ZE1 型リーフに乗っていると、充電中にファンが回るような音がしたり、低速で走り出すと車の外から音が流れたり、ブレーキを踏んだときにキーキー鳴ったりと、エンジン車では気にならなかった音が耳に入ってくる。こうした音は、まず出る場面で分けると、日産が案内している電気自動車の音なのか、点検を受けるべき音なのかの見当がつく。音だけで原因の部品を言い当てることはできないので、見当をつけたうえで、点検が要る側の音は販売店や整備工場で確かめてもらう。
異音は出る場面で分けると見当がつく
| 音が出る場面 | 聞こえ方 | 考え方 |
|---|---|---|
| 電源を入れたとき | 音がしない | ZE1 型には始動音が無い |
| 低速の発進時・後退時 | 車の外へ流れる音 | 車両接近通報装置の音 |
| 充電中 | ファンが回るような音 | 日産が電気自動車全般について異常ではないと案内 |
| ブレーキ時 | キーキー音 | パッドの交換時期の知らせのことがある。点検する |
| 走行中のタイヤ付近 | 聞き慣れない音 | 原因が多岐にわたる。点検する |
| ハンドルを回したとき | 聞き慣れない音 | ステアリング機構の異常の可能性。点検する |
| ワイパー作動時 | ビビり音 | ガラスの汚れ・ゴムの劣化などを確かめる |
上の3つは日産の案内で説明がつく音で、根拠はそれぞれの節で示す。ブレーキ・タイヤ付近・ハンドル操作時の音は走行の安全に関わるので、自分で分解して原因を探さず、安全な場所に止めたうえで販売店や整備工場の点検を受ける。走れない、または走るのが危ないと感じたら、ロードサービスを呼ぶ。
対象の ZE1 型と、電源を入れても音がしないこと
日産の FAQ では、ZE1 型リーフは「2017/10〜2025/10」の型として扱われ、生産終了モデルに分類されている。この記事はこの期間の ZE1 型を対象にする。
エンジン車から乗り換えると、パワースイッチを ON にしても何も鳴らないことに戸惑うかもしれない。日産の FAQ によると、ZE1 型にはスタートアップサウンド(始動音)が無く、メーターにオープニングムービーが表示されて始動を知らせる。電源を入れても音がしないのは ZE1 の仕様で、故障ではない。
低速・後退時に車の外へ流れる音は車両接近通報装置
車両接近通報装置(VSP)は、きわめて静かに走行する EV の接近を歩行者に知らせるための装置だ。日産の ZE1 の機能紹介ページ(2019年掲載分)では、次のように説明されている。
- 停止状態から D レンジを選んでブレーキを離すと、通報音を流して注意を促す
- 車速が 30km/h 以上になるとフェードアウトする(減速時については 25km/h 以内と併記されている)
- 後退時は、R レンジに入れた瞬間から通報音が流れる
発進直後や駐車場でバックするときに車の外から流れる音は、まずこの装置の音を考える。同じページに音色や音量についての記載は無いので、聞こえ方がいつもと明らかに違うと感じたら販売店に相談する。
充電中にファンが回るような音がするとき
日産の FAQ では、電気自動車全般について、充電中にリチウムイオンバッテリーを冷却するために冷却水ポンプおよび冷却ファンが作動することがあり、そのときに冷却ファンの音が聞こえることがあるが異常ではない、と案内している。
ただし、この FAQ は車種を限らない一般的な案内で、ZE1 の冷却の仕組みを個別に説明したものではない。ZE1 で聞こえる音がこの冷却の音だと言い切れるわけではない。
同じ日産の FAQ は、使っている車の故障や修理についての問い合わせは、日産の販売店で車の状態を診断する必要がある、としている。いつもと違う音や気になる音が続くときは、自己判断で済ませずに販売店に相談する。
ブレーキ時のキーキー音と、e-Pedal で止まるときの音
キーキー音とパッドウェアインジケーター
JAF の解説では、ブレーキパッドは減速・停止のたびにわずかに削られて摩耗し、摩耗が進むとパッドウェアインジケーターが直接ブレーキディスクに接して「キーキー」と音を出し、交換時期を知らせる。パッドが減るとブレーキ液がリザーバータンクの下限ラインを下回り、ブレーキ警告灯が点灯するようにもなっている。車種を限らない一般的な解説だが、キーキー音やブレーキ警告灯の点灯があれば、早急に整備工場で点検・交換を受ける必要がある。
パッドの残りの確かめ方
パッドの残りは、ホイールを外し、ブレーキキャリパーの中央付近にある点検用の窓(点検孔)からパッドの厚みを目視で確かめる。ホイールを外す作業に不安があるときや、すでにキーキー音・ブレーキ警告灯の点灯があるときは、自分で確かめるより整備工場で点検してもらうほうが早い。交換するパッドも、点検した整備工場で車に合うものを確かめてもらう。
e-Pedal で止まるときの音の扱い
日産の ZE1 の紹介ページでは、e-Pedal はアクセルペダルを緩めるとブレーキペダルを踏んだように減速し、さらに停止までする、と説明されている。減速度は e-Pedal OFF 時の B レンジより強めで、さらに強い減速が必要な場合はブレーキペダルを使う。同じページに e-Pedal の作動音についての記載は無い。
紛らわしいのは、日産の e-Pedal Step の FAQ にある「作動音が発生したり、減速によってブレーキペダルが動いたりすることがありますが異常ではありません」という案内だ。これは e-Pedal Step という別の機能についての記載で、同じ FAQ は e-Pedal Step を、リーフ(ZE1)に搭載されている e-Pedal とは異なり、アクセルオフの減速後にクリープ走行が発生するもの、と説明している。この案内を ZE1 の e-Pedal の音にあてはめず、e-Pedal で止まるときの音が気になるなら販売店で確かめてもらう。
走行中のタイヤ付近の音と、ハンドルを回したときの音
タイヤ付近から音がするとき
JAF の解説では、走行中にタイヤ付近から異音がする場合は、タイヤに異物が刺さっている、走行関係の部品が傷んでいる、などが考えられ、発生源は多岐にわたって複数の原因が推測される。点検が必要な状態で、自分の安全を確かめたうえで救援を呼ぶよう JAF は案内している。音の種類だけで傷んだ部品を言い当てることはできないので、走り続けて様子を見るより点検を先にする。
ハンドルを回すと音がするとき
JAF の解説では、ハンドルを回したときに異音がする場合は、ハンドル(ステアリング)機構に異常が発生している可能性がある。ハンドル機構に異常があるとハンドル操作が行えなくなる可能性があり、走行は大変危険だ。ハンドル操作時の振動や、ハンドル操作が重いといった症状が一緒に出る場合もある。JAF はこれも点検が必要な状態として救援要請を案内している。
ワイパーを動かしたときのビビり音
JAF の解説では、ワイパー動作時のビビり音は、ガラス面の汚れの付着や撥水コーティングの影響が考えられ、ワイパーのゴムが劣化している可能性もある。車種を限らない一般的な解説で、対処は次の順に進める。
- 窓ガラスの汚れを落とす
- 撥水コーティングをしている場合は、ワイパーゴムにビビり防止剤を塗る
- それでも改善しない場合は、ワイパーのゴムを交換するか、ワイパーブレードごと交換する
交換するときは ZE1 に合うサイズを確かめてから部品を選ぶ。サイズは次の記事にまとめている。
リコールの届出は車台番号で確かめる
対象かどうかの確かめ方
国土交通省の案内では、リコールの対象になると、ハガキ等で自動車メーカー等から直接通知される。通知が無い場合や心配な場合は、自動車メーカーか車を買った販売店に相談する。国土交通省の検索では車名や型式で調べられるが、対象は車台番号の幅で示されるため、生産工場やグレードの違い等で対象にならない車も含まれている場合がある。主要メーカーには車検証に書かれた車台番号を入力して対象のリコール情報を探せる仕組みがあり、個別の車が対象かどうかは各メーカーに問い合わせる。
ZE1 の届出の例(届出番号 5844)
日産のリコール関連情報によると、ノート・ノートオーラ・リーフのリコール(届出番号 5844・リコール開始日 2026年7月24日)で、リーフの対象は型式 ZAA-ZE1・車台番号 ZE1-212916〜ZE1-214760・製作期間 令和5年3月10日〜令和5年4月7日のうちの2台。内容は、車両製作工場の完成検査の工程の管理が不適切だったため、ホイール締結部の締付け確認が実施されていなかったことで、改善措置は指定整備工場でのホイール締結部の点検と、自動車検査員による確認だ。この届出の中に、異音・音・振動についての記載は無い。異音の原因の手がかりとしてではなく、届出の読み方の例として見てほしい。
不具合を国に知らせる窓口
国土交通省の自動車不具合情報ホットラインの案内では、寄せられた情報はリコールの隠ぺいの防止や欠陥車両の早期発見などに活用され、受け付けた情報をもとにメーカー等に問い合わせや調査指示を行うことがある。申告には車両情報や型式などを書く項目がある。個々の情報への回答や調査状況の報告は行っていないので、自分の車の点検は販売店や整備工場で受ける。
販売店・整備工場に相談するときに伝えること
相談するときは、次の4つを伝えると点検の手がかりになる。JAF も、連絡の際に現在の状況を説明するよう案内している。
- いつ出るか(走行中・停車中・充電中)
- どの場面で出るか(発進・ブレーキ・ハンドル操作・段差など)
- どのあたりから聞こえるか
- どんな音か(キーキー・ゴトゴトなど)
音が出たらその場で書き留めておくと、相談の場で伝え漏れが減る。ただし、ブレーキ・タイヤ付近・ハンドル操作時の音は、記録を集めるために走り続けず、点検を先にする。充電中の音のように案内のある音でも、いつもと違う、続くと感じたら販売店で診断してもらう。
よくある質問
ZE1 は電源を入れても音がしないが、故障なのか
故障ではない。日産の FAQ によると ZE1 型には始動音が無く、パワースイッチを ON にするとメーターのオープニングムービーで始動を知らせる。
充電中にファンのような音がするのは異常なのか
日産の FAQ は電気自動車全般について、充電中に冷却ファンの音が聞こえることがあるが異常ではない、と案内している。ZE1 に限った案内ではないので、いつもと違う音が続くときは販売店に相談する。
ブレーキからキーキー音がしたらどうするか
JAF の解説では、パッドの摩耗が進んで交換時期を知らせる音のことがある。ブレーキ警告灯の点灯とあわせて、早急に整備工場で点検を受ける。
低速で走ると車の外から聞こえる音は何か
まず考えられるのは車両接近通報装置の音だ。日産の ZE1 の機能紹介ページ(2019年掲載分)では、発進時に通報音が流れて車速 30km/h 以上でフェードアウトし(減速時については 25km/h 以内と併記)、後退時は R レンジに入れた瞬間から流れる、と説明されている。
まとめ:場面で見当を1つに絞ってから点検で確かめる
ZE1 の異音は、まず出る場面で見当を1つに絞り、そのうえで販売店や整備工場の点検で確かめる、という順で進めると迷わない。電源を入れても音がしない・低速や後退時に車の外へ流れる音・充電中のファンのような音(日産の電気自動車全般向けの案内)は、日産の案内で説明がつく。ブレーキのキーキー音・走行中のタイヤ付近の音・ハンドルを回したときの音は点検が要る側で、自分で分解して探さず、安全な場所に止めて点検を受ける。
ZE1 の消耗品の交換や型番は、次の記事にまとめている。

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