真夏の屋外駐車場に数時間停めたあと、ドアを開けた瞬間に立ちのぼる熱気とダッシュボードの熱さは、電気自動車でも変わらない。3代目リーフ(ZE2)は2026年1月に登場したばかりで、サンシェード売り場には先代 ZE1 用の在庫と、歴代をまとめてカバーする汎用寸法品が入り混じっている。この状況で表記から確実に判断できる条件は1つだけで、商品名に ZE2 と書かれているかどうかだ。
ZE2 用サンシェードの一次条件と、確認できた製品の並び
車名の「リーフ」ではなく型式の「ZE2」で絞る。「リーフ用」「日産リーフ対応」としか書かれていない製品は、どの世代向けかが表記から確定できないので候補から外す。この基準で確認できた社外品は次の4つで、価格帯はおおむね2千円台から5千円弱。これとは別に、純正系ブランドからも ZE2 専用サンシェードが19,800円(税込)で設定されている。
| 製品 | 収納形態 | 固定方式 | ドラレコ対応の表記 | 価格(確認時点) |
|---|---|---|---|---|
| ruiya | 傘型 | 吸盤・引き紐 | あり | 3,480円 |
| 趣味職人 | 記載なし | マグネット | あり | 3,980円 |
| カーキャンパージャパン | 傘型・折り畳み | 記載なし | 記載なし | 4,980円 |
| atmys | 傘型 | 記載なし | 記載なし | 1,980円 |
価格はいずれも Amazon の販売ページで確認した時点の実売価格で、変動する。表の空欄は「その仕様が無い」ではなく「商品名に書かれていないので不明」という意味だ。
ZE2 と先代 ZE1 は何がどう違うのか
型式で分かれる対象期間
日産の公式FAQでは、対象車種の表記が「リーフ(2026/01~・ZE2型)」と「リーフ(2017/10~2025/10・ZE1型)」に分かれている。3代目の ZE2 は2026年1月のフルモデルチェンジからの世代で、先代 ZE1 は2017年10月から2025年10月まで。世代がまるごと入れ替わっているので、型式が1文字違うだけの ZE1 用製品を同じ車のものとして扱えない。
外寸は先代より小さい
日産の公式EV情報サイトが2025年10月に公開した比較記事によると、新型リーフ(ZE2)は全長4,360mm・全幅1,810mm・全高1,550mm・ホイールベース2,690mm。先代リーフ(ZE1 e+)は全長4,480mm・全幅1,790mm・全高1,565mm・ホイールベース2,700mmで、全長は120mm短く、全高は15mm低い。同記事は、大きく見えるのはタイヤ・ホイールが大径化したためで、実際は新型のほうが少しコンパクトになっていると説明している。
流用できるかは断定できない
外寸が違う以上、先代用がそのまま合うとは限らない。とはいえフロントガラス単体の寸法はメーカーから公表されていないので、「先代用は必ず合わない」とも言えない。可否を判定する材料が公開されていないのだから、読者側が取れる手はひとつ、ZE2 と明記された製品を選ぶことに尽きる。
ZE2 のガラスは最初からどれだけ遮っているか
日産の公式FAQによると、ZE2 のフロントガラスは IRカット&スーパーUVカット断熱 グリーンガラスで、公表値は紫外線カット率 約100%、日射(熱線)カット率 約54%、可視光線透過率 約77%。同FAQには数値が社内規定値でばらつきがあるとの注記が付く。先代 ZE1 のフロントガラスはスーパーUVカット グリーンガラスで、日射カット率は約46%だった。素のガラスの時点で日射のおよそ半分を遮っており、サンシェードはゼロから遮る道具ではなく、その上に重ねる道具になる。
部位ごとの仕様も違う。同FAQの公表値ではフロントドアガラスが日射カット率 約82%、リヤドアガラスとバックドアガラスは可視光線透過率が約22%・約27%のプライバシーガラスだ。つまりフロント用サンシェードが受け持つのは、透過率約77%のフロントガラス1枚ぶんに限られる。
調光パノラミックガラスルーフ装着車の頭上はどう考えるか
メーカーオプションの調光パノラミックガラスルーフは、日産の企業情報サイトの技術解説によると、透明度が変化する液晶フィルムをガラスに内蔵し、通電時は多くの光を通し、非通電時は光を乱反射させて通す光の量を減らす構造。赤外線反射コーティングとふく射熱低減コーティングの2層により、シェードが OFF の状態でも遮熱性能を発揮するとされ、巻き取り式の物理的な日よけを持たない設計になっている。
公式FAQが示すこのルーフの値は、紫外線カット率 約100%、日射(熱線)カット率 約97%、可視光線透過率 約5%(不透明時は約98%・約3%)。頭上はガラス自体で受け持つ設計なので、フロント用サンシェードとは役割が別になる。ガラスルーフの有無でフロント用の要否が変わるわけではない。
サンシェードでどこまで下がるのか、公表された試験で見る
試験の条件と計測値
JAF(日本自動車連盟)のユーザーテスト「真夏の車内温度」は、2012年8月22日・23日に埼玉県戸田市の駐車場で、天候は晴れ、気温35度、ミニバン5台を対象に実施されている。各車の室温を25℃に揃えたうえで正午から4時間計測した結果は次のとおり。
| 条件 | 車内最高 | 車内平均 | ダッシュボード最高 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
この試験から言えること、言えないこと
ダッシュボードの最高温度は、対策なしの2台が79℃・74℃なのに対し、サンシェード装着車は52℃と低く計測されている。一方で車内の最高・平均温度は対策なしの白と数℃の範囲に収まっており、局所の温度と車内空間の温度では結果の出方が違う。
注意すべき点が3つある。測定はミニバンでのもので、リーフのような乗用EVで測った値ではない。サンシェード装着車のボディカラーは同ページに書かれていないため、色の影響を切り分けられず、差分値を効果として引用することもできない。そして JAF 自身の結論は「人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない」であって、涼しくなるという話ではない。暑い時期に子どもやペットを車内に残さないことは、シェードの有無と無関係に守る前提だ。
4つの軸で選び分ける
商品名から読み取れる範囲に限ると、判断軸は次の4つに絞れる。
- 車種名の明記 — ZE2 と書かれた専用品か、複数世代をまとめた汎用寸法品か。ここが一次条件で、他の3つはその後の話になる。
- 収納形態 — 折りたたみ傘のように畳む傘型か、パネル状に折り畳むタイプか。傘型は畳んだときに細長くなるので、ドアポケットや座席脇に差しておきやすい。
- 固定方式 — 吸盤、引き紐、マグネット、バンドのどれを使うか。吸盤と引き紐はガラス側に留め、マグネットは金属部に留めるので、装着時の手数と外したときの落下しにくさが変わる。
- ドラレコ対応の表記 — ミラー裏に機器を付けているなら、切り欠きの有無が書かれているかを見る。
今回の4製品はいずれも商品ページから詳細な仕様データを取得できなかった。生地の層構造、遮光率や遮熱率、展開時と収納時の実寸法、重量、素材名はどれも不明のままなので、以下でもそれらの数値には触れない。気になる項目は購入前に各商品ページで自分で確かめてほしい。
ZE2 対応として確認できた4製品
商品名に書かれている内容だけを並べる。順序は価格の安い順ではなく、表記から読み取れる情報量の多い順にした。
ruiya — 表記の情報量が最も多い
ruiya の製品は、商品名に2026新型 日産リーフ ze2 3代目 専用、サンシェード 傘、ドラレコ対応、引き紐式、吸盤、幅広バンド収納と並んでいる。傘型で吸盤と引き紐を併用し、収納は幅広バンドでまとめる構成。固定方式とドラレコ対応の両方が表記されており、今回の4つでは商品名から読み取れる情報がいちばん多い。価格は確認時点で3,480円。
ruiya 新型リーフ ZE2専用 傘型フロントサンシェード(ドラレコ対応・引き紐式)
趣味職人 — マグネットで留める
趣味職人の製品は、新型 リーフ ZE2型、車用 フロントガラス、遮光 断熱 紫外線 UVカット、車中泊、マグネット、カーテン、エアシェード、ドラレコ 対応という表記で、型番は14s-b031-fu。マグネットで留めるタイプで、ドラレコ対応をうたう。収納形態は商品名に書かれていない。価格は確認時点で3,980円。
趣味職人 新型リーフ ZE2型 フロントサンシェード(マグネット式・ドラレコ対応)
カーキャンパージャパン — 適合年式が書かれている
カーキャンパージャパンの製品は、車種別、新型 リーフ ZE2 用、サンシェード 傘型 折り畳み式、令和7.10~、簡単取付という表記。傘型の折り畳み式で、適合年式として令和7年10月以降が示されている。固定方式とドラレコ対応の記載はない。価格は確認時点で4,980円と、今回の4つでは最も高い。
カーキャンパージャパン 新型リーフ ZE2用 傘型折り畳みサンシェード
atmys — 今回の4つで最も安い
atmys の製品は、傘 サンシェード 傘式サンシェード 傘型、新型 リーフ ZE2型、フロント 日除け、Mサイズ 対応という表記で、型番は06s-b031-fu。傘型でサイズ表記は M。価格は確認時点で1,980円と、今回の4つでは最も安い。表記されている情報は最も少ないので、細かい仕様を詰めたい人には向かない。
atmys 新型リーフ ZE2型 傘式サンシェード Mサイズ
純正系にも ZE2 専用の設定がある
日産モータースポーツ&カスタマイズの公式ニュースリリース「日産リーフ用 NISMOパーツ 発売」(2026年7月22日)によると、サンシェードは価格19,800円(税込)、出荷開始日は7月24日。仕様はカラー黒、NISMOロゴプリント、収納ケース付でハンドルカバー兼用とされ、商品説明では車種専用設計でフレーム部にワイヤーが入り、ウィンドウにジャストフィットするとある。同時にプラスチックバイザー46,200円(税込)とフロアマット59,400円(税込)も発売されている。
社外品との差は価格そのものより、公表されている情報の量にある。純正系は構造と付属品がメーカー側から明示されているのに対し、今回の社外品は商品名以上の仕様が公開されていない。そこにどれだけ払うかという判断になる。適合は「日産リーフ(ZE2)全車 ※AUTECHブランドの車両は、記載がない場合、適合対象外となります。」と明記されているので、AUTECH 仕様に乗っているなら購入前に適合表記を確認してほしい。
買う前・使う前に確認しておくこと
- ガラス上部の機器を先に見る。日産の公式FAQは、フロントガラス上部のマルチセンシングフロントカメラと車両前方部のフロントレーダーセンサーで先行車を検知すると記載している。サンシェードの上端はこの周辺に来るので、最初の1回で収まりとワイパー・センサー周辺の隙間を確認し、干渉するなら位置をずらす。詳しい扱いは車両の取扱説明書の指示に従ってほしい。
- 走行前には必ず外す。前方視界を遮った状態では走らない。外したシェードは収納袋にまとめ、直射日光の当たるダッシュボード上に放置しない。
- 汎用寸法品と専用品を混同しない。検索すると「リーフ I II III ZE0 ZE1 ZE2 2010-2025 2026」のように歴代すべてを1商品でカバーし、145×80cm といった寸法だけを示す製品が出てくる。世代ごとのガラス形状に合わせた設計とは言えないので、ZE2 専用品として扱わないほうがいい。
- 装着はエンジン停止後に。駐車したらフロントガラスの内側へ、製品の固定方式(吸盤・マグネット・バンド)に従って留める。
よくある質問
先代 ZE1 用のサンシェードは ZE2 に使えますか
使えるとも使えないとも断定できない。ZE1 と ZE2 は外寸そのものが違う一方、フロントガラス単体の寸法はメーカーから公表されていないためだ。可否を判定する材料が公開されていない以上、ZE2 と明記された製品を選ぶことになる。
サンシェードを付ければ車内は涼しくなりますか
JAF がミニバンで行った試験では、ダッシュボードの最高温度がサンシェード装着車で52℃、対策なしの2台で79℃・74℃と計測されている。ただし JAF の結論は、対策をしても人や動物が耐えられない温度になり、車内温度の上昇は防げないというもの。涼しくなる道具ではなく、ダッシュボードなど直射が当たる面の温度上昇を抑える道具と考えたほうがいい。
純正と社外品ではどちらを選ぶべきですか
構造や付属品の情報が公表されていることを重視するなら純正系、価格を抑えたいなら社外品。純正系は19,800円(税込)で、社外品はおおむね2千円台から5千円弱の帯にある。仕様を自分で確かめてから決めたい人には、表記の多い製品のほうが選びやすい。
ガラスルーフ装着車でもフロント用は必要ですか
調光パノラミックガラスルーフは日射カット率 約97%が公表されているが、これは頭上の話。フロントガラスの公表値は日射カット率 約54%なので、前方から入る日射は別に考える必要がある。
走行中に付けたままにできますか
できない。フロントガラスの内側に広げて前方視界を遮ったまま走ることになるため、走行前に必ず取り外す。
まとめ
購入前に確認する項目を並べておく。
- 商品名に ZE2 と書かれているか。車名だけの表記や歴代まとめの汎用寸法品は外す。
- 傘型かパネル型か、固定方式は吸盤・引き紐・マグネット・バンドのどれか。
- ドラレコを付けているなら、切り欠きの記載があるか。
- 価格帯(社外品はおおむね2千円台から5千円弱、純正系は19,800円)と、公表されている情報の量が釣り合うか。
- AUTECH 仕様なら、適合表記に自分の車両が含まれているか。
ZE2 のフロントガラスは公表値で日射の約54%を遮っている。サンシェードはその上に重ねるものだと分かっていれば、期待値を外さずに選べる。
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