車検の見積もりでウインカーの球切れを指摘されたり、夜にバックしたときリアの照らしが妙に暗いと感じたりしたとき、最初に必要になるのが灯火ごとのバルブ型番だ。ワゴンR MH34Sはヘッドライトがハロゲン仕様とHID仕様の2系統に分かれていて、この2つで買うべき球が根本から違う。さらにリアまわりには、型番が存在してもバルブ単体では交換できない箇所が混ざっている。灯火位置ごとの規格を、仕様差と交換可否まで含めた早見表に整理する。
ワゴンR MH34S のバルブ型番 早見表(灯火位置別)
MH34Sは5代目ワゴンR(スティングレーを含む)の型式で、2012年9月から2017年2月まで販売された。2014年8月の改良でS-エネチャージ搭載のMH44Sが加わるが、灯火まわりの規格はMH34SとMH44Sで共通に扱われている。
| 灯火位置 | バルブ型番 | 交換可否 |
|---|---|---|
| ヘッドライト(ハロゲン仕様) | H4(Hi/Lo 一体) | 交換可 |
| ヘッドライト ロービーム(HID仕様) | D4S(D4C 兼用品も可) | 交換可 |
| ヘッドライト ハイビーム(HID仕様) | H9 | 交換可 |
| フロントフォグランプ | H8 | 交換可(装着車のみ) |
| ポジション(車幅灯) | T10 | 交換可 |
| フロントウインカー | T20 ピンチ部違い(アンバー) | 交換可 |
| サイドウインカー | ドアミラー一体 ASSY | 交換不可 |
| リアウインカー | S25 ピン角違い(150°・アンバー) | 交換可 |
| テール/ストップ | LED | 交換不可(ASSY) |
| バックランプ | T16 | 交換可 |
| ナンバー灯(ライセンス) | T10 | 交換可 |
| ハイマウントストップ | LED | 交換不可 |
| ルームランプ(前・後) | T10×31(フェストン) | 交換可 |
この表で最初に見るべきはヘッドライトの2行だ。自分の車がハロゲン仕様かHID仕様かで、買う球はH4かD4Sに分かれ、両者のあいだに互換性はない。ポジション・ウインカー・バックランプ・ナンバー灯といった小物球は、仕様やグレードを問わず共通で使える。
ヘッドライトはハロゲン仕様とHID仕様で別物になる
MH34Sのヘッドライトは、グレードと装備によってハロゲンとHIDのどちらかが組まれている。同じ「ワゴンR MH34S用」と書かれた商品でも、この仕様が違えば台座に入らない。
ハロゲン仕様はH4のHi/Lo一体式
ハロゲン仕様の車は、ロービームとハイビームを1本の球でまかなうH4を使う。適合表でハロゲン車のハイビーム欄が「設定なし」になっているのは、ハイビーム専用の球が存在しないからで、H4を1本替えればロービームとハイビームの両方が新しくなる。
標準系のワゴンR(FA・FX系など)はこのハロゲン仕様が中心だ。バルブの根元に「H4」の刻印があり、爪が3本の台座で固定されている。
HID仕様のロービームはD4S、購入はD4C兼用品が無難
HID仕様の車は、ロービームがバーナー(放電管)になる。MH34Sはプロジェクター式のヘッドライトを採用しているため、実車から抜いたバルブはD4Sだ。プロジェクターでないタイプに使われるのがD4Rで、この2つの形状差は遮光板の有無にある。
ここで注意したいのが、通販の適合表によってMH34SのロービームがD4Sと書かれていたりD4Rと書かれていたりする点だ。両者を兼用できるのがD4Cという規格で、迷ったらD4C(D4S/D4R兼用)を選べばどちらの表記の車でも装着できる。実車のバーナーを抜いて根元の刻印を読むのがもっとも速い確認方法になる。
HID仕様のハイビームはハロゲンのH9
ロービームがHIDの車でも、ハイビームはハロゲン球が別に入っている。MH34SのHID仕様のハイビームはH9だ。純正HIDの白い光とハイビームの黄色い光で色味が揃わないという不満が出るのはこの構造が理由で、ハイビームだけをLED化する需要につながっている。
H8・H9・H11は口金の系統が近く見た目も似ているが、切り欠きの位置が違うため差し替えは効かない。フォグ用のH8をハイビームに回すといった流用はできない。
フォグランプはH8(装着車のみ)
MH34Sのフロントフォグランプは、ハロゲン仕様・HID仕様のどちらの車でもH8で共通だ。複数の適合表が一致してH8を挙げており、この灯火に関して仕様差による分岐はない。
ただしフォグランプは全グレード標準装備ではなく、バンパー下部にフォグの穴がなくカバーで埋まっている車もある。バンパーに丸いレンズが見えない車は、球だけ買っても付ける場所がない。装着の有無を先に確認したい。
黄色い光にして雨や霧での見やすさを狙う定番のカスタムがあり、ワゴンRでもH8のイエローバルブが選ばれている。フォグの色味選びは
で詳しく触れている。
リアまわりは「交換できる球」と「できない球」が混在する
MH34Sで購入ミスがもっとも起きやすいのがリアだ。リアコンビランプの中には3つの灯火が入っているが、そのうちバルブ交換ができるのは2つしかない。
テール/ストップはLEDでバルブ交換ができない
MH34Sのテール(尾灯)とストップ(制動灯)はLEDで、電球としての交換ができない構造になっている。実車でリアコンビランプを外した作業記録でも、ブレーキランプはLEDのため交換できないと明記されている。点灯不良を起こしたときはランプASSY(部品本体)ごとの交換になる。
ここでS25ダブル球を買ってしまう例がとても多い。一部の適合表にはテール/ストップの欄にS25ダブルと記載されているものがあるが、実車のリアコンビランプを開けてもその球は出てこない。テール側を電球で替えるつもりなら、注文する前にレンズを外してソケットの有無を見るのが安全だ。
リアウインカーはS25ピン角違い(150°)
リアで交換できる1つ目がウインカーで、規格はS25のピン角違い(150°)のアンバーだ。ピン角違いは、口金の左右のピンが同じ高さではなく段違いに配置されたタイプを指す。一般的なS25(180°・平行ピン)とは差し込めないため、商品名に「ピン角違い」「150°」と入っているものを選ぶ。
MH34Sで「S25」の文字だけを見て買うと、この段違いピンのせいでソケットに入らない。ダブル球ではなくシングル球である点も合わせて押さえたい。
バックランプはT16
リアで交換できる2つ目がバックランプで、規格はT16だ。ワゴンRはどの世代・どの年式でもバックランプがT16で一貫している。ウェッジ形状で、素手で引き抜いて差し替えるだけの作業になる。
純正のT16は光量が控えめで、後退時の照らしが暗いと感じたときに最初に手が入る箇所でもある。
フロントの小物球とルームランプ
ヘッドライト以外のフロント側と室内の球は、仕様やグレードに関係なく共通だ。
ポジション(車幅灯)とナンバー灯はT10
ポジションランプとナンバー灯はどちらもT10のウェッジ球だ。ヘッドライトのハロゲン/HIDにかかわらず共通で、2箇所とも同じ球が使える。
LED化の入門としてこの2箇所から始めるケースが多く、ヘッドライトのHIDに合わせて色温度を白系で揃えると前まわりの印象がまとまる。
フロントウインカーはT20ピンチ部違い
フロントウインカーはT20のアンバーだが、「ピンチ部違い」と呼ばれる特殊なウェッジ形状になっている。ウェッジ部分の切り欠き(ピンチ部)の位置が通常のT20とずれていて、普通のT20を差そうとしてもソケットに入らない。商品名に「ピンチ部違い」と明記されたものを選ぶ必要がある。
なお、ドアミラーのサイドウインカーはミラー一体のASSY構造で、バルブ単体での交換はできない。
ルームランプはT10×31のフェストン球
室内灯はフロント・リアともにT10×31のフェストン(両端が金属で長さ31mmの棒状)タイプだ。純正の電球色から白色LEDへ替えると室内の見え方が大きく変わるため、交換需要が高い箇所になる。MH34Sの室内灯まわりは
でも扱っている。
LED化するときに引っかかる2つの壁
型番が合っていても、そのまま差して終わらない灯火がある。
ウインカーのLED化はハイフラ対策とセットになる
ウインカーをLEDに替えると、消費電力が落ちたぶん車体側が「球が切れた」と誤検知し、点滅が異常に速くなる。これがハイフラッシャー(ハイフラ)だ。フロントのT20、リアのS25をLED化するなら、抵抗内蔵タイプのLEDを選ぶか、ハイフラ防止抵抗・ICウインカーリレーを別途組む必要がある。仕組みと対策の選び方は
が参考になる。
バックランプのT16は極性とサイズを確認する
T16のLEDは極性を持つ製品があり、差し込む向きが逆だと点灯しない。点かないときは180度回して差し直すと解決することが多い。また、放熱フィンの付いた大型のLEDはソケット周りに干渉して奥まで入らない場合があるため、サイズにも目を配りたい。
灯火全体をまとめてLED化するときは、点かない・入らないの原因がこの2つに集約される。型番を合わせたうえで、極性と物理サイズまで見ておきたい。
自分の車の仕様を確かめる方法
MH34Sは同じ型式のなかにハロゲン仕様とHID仕様が混在するため、型式だけでは買う球が決まらない。次の順で確かめるのが速い。
ひとつ目は点灯色を見る方法だ。ロービームを点けて、青白く鋭い光ならHID仕様、黄色みのある光ならハロゲン仕様と判断できる。ふたつ目はエンジンルーム側からバルブの根元を見る方法で、H4なら3本爪のゴムキャップ、HIDなら太いコネクタとバラスト(変換器)がつながっている。
もっとも確かなのは、実際にバルブを抜いて根元の刻印(H4・D4S・H9など)を読むことだ。特別仕様車や年式途中の変更で適合表と異なる場合があり、適合表を公開している販売店自身も、装着されているバルブの形状を現車で確認するよう注記している。
よくある質問
MH34SとMH44Sでバルブの型番は違いますか
灯火まわりの規格は共通で扱われている。MH44Sは2014年8月の改良でS-エネチャージを搭載した型式で、パワートレインの違いによる区分だ。適合表もMH34S/MH44Sを同じ行にまとめており、バルブの選び方は変わらない。
前期と後期でバルブは変わりますか
ポジションT10、フロントウインカーT20ピンチ部違い、リアウインカーS25ピン角違い、バックランプT16、ナンバー灯T10、ルームランプT10×31は前期・後期を通して共通だ。分岐が出るのはヘッドライトで、ハロゲン仕様ならH4、HID仕様ならロービームD4S・ハイビームH9になる。前期か後期かより、ハロゲンかHIDかで見るほうが実態に合う。
テールランプが切れたらバルブ交換で直りますか
テール/ストップはLEDのため、電球の差し替えでは直らない。リアコンビランプのASSY交換になる。一方、同じリアコンビランプに入っているウインカー(S25ピン角違い)とバックランプ(T16)は電球なので、こちらの球切れならバルブ交換で対応できる。まず点灯しないのがどの灯火かを切り分けたい。
D4SとD4Rを間違えて買ったらどうなりますか
D4SとD4Rは口金の互換性があり物理的には差さるが、D4Rには配光を整える遮光塗装があるため、プロジェクター用のD4Sの位置にD4Rを入れると光の出方が変わる。逆も同様で、車検時の配光検査で不利になる可能性がある。両対応をうたうD4C品を選ぶか、実車のバーナーの刻印を読んでから注文するのが安全だ。
まとめ:MH34Sのバルブ選びで外さないための要点
ワゴンR MH34Sのバルブは、ヘッドライトだけが仕様で分岐し、それ以外は共通と考えると整理しやすい。ハロゲン仕様はH4のHi/Lo一体、HID仕様はロービームがD4S(D4C兼用品が無難)でハイビームがH9。フォグはH8で共通だ。
小物球はポジションとナンバー灯がT10、フロントウインカーがT20ピンチ部違い、リアウインカーがS25ピン角違い(150°)、バックランプがT16、ルームランプがT10×31になる。「ピンチ部違い」「ピン角違い」という但し書きを外して普通のT20・S25を買うと入らない、というのがMH34Sでもっとも多い失敗だ。
そして、テール/ストップとハイマウントストップ、サイドウインカーはLEDまたはASSY構造でバルブ交換ができない。ここを電球だと思って部品を用意しても使い道がないため、注文の前に交換可否の列を見ておきたい。年式・グレードが一致していても特別仕様車で異なる場合があるので、迷ったら現車のバルブを抜いて刻印を読むのが最終的な答えになる。

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