炎天下の青空駐車から戻ると、ダッシュボードもハンドルも触れないほど熱くなっている。10代目アコード(CV3)でサンシェードを選ぶなら、見る場所は3つだ。車検証の型式が CV3 かどうか、フロントだけでいいのか全窓が要るのか、上端がフロントガラス上部のカメラを避ける形かどうか。この記事で扱う適合と数値は、ホンダ公式の主要諸元表とニュースリリース、ホンダのウェブ取扱説明書、JAF のユーザーテスト、国土交通省の資料、各商品ページの表記から取っている。
CV3 のサンシェード選びは3つの条件で決まる
ホンダ公式の主要諸元表では、10代目アコードの「車名・型式」は「ホンダ・6AA-CV3」と書かれている。頭に付く 6AA は排出ガスなどの識別記号なので、適合で見るのは CV3 の部分になる。タイプは EX の1本のみ、駆動方式は FF のみ、車体形状は4ドアセダンで乗車定員5名。グレード違いでフロントガラスまわりが分かれる構成ではないため、確認するのは型式が CV3 かの一点で済む。
あとは覆う範囲を用途で決め、上端のおさまりを商品ページの写真で確かめる。順に見ていく前に、今回の条件を満たした3製品を並べておく。
| 用途 | 製品 | 覆う範囲 | 固定方式 | Amazon実売価格(確認時点) |
|---|---|---|---|---|
| 毎日の青空駐車 | funbank | フロントガラス1枚 | サンバイザーで押さえる | ¥2,980 |
| 横からの日差しと視線 | FXXKOE | サイドガラス用メッシュ | マグネット式 | ¥3,699 |
| 車中泊・仮眠 | EYQDY | 全窓セット | 窓の隙間に差し込む | ¥10,876 |
価格も在庫も変動するので、実際の金額は購入時のページで見てほしい。
車検証の型式で CV3 を見分ける
ホンダのニュースリリース(2020年2月20日)によると、10代目アコードは同日に発表され、翌21日に発売された。ホンダ公式サイトの過去モデルのページには「2020年2月発表 2023年1月終了モデル」と書かれており、日本での販売は2023年1月で終わっている。
紛らわしいのが現行の11代目だ。ホンダのニュースリリース(2024年3月7日)によると、11代目は2024年3月7日発表・翌8日発売で、寸法は先代比で「全長を75mm、リアトレッドを10mmそれぞれ延長」。「アコード用」としか書かれていない商品は、この現行世代向けの可能性がある。ガラスまわりの構成も別なので、CV3 と同じものが使えるとは考えない。
年式表記が当てにならない事情はもうひとつある。ホンダのニュースリリース(2019年8月2日)によると、同じ10代目でも海外は2017年10月の米国発売が先で、日本向けは2020年初めのフルモデルチェンジだった。商品ページの適合年式に2017年〜2019年が現れるのは、この海外基準が混ざったものと考えられる。日本で登録された CV3 の年式とは一致しない。照合の軸は年式ではなく型式だ。
フロントガラス上部のカメラを覆わない
CV3 で他車と違う注意点はここだけだ。ホンダの取扱説明書には「カメラはフロントガラス上部に設置されています。」とあり、続けて「反射サンシェードを使用する場合、カメラを覆わないでください。覆うとカメラに熱を集中させてしまう可能性があります。」と書かれている。炎天下の駐車で室内温度が上がるとカメラ機能が一時停止する場合があること、そのため日陰への駐車を勧めることも、同じ項に載っている。
書かれているのは「熱を集中させてしまう可能性」までで、サンシェードが故障や誤作動を招くとは書かれていない。恐れる話ではないが、上端がカメラの位置に重ならないおさまりかどうかは、買う前に写真で見ておく価値がある。同じ項には、フロントガラスにフィルムを貼ったりカメラの視野を遮る物を取り付けないこと、インストルメントパネル上部に物を置かないことも書かれている。
ホンダ公式のアーカイブページによると、CV3 の Honda SENSING は「対象の位置や速度の測定に強いミリ波レーダーと、対象の形や大きさの識別に強い単眼カメラを融合した高精度な検知機能」で、現行11代目の Honda SENSING 360 とは構成が違う。車体は全長4900mm・全幅1860mm・全高1450mm、セダンとして低くフロントガラスは寝た角度で付く。ガラス自体の寸法はホンダが公表していないため、縦横何センチという数字はどこにも出せない。
サンシェードで実際に何が変わるか
JAF のユーザーテスト「真夏の車内温度」は、2012年8月22日・23日に埼玉県戸田市の駐車場で、晴れ・気温35度の環境でミニバン5台を使い、正午から4時間測ったもの。公表されている条件別の値はこうなっている。
| 条件 | 車内最高 | 車内平均 | ダッシュボード最高 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け3cm | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
直射日光が当たるダッシュボードの値と、車内の空気の値とで出方が違うのが読み取れる。ただし JAF はこのテストの結論を「サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない。」と書いている。サンシェードは車内を涼しく保つための道具ではない。テスト車はミニバン5台で、アコードのような4ドアセダンで測った値でもない。乗り込む前の換気とエアコンは、付けていても同じだけ要る。
選ぶときに見る4つの軸
世代
最初の絞り込みが世代で、ここを外すと他の軸は意味を持たない。10代目 CV3 向けと現行11代目向けは別物、9代目以前も当然別。判断は年式ではなく車検証の型式で行う。
どの窓を覆うか
売られているものは大きく3種類。フロントガラス1枚だけのもの、サイドガラスに付けるもの、全部の窓をまとめて覆うセット。毎日の駐車が主なら1枚もの、後席に人を乗せるならサイド、車中泊やプライバシー確保なら全窓、という切り分けになる。
固定方式
商品ページの表記では、フロントガラス用は「サンバイザーを下げて挟むだけ」の板状で、吸盤を使わないと明記した製品がある。全窓セットは「スプリングワイヤーフレーム内蔵で、窓の隙間に挿入するだけで数秒で取り付け可能」、サイド用は「マグネット式なので、車の金属窓枠に吸着しやすく」。優劣ではなく、着け外しの手数と収納のしやすさの違いとして見る軸だ。
上端のおさまり
CV3 で最も差が出るのがこの軸。上端にミラーやカメラを避ける切り欠きがあるか、切り欠きの位置がミラーの根元まで届く形かを、商品ページの写真と説明で確かめる。ある製品の説明には「切り掛けの位置がルームミラーに全然届かない」という不満が改良の理由として書かれていて、実際につまずきやすい部分だとわかる。層数や遮蔽率のような数字はこの軸の代わりにならない。
用途別に選んだ3製品
毎日の駐車ならフロント1枚(funbank)
商品ページの適用車種は「ホンダ との互換性あり アコード 10代目 cv3 (2020.2~現在)」で、「年式、グレード、オプション等により適合しない場合があります。車種・形状をご確認の上、ご購入ください。」という但し書きが付く。CV3 は2023年1月で販売を終えているので「現在」まで続く書き方は公式の販売期間と合っていないが、型式の CV3 が明記されている点は見ておける。
素材は箇条書きの見出しに「6層構造」、別の欄に「ブラックメッシュ仕上げ」とある。フロントガラス用の1枚もので収納袋が付き、袋のサイズは1種類のためハンドルの太さによって余ったり足りなかったりする、という注意書きも出品者が書いている。固定方法の詳しい記載はない。注文前に商品画像を拡大して、上端の切り欠きがミラーの根元まで届く形かを見ておきたい。Amazon実売価格は確認時点で ¥2,980。
funbank ホンダ アコード 10代目 CV3 フロントガラス用サンシェード(1枚もの・収納袋付き)
横の日差しと視線を抑えるならメッシュ(FXXKOE)
サイドガラス用。商品ページには「メッシュサンシェードにより、車内が外から見えにくくなり」「車のウィンドウ バイザーのメッシュにより、内側から車の外を見ることができますが、反対側は反射素材を使用しており、外からの光を反射します」とある。折り畳んでコンパクトに収納できるとも書かれている。
固定は「車の金属窓枠に吸着しやすく」というマグネット式だが、同じページに「一部の車種には非金属ウィンドウがあり、ウィンドウ バイザーを取り付けるにはハスプ バックルを使用する必要があります」という但し書きも並ぶ。留め方は窓枠次第で変わる、と読んでおく。適合表記は「ホンダ アコード 10代目 CV3型 2019~ 2022年」で、開始が日本での発売より前になっている。型式の CV3 は合っているが、年式の数字のほうは根拠にしない。Amazon実売価格は確認時点で ¥3,699。
FXXKOE ホンダ アコード 10代目 CV3型 サイドガラス用メッシュサンシェード(マグネット式)
車中泊で全部の窓を覆うなら(EYQDY)
適合は「ホンダ アコード 10代目 CV3型 2020年2月~2023年1月」で、公式の販売期間とそのまま一致する書き方。内訳が具体的に書かれている数少ない製品でもあり、「フロントガラス用1枚、サイドドアガラス用2枚、後部座席ドアガラス用2枚、クォーターガラス用2枚、リアガラス用1枚の全7枚セット」とある。ただし内訳を足すと8枚で、「全7枚」と数が合わない。枚数は購入前に出品者へ確かめる項目として扱う。
取り付けは「スプリングワイヤーフレーム内蔵で、窓の隙間に挿入するだけで数秒で取り付け可能」、リアガラスは付属の部品で追加固定できるとも書かれている。「ご注文後に製作・発送するオーダーメイド商品」と明記されているので、届くまでの日数と返品の条件を先に見ておく。Amazon実売価格は確認時点で ¥10,876。
EYQDY ホンダ アコード 10代目 CV3型 全窓用プライバシーサンシェード(受注生産)
商品ページの表記の読み方
車種名が商品名に入っていても専用品とは限らない。商品名が「に適用 ホンダ アコード CV3 専用」となっている製品の説明に、「ユニバーサルデザインで、特定の車種専用ではありませんが、購入前にご自身の車両のフロントガラスのサイズを測定し、適合するかをご確認ください。商品タイトルに記載されている車種名は検索用の参考情報であり、サイズの適合を保証するものではありません。」と書かれている例が実在する。見るのは商品名ではなく商品説明の適合欄だ。
数値も横並びの軸にはならない。同じページの中で「合成繊維メッシュと反射素材が熱を 99% 遮断して車内を涼しく保ちます」と「車窓サンシェードの2層断熱メッシュ素材は、紫外線を87%カットできます」が並ぶ製品があり、箇条書きの見出しで「6層構造」と書きながら別の欄では「多層サンシェードの構造」としか説明しない製品もある。どれも出品者の表記で、第三者が測った値ではない。
同じ出品者から商品名も説明の箇条書きも完全に同一の出品が4つ並び、取得時の価格だけが4通りに分かれている例もある。説明にセットの枚数が書かれていないため、どの出品に何枚入るのかはページから読み取れない。同名の出品が複数あるときは、枚数の内訳が書かれているものを選ぶ。
使うときの手順とやらないこと
フロントガラス用は、駐車しているあいだに使い、走り出す前に外す装備だ。国土交通省が示している不正改造の具体例では、前面ガラス等への装飾板の装着について、対象範囲が「前面ガラスや側面ガラス(運転者席より後方の部分を除く)」、基準は「前面ガラス等に装飾板を装着した状態での可視光線透過率は70%未満のもの」が不可、対象車は被牽引自動車以外の全ての自動車とされている。遮光する布や板は光をほとんど通さないので、付けたままでこの条件を満たしようがない。走行中の使用を思わせる書き方をした商品ページもあるが、そこは採らない。
手順としてはこうなる。駐車したら本体を広げて下端をガラスの下側に当て、上端をフロントガラス上部のカメラとミラーの根元に重ならない位置へ合わせる。あとはサンバイザーを下げて上端を押さえる。吸盤を使わないと明記している製品なら、この押さえだけで留まる。走り出す前に外して畳み、収納袋へ入れる。インストルメントパネルの上に置いたままにしない。ワイヤーが入っている製品は袋から出すときに勢いよく開くという注意書きがあるので、顔の近くで開かない。
よくある質問
自分のアコードが CV3 かはどこを見ればわかりますか
車検証の型式欄を見る。ホンダ公式の主要諸元表の表記は「ホンダ・6AA-CV3」なので、識別記号を除いた CV3 が一致していればいい。
現行アコード用と書かれたサンシェードは CV3 に使えますか
使える前提では買わない。現行は2024年3月発売の11代目で、先代比で全長が75mm延びている。ガラスまわりが共通かどうかをホンダは公表していないので、誰も適合を断定できない。
サンシェードを付ければ車内は涼しく保てますか
保てない。JAF はテストを、対策をしていても人や動物が耐えられない温度になる、と結んでいる。用途は温度を下げることではなく、直射日光が当たる面の熱さを抑えることに寄る。
付けたまま走ってもいいですか
フロントガラス用は走行前に外す。前面ガラスと、運転者席より前方の側面ガラスには可視光線透過率の基準がかかる。運転者席より後方の窓はこの基準の対象から外れている。
フロントガラスのカメラに当たらないか心配です
取扱説明書が求めているのは「カメラを覆わない」ことなので、上端が重ならない位置に合わせれば足りる。覆った場合に書かれているのも熱が集中する可能性までで、壊れるとは書かれていない。
まとめ
先に動かすのは実車のほうだ。運転席に座ってフロントガラスの上端を見上げ、ミラーの根元とその奥のカメラがどのあたりにあるかを目で押さえる。ここが選定の基準になる。それから車検証を開いて型式が CV3 かを見る。この2つが済めば、残るのは用途で覆う範囲を決めるだけになる。
毎日の青空駐車ならフロント1枚、横からの日差しと視線ならサイドのメッシュ、車中泊なら全窓セット。どれを選んでも、上端の切り欠きが実車のミラーとカメラの位置に合う形かは、商品画像で最終確認しておきたい。効果のほうは見込みすぎない。日光が当たる面の温度は変わっても、車内の空気まで涼しく保たれるわけではない。
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