屋外に停めたCKV36に戻ると、ダッシュボードもステアリングも触れないほど熱を持っている。商品を探すと、商品名にCKV36と入ったサンシェードがいくつも並ぶ。ただし今回販売中だったものは、どれも販売元自身が汎用品と書いていて、シェードの実寸も公表していない。だから選び分けは順位ではなく、フロントガラス用を買うのか前席サイド用を買うのかという範囲の決め方と、適合表記に書かれた型式と期間の読み方で分かれる。
CKV36で選べるのは傘型と磁石式の2系統
今回、新品で在庫を確認できたのは、フロントガラスの内側で開く傘型が3製品と、前席サイドガラス用の磁石式が1製品。4製品とも、シェード自体の寸法(横×縦cm)が商品ページに書かれていない。 採寸した数値と商品寸法を突き合わせる、という通常の選び方が今回は成立しない。
| 製品 | カバー範囲 | 固定方式 | 適合表記 | 実売価格 |
|---|---|---|---|---|
| VWUFV 傘型 | フロントガラス | バイザーで挟む | スカイラインクーペ CKV36型 2007年-2016年(説明では汎用品と明記) | ¥2,800 |
| RAIDOU 傘型 V字開口有り | フロントガラス | バイザーで挟む | CKV36/ZV37/V36・対応車種は車格のくくり | ¥3,280 |
| RAIDOU 傘型 V字開口無し | フロントガラス | バイザーで挟む | 同上 | ¥3,280 |
| WKMRH 磁石式 前席2枚 | 前席サイドガラス | 窓まわりの金属に磁石 | V36系 KV36 NV36 PV36 CKV36型 平成18年11月~平成26年12月 | ¥2,188 |
価格はAmazonの実売価格で、いずれも確認した時点の値。変動するので購入時に見直す。なお車種名や型式を掲げて売られていた製品は今回すべて汎用品だった。純正アクセサリーとして設定されていた用品を今も入手できるかは、この調査では確認していない。
CKV36という車の素性から決まること
日産のよくあるご質問は、この車を「スカイラインクーペ(2007/10~2016/01・CV36型)」という見出しで扱っている。CKV36はそのクーペの車両型式で、中古車販売店のカタログ情報では「DBA-CKV36」の正式表記になる。同じV36系でも、セダンはKV36・NV36・PV36という別の型式で、車体そのものが違う。
車の作りは2ドアクーペ、乗車定員4名、エンジンはVQ37VHR型の3,696cc V型6気筒DOHC。カタログのドア数欄も2枚、乗車定員欄も4名と記載されている。後席の座席はあるが、後席用のドアが無い — この1点が、あとで出てくるサイド用の枚数構成に効いてくる。
フロントガラス自体の寸法は、日産の公開資料にも中古車カタログにも記載が無い。日産の車体寸法ページは図版へのリンクだけで数値がテキストに無く、主要諸元表はPDF形式で本文を取得できなかった。この記事でガラスの寸法を数値で書かないのはそのため。
同じ日産の2ドアで似た悩みに当たる車として、こちらも参考になる。
商品名の「CKV36」がどこまでを意味するか
傘型のうち2製品(V字開口有り/無し)は、対応車種欄が「乗用車、セダン、SUV、ミニバン、ワゴン車」という車格のくくりで書かれていて、「※軽自動車やフロントガラスが小さいお車には不可です。」と添えられている。商品名にはCKV36のほかにZV37・V36という別の車体の型式も並記されている。
もう1つの傘型は、商品名に「スカイラインクーペ CKV36型 2007年-2016年」と車種・型式・年式まで掲げている。ところが同じ商品説明の中に「車用サンシェードは、ほとんどの車種に適しています。」とも書かれている。車種名を掲げた製品でも、中身は汎用品だと販売元自身が示している。 商品名の型式は「この車に合わせて作った」の意味ではなく、検索で見つけてもらうための表記だと読むほうが実態に近い。
同じ読み方が要る例を、別の車種でも書いている。
サイド用の適合表記はセダンの型式と期間で書かれている
磁石式サイド用の適合表記は「日産 スカイライン V36系 KV36 NV36 PV36 CKV36型 平成18年11月~平成26年12月 対応」。この期間は西暦で2006年11月から2014年12月にあたり、日産がクーペに記す2007年10月から2016年1月とは一致しない。並んでいるKV36・NV36・PV36はセダン側の型式で、期間もセダン側に沿っている。2015年以降のクーペは、表記された期間の外側に当たる。 買う前に自車の年式と型式を販売元へ伝えて確認しておきたい。
枚数の構成にも同じ話がある。磁石式は前席2枚と後席2枚が別商品として売られているが、後席2枚という組み方は後席ドア窓のある4ドアを前提にしている。CKV36は2ドアで後席用のドアが無く、後席側の窓が4ドアのリアドア窓と同じ形だという確認は取れていない。枚数だけを見て1台分そろえると、当てる先の無いシェードを買うことになりかねない。まず前席2枚から検討して、後席側は現車の窓を見てから判断する。
2ドアクーペで傘型を選ぶときの見方は、こちらにまとめてある。
駐車中の車内はどこまで熱くなるのか
JAFのユーザーテスト「真夏の車内温度」は、2012年8月22日・23日、埼玉県戸田市の駐車場で、晴天・気温35度の条件下、正午から4時間、ミニバン5台を使って行われた。公表されている条件別の値は次のとおり。
| 条件 | 車内最高温度 | ダッシュボード最高温度 |
|---|---|---|
| 対策なし(ボディカラー黒) | 57℃ | 79℃ |
| 対策なし(ボディカラー白) | 52℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 61℃ |
JAF自身、このテストの結びで「サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない」と述べている。 サンシェードを装着した車両のボディカラーは公表されていない。供試車両はミニバン5台で、2ドアクーペで測った値でもない。ガラスの面積も傾斜角も室内容積も違うから、この数字をそのままCKV36の車内温度として読むことはできない。サンシェードは駐車中の車内をいくらか和らげる用品で、暑さを解消する装備ではないという位置づけで買う。
商品ページに書かれた数字の扱い
ある傘型製品の商品説明には「チタン素材でUV最大99%カット車内温度が30℃も変わります」とある。これは販売元が商品ページに載せた文言で、測定した主体も、外気温・駐車時間・車種といった条件もいっさい示されていない。条件が公表されているJAFの測定の表にも、これに当たる値は無い。この種の数値は、ここでは効果として扱わない。
UVカット率と車内温度が別の指標だという点も押さえておきたい。UVカット率は紫外線をどれだけ通さないかの値で、車内が何度下がるかを示すものではない。両者を並べて書いた説明文は、性質の違う数値を1行にまとめているだけと見る。
4製品を見る前に決めておく比較の軸
軸1 カバー範囲
今回選べるのは、フロントガラス1枚を覆う傘型、前席サイドガラス用の磁石式、後席サイドガラス用の磁石式の3系統。ダッシュボードとステアリングの熱を抑えたいなら傘型、車内が見えるのを避けたい・停車中に窓を開けて使いたいなら前席サイド用というように、目的で系統を選ぶ。系統をまたいでどれが一番良いかを比べる意味は薄い。
軸2 固定方式
傘型はフロントガラスの内側で開き、上端をサンバイザーで挟んで押さえる。着脱は速いが、畳むと1本の棒状になるので置き場所を決めておく。磁石式は窓まわりの金属部分に貼り付ける方式で、貼れる場所があるかどうかが現車依存になる。2ドアクーペはドア1枚が長く側面ガラスも大きいから、装着位置は買う前に自分の車で確かめておきたい。
軸3 適合表記の確度
今回の製品は、車種名と型式・年式まで書いているもの(ただし説明では汎用品と明記)、複数世代の型式を並べているもの、セダン側の型式と期間で書いているものに分かれる。表記が具体的なほど作り手が想定した車種は絞れているが、寸法が公表されていない以上、適合の保証にはならない。どの型式を、どの期間で書いているかを見て、自分の車がその範囲の内側にあるかを確かめる。
軸4 収納と返品条件
傘型はいずれも収納袋や専用袋が付属すると記載されている。寸法が公表されていない今回は、合わなかったときに戻せるかどうかが実質的な保険になる。返品を受け付ける期間は、傘型製品で発送日から7日以内・10日以内という記載があった。保証の対象が商品本体に限られ、取り付けに関する費用は対象外と書かれている製品もある。
4製品を軸ごとに見る
フロントガラス用の傘型3製品
車種・型式・年式を商品名に掲げているのがこれ。中央の棒は10本の強力な電解合金製の骨組みで作られており、傘の柄は曲げ可能で必要に応じて360°調整できる、と販売元は記載している。素材は耐摩耗性のTPE素材とナノチタニウム銀反射コーティング、収納袋付き。骨組みと素材の記載が最も具体的なのはこの製品で、傘型を初めて買うならここから見るのが分かりやすい。
VWUFV 傘型サンシェード フロントガラス用(スカイラインクーペ CKV36型 2007年-2016年 表記・強化10本骨・収納袋付き)
残る2製品は同じ販売元によるもので、V字開口の有無だけが違う。記載は「【商品内容】2タイプ選択式:1本/専用袋:1袋」「材質:チタンシルバー樹脂+バンパークロス」「傘骨:反凹面メタルフレーム」で、保証と返品は商品発送日から10日以内。ルームミラーの台座やドライブレコーダーを避けたいならV字開口有り、シェード面をできるだけ広く使いたいならV字開口無しという選び分けになる。ただし2タイプそれぞれが何cmなのかは書かれていないので、開口の有無以外を寸法で比べることはできない。
RAIDOU 傘型サンシェード フロントガラス用 V字開口有りタイプ(2タイプ選択式・専用袋付き・寸法非公表)
RAIDOU 傘型サンシェード フロントガラス用 V字開口無しタイプ(2タイプ選択式・専用袋付き・寸法非公表)
前席サイド用の磁石式
用途が傘型とは別で、フロントガラスの代わりにはならない。販売元の記載は「マグネットで窓枠へ簡単に装着可能。吸盤不要で取り付け・取り外しがしやすく、装着したまま窓の開閉にも対応」「日差しを反射して断熱効果を発揮」「外部の視線を遮り、車内の様子を見えにくくします」。各シェードの寸法は公表されていない。適合表記が前述のとおりセダン側の型式と期間で書かれているので、2015年式のクーペに乗っているなら、注文前の問い合わせを飛ばさないほうがいい。
WKMRH 磁石式サイドサンシェード 前席2枚(V36系 KV36/NV36/PV36/CKV36型 表記・シルバー)
型式表記そのものの読み方は、別の車種を例に整理してある。
買う前にやること(採寸と問い合わせ)
商品側の寸法が無いので、採寸は商品と突き合わせるためではなく、問い合わせと返品判断のために行う。
- 運転席に座り、フロントガラスの一番横幅が広い部分を、ガラス左右の内張り(ピラーの内側)までメジャーで測る。
- ガラス中央部で、上端の内張りから下端のダッシュボードの立ち上がりまでの高さを測る。
- ルームミラーの台座やドライブレコーダーの位置を確認し、シェードを当てたときに逃げが必要かを見ておく。
- 測った値を控えて販売元に伝え、選択できるタイプの寸法を確認する。
ガラスは湾曲しているので、メジャーはガラス面に沿わせず直線距離で測るほうが商品寸法と比べやすい。測った値と返品可能な期間、この2つを手元に用意してから注文する。
世代違いで選び分けが要る例は、こちらでも扱っている。
使うときの手順
駐車してエンジンを切ったあと、フロントガラスの内側で傘型を開き、上端をサンバイザーで挟んで押さえる。サイド用は窓まわりの金属部分に磁石を当てて留める。乗車するときは走り出す前にすべて取り外し、収納袋に入れて荷室やシート裏に収める。
サンシェードは駐車中に使う用品で、装着したままの走行はしない。 富山県警察は「運転席等の窓ガラスをサンシェード、カーテン、タオルなどで覆った状態で運転する行為の取締りを行っています」と告知し、その理由を「サンシェードやカーテンなどで窓を覆ったりすると、運転者の視界が妨げられて右左折時に歩行者を巻き込むなど、重大事故につながるおそれがあります」と説明している。
国土交通省が示している不正改造の具体例でも、前面ガラスと、運転者席より後方の部分を除く側面ガラスについて、装飾板を装着した状態での可視光線透過率が70%未満のものは不可とされている。着色フィルムも同じく、前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラスで貼り付けた状態の透過率70%未満は不可。対象は「大型自動車だけでなく、被牽引自動車以外の全ての自動車」とされている。前席のサイドガラス用も、走行時に着けたままにする使い方は想定されていない。
よくある質問
セダンのV36用として売られているサンシェードはCKV36にも使えますか
フロントガラス用の傘型については、そもそも対応車種が車格のくくりで書かれているため、セダン向けかクーペ向けかという区別自体が製品側に無い。問題はサイド用で、適合表記の型式も期間もセダン側に沿っている。CKV36が同じ行に並んでいても、セダンを基準に作られた適合と読むのが自然で、そのまま合う保証にはならない。
スカイライン CKV36 のフロントガラスの寸法はいくつですか
日産の公開資料にも中古車カタログにも記載が無いため、数値は書いていない。車体寸法のほうは全長4,655mm・全幅1,820mm・全高1,390mmという値がウィキペディア・自動車情報媒体・中古車カタログの3つで一致しているが、これはいずれも二次的な資料で、日産の主要諸元表そのものは確認できていない。いずれにしてもガラスの寸法とは別物なので、自分で測るのが早い。
2010年1月のマイナーチェンジ前と後で選ぶ製品は変わりますか
サンシェードについて前期・後期で適合を分けている製品は、今回の4製品には無かった。日産のよくあるご質問は装着タイヤとホイールの回答を「2010年1月マイナーチェンジ~2016年1月販売終了」と「2007年10月~2010年1月マイナーチェンジ」の2区分で記載しているので、部位によってはこの区切りが効く。ただしサンシェード選びで効くのは前期・後期の別ではなく、2015年以降が磁石式の表記期間の外に出るという点のほう。
「UVカット99%」と書いてあれば、その分だけ車内が涼しくなりますか
ならない。UVカット率は紫外線をどれだけ通さないかの値で、車内温度がどれだけ下がるかを示す値ではない。温度のほうは、条件を公表しているJAFの測定でも抑制効果は低いという結論が出ている。日よけとして期待する範囲は、ダッシュボードとステアリングが直射で焼かれるのを減らす程度に置いておく。
まとめ
まずフロントガラスの前に立って、横幅と高さ、それにルームミラー台座の位置を測って控える。ここが最初の1手で、車検証で型式と初度登録年月を確かめるのはその次でいい。測った値が手元にあれば、寸法非公表の製品でも販売元に問い合わせて判断できる。
そのうえで、傘型か前席サイド用かをカバー範囲で決め、適合表記に書かれた型式と期間に自分の車が入っているかを見て、返品できる期間を確認してから注文する。走行前に外す、これだけは守る。
この記事にはAmazonアソシエイトを含むアフィリエイト広告を含みます。

コメント