヤブレーキの形式が型式で分かれます。主要諸元表では2WDのガソリン車(ZRR80W/ZRR80G)がリーディングトレーリング式ドラム、4WDのガソリン車(ZRR85W/ZRR85G)とハイブリッド車(ZWR80W/ZWR80G)がディスクです。リヤがドラムの車ではパッドではなくブレーキシューの点検になるため、見積もりの内容も変わります。
常時「シャリシャリ」という音がする場合は、ブレーキキャリパーの固着が疑われます。ブレーキの効きに関わる部位のため、走行を続けずに整備工場へ持ち込んでください。
室内/ボディ系
室内からの異音には、DIYで対処できるものもあります。
ダッシュボードのギシギシ音は、プラスチック部品同士が擦れることで発生します。擦れている箇所にフェルトテープを挟むことで対処できます。ゴム手袋などで触りながら場所を特定すると作業しやすいです。
ドアやウェザーストリップのギシギシ音は、ゴムが劣化して乾燥したことで発生します。シリコンスプレーをウェザーストリップに塗布することで改善できます。
DIYで対応できる異音 vs プロに依頼すべき異音
修理方針を判断するための基準をまとめます。
DIY対応可能
| 症状 | 対処法 | 費用の考え方 |
|---|---|---|
| ダッシュボードきしみ | フェルトテープを挟む | フェルトテープの購入費のみ |
| ドアゴムモール乾燥 | シリコンスプレー塗布 | シリコンスプレーの購入費のみ |
| ステアリングシャフト | グリスアップ | グリスの購入費のみ |
プロに依頼すべき症状
- 足回り全般(スタビリンク・ショック・ハブベアリング)
- CVTやドライブシャフトの異音
- エンジン系・ウォーターポンプ
- ブレーキ系(キーキー・シャリシャリ)
安全性に直結する部位の修理は、自己判断で放置せず整備工場やディーラーへ相談してください。
予防メンテナンスの目安
定期点検は、異音の早期発見につながります。国土交通省の案内では、自家用乗用車の定期点検は1年ごと(29項目)・2年ごと(60項目)と示されています。気になる部位は、その機会にあわせて点検してもらうと確実です。
| 点検推奨部位 |
|---|
| スタビリンク・ブッシュ |
| ショックアブソーバー・ベルト類 |
| エンジンマウント・CVT・足回り総点検 |
よくある質問
Q. ヴォクシーで代表的な異音は何ですか?
代表的なのはスタビリンクのコトコト音とCVTのウィーン音です。80系の型式はZRR80W/ZRR85Wだけでなく、V・XのZRR80G/ZRR85G、ハイブリッドのZWR80W/ZWR80Gもあります。サスペンション形式(フロントはマクファーソンストラット、リヤはトーションビーム)は諸元表上どの型式も同じです。スタビリンクは左右の交換で改善することがあり、CVTの音はガソリン車で出ることがあります。いずれもディーラーへの相談を優先することをおすすめします。
Q. ヴォクシー90系でコンコンという音がします。原因は何ですか?
発進時や旋回時のコンコン・カラカラという音は、ドライブシャフトの等速ジョイントの摩耗で出ることがあります。90系(MZRA90W/MZRA95W・ZWR90W/ZWR95W)でこの音に気づいたら、早めにディーラーか整備工場で確認してもらいましょう。費用はブーツのみの交換か、シャフト一式の交換かで大きく変わるため、見積もりで確認してください。
Q. ブレーキを踏むとキーキー音がします。危険ですか?
ブレーキパッドのウェアインジケーターが接触している可能性が高く、摩耗限界の警告音です。早急にブレーキパッドの残量を確認して、摩耗していれば交換が必要です。ブレーキの効きに関わる部位のため、速やかに整備工場へ持ち込んでください。
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