ZE2 型リーフで聞き慣れない音がしたら、まず音が出た場面で分けると見当がつく。e-Pedal Step が ON のときにアクセルを緩めて減速する際の作動音や、充電中の冷却ファンの音(電気自動車全般についての案内)は、日産が異常ではないと案内している音だ。ブレーキのキーキー音、走行中のタイヤ付近の音、ハンドルを回したときの音は、点検を受けるべき音として扱う。
音が出る場面ごとの見分け方
日産の現行リーフの紹介ページでは、静粛性について「エンジン音のないEVだからこそ気になるノイズを徹底的に除去」したと説明している。モーター制御、高剛性の車体と遮音、ミラーとフロントピラーの形状の最適化、新開発の 3-in-1 電動パワートレインでの振動の抑制などで静粛性を高めた、という内容で、エンジン音の無い EV ではほかのノイズが気になりやすいという前提に立った説明だ。
| 音が出る場面 | 考えられる音 | 扱い |
|---|---|---|
| アクセルを緩めて減速するとき | e-Pedal Step(ON)の作動音、ブレーキペダルの動き | 日産は異常ではないと案内 |
| 充電中 | 冷却ファンの音 | 日産は電気自動車全般について異常ではないと案内 |
| 走行中に車の外へ流れる音 | 車両接近通報装置の音のことがある | 鳴り方は取扱説明書で確かめる |
| 車内の電子音 | 運転支援や ETC の警報音・お知らせ音 | 画面の表示と合わせて見る |
| ブレーキ時 | キーキー音 | 早めに整備工場で点検 |
| 走行中のタイヤ付近 | 原因は多岐にわたる | 点検が必要 |
| ハンドルを回したとき | 音・振動・操作の重さ | 点検が必要 |
| ワイパー作動時 | ビビり音 | 汚れ落としから順に対処 |
音だけで原因の部品を言い当てることはできない。表で見当をつけたうえで、点検が要る側の音は販売店や整備工場で確かめてもらう。ブレーキ・タイヤ付近・ハンドル操作時の音は走行の安全に関わるため、自分で分解して原因を探さず、安全な場所に止めて点検を受ける。走れない・走るのが危ないと感じたらロードサービスを呼ぶ。
この記事が扱う ZE2 と、ZE1 との違い
日産の FAQ は ZE2 型を「リーフ(2026/01~・ZE2型)」として扱っていて、e-Pedal Step の FAQ でもリーフ(ZE2)の設定時期は「2026(令和8)年1月 フルモデルチェンジ ~」と書かれている。この記事は、この 2026年1月以降の ZE2 型を対象にする。
ZE1 から乗り換えた人が気をつけたいのは、減速から停止までの動きだ。日産の e-Pedal Step の FAQ では、e-Pedal Step はリーフ(ZE1)に搭載されている e-Pedal とは異なり、アクセルオフの減速のあとにクリープ走行が起きるため、停車するときは必ずブレーキを踏む必要があると注意している。ZE1 向けの情報は ZE2 にそのまま当てはめない。ZE1 の音については次の記事で扱っている。
アクセルを緩めて減速するときの作動音
e-Pedal Step の作動音とブレーキペダルの動き
日産の e-Pedal Step の FAQ では、e-Pedal Step はアクセルペダルの操作だけで加減速ができる機能で、設定車種の表にリーフ(ZE2・2026年1月のフルモデルチェンジ以降)が入っている。表にグレードごとの設定の有無の記載は無いので、自分の車に付いているかは取扱説明書か販売店で確かめる。
同じ FAQ は、リーフ(ZE2)を含む車種の注意事項として「e-Pedal StepがONのときに、作動音が発生したり、減速によってブレーキペダルが動いたりすることがありますが異常ではありません」と案内している。e-Pedal Step を ON にしてアクセルを緩めたときの作動音や、足を載せていないブレーキペダルが動くことは、この案内の範囲だ。
減速の強さと停車時の注意
同じ FAQ は、アクセルペダルから足を離したときの減速度が従来の車より強いため、足を完全に離さずにゆっくり緩めると、なめらかに減速できると説明している。減速のあとはクリープ走行が起きるので、止まるときはブレーキを踏む。
回生ブレーキコントロールパドルとの違い
日産の現行リーフの紹介ページでは、回生ブレーキコントロールパドルは「グレード別設定」とされ、走る場面に合わせて減速を4段階で切り替え、アクセルを戻したときの減速をハンドルを握ったまま手元で調整できると説明している。対象グレードの具体的な記載と、パドルの作動音や段階ごとの音の違いについての記載は無い。異常ではないという日産の案内は e-Pedal Step についてのものなので、パドルの操作で気になる音が続くなら販売店に相談する。
充電中にファンが回るような音がするとき
日産の FAQ は電気自動車全般について、充電中にリチウムイオンバッテリーを冷却するために冷却水ポンプおよび冷却ファンが作動することがあり、その場合に冷却ファンの音が聞こえることがあるが異常ではない、と案内している。
この FAQ は車種を限っていない一般的な案内で、ZE2 に限った説明ではない。同じ FAQ は、使っている車の故障や修理についての問い合わせは日産の販売店で車の状態を診断する必要がある、としている。いつもと違う音や気になる音が続くときは、自己判断で済ませずに販売店に相談する。
走行中に車の外へ流れる電子的な音
国土交通省の発表では、2016年(平成28年)10月7日に、ハイブリッド自動車および電気自動車等に、歩行者等に自動車の接近を音で知らせる「車両接近通報装置」を義務付けることとした。国連の自動車基準の国際会議(WP29)で、車両接近通報装置の国際基準が採択されたことを受けたものだ。走行中に車の外から電子的な音が聞こえるなら、この装置の音のことがある。
ただし、ZE2 の車両接近通報装置が鳴る車速の範囲・音色・音量・一時的に止められるかどうかは、日産の公開資料で確かめられていない。旧型リーフ(ZE0・ZE1)の資料にある車速などの値を ZE2 に当てはめず、取扱説明書の車両接近通報装置のページか販売店で確かめる。
車内で鳴る警報音・お知らせ音
車内の電子音は、メーターやアドバンスドドライブアシストディスプレイ、インフォテインメントの画面に表示が出ていないかを見ると、どの機能の音か見当をつけやすい。
止まっているときの警報音(先行車発進お知らせ)
日産の FAQ によると、ZE2 の先行車発進お知らせは、先行車が発進したあとに自車が停止し続けた場合に、警報音とアドバンスドドライブアシストディスプレイの表示で知らせる機能だ。シフトが P・R 以外でブレーキペダルを踏んで停止しているとき、P・R 以外でオートブレーキホールドが作動しているとき、インテリジェント クルーズコントロールで停止を保持しているとき、などに作動する。設定で ON(遅め・標準・早め)と OFF を切り替えられ、自車や先行車の状況によって作動しない場合もある。
車線変更のときのブザー音(インテリジェント BSI)
日産の FAQ によると、ZE2 のインテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)は、車速約60km/h以上で、隣の車線に車がいるのに車線変更のためにレーンマーカーに近づくと、ブザー音と、メーター内とドアミラー鏡面にある表示灯の点滅で注意を促す。決められた条件では「ポー」というブザー音とともにアドバンスドドライブアシストディスプレイに警告が表示され、作動を解除したりシステムが停止したりする。システムに異常があると、ブザー音が鳴り、警告が表示され、表示灯がオレンジ色に点灯してシステムが停止する。ON/OFF は設定で切り替えられる。
カードの残し忘れ・入れ忘れの音声とピンポン(ETC カード忘れ警告)
日産の FAQ によると、ZE2 で ETC カードを挿したまま車をパワー OFF にすると、ETC2.0 車載器から「ETC車載器にカードが残っています」という音声メッセージで知らせる。ドアを開くか、カードを抜くと止まる。カードの入れ忘れは、表示メッセージと「ピンポン」という通知音で知らせる。機能の ON/OFF はインフォテインメントシステムで設定でき、設定しても作動しないときは日産販売店に相談するよう案内されている。
ハンドルの振動で知らせる警報(LDW)
日産の FAQ によると、ZE2 の LDW(車線逸脱警報)は、意図せず車線をはみ出しそうになったとき、ステアリングホイールの振動とメーター内の表示灯の点滅で注意を促す。FAQ に、音やブザーで知らせるという記載は無い。車速約60km/h以上で作動し、移動する方向にウインカーを出しているときは警報しない。振動の強さは大・中・小から選べ、ON/OFF も設定で切り替えられる。
不要なお知らせは設定で切り替えられるものがあるが、安全のための警報は内容を確かめてから扱う。システムの異常を知らせる警告や表示灯が続くときは、販売店に相談する。
ブレーキを踏んだときのキーキー音
キーキー音とパッドウェアインジケーター
JAF の解説では、ブレーキパッドの残量が少なくなると、パッドウェアインジケーターが直接ブレーキディスクに接して「キーキー」と音を出し、交換時期を知らせる。パッドが減るとブレーキ液がリザーバータンクの下限ラインを下回り、ブレーキ警告灯が点灯するようにもなっている。車種を限らない一般的な解説だが、これらの症状が出たら、早急に整備工場で点検・交換を受ける。
e-Pedal Step を ON にしてアクセルを緩めたときの作動音は、日産が異常ではないと案内している音で、ブレーキ時のキーキー音とは別の音として分けて考える。
パッドの残りの確かめ方
パッドの残りは、ホイールを外し、ブレーキキャリパーの点検用の窓からパッドの厚みを目視で確かめる。ホイールを外す作業に不安があるときや、キーキー音・ブレーキ警告灯の点灯があるときは、整備工場で点検してもらう。
走行中のタイヤ付近の音・ハンドルを回したときの音
タイヤ付近から音がするとき
JAF の解説では、走行中にタイヤ付近から異音がする場合は、タイヤに異物が刺さっている、走行関係の部品が傷んでいる、などが考えられ、発生源は多岐にわたって複数の原因が推測される。点検が必要な状態で、状況に合わせた応急対応か点検が要り、自分の安全を確かめたうえで救援を呼ぶよう案内している。
ハンドルを回すと音や振動がするとき
JAF の解説では、ハンドルを回したときに異音がする場合は、ハンドル(ステアリング)機構に異常が発生している可能性がある。異常があるとハンドル操作が行えなくなる可能性があり、走行は大変危険だ。ハンドル操作時の振動や、ハンドル操作が重いなどの症状が出る場合もあり、JAF は救援要請を案内している。
一方、ZE2 で約60km/h以上で走っていて車線をはみ出しそうになったときだけハンドルが震え、メーター内の表示灯が点滅するなら、LDW の注意喚起のことがある。ハンドルを回したときの音や、ハンドル操作のたびの振動・重さは LDW の動きとは別で、ステアリング機構の点検が要る症状として扱う。
ワイパーを動かしたときのビビり音
JAF の解説では、ワイパー動作時のビビり音は、ガラス面の汚れの付着や撥水コーティングの影響が考えられ、ワイパーのゴムが劣化している可能性もある。対処は次の順に進める。
- 窓ガラスの汚れを落とす
- 撥水コーティングをしている場合は、ワイパーゴムにビビり防止剤を塗る
- それでも改善しない場合は、ワイパーのゴムを交換するか、ワイパーブレードごと交換する
汚れ落としから順に試し、交換は最後に回す。自分での交換が難しいときは販売店や整備工場に相談する。ZE2 のワイパーのサイズと替えの選び方は次の記事にまとめている。
リコールの届出を車台番号で確かめる
通知と車台番号での確かめ方
国土交通省の案内では、リコールの対象になると、ハガキ等で自動車メーカー等から直接通知される。国土交通省のリコール情報の検索では車名や型式で調べられるが、対象は車台番号の幅で示されるため、生産工場やグレードの違い等で対象にならない車も含まれている場合がある。主要メーカーには車検証に書かれた車台番号を入力して対象のリコール情報を探せる仕組みがあり、個別の車の確認は各メーカーに問い合わせる。
ZE2 の届出の例(届出番号 5800)
日産のリコール関連情報によると、リーフでは届出番号 5800(リコール開始日 2026年3月27日)が公表されている。対象は型式 ZAA-ZE2・車台番号 ZE2-100173〜ZE2-105683・製作期間 令和7年12月1日〜令和8年3月7日 の171台で、範囲内に対象にならない車も含まれるため、販売会社での確認が要る。内容は、高電圧バッテリパック内のモジュールで、セルの電極板の製造工程が不適切だったため電極板の破片が付着したものがあり、充電を繰り返すとモジュール内部で短絡が起きてバッテリ異常の警告が表示される場合があり、最悪の場合はバッテリが異常発熱し火災に至るおそれがある、というものだ。改善措置は、バッテリパックまたはモジュールを良品に交換すること。この届出の中に、異音・音・振動についての記載は無いので、異音の原因としてではなく、自分の車の届出を確かめる例として見ておく。
不具合を国に知らせる窓口
国土交通省の自動車不具合情報ホットラインの案内では、寄せられた情報はリコールの隠ぺいの防止や欠陥車両の早期発見などに活用され、受け付けた情報をもとにメーカー等に問い合わせや調査指示を行うことがある。個々の情報への回答や調査状況の報告は行っていない。
販売店・整備工場に相談するときに伝えること
販売店や整備工場、ロードサービスに相談するときは、次のことを伝えると点検の手がかりになる。
- いつ出るか(走行中・停車中・充電中)
- どの場面で出るか(アクセルを緩めたとき・発進・ブレーキ・ハンドル操作・段差など)
- どのあたりから、どんな音か(キーキー・ゴトゴト・電子音など)
- そのとき画面に表示や警告が出ていたか
JAF も、連絡の際に現在の状況を説明するよう案内している。ブレーキ・タイヤ付近・ハンドル操作時の音は、自分で分解して探さず、安全な場所に止めたうえで点検を受ける(走れない・走るのが危ないと感じたらロードサービスを呼ぶ)。
よくある質問
アクセルを緩めたときの作動音やブレーキペダルの動きは故障か
e-Pedal Step が ON のときの作動音や、減速によってブレーキペダルが動くことは、日産の FAQ が異常ではないと案内している。設定車種の表にリーフ(ZE2)が入っていて、グレードごとの設定の有無の記載は無い。この案内は e-Pedal Step についてのもので、回生ブレーキコントロールパドルの音には触れていない。
充電中にファンのような音がするのは異常か
日産の FAQ は電気自動車全般について、充電中にバッテリーを冷却するための冷却ファンの音が聞こえることがあるが異常ではない、と案内している。ZE2 に限った案内ではないので、気になる音が続くなら販売店で診断を受ける。
車内で「ポー」や「ピンポン」と鳴るのは何の音か
日産の FAQ によると、ZE2 のインテリジェント BSI は、決められた条件で「ポー」というブザー音とともに警告を表示し、作動を解除したりシステムが停止したりする。ETC カードの入れ忘れは、表示メッセージと「ピンポン」という通知音で知らせる。どちらも画面の表示と一緒に出るので、音が鳴ったら表示を見ると、どの機能の音か見当をつけやすい。
ブレーキからキーキー音がしたらどうするか
JAF の解説では、パッドの残量が少なくなるとパッドウェアインジケーターがディスクに接してキーキー音を出し、交換時期を知らせる。音だけで原因を決めつけず、早めに整備工場で点検を受ける。走るのが危ないと感じたら、安全な場所に止めてロードサービスを呼ぶ。
まとめ
聞こえた音は、まず出た場面から候補を1つに絞り、そのうえで日産の FAQ や取扱説明書、販売店で確かめる、という順で考えると迷いにくい。e-Pedal Step が ON のときの作動音と、電気自動車全般について案内されている充電中の冷却ファンの音は、日産が異常ではないとしている音だ。車内の電子音は画面の表示でどの機能の音かを確かめる。ブレーキのキーキー音、タイヤ付近の音、ハンドルを回したときの音は点検が要る音として、安全な場所に止めたうえで販売店や整備工場の点検を受ける。走れない・走るのが危ないと感じたらロードサービスを呼ぶ(ハンドルを回したときの音は、JAF が走行は大変危険として救援要請を案内している)。
ZE2 の消耗品の手入れは、次の記事も参考にしてほしい。

コメント