ワゴンR MH23Sの荷室収納|純正16カ所とシート6アレンジ

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買い物袋を荷室に置いたら、走り出した瞬間に倒れて中身が転がる。ベビーカーを積もうとしたら、奥行きがあと数センチ足りない。4代目ワゴンR(MH23S型・2008年9月〜2012年9月)の荷室は、後席の足もとを広げた代わりに前後寸法を削った設計で、何も考えずに使うと持て余しやすい。ただしMH23Sには、床が前後に動く左右独立スライド式ラゲッジボード、6通りのシートアレンジ、16カ所の純正収納が最初から備わっている。この3つを順番に使うだけで、軽ワゴンの限られた容積からかなりの積載力を引き出せる。スズキの公式諸元と主要装備の記載をもとに、荷室を広げる手順と、荷物の大きさ別の使い分けをまとめた。

目次

MH23SワゴンRの寸法早見表

荷室の使い方を決める前に、車体と室内の数字を押さえておく。MH23Sは2008年9月に登場した4代目で、プラットフォームを一新してホイールベースを2,400mmまで伸ばした世代。後席の足もとが広がった代わりに、荷室の前後寸法は先代から詰まっている。積める・積めないの見当は、この数字を知っているかどうかで大きく変わる。

ボディと室内の基本寸法

項目 数値
型式 MH23S
販売期間 2008年9月〜2012年9月
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,660mm
室内幅 1,295mm
室内高 1,275mm
ホイールベース 2,400mm
最低地上高 155mm(2WD)/150mm(4WD)
乗車定員 4名
エンジン K6A型(自然吸気54ps/ターボ64ps)

全高1,660mmは標準グレードの数値。ルーフアンテナを持つ特別仕様車のリミテッドIIは、公式諸元にアンテナを折り畳んだ状態で1,675mmと記載されている。荷室で使えるのは、結局この車体の内側にある箱の中だけ。室内幅1,295mm・室内高1,275mmという2つの数字が、積める荷物の幅と積み上げ高さの上限を決めている。ホームセンターで資材を選ぶとき、この2つを頭に入れておくと買ってから積めないという事故が減る。

室内長はカタログ表記が年式で分かれる

やや紛らわしいのが室内長。スズキの公式諸元では、2008年9月の発売時が1,975mm、2012年時点の標準グレードが2,050mm、特別仕様車のリミテッドIIが2,035mmと、年式やグレードで表記が分かれている。中古車サイトのスペック表もこれらの値が混在しているため、他車と比較するときは年式をそろえて見ないと話が噛み合わない。

実際に積めるかどうかを知りたいなら、カタログ値を追うより自分で測るほうが早い。後席を最後端まで下げた状態と、最前端まで出した状態の2つで荷室の奥行きを測っておく。この2つの差が、次に説明するラゲッジボードで稼げる幅そのものになる。メジャーの数字をスマホにメモしておけば、買い物先で判断できる。

荷室を広げる一手目は左右独立スライド式ラゲッジボード

MH23Sの荷室で最初に覚えるべき装備が、床に組み込まれた左右独立スライド式ラゲッジボード。スズキがこの世代で新採用したもので、公式サイトには「リヤシートを前にスライドさせると、荷室の床面も一緒にスライドして、フラットな奥行きが広がる仕組みです」という説明がある。荷室が狭いと感じている人ほど、この機構を使い切れていない。

リヤシートと床板が連動して動く

多くの軽自動車は、後席をスライドさせても床は動かない。そのためシートを前に出すと座面の後ろに段差や隙間が生まれ、そこに小物が落ちて取り出せなくなる。MH23Sはシートの移動に床板が追従するため、シートを前に出した分が、そのまま平らな荷室の奥行きとして増える

効果がはっきり出るのは、底が平らなものを積むとき。折りたたみコンテナ、衣装ケース、ホームセンターの平台車のように接地面が広いものほど、段差のない床が効く。逆に丸いスーツケースや柔らかい袋物は段差があっても形が逃げるので、差を感じにくい。

左右を別々に動かして非対称に使う

ラゲッジボードは左右独立。後席も左右独立でスライド&リクライニングできる。つまり右側だけ人を乗せて、左側は座席と床をまとめて前に出す、という非対称の形が作れる。

3人乗車で長い荷物を積む日は、助手席側の後席とボードを前へ寄せ、運転席側の後席は後ろに残す。後席1人分の足もとを保ったまま、車の左半分だけが奥行きの長い荷室になる。子どもを乗せて園芸用の支柱や物干し竿を買いに行く、といった場面がまさにこの形。乗員を降ろさずに荷室を伸ばせるのが、左右独立の一番の価値になる。

シートアレンジ6パターンを荷物の大きさで選ぶ

スズキはMH23Sのシートアレンジとして、4人+荷物、3人+荷物、2人+長い荷物、2人+大きな荷物、1人+長い荷物、フルフラットの6通りを公式に案内していた。後席はワンタッチダブルフォールディングリヤシート(分割可倒式)で、レバー1つで背もたれが前に倒れる。積む荷物の形から逆算して、どのパターンに入れるかを決める。

人を乗せたまま積む(4人・3人)

4人乗車では後席を起こしたまま使う。ラゲッジボードは最後端に残し、荷物は横に広げず縦方向に積む。買い物袋は左右の壁に寄せ、袋どうしの間に空きを作らないのが荷崩れを防ぐコツ。空きがあると、袋はそこへ倒れ込む。

3人乗車なら、空いた側の後席だけを前にスライドさせ、床板を追従させる。片側だけ奥行きが伸びるので、傘、レジャーシート、三脚のような細長いものを寝かせて置ける。乗員が3人までなら、この形が最も汎用性が高い。

長い荷物は助手席前倒し機構を組み合わせる(2人・1人)

MH23Sには助手席前倒し機構がある。助手席の背もたれを前に倒すと、助手席の背面から荷室の奥までが一本の長い床になる。カーテンレール、突っ張り棒、組み立て家具の棚板、釣り竿といった長尺物はこの形で積む。

手順にコツがある。助手席を倒す前にヘッドレストを抜き、座面を前いっぱいにスライドさせておくと、背もたれがより水平に近づいて荷室長を稼げる。ヘッドレストを付けたまま倒すと、背もたれがダッシュボードに当たって途中で止まる。抜いたヘッドレストは荷室の隅ではなく後席の足もとに置くと、荷物の下敷きにならない。

大きな荷物とフルフラット

2人+大きな荷物は、後席の背もたれを左右とも倒す形。1人+長い荷物は、これに助手席前倒しを足した最長の形になる。冷蔵庫の箱や自転車のように、かさばるものはこの2つで対応する。

フルフラットは前席も倒して寝転がれる状態にするアレンジで、荷物用というより休憩向け。背もたれの合わせ目には段差が残るため、荷物を平らに置きたいときは、薄い合板やたたんだ毛布で面をならしてから載せる。段差の上に硬いものを直接置くと、走行中の振動で少しずつ滑り出す。

純正の収納16カ所を先に使い切る

後付け用品を買い足す前に、MH23Sが最初から持っている収納を確認する。スズキの公式サイトは、車内の収納を16カ所として図で示していた。散らかる車の多くは、置き場所が足りないのではなく、置き場所が決まっていないだけ。まず定位置を作る。

前席まわりの収納

  • インパネドリンクホルダー(左右両側)
  • リッド付インパネボックス(助手席側・CD6枚が入る容量)
  • インパネロアボックスとインパネロアポケット(運転席側)
  • インパネトレー(助手席側)
  • オーバーヘッドコンソール
  • グローブボックス
  • フロントドアポケット
  • インパネポケット(FAとFXの5MT車に設定)

車検証や整備手帳はグローブボックス、サングラスや駐車場のリモコンはオーバーヘッドコンソール、走行中に手を伸ばすものだけをインパネ側に置く。この振り分けをしておくと、運転中に視線を落として探す時間がなくなる。リッド付インパネボックスはCD6枚が入る容量があり、いまならケーブル類やマスクの箱を隠す場所として使える。

後席・荷室まわりの収納

  • 助手席シートアンダーボックス
  • 助手席シートバックポケット
  • リヤドアポケット(ペットボトルホルダー付)
  • ラゲッジアンダーボックス

助手席シートアンダーボックスは座面の下に隠れる引き出し。洗車タオルや折りたたみ傘のように、常備したいけれど見せたくないものの定位置に向いている。リヤドアポケットはペットボトルホルダー付きなので、後席に人を乗せる日は飲み物をここへ移すと荷室が散らからない。助手席シートバックポケットは薄いものだけを入れ、後席乗員の膝に当たる厚みにしないこと。

ショッピングフックは耐荷重が3種類ある

MH23Sのショッピングフックは3カ所。公式の主要装備では、位置ごとに耐荷重が明記されている。同じフックに見えても、掛けていい重さが違う。

フックの位置 耐荷重
インパネ 2kg
助手席シートバック 3kg
ラゲッジサイド(左右両側) 1kg

注意したいのは荷室側。ラゲッジサイドのフックは耐荷重1kgで、飲料のケースや米袋を吊り下げる用途は想定されていない。荷室で重いものを止めたいときは、吊るのではなく床に置いてネットやベルトで押さえる。反対に助手席シートバックのフックは3kgまで許容があり、買い物袋を1つ掛けるならここが最も丈夫。豆腐や卵のように潰れやすいものを、足もとに置かず吊っておく用途に使える。

ラゲッジアンダーボックスはパンク修理キットと共用

荷室の床下にあるラゲッジアンダーボックスは、MH23Sの数少ない隠せる収納。ただし全部が空きスペースではない。ここを丸ごと物置きだと思って荷物を詰めると、いざというときに困る。

空き容量は見た目より小さい

スズキの公式サイトには「ラゲッジアンダーボックスの一部は、パンク修理キットの収納として使用しています」という注記がある。MH23Sにはスペアタイヤを積まず、パンク修理キットで代替する設定があり、その分の場所が最初から埋まっている。

工具箱や三角表示板を入れる前に、修理キットとジャッキがどこに収まっているかをボードを開けて確かめる。個体によってスペアタイヤ式のものもあるため、床下の中身は現車で見るのが確実。パンク修理キットには有効期限があり、期限切れの液剤は使えない。荷室収納を見直すタイミングは、この期限を点検する良い機会にもなる。

床下に入れないほうがいいもの

床下は走行中の振動を直接受け、夏場は路面からの熱も伝わる。スプレー缶、モバイルバッテリー、炭酸飲料のように温度で内圧が上がるものは置かない。液体を入れるなら、こぼれても荷室の床に染み出さない密閉容器にまとめる。

重いものを詰め込むと床板が反り、上に荷物を載せたときに撓む。工具は1カ所に固めず、車載工具の近くへ分散させる。使う頻度が低いものだけを床下へ、頻繁に出し入れするものは床上のトレーや箱へ、という切り分けが扱いやすい。

足りない分を後付けで補うときの基準

純正の16カ所を使い切っても足りないときに、初めて用品を足す。MH23Sの荷室は幅より奥行きが弱いので、貴重な床面積を奪わない方向に増やすのが基本になる。床に置くタイプの収納ボックスは、それ自体が荷室を食う。

床を守るラゲッジマット・トレー

MH23Sの荷室は樹脂トリムがむき出しで、園芸用品や工具を直置きすると傷と汚れが残る。縁が立ち上がったトレータイプなら、土や水がこぼれても荷室の中で受け止められる。中古車として手放すときの内装評価にも効いてくる部分。

選ぶときは、左右独立スライド式ラゲッジボードの動きを妨げない形状かどうかを見る。床板をまたぐ一枚物のマットを敷くと、後席を前にスライドさせたときに床板だけが動き、マットがよじれて挟まる。MH23Sでは、床板の分割に合わせて左右が分かれている製品か、動く部分に載せない小さめのトレーを選ぶ。

荷崩れを止めるネットと仕切り

軽ワゴンの荷室は前後が短く、ブレーキのたびに荷物が前へ滑る。ラゲッジネットや面ファスナー式の仕切り板で区画を作れば、買い物袋が倒れる回数は目に見えて減る。荷室を3分割するイメージで、重いもの、軽いもの、濡れるものを分ける。

固定点はフック1カ所に集中させず、床とサイドに分散させる。前述のとおりラゲッジサイドのフックは耐荷重1kgしかないため、ネット全体の張力をここに預けるとフック側が先に壊れる。テンションを掛ける製品を使うなら、後席のシートレールやチャイルドシート固定用のアンカーなど、荷重を受けられる構造部を使う。

天井とサイドの上方向を使う

床が狭いぶん、上方向は余っている。室内高1,275mmのうち、実際に荷物が占めるのは下半分であることが多い。天井近くにネットラックを渡せば、軽い衣類、タオル、レジャーシートを常備できる。荷室の床を1cmも使わずに収納が増えるのが、この方向の利点。

ただし頭上に重量物を置かないという原則は崩さない。急ブレーキや衝突のとき、頭上の荷物は乗員の頭部へ落ちる。天井の収納に入れていいのは、落ちても怪我をしない軽くて柔らかいものだけと決めておく。

積んだあとの安全確認

荷室を広く使うほど、後方視界と荷物の動きに気を配る必要が出てくる。積み終わったあとの30秒で、事故の芽を摘む。

走行中の固定

スズキ自身、公式サイトの注記で、走行中に荷物が移動して運転の支障とならないよう固定または収納するよう案内している。急ブレーキで荷室から前席へ荷物が飛べば、乗員に当たる。角のある硬いものほど床に低く積み、ベルトで押さえる。

後席の背もたれを倒したときは、シートベルトのバックルを座面の下に押し込まない。金具が荷物の下に噛むと、次に人を乗せるとき引き出せなくなり、内装を傷つけながら探すことになる。倒す前にバックルを外へ出しておく。

後方視界とバックドアの開閉

MH23Sのバックドアは初代から受け継ぐラウンド型で、ヒンジを前方に置いて跳ね上げ時の振り出し量を抑えている。後ろが詰まった駐車場でも開けやすいのは、この形状のおかげ。荷物を積み下ろす場所を選びにくい街中では効いてくる。

ただし荷物を天井近くまで積むと、ルームミラーからの後方視界が塞がる。後席ヘッドレストの高さを超えて積む日は、荷物を左右に分散させて中央に視界の通り道を残す。それが無理なら、ドアミラーだけで車庫入れできる駐車位置を選ぶ。

よくある質問

MH23Sの荷室に自転車は積めますか

完成車を立てたまま積むのは、室内幅1,295mm・室内高1,275mmという制約から難しい。前輪を外して横に寝かせ、後席の背もたれを左右とも倒す前提なら現実的な選択肢になる。積む前に、自転車のフレーム全長と、後席を倒した状態の荷室の奥行きを実測して比べる。フレームとホイールは分けて積み、間に毛布を挟むと内装に傷が付きにくい。チェーンの油が付くと落ちないので、ラゲッジマットは必須に近い。

後席は片側だけ倒せますか

後席はワンタッチダブルフォールディングリヤシートで、分割可倒式。左右別々に倒せるため、乗車人数を減らさずに片側だけ荷室を伸ばせる。さらに左右独立のスライドとリクライニングも備わるので、倒す・下げる・前に出すの3操作を左右で組み合わせられる。3人乗車で長尺物を積むときに、この自由度が効く。

スペアタイヤは積まれていますか

MH23Sにはパンク修理キットを積む設定があり、公式サイトにもラゲッジアンダーボックスの一部を修理キットの収納に使うという注記がある。床下を収納として使い始める前に、自分の個体がスペアタイヤ式か修理キット式かをボードを開けて確認する。修理キットには有効期限があるため、期限が切れているなら積んでいる意味がない。

荷室の耐荷重はどれくらいですか

荷室の床そのものの耐荷重は、公式諸元に数値がない。数値が明記されているのはショッピングフックだけで、インパネが2kg、助手席シートバックが3kg、ラゲッジサイドが1kg。これを超える重さを内装のフックやアシストグリップに掛けると、樹脂の取り付け部が割れる。重量物は吊らずに床へ置く、という原則で運用する。

まとめ

MH23SワゴンRの荷室は、奥行きの短さを装備でカバーする前提で設計されている。狭いと感じたときに買い足すのではなく、まず備わっているものを順番に使う。

  1. 積む荷物の寸法を測り、室内幅1,295mm・室内高1,275mmに収まるかを先に確かめる
  2. 後席と左右独立スライド式ラゲッジボードを前に出し、段差のない奥行きを稼ぐ
  3. 長尺物は助手席前倒し機構を足し、ヘッドレストを抜いてから背もたれを倒す
  4. 小物は純正16カ所へ振り分け、荷室の床をできるだけ空けておく
  5. 吊るときはフックの耐荷重(インパネ2kg/シートバック3kg/ラゲッジサイド1kg)を超えない
  6. 床下のラゲッジアンダーボックスは、パンク修理キットの占有分を差し引いて計算する

この順番で使えば、後付け用品は本当に足りない分だけで済む。荷室が狭いという前提は、装備を知ることで小さくできる。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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