真夏の駐車場に数時間置いたエルグランドに戻ると、ハンドルもダッシュボードも触れないほど熱を持っている。その対策でサンシェードを探すと、2026年7月に出た4代目E53向けの製品と、2010年から2026年まで売られていた3代目E52向けの製品が、どちらも商品名に「新型」を掲げて同じ検索結果に並ぶ。買うべきものは世代で分かれるうえ、E53は窓まわりの標準装備が変わったぶん、買い足す範囲そのものが先代と違う。
買うものは型式で分かれる
先に結論を置く。自分の車がE53かE52かを決めてから商品を選ぶ。E53はセカンドとサードにロールサンシェードが最初から付いているので、後から買うのはフロントガラス用でよい。E52は標準装備の内容を当方で確認していないため、フロント単品にするか全窓のフルセットにするかを使い方で決める。
| あなたの車 | 世代・発売 | 後から買う範囲の考え方 |
|---|---|---|
| E53 | 4代目・2026年7月16日〜 | フロントガラス用。2列目と3列目の側面はロールサンシェードが標準 |
| E52 | 3代目・2010年8月18日〜2026年7月 | フロント単品、または全窓対応のフルセット |
そしてもう1つ。商品名の「新型」は世代を示していない。当サイトが取得した商品データでは、5件すべてが商品名に「新型」を含みながら、対象はE52系向け3件とE53型向け2件に分かれていた。頼りになるのは併記された型式表記のほうになる。
自分の車がE53かE52かを確定させる
4代目E53と3代目E52
日産のニュースリリースによると、4代目エルグランド(E53)は2026年7月16日に発表され、同日から発売された。第3世代のe-POWERと電動駆動4輪制御のe-4ORCE、インテリジェント ダイナミックサスペンションを採用したモデルで、AUTECHやVIPなどの派生も同時に発表されている。同じリリースが先代を「現行車」と書いていることから、E52は2026年7月まで現行モデルとして売られていたことが読み取れる。
そのE52は3代目にあたり、2010年8月18日に全国一斉発売された。初代は1997年、2代目は2002年。つまり2026年夏の時点では、街で見かけるエルグランドの多くはまだE52で、新しく納車されている車がE53という構図になる。
車検証で確認する
見た目で迷うなら車検証を見るのが早い。日産が公開している主要装備一覧/諸元表では、E53の型式は6AA-NE53とされている。車検証の型式欄がこれならE53、そうでなければ先代以前だ。以降の適合確認はすべてこの型式を基準にする。
商品名の「新型」を信用しない
E52が16年近く現行だった名残で、通販では「新型エルグランド専用」という表記が両世代に対して使われている。商品名の頭に「新型」とあっても、それだけでは自分の車に合うか判別できない。見るのは「E53型」「52系」「E52」といった型式の併記のほうだ。なお、こうした「専用」「適合」の表記はメーカーや出品者の自己申告であり、当サイトが実車で装着を確かめたものではない。
E53に最初から付いている窓まわりの装備
日産の主要装備一覧には「ロールサンシェード〈セカンド、サード〉」の行があり、掲載されている3グレード(X e-4ORCE/G e-4ORCE/VIP e-4ORCE)すべてに標準装備の記号が付く。2列目と3列目の側面ガラスは、手で引き出せるロールサンシェードが最初から備わっているということになる。同じく「UVカットプライバシーガラス〈バックドア、リヤサイド〉」も3グレードすべてが標準装備だ。
一方でフロントとフロントドアは「IRカット&スーパーUV遮音グリーンガラス」、リヤドアは「IRカット&スーパーUV遮音プライバシーガラス」と記載されているが、この3行はグレードとメーカーオプションで仕様が分かれる。装備一覧のテキストからは列の対応を確定できないため、ここではグレード名を挙げた断定はしない。
日差しが入る面積そのものは増えている。日産のリリースは、E53について室内スペースが先代から大幅に拡大し、スライドドアに大型ウインドウを採用したと書いている。
走行中に使える窓・使えない窓
道路運送車両の保安基準第29条と、その細目を定める告示第39条では、前面ガラスと側面ガラスに、検査標章など列挙されたもの以外を装着・貼付・塗装してはならないと定めている。ただし側面ガラスのうち「運転者席より後方の部分」はこの対象から除かれる。装着してよいものの要件は「透明であるもの」で、運転者の視野に関わる部分では可視光線透過率70%以上を確保できることとされている。
ここから引ける線はこうだ。日差しを遮るサンシェードは透明ではないので、フロントガラスと運転席・助手席の側面ガラスに付けたまま走ることはできない。市販のフロント用は駐車中に使うものと考える。逆に運転者席より後方の側面ガラスは対象外にあたり、E53のロールサンシェードは〈セカンド、サード〉、つまり後方側の位置にある。
個別の製品が基準を満たすかどうかの判定はしていないので、製品ごとの車検可否はここでは扱わない。
サンシェードで下がるのはどこか
JAF(日本自動車連盟)のユーザーテスト「真夏の車内温度」では、2012年8月22日・23日に埼玉県戸田市の駐車場で、晴れ・気温35度の条件下、正午から4時間、駐車条件を変えたミニバン5台の車内温度を測っている。公表されている値は次のとおり。
| 駐車条件 | 車内最高 | 車内平均 | ダッシュボード最高 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
読み方に注意がいる。数字がはっきり動いているのは車内の空気温度ではなくダッシュボードの表面温度のほうだ。公表値から計算すると、対策なし(白)とサンシェード装着の差は、車内最高で2℃、ダッシュボード最高で22℃になる。JAF自身の結論も、サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、車内温度の上昇は防げないというものだ。涼しくするための道具ではなく、直射日光からダッシュボードや内装を守る道具として見るのが実態に近い。なおテスト車両はミニバン5台であってエルグランドで測った値ではない。
選び方の軸
取得した商品データには、5件とも遮光率やUVカット率、断熱性能の数値が含まれていなかった。そのため性能値では順位を付けず、4つの軸で比べる。数値が要るなら商品ページで自分で確かめてほしい。
対応型式と装着範囲
軸の1つ目は対応型式、つまりE53型向けか、E52・52系向けか。2つ目が装着範囲で、フロントガラスのみか、全窓対応のフルセットか、サイド専用か。E53はセカンドとサードが標準で埋まっているので、買い足す優先度が最も高いのはフロントガラスになる。E52は標準装備を確認していないので、この前提をそのまま当てはめない。
形状・収納と固定方式
3つ目が形状と収納。折りたたみ式は面で覆える代わりにたたむ手間があり、傘型は開閉が速くて細く収まる。毎日出し入れするなら傘型、月に数回の長時間駐車が主なら折りたたみ式が扱いやすい。4つ目が固定方式で、吸盤で貼るか、サンバイザーで挟むか、吸盤不要をうたうか、マグネットで留めるかが分かれる。他のミニバンでの選び方も同じ4軸で整理している。
E53(4代目)向けを比べる
E53型向けとして取得できた2件は、どちらもフロントガラス用で、形状が正反対だった。
HONYAMAの製品は商品名で「新型 エルグランド 4代目 E53型(2026年7月~現行)」向けをうたうフロントウィンドウ用。折りたたみ式の二重層で、遮光・断熱・紫外線防御・傷防止を掲げる。Amazonの実売価格は確認時点で2,880円だった。面でぴったり覆いたい人、駐車が長い人はこちら。
HONYAMA 新型エルグランド 4代目E53型専用 フロントサンシェード 折りたたみ式・二重層
ruiyaの製品は「日産 エルグランド E53型 専用」をうたう傘型で、吸盤不要・折り畳み式をうたう。確認時点の実売価格は2,680円。開いて立てるだけで済むぶん、通勤先や買い物での短時間の駐車を数多くこなす使い方に向く。商品名には日産キックスも併記されており、複数車種を対象にした製品だと読み取れる。
ruiya 日産エルグランド E53型専用 傘型サンシェード フロントガラス用・吸盤不要
どちらを選んでも、サイドと後ろは標準のロールサンシェードで足りる。E53でフロント用を1枚買えば、窓まわりの手当てはひととおり揃う。
E52(3代目)向けを比べる
E52は、フロント単品と全窓フルセットのどちらを選ぶかで分かれる。
CarBottの製品は「新型 エルグランド 52系」「3代目 ELGRAND」の車種専用をうたうフロントガラス用で、折り畳み式・高密度生地。確認時点の実売価格は2,568円。日中の駐車でダッシュボードを守るのが目的なら、この1枚で用は足りる。
CarBott エルグランド 52系(3代目)車種専用 フロントガラス用サンシェード 折り畳み式
SecSurの製品は「エルグランド E52」向けの全窓対応マルチサンシェードで、6層構造の8枚組。確認時点の実売価格は8,499円。車中泊や仮眠で外からの視線も遮りたいなら、価格差3倍ぶんの働きをするのはこちらだ。価格はいずれも変動するので、購入前に商品ページで確かめてほしい。
SecSur エルグランド E52 全窓対応 マルチサンシェード フルセット8枚組
なお世代が違えばガラスの形も違う。52系向けをE53に、E53型向けをE52に流用する前提では選ばない。
車中泊や長時間の駐車での組み立て方
E53は3列目を前方と後方の2カ所で跳ね上げ格納できるマルチアップのシートを持ち、全席にゼログラビティシートを採用している。2列目はシートバック上部だけ倒せるデュアルリクライニングで、助手席と2列目左右の3席でオットマンを同時に使える。100V AC電源(1500W)も3つ備える(グレード別設定)。室内は長さ3,165mm・幅1,730mm・高さ1,315mmで、ツインガラスルーフを付けると室内高は1,310mmになる。
この条件で仮眠するなら、E53は標準のロールサンシェードで後方側面をまかない、フロントガラスだけを市販品で覆う分担で全周が回る。ロールサンシェードは運転者席より後方の位置なので、走行中に閉じたままにできる範囲でもある。E52はこの前提が成り立たないので、全周を覆いたいならフルセット側を選ぶことになる。
買う前に確認しておくこと
手順は4つ。まず車検証で型式を見る(E53なら6AA-NE53)。次に商品ページの対応型式表記が自分の型式と一致しているかを見る。3つ目に、適合表記は自己申告なので、返品や交換の条件を先に読んでおく。サイズ違いは返品できるかどうかで痛手が変わる。
4つ目は届いてからだ。実際にガラスへ当ててみて、四隅と上下の余りかたを見る。小さすぎると隙間から日差しが入り、大きすぎるとサンバイザーやルームミラーに当たる。
よくある質問
走行中もサンシェードを付けたままにできますか
フロントガラスと運転席・助手席の側面ガラスは付けたままにできない。保安基準第29条と細目告示第39条が装着物を透明なものに限っており、日差しを遮るサンシェードは該当しないためだ。運転者席より後方の側面ガラスはこの規定の対象から除かれている。
E52用と書かれたサンシェードをE53に使えますか
世代が違えばガラスの形状も違うので、流用できる前提では選ばない。商品名に「新型」とあっても、併記された型式表記が自分の車と一致していなければ対象外と考える。
E53にもフロント以外のサンシェードは必要ですか
2列目と3列目の側面はロールサンシェードが3グレードとも標準装備なので、まず必要になるのはフロントガラス用だけだ。バックドアとリヤサイドにもUVカットプライバシーガラスが入る。
サンシェードを付ければ車内は涼しくなりますか
期待しないほうがいい。JAFのテストではサンシェードを装着しても車内最高温度は50℃で、JAF自身も温度上昇は防げないと結論している。効果が出ているのはダッシュボードの表面温度のほうだ。
まとめ
選ぶ順番は決まっている。車検証で型式と初度登録年月を確認するのが最初の一手だ。6AA-NE53ならE53、それ以前ならE52として商品を絞り込む。
E53はセカンドとサードのロールサンシェードが標準なので、買うのはフロントガラス用の1枚でいい。折りたたみ式か傘型かは、駐車時間の長さと出し入れの頻度で決める。E52はフロント単品で足りるか、車中泊まで見て全窓のフルセットにするかの二択になる。どちらの世代でも、商品名の「新型」ではなく型式表記を見るところは変わらない。
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