ZE2型リーフの12Vバッテリー(補機バッテリー)は、日産の公式FAQによると型式 LN1、容量は 12V-50Ah(20時間率)だ。先代ZE1型とは規格も大きさも違い、LN1と表示された市販品ならどれでも合うとも言い切れないので、買う前の確認を済ませてから交換に進む。自分で替えるか日産販売店に任せるかは、後半の手順と注意を読んでから決めればいい。
ZE2型リーフの12Vバッテリーは型式LN1・12V-50Ah
日産の公式FAQによると、ZE2型の12Vバッテリーは型式 LN1、20時間率容量 12V-50Ah だ。FAQの表は「2026年1月 フルモデルチェンジ~」の全車共通の値として載せており、グレードによる違いの記載は無い。
| 項目 | ZE2型リーフの12Vバッテリー |
|---|---|
| 型式 | LN1(EN規格のサイズ) |
| 容量 | 12V-50Ah(20時間率) |
| 外形 | 長さ207×幅175×高さ190mm |
外形はGSユアサの説明にあるLN1サイズの値だ。型番の答えはこれで出たが、LN1の市販品を選べば済むわけではない。買う前にラベルと販売店で確かめる手順は、後の節でまとめる。
ZE2型の「バッテリー」は2つある
ZE2型リーフには、走るための駆動用バッテリー(リチウムイオン)と、12Vバッテリーの2つがある。日産の公式FAQには駆動用バッテリーの容量として 55kWh と 78kWh の2種類が載っており、12Vバッテリーはそれとは別に LN1・12V-50Ah と示されている。
型番で選んで交換を考えるのは、12Vバッテリーのほうだ。 駆動用バッテリーは自分で選んで買い替える部品ではない。不具合が疑われるときや交換の相談は、日産販売店にする。
先代ZE1型の46B24Lとは規格も外形も違う
ZE1型の12Vバッテリー
日産の公式FAQでは、ZE1型(2017年10月~2025年10月)について、12Vバッテリーを型式 46B24L・容量 12V-36Ah としている(2WD全車・標準仕様と寒冷地仕様で共通)。
| 項目 | ZE1型 | ZE2型 |
|---|---|---|
| 型式 | 46B24L | LN1 |
| 規格 | JIS規格(B24サイズ) | EN規格 |
| 外形 | 短側面129(127)×203mm・長さ約24cm | 長さ207×幅175×高さ190mm |
| 容量 | 12V-36Ah | 12V-50Ah(20時間率) |
ZE1型のリーフ向けとして売られている12Vバッテリーは、ZE2型に流用しない。 ZE1型から乗り換えた人ほど前の車の型番で探しがちなので、ここで頭を切り替えておきたい。
JIS規格の型式の読み方
46B24Lのような JIS規格の型式は、GSユアサの説明では次のように読む。
- 先頭の数字(46): 性能ランク。始動性能と容量を含む総合性能で、数字が大きいほど性能が高い
- アルファベット(B): 短側面のサイズ(幅×箱高さ)。Bは129(127)×203mm
- 次の数字(24): 長さの概寸(cm)
- 末尾(L): 極性。短側面のプラス側から見て+端子が左寄りならL、右寄りならR
LN1という型式の読み方
EN規格のバッテリーは、型式を「性能ランク(参考値)+サイズ」の組み合わせで表す(例: 340 LN0)。電池工業会規格(SBA S0102:2015)にもとづく表し方で、EN規格の端子はLタイプだけだ(GSユアサの説明)。
同じEN規格のLN0・LN1・LN2は、幅と高さが共通で、違うのは長さだけだ。
| サイズ | 長さ | 幅 | 高さ |
|---|---|---|---|
| LN0 | 175mm | 175mm | 190mm |
| LN1 | 207mm | 175mm | 190mm |
| LN2 | 242mm | 175mm | 190mm |
容量は、同じ条件(時間率)の値どうしで比べる。ZE2型の12V-50Ahは20時間率の値なので、交換用の候補も20時間率容量の表示で見比べる。
市販のLN1がそのまま使えるとは限らない理由
日産の公式FAQに載っているのは型式(LN1)と容量(12V-50Ah)だけで、EFB・AGM・標準液式といった種類、搭載位置、交換の手順は書かれていない。サイズがLN1でも、種類まで今のものと同じとは限らない。
GSユアサの車種別適合表では、リーフ ZAA-ZE2(販売開始 2025年10月)の新車搭載バッテリーを「L1」としたうえで、標準仕様・寒冷地仕様とも「※0」、つまり同社のバッテリーにはこの車両に対応する品番が無いと表示している。同じ表でZE1型(ZAA-ZE1)は46B24Lだ。
GSユアサの製品ページでは、LN1サイズの ENJ-355LN1(長さ207×幅175×箱高190mm・20時間率容量 50Ah)が載っているが、適合表ではZE2型の対応品番として挙がっていない。さらに ECO.R ENJ については、日本車のハイブリッド車用の補機用もしくはエンジン始動用以外の用途で使うと補償対象外と書かれており、電気自動車の補機用はこの用途の書き方に含まれていない。
GSユアサは適合表の掲載データを参考情報としており、同じ車名・型式・年式でもマイナーチェンジや特殊仕様、オプション設定で搭載バッテリーが違うことがあるとして、実際に搭載されている型式を必ず確かめるよう求めている。
交換用を買う前に、次の2つを済ませる。
- 今付いている12Vバッテリーのラベルで、型式・容量などの表示を確かめる
- 日産販売店で、純正の部品と、交換に使える品を確かめる
LN1と書かれていることだけでは、ZE2型に合うかは決められない。
交換用の12Vバッテリーを選ぶ基準
ラベルと販売店で確かめたうえで、候補は次の順に絞る。迷ったら、販売店で確かめた品を選ぶのが確実だ。
- サイズ: 日産の公式FAQの型式どおりLN1であること。LN0やLN2は長さが違う
- 端子位置: Lタイプ・Rタイプが今のバッテリーと同じものを使う。GSユアサは、違うと電子部品の破損や火災の原因になると注意している
- 種類: EFB・AGM・標準液式などの種類は、今のバッテリーのラベルの表示と販売店での確認で合わせる
- 容量: 20時間率の値どうしで比べる
- 用途と補償の条件: 製品ごとの使用用途・補償の条件を読んでから選ぶ。前の節のECO.R ENJのように、用途の書き方に電気自動車の補機用が入っていない製品もある
12Vバッテリーの交換手順
ここで紹介するのは、バッテリーメーカーのGSユアサの交換手順に沿った一般的な流れだ。ZE2型の12Vバッテリーの搭載位置・固定のしかた・電源を切ってからの待ち時間は、今回確かめた公式の資料には載っていない。日産は公式FAQで、配置は車種や仕様によって異なるので該当車種の取扱説明書を確認するよう案内しており、GSユアサも車両の取扱説明書を確認し自己責任で作業するよう求めている。取扱説明書で確かめられないときや不安があるときは、日産販売店に任せる。
準備するもの
- スパナ
- ゴム手袋
- 保護メガネ
- 端子を磨くためのワイヤーブラシかサンドペーパー
外す順番
作業の前に、車の電源を切り、ライトや電装品をすべてオフにする。車種によってはコンピューターが動いているので、数分待ってから作業する。GSユアサの手順はエンジン車の書き方で「エンジンを止め、キーを抜く」となっているので、待ち時間とあわせて取扱説明書で確かめる。
- マイナス端子(車体アース側)のケーブルを外す
- プラス端子のケーブルを外す
- バッテリーの取り付け金具を外す
- 古いバッテリーを取り出す
付ける順番
- 新しいバッテリーを据え付け、金具でぐらつかないよう確実に固定する
- プラス端子にケーブルを付ける
- マイナス端子にケーブルを付け、端子カバーがあれば戻す
- 電源を入れる前に、端子や金具のゆるみと工具の置き忘れが無いかを確かめる
交換するときの注意
GSユアサが挙げている注意は次のとおり。
- 工具が端子同士や車体に触れるとショートし、火花による引火・爆発やコンピューターの故障につながる。外すのはマイナスから、付けるのはプラスからを守る
- 走行直後はバッテリー内にガスがたまっているので、30分以上置いてから作業する
- 取り付け台の小石や砂を取り除き、腐食した端子は磨く
- 強く締めすぎると端子が破損するおそれがある。端子を左右に動かしても動かない程度が目安
- 時計・カーナビ・車のコンピューターなどの記憶の保持が要るかを、交換の前に販売店か取扱説明書で確かめる
12Vバッテリーがあがったとき
日産の公式FAQでは、電気自動車の12Vバッテリーがあがったときは救援車を頼み、ブースターケーブル(別売り)をつないで始動するよう案内している。あわせて次のことが挙げられている。
- 押しがけでの始動はできない
- 救援車は12Vバッテリー仕様の車を使う
- ジャンプスタートの際は充電ケーブルを外す(車や充電機器が壊れるおそれがある)
- この車を救援車として使わない
FAQの手順の例はZE1型なので、ZE2型でのつなぎ方は取扱説明書で確かめる。故障や修理が疑われる場合は、日産販売店に相談する。
日産の公式FAQ(ZE2型の電動パーキングブレーキ)では、12Vバッテリーあがりや故障などで電動パーキングブレーキを解除できなくなったときは、日産販売店またはJAFなどのロードサービスに連絡するよう案内している。
ZE2型の一部が対象の駆動用バッテリーのリコール
日産のリコール情報によると、ZE2型の一部で駆動用バッテリー(高電圧バッテリパック)のリコールが届け出られている(届出番号5800)。
- 届出と開始: 2026年3月26日に届け出、2026年3月27日に開始
- 対象: リーフ ZAA-ZE2 のうち、車台番号 ZE2-100173~ZE2-105683 の範囲・製作期間 2025年12月1日~2026年3月7日の171台(範囲内にも対象外の車がある)
- 内容: パック内のモジュールで、セルの電極板の製造工程が不適切なため電極板の破片が付着したものがあり、充電を繰り返すとモジュール内部で短絡してバッテリ異常の警告が出ることがある。最悪の場合は異常発熱から火災に至るおそれがある
- 改善措置: バッテリパックまたはモジュールを良品と交換する(部品の準備ができるまで車両を預かる)
自分のZE2型が対象かどうかは、車検証に印刷されている車台番号で販売会社に確かめる。 製作期間は購入時期とは一致しないので、買った時期だけで判断しない。
外した12Vバッテリーの処分
使用済みの12Vバッテリーは鉛や希硫酸を含むので、一般の家庭ごみとしては処分できない。購入した販売店に引き取りを相談するか、自治体の決まりに従って処分する。GSユアサの説明では、国内のバッテリー製造事業者が設立した鉛再資源化協会(SBRA)が回収と再資源化を行っている。
よくある質問
ZE1型のバッテリーはZE2型に使える?
使わない。型式も規格も外形も違うので、ZE1型向けとして売られている品はZE2型の候補から外す。
「LN1」と書かれた市販品なら使える?
それだけでは決められない。今のバッテリーのラベルと日産販売店で確かめてから選ぶ。
12Vバッテリーがあがったらどうする?
救援車とブースターケーブルで始動するのが日産の案内だ。押しがけはできず、ジャンプスタートの前に充電ケーブルを外す。自分で対応できなければ、日産販売店かロードサービスに連絡する。
駆動用バッテリーも交換が必要?
12Vバッテリーとは別の部品で、12Vバッテリーの交換と一緒に替えるものではない。リコールはZE2型の全車が対象ではなく、対象かどうかは車台番号で確かめる。
自分で交換してもいい?
GSユアサの手順は一般的な12Vバッテリーの交換手順で、作業は自己責任とされている。ZE2型の搭載位置や待ち時間を取扱説明書で確かめられないなら、日産販売店に任せたほうがいい。
まとめ
まずは車検証で、型式がZAA-ZE2かを確かめる。ZE2型なら12VバッテリーはLN1(12V-50Ah)で、ZE1型の46B24Lとは別物だ。交換用は、今のバッテリーのラベルと日産販売店で種類や使える品を確かめてから選ぶ。駆動用バッテリーのことは日産販売店に相談する。
ZE2型のほかの消耗品は、次の記事で扱っている。

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