リーフ ZE1 の 12V バッテリーを替えるとき、買う型番は標準仕様か寒冷地仕様か、年式や装備で変わるのかが最初の分かれ道になる。電池メーカーの適合表では純正は 46B24L で、バッテリーサイズのデータベースも、2WD・e+・オーテック、2WD・e+X、2WD・ニスモの掲載期間(下の表)では寒冷地仕様を同じ 46B24L と載せている。年式や装備で違う場合もあるので、自分の車がその表のとおりかを今載っているバッテリーの表示で確かめ、そのうえで自分で替えるか店に頼むかを決めるのが近道になる。
リーフ ZE1 の 12V バッテリーの純正型番は 46B24L
電池メーカーのオリエンタルバッテリーの適合表では、リーフ(車両型式 ZAA-ZE1・生産年 2017年10月〜)の純正バッテリー、つまり新車のときに載っているバッテリーは 46B24L だ。
標準仕様と寒冷地仕様の型番
バッテリーサイズのデータベース(Spec Tank・Cars Japan)では、次のグレードで標準仕様・寒冷地仕様とも同じ型番が掲載されている。
| 掲載のグレード | 型番(JIS 規格) | 個数 | 5時間率容量 | 外形寸法 | 端子位置 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2WD・e+・オーテック(2020年8月〜2021年4月) | 46B24L | 1 個 | 36Ah | 240×129×203mm | L |
| 2WD・e+X(2022年4月〜2022年11月) | 46B24L | 1 個 | 36Ah | 240×129×203mm | L |
| 2WD・ニスモ(2022年4月〜2022年11月) | 46B24L | 1 個 | 36Ah | 240×129×203mm | L |
どちらのデータベースも、寸法は規格上の値で実物と少し違うことがある、と注記している。
今載っている型番を確かめる
電池メーカーの適合表は、車名・型式・年式が同じでもマイナーチェンジや特別仕様車で搭載バッテリーが違うことがあるとして、購入前に実車の搭載型式を確かめるよう求めている。データベースも、年式や装備、オプションの違いで表示と別のバッテリーが使われている場合があると注記している。買う前に、今載っているバッテリーに書かれた型番を見ておく。この先の選び方も手順も、その型番が出発点になる。
交換するのは駆動用ではなく 12V バッテリー
JAF の解説では、EV やハイブリッド車には走行用の駆動用バッテリーと、ライトやカーナビなどを動かす 12V の補機バッテリーの 2 種類があり、定期的な交換が要るのは補機バッテリーのほうだ。日産の取扱説明書や公式 FAQ は、リーフの補機バッテリーを「12Vバッテリー」と呼んでいる。この記事で扱うのもこの 12V バッテリーだけで、駆動用バッテリーや高電圧の部品には触れない。
もう 1 つ知っておきたいのが、12V バッテリーの充電の仕組みだ。日産のリーフの取扱説明書では、12V バッテリーを充電しているとき、タイマーエアコンや乗る前エアコン(リモート)が作動しているとき、充電中にコンセントからプラグを抜いたときは、高電圧システムが自動的に ON になり、助手席側のインジケーターが点滅する。作業の前にこの点滅を見る理由は、後の節で書く。
駆動用と補機用の違いは、ほかの日産の電動車の記事でも整理している。
交換の時期と、弱ったときのサイン
交換の目安
日産の公式サイトのメンテナンス案内は、バッテリーの点検・交換の目安を「2年ごと」としている。これは日産車全般の案内で、EV に限った記載ではない(ハイブリッド車の 12V バッテリーはガソリン車と同様、と書いている)。JAF の解説は、HV・EV の補機バッテリー(12V)の交換の目安を 2〜5 年程度としている。年数は目安として持っておき、下のサインと定期点検の結果で判断すればいい。
あがったときの症状
日産のリーフの取扱説明書では、パワースイッチを ON にしてもメーターなどが点灯しない場合は、12V バッテリーがあがっている可能性があるとして、充電または交換を案内している。
外から見て分かるサイン
JAF の解説は、本体の側面や底の膨らみ、端子のまわりの白い粉や腐食を、日産のメンテナンス案内は、見た目の膨らみ、ライトが暗い、パワーウィンドウなどの動きが遅いことを交換のサインに挙げている。JAF は、補機バッテリーが劣化すると電装品が動かなくなるだけでなく、システムが起動しないこともあるとして、定期点検での確認を勧めている。
型番の読み方と、ZE1 に選んでよい型番
46B24L の読み方
JAF の解説による JIS 規格の型式の読み方に当てはめると、46B24L は次のとおりになる。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| 46 | 性能ランク。数値が大きいほど性能が高い |
| B | 幅と高さの組み合わせ。A〜H の 8 段階で、A→H の順に大きい |
| 24 | 長さ(cm) |
| L | 端子の位置。プラス端子を手前にして見たとき、幅面の中心より左なら L、右なら R |
選ぶ軸は「B24L」と性能ランク
ZE1 の交換品は、次の 3 つで絞ればいい。
- 型番の後ろが純正と同じ B24L か(大きさの区分 B・長さ約 24cm・端子位置 L)
- 先頭の数字(性能ランク)が純正の 46 以上か
- 出品者やメーカーの記載に ZE1(ZAA-ZE1)への対応が書かれていて、それを自分の車の今の型番と照らしたか
JAF の解説は、交換バッテリーは基本的に元と同じ型式を選ぶとしたうえで、同じ大きさなら性能ランクの高い品を選ぶ方法にも触れている(その説明はエンジン車の始動についてのもの)。実際、オリエンタルバッテリーの適合表は ZE1 に合う自社品として、標準と寒冷地仕様のどちらにも EMF65B24L を挙げている。B24L のまま先頭の数字が大きい品で、2 の軸に沿った選び方だ。
末尾の L を必ず合わせる
電池メーカーの GS ユアサの解説は、端子の極性(R タイプ・L タイプ)が同じバッテリーを付けるよう注意している。ZE1 の純正は末尾が L なので、選ぶのも末尾が L の品だ。末尾が R の品は、端子が幅面の中心の反対側に来る。
頭に S の付く型番との違い
ZE1 の純正の表記は、頭に S の付かない 46B24L だ。JAF の解説によると、ハイブリッド車の補機用には密閉式(VRLA)が使われる場合があり、その型式の頭には「S」が付く。型番を照らすときは、頭の S の有無も見ておく。
リーフ ZE1 対応をうたう交換用バッテリー 3 つを比べる
並べる 3 商品は、どれも商品名に B24L の表記がある。ZE1 への対応も商品名か商品説明に書かれているが、いずれも出品者の記載で、メーカーの適合表で確かめたものではない。価格は変動するので、商品リンクの先で確かめてほしい。
| 商品 | 商品名の型番表記 | 出品者の記載の適合 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| MAXTORM GOLD-ISS | N-70(B24L) | 2017(H29).09-/ZE1・標準地・寒冷地 | 「適合参考」という書き方 |
| カオス | N-80B24L/C8 | H29/10-・ZAA-ZE1・寒冷地仕様車向け | 着払い伝票付き |
| インディゴ | 55B24L | 商品名に ZE1 EV 対応 | 商品説明の適合車種の欄と食い違い |
3 つとも、選ぶ前に自分の車に今載っている型番と照らす。そのうえで迷ったら、年式と型式まで書かれていて商品名と説明が食い違っていない MAXTORM かカオスから考える(カオスは商品名で寒冷地仕様車向けとうたう品)。インディゴは、商品名と商品説明の適合車種の欄の食い違いを承知のうえで選ぶ品だ。
MAXTORM GOLD-ISS N-70(B24L)
販売ページの商品説明には「日産 対応 リーフ」「【年式型式】2017(H29).09-/ZE1」「【仕様】cc/EV 標準地・寒冷地 適合参考」とある。標準と寒冷地の両方を挙げているが、適合は「適合参考」という書き方だ。
MAXTORM GOLD-ISS N-70(B24L)(リーフ ZE1 対応と記載)
カオス N-80B24L/C8
販売ページの商品説明には「年式:H29/10-」「車両型式:ZAA-ZE1」とあり、商品名は寒冷地仕様車向けとうたっている。ただし前の節の表のとおり、データベースは 2WD・e+・オーテック、2WD・e+X、2WD・ニスモの掲載期間について、寒冷地仕様も 46B24L と載せている。商品説明は、車種によって装着されているバッテリーの品番が違う場合があるとして、購入前の確認を求めている。古いバッテリーを送り返せる着払い伝票が付く(流れは処分の節で書く)。
カオス N-80B24L/C8(リーフ ZE1 寒冷地仕様車向けと記載・着払い伝票付き)
インディゴ 55B24L
商品名は「リーフ ZE1 EV 対応」「互換品番 46B24L 50B24L 55B24L 60B24L など」とうたうが、販売ページの商品説明の適合車種の欄は「カローラフィールダー 型式:ZZE122G 年式:H16/2~H18/10」で、商品名と食い違っている。商品説明は、出品者で適合を確かめられない商品として、現車の品番とメーカーのホームページを確かめてから注文するよう求めている。保証は 2 年または 4 万 km(破損は対象外)で、キャンセル・返品はできない商品とされている。
インディゴ バッテリー 55B24L(商品名にリーフ ZE1 対応と記載)
作業の前に用意するものと、EV ならではの確かめ
用意する道具
GS ユアサの解説では、スパナ、ゴム手袋、保護メガネ、端子を清掃するワイヤーブラシかサンドペーパーを用意する。走行直後はバッテリーの中にガスが貯まっていて爆発の危険があるため、30 分以上置いてから作業する。バッテリーの位置は、取扱説明書で確かめておく。
充電ケーブルとパワースイッチ
まず充電ケーブルを外し、パワースイッチを OFF にする。日産の FAQ は、ジャンプスタートのときに充電ケーブルを外すよう求め、つないだままだとクルマや充電機器を破損する恐れがあるとしている。交換でも同じ段取りにしておく。
インジケーターの点滅を確かめる
前の節のとおり、12V バッテリーの充電中やタイマーエアコン・乗る前エアコン(リモート)の作動中は、高電圧システムが自動的に ON になる。助手席側のインジケーターが点滅していないことを確かめてから端子に触れる。
メモリが消えるかを先に確かめる
GS ユアサの解説は、ラジオ・時計・カーナビなどの電装品やコンピュータのメモリが交換で消えることがあるとして、メモリバックアップが要るかを販売店か取扱説明書で事前に確かめるよう注意している。
12V バッテリーの外し方と付け方
ここからの順番は、GS ユアサが 1 個積みの 12V 車について解説している一般の手順だ。外すのはマイナス端子から、付けるのはプラス端子からと覚えておく。
古いバッテリーを外す
- ライトや電装品を OFF にし、パワースイッチを OFF にする(日産の FAQ のジャンプスタートの手順でも、最初にパワースイッチを OFF にしている)
- マイナス端子(車体アース側)を外し、次にプラス端子を外す
- 取り付け金具を外して、バッテリーを取り出す
GS ユアサは、車種によってはコンピュータの待機時間が要るとしている。ZE1 での扱いは、メモリと同じく販売店か取扱説明書で確かめる。
新しいバッテリーを付ける
- 取り付け台の小石や砂を取り除く(残ると電槽が破損したり、固定できなかったりする)
- 新しいバッテリーを載せ、金具ががたつかないように固定する
- プラス端子を先に、次にマイナス端子をつなぐ
- 端子カバーがある場合は元に戻す
- 始動の前に、端子や金具の緩みと工具の置き忘れを確かめる
締め付けの目安とショートの注意
GS ユアサの解説では、端子は締め付けすぎると破損するおそれがあり、ケーブルターミナルを左右に動かしても動かない程度が目安だ。腐食した端子は、サンドペーパーかワイヤーブラシで清掃する。
プラスとマイナスの端子を工具などの金属でつなぐと、スパークによる引火・爆発や火災の原因になる。手順を誤って工具がボディに触れるとショートし、最悪の場合はバッテリーの爆発や車両コンピュータの故障につながる。
交換したあとに確かめること
日産の FAQ にある ZE1 の始動の操作は、ブレーキペダルを踏みながらパワースイッチを 1 回押し、走行可能表示灯が点灯したのを確かめる、というものだ。交換後も同じ操作で EV システムが始動するかを見ておく。
日産のリーフの取扱説明書では、メーカーオプションのナビゲーションシステム装着車は時刻を自動で調整するが、12V バッテリーを脱着したあとは、GPS との通信が行われるまでの間、時刻が設定されない。
交換の前にあがってしまったときのジャンプスタート
日産の公式 FAQ にある、リーフ(ZE1)をブースターケーブルで始動する手順は次のとおり。
- 自車と救援車のパワースイッチを OFF にする
- 赤色のブースターケーブルを、自車の 12V バッテリーの+端子につなぐ
- その反対側を、救援車の 12V バッテリーの+端子につなぐ
- 黒色のブースターケーブルを、救援車の 12V バッテリーの−端子につなぐ
- その反対側を、自車の 12V バッテリーから離れたステーなどにつなぐ
- 救援車のエンジンを始動し、回転数を少し高めにする
- 自車のブレーキペダルを踏みながら、パワースイッチを 1 回押す
- 走行可能表示灯が点灯したのを確かめ、つないだときと逆の順番でケーブルを外す
同じ FAQ は、押しがけでは始動できないこと、このクルマを救援車にしないこと、救援車には 12V バッテリー仕様のクルマを使うことを注意している。充電ケーブルは外しておき、ワニグチクリップが車体やほかのクリップに触れないように、ケーブルが冷却ファンやベルトに巻き込まれないようにする。
古いバッテリーの処分と、交換を頼める先
GS ユアサの解説では、古いバッテリーは鉛や希硫酸を含むため家庭ごみには出せず、購入店に引き取りを相談するか、自治体の取り決めに沿って処分する。国内のバッテリー製造事業者が設立した鉛再資源化協会(SBRA)が回収と再資源化を行っている。なお JAF は、JAF では廃バッテリーの回収を行っていないとしている。
カオス N-80B24L/C8 の販売ページの商品説明では、付属の着払い伝票で古いバッテリーを送り返せる。不要な段ボールにバッテリーを縦に入れて隙間を新聞紙などで固定し、伝票を記入して貼り、佐川急便の営業所への持ち込みか集荷依頼で発送すれば、処分は出品者が対応する、と書かれている。
自分で作業しない場合の頼み先として、JAF の解説は新車ディーラー、整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドを挙げている。
よくある質問
寒冷地仕様車も 46B24L でよい?
オリエンタルバッテリーの適合表は、リーフ ZAA-ZE1(生産年 2017年10月〜)の純正を 46B24L とし、合う自社品として標準と寒冷地仕様のどちらにも EMF65B24L を挙げている。データベースも、2WD・e+・オーテック、2WD・e+X、2WD・ニスモの掲載期間(上の表)では寒冷地仕様を 46B24L と載せている。寒冷地仕様車向けとうたう商品があっても、まず今載っている型番と照らして決めればいい。
55B24L や 80B24L にしてもよい?
B24L が同じなら大きさと端子の位置は純正と同じで、先頭の数字は性能ランクの違いになる。ただし JAF の解説は、交換は基本的に元と同じ型式を選ぶとしており、高性能品にする話はエンジン車の始動についての説明だ。電池メーカーの適合表が ZE1 向けに挙げる自社品は 65B24L の品。55B24L や 80B24L を選ぶなら、その商品に ZE1(ZAA-ZE1)への対応が書かれているかを見て、今載っている型番と照らしてから決める。
B24R を選んでしまったら?
端子の位置が純正と反対側になるので、取り付けずに購入先へ交換できるかを相談する。返品できない商品もあるので、注文の前に末尾の文字を見ておくのがいちばんの対策だ。
交換後に時計が合わないのは?
メーカーオプションのナビ装着車は、12V バッテリーを脱着したあと GPS との通信が行われるまで時刻が設定されない。しばらく待てば自動で合う仕組みだ。
まとめ
リーフ ZE1 の 12V バッテリーの純正は 46B24L で、交換品は B24L と末尾の L を合わせ、性能ランク 46 以上から選ぶ。まず上の 3 つから候補を 1 つに絞り、その商品の適合の記載と、電池メーカーの適合表、今載っているバッテリーの型番を照らしてから注文する。作業では充電ケーブルを外してパワースイッチを OFF にし、インジケーターの点滅が無いのを確かめてから、マイナス端子から外してプラス端子から付ける。
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