買い物袋を積むと荷室の浅さが気になる、大きい箱を持ち帰りたいが後席の倒し方が分からない。初代ポルテの荷室で詰まる場面は、だいたいこの2つに集まる。荷室を広げる手は、後席の背もたれを前に倒すか、後席の座面を引き起こして縦のスペースをつくるかの2つで、どちらが使えるかは自分の車の後席の作りで変わる。そして2WDのNNP10に床下収納は無い。ここを取り違えたまま収納用品を買うと、まず入らない。
床下に収納があるのは4WDだけ
NNP10は初代ポルテの1.3Lガソリン・2WDの型式で、トヨタの主要諸元表ではエンジンが2NZ-FE(総排気量1.298L)、グレード表記は130i。同じ初代でも1.5Lの2WDがNNP11(150r)、1.5Lの4WDがNNP15(150i)で、荷室まわりの装備はこの駆動方式の違いで分かれる。自分の型式は車検証の型式欄に書いてある。初代は2004年7月発売、2012年7月に2代目へ切り替わった。
トヨタの主要装備一覧(2007年6月時点)を見ると、デッキボードとデッキアンダートレイの標準装備マークは4WDの150iの列にしか付いていない。取扱説明書のデッキアンダートレイの項も4WD車の説明として書かれている。NNP10で床下収納を前提にした収納プランは、はじめから成り立たない。
では2WDの床下に何が入っているか。トヨタの取扱説明書(2010年8月〜2012年6月生産分)の格納図では、スペアタイヤ、スペアタイヤカバー、マット、ジャッキ、ジャッキハンドル、ホイールナットレンチ、けん引フックが並ぶ。荷室の床材を持ち上げれば自分の車がどちらか分かる。もしデッキボードが出てくればその車は4WDで、支えの無い部分に約20kg以上を載せない、スペアタイヤを外した状態でトレイを使わない、という注意が付いてくる。
床下トレイを持つ車種の使い方はこちらにまとめてある。
広さの前提は室内寸法まで、荷室は自分で測る
メーカーが公表しているのは室内の3辺と床の高さ
トヨタの主要諸元表によると、2WDのNNP10とNNP11は室内長2,145mm・室内幅1,370mm・室内高1,390mm。車体は3型式共通で全長3,990mm・全幅1,690mm・全高1,720mm、ホイールベース2,600mm。トヨタの社史に載る車両詳細情報では、助手席側中央に置いた間口1,020mmの大開口電動スライドドアと、地面から300mmという低いフロア高さが初代の設計上の柱として書かれている。荷物の積み下ろしという観点では、持ち上げる高さが低く、間口が広いという二重の利点になる。
そのかわり、荷室そのものの奥行き・幅・容量はメーカー公表値が確認できない。 検索で出てくる「荷室の奥行き500mm・幅1,040mm・高さ810mm」は2012年7月からの2代目のもの。2代目の寸法をまとめた自動車情報メディアの記事では室内長2,160mm・室内幅1,420mm・室内高1,380mmと並ぶが、初代とは室内幅で50mm、室内長で15mm違う。同じ記事にある「6:4分割可倒式はXグレードを除く」「助手席スライド700mm」も初代には当てはまらない。
測るのは3か所
収納用品を買う前に、自分の車で次の3つを測る。
- バックドアを開けた開口の幅と高さ。ここを通らない箱はそもそも入らない
- 後席を立てた状態での床の奥行き(後席背面から荷室の内側の壁まで)と床の幅。日常の買い物で使うのはこの寸法
- 後席を前倒しした状態での床の奥行きと、床から天井までの高さ。長い荷物を積むときの限界値
床が水平でない箇所があるので、いちばん狭いところを基準に取る。収納ボックスやコンテナは、この実測値より外寸が小さいものを選ぶ。
後席が6:4分割可倒式か一体可倒式かで手が変わる
取扱説明書に載る初代ポルテのシートアレンジは5種類ある。助手席の背もたれを倒すシートバックテーブル、運転席フラットシート、後席の背もたれを前倒しするラゲージスペースの拡大、助手席を前へ送るフリースペース、後席の座面を引き起こす背高荷物収納スペース。荷物を積む目的で主役になるのは、後ろの2つだ。
発売初期の130iだけ作りが違う
発売初期のトヨタの主要装備一覧(2005年3月時点)では、6:4分割可倒式(クッションチップアップ・リクライニング付)は150rと130i“Cパッケージ”に標準で、素の130iは一体可倒式だった。2007年6月時点の一覧では2WDの4グレードすべてが6:4分割可倒式に変わり、一体可倒式は4WDの150iだけになる。2011年11月時点も同じ並びだ。
グレード名ではなく座面のバンドで見分ける
年式で装備が動いている以上、グレード名だけで自分の車を決めない。後席の座面前側にロック解除のバンドがあるか、背もたれが左右別々に倒せるかを実際に触って確かめる。 取扱説明書もシートアレンジ一覧で背高荷物収納スペースにだけ★印を付け、グレード等により装着の有無が異なると注記している。
後席を倒して奥行きを伸ばす
操作前に整える条件
安全で平坦な場所に駐車し、シフトレバーをPに入れ、パーキングブレーキを確実にかける。不整地や傾斜地では操作中にシートが不意に動いて手足を挟むおそれがある。走行中は操作しない。シートの下やロック機構、動いている部分の近くに手や足を近付けない。
倒す手順
まず後席のシートベルトをベルトハンガーにかける。倒すときに巻き込まないためで、分割可倒式なら倒す側のベルトだけでよい。次に背もたれの固定ノブを引いて前に倒す。分割可倒式は左右独立で倒せるので、片側だけ倒せば長い荷物と後席の乗員を同時に乗せられる。 助手席の背もたれも前に倒せば、さらに長い荷物が入る。前席に当たって倒しにくいときは、前席を前方に移動するか、後席のヘッドレストをボタンを押したまま引き抜く。外したヘッドレストは人を乗せる前に必ず戻す。
戻すときの3つの確認
背もたれを起こしてうしろに押さえ固定し、軽くゆさぶって確認する。固定ノブの赤ラベルが見えていたら、その背もたれは固定されていない。 そしてシートベルトをベルトハンガーから外し、背もたれに引っかかっていないか、ねじれていないかを見る。挟み込んだまま使うと、衝突時にシートベルトが十分な効果を発揮しない。なお分割可倒式のリクライニングは起こした状態とリクライニング状態の2段階だけで、倒すときは荷室の荷物に背もたれを当てないようにする。
同じ倒し方で荷室を広げる小型車の例はこちら。
座面を立てて背の高い荷物を積む
初代ポルテの荷室でいちばん効くのがこの手だ。背もたれを倒しているなら起こし、バンドを手前に引いてロックを解除してから座面を持ち上げる。持ち上げた座面は、裏面のポケットからシート固定ベルトを取り出し、助手席側後席のヘッドレストを引き上げてフックをステーにかけて固定する。戻すときは逆順で、固定ベルトをポケットに格納し、背もたれを調整してから、軽くゆすって固定を確認する。
注意は3つ。起こした状態で座面の土台部分に乗らない。戻すときに土台と座面の間へ手や足を入れない。そして背高荷物収納スペースに人を乗せて走らない。
ここが効くのは、床が地面から300mmと低く、間口1,020mmのスライドドアが真横に開くからだ。縦長の荷物を高く持ち上げずに横から差し込める。ドア構成は運転席側がヒンジ式1枚、助手席側が大開口スライドドア1枚とバックドアなので、運転席の後方から荷物を入れる経路は無い。荷物の置き場所は、左のスライドドアとバックドアの2つからどう手が届くかで決めることになる。
長い荷物と大きい荷物は助手席まで使う
後席の前倒しに助手席の前倒しを足すと、車内を縦に長く使える。助手席はシートベルトのバックルを収納し、背もたれのベルト引き出し部に手をそえながらリクライニングレバーを引いて前に倒してロックさせ、ゆさぶって固定を確認する。前後位置が前寄りだと背もたれがインストルメントパネルに当たるので、その場合は先にうしろへ下げる。倒した面の上には乗らないし、走行中にテーブルとして使わない。
もっと広く取りたいならフリースペースの型になる。バックルを収納し、助手席のヘッドレストを取りはずし、リクライニングレバーで背もたれを前に倒してロックさせ、背もたれ裏の前後位置調整レバーを引いてシートをいちばん前まで送って固定する。助手席の足元から後席の前まで一続きの床ができる。
助手席は前後間750mmのロングスライドで全グレード標準、前後位置調整レバーは2か所にある。さらに助手席ストッパーを取りはずせば調整範囲を広げられる。外したストッパーの保管場所は取扱説明書で決まっていて、2WDはジャッキと一緒にクリップに固定する。戻すときはツメをレール内の穴に挿し込み、「前」と書かれた部分が車両の前方を向くように取り付ける。
小物は荷室に置かず車内の収納へ振り分ける
荷室で転がる小物は、そもそも荷室に置かないほうが早い。取扱説明書に載る収納は、収納ボックスが4か所(グローブボックス、センターロアボックス、運転席ロアボックス、運転席小物入れ)、収納ポケットが4か所(助手席正面、運転席ドア、後席の運転席側と助手席側)。ほかにマルチボックス、カップホルダー、ボトルホルダー、運転席シート後部のコンビニフック、後席助手席側のアンブレラホルダー(傘2本)がある。ボトルホルダーはペットボトル専用で、大きさや形によっては入らない。
数字で線が引かれているのは2つだけだ。マルチボックスのトレイは最大荷重約1.2kg、コンビニフックは最大荷重約4kg。 買い物袋を掛けるならこの4kgが目安になる。マルチボックスのトレイは取りはずしや位置の移動ができるので、深い物を入れる日は外し、小物を仕分けたい日は入れる。固定するときはボックス内の溝にトレイをかけ、両側面のツメを最後までかけておく。
収納ボックスのフタを開けたまま走らない。収納ポケットやマルチボックスに転がりやすい物や凹面より高さのある物を入れない。傘をアンブレラホルダーに挿すときはスライドドア開口部からはみ出さないようにする。ライターやスプレー缶を放置しないのも同じ話だ。
積んだあとに確認すること
荷物はラゲージルームの前方に均等になるよう、安定した状態で積む。助手席や後席に荷物を積み重ねると、急ブレーキや旋回で飛び出す。倒した背もたれの上やラゲージルーム、シートアレンジで広げたスペースに人を乗せて走らない。後席を前倒ししたときは、子どもがラゲージルームに入らないよう見ておく。走行中はバックドアを閉じ、走り出す前に完全に閉まっていることを確かめる。
ハロゲンヘッドランプ装着車には光軸を下向きに調整するダイヤルがあり、取扱説明書が積載状況ごとの目安を示している。運転席のみ乗車で0、運転席と助手席で1、5名乗車で3、5名乗車かつラゲージルーム満載で4、運転席のみかつ満載で5。荷物を降ろしたら必ず0に戻す。 荷室を満載にする使い方をするなら、積んだ日に合わせて動かす習慣がいる。
もう1つ、エンジンがかかっているときや停止直後の排気管は高温になっている。積み降ろしで手や足がふれるとやけどをするので、荷室の作業はエンジンを止めてから始める。
よくある質問
床下に収納が見当たらないのはなぜ?
2WDのNNP10には床下収納の装備が無いからだ。デッキボードとデッキアンダートレイは4WDの150i(NNP15)だけの標準装備で、2WDの床下はスペアタイヤと工具の格納場所になっている。他車種や2代目ポルテの解説を当てはめると、ここを取り違える。
後席の座面が持ち上がらないのはなぜ?
一体可倒式の後席だと考えられる。発売初期の素の130iは一体可倒式で、座面を引き起こす背高荷物収納スペースが使えない。この場合は背もたれの前倒しと、助手席側を使う型で組み立てることになる。
荷室の奥行きは何cmですか?
初代についてはメーカー公表値が確認できていない。検索で出てくる数値は2代目のものが混ざっているので、そのまま当てにしないほうがよい。バックドア開口、後席を立てた状態、倒した状態の3か所を自分で測るのが確実だ。
4WDのNNP15とは何が違う?
室内高が1,335mmで2WDより55mm低く、最低地上高も135mm(2WDは150mm)。後席は一体可倒式で、デッキアンダートレイが標準装備になる。荷室まわりの前提が別物なので、NNP15向けの解説をNNP10にそのまま持ち込まない。
まとめ
型式やグレードが曖昧なら、車検証で型式と初度登録年月を確認するところから始める。次に荷室の床材を持ち上げて中を見る。スペアタイヤが出てくればNNP10の想定どおりで、床下は当てにしない。そのうえで後席の座面前側にバンドがあるかを触って確かめ、座面を引き起こせる車かどうかを決める。広げる手は後席の前倒しと座面の引き起こしの2つ、足りなければ助手席まで倒す。収納用品を選ぶのは、3か所を測ったあとでいい。

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