真夏の駐車場に置いたあと乗り込むと、ダッシュボードとハンドルが素手で触りにくい温度になっている。RZ34 向けに今回選べたサンシェードは、フロントガラス1枚を覆うものが3タイプと、全ガラス一台分のセットが1つ。決め手は値段ではなく、広げ方と畳み方、ルームミラーとドライブレコーダーの逃げがあるか、そして畳んだあとの置き場所だ。
RZ34 向けに選べた4製品の早見表
商品名に車種名と型式が入った製品が複数売られているのが RZ34 の状況で、汎用品から探す必要はない。まず全体像を並べる。
| 製品 | タイプ | 販売元の適合年式表記 | ミラー・ドラレコの逃げ | 収納 |
|---|---|---|---|---|
| ruiya 傘式 | 傘式(骨+吸盤) | 2022.8〜現行 | 切り込みとベルクロを明記 | 幅広バンド・専用袋不要と明記 |
| Hcilloend ワイヤータイプ | ワイヤー式 | 2022〜2026年 | 記載なし | 収納ポーチ付き |
| Hcilloend フロント用 | 布1枚 | 2022〜2025年 | 記載なし | 記載なし |
| Hcilloend 全車ガラス一台分 | 全ガラスのセット | 2022〜2026年 | 記載なし | 記載なし |
いずれも販売元が商品ページに記載している仕様であり、第三者機関の試験結果でも当方の実車確認でもない。適合年式の表記が2025年までで止まっているものが1つだけあるので、そこは後で照合する。
RZ34 がサンシェード選びに効いてくるところ
日産の「よくあるご質問」の年式区分によると、RZ34 型は2022年8月の新型発売からの区分で、2008年12月からの Z34 型とは別の型式になる。中古車情報サイトのカタログ情報でも区分の起点は2022年8月で一致している。
車の形も選び方に直結する。ウィキペディアの日産・フェアレディZ RZ34の項では、ボディタイプが3ドアファストバッククーペ、乗車定員が2名と記載されている。後部座席が無く、ドアも左右2枚なので、後席ドア窓というものが存在しない。さらに日産が公表している荷室容量では VDA方式で241L。この2つが、あとで出てくる「枚数構成」と「置き場所」に効いてくる。
「RZ34専用」という表記をどこまで信じるか
4製品はどれも商品名や説明に車種専用・車種専門設計と書いているが、その根拠は販売元が自分で書いた記載だけだ。第三者の試験も、当方が実車に当ててみた確認もない。販売元自身、商品ページに「商品をご購入の前に、お車のモデルと外観を必ずご確認ください」と書いて確認を購入者側へ戻している。
そのうえで実務的に効くのが年式の照合だ。4製品のうち3つは2022〜2026年、1つは2022〜2025年と表記が割れている。中古車情報サイトのカタログ情報では、この型式の年月区分として2022年8月・2023年8月・2025年2月が掲載されており、発売後に区切りのある車だとわかる。2025年以降に登録した個体なら、表記が2025年で止まっている製品はそのまま候補から外すのが安全側だ。表記の外で使えるかどうかは販売元にしか答えられない。
駐車中の車内温度、公表されている数字はここまで
JAFのユーザーテスト「真夏の車内温度」では、2012年8月22日・23日に埼玉県戸田市の駐車場で、晴れ・気温35度、正午から4時間という条件で測定している。公表値は、対策なし(ボディカラー黒)が車内最高57℃・ダッシュボード最高79℃、対策なし(白)が車内52℃・ダッシュボード74℃、サンシェード装着が車内50℃・ダッシュボード52℃、窓開け3cmが車内45℃・ダッシュボード75℃、エアコン作動が車内27℃・ダッシュボード61℃。
ただし JAF 自身が、サンシェードや窓開けの対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度になり、車内温度の上昇を防ぐことはできないと結論に書いている。供試車両はミニバン5台で、2人乗りクーペで測った値ではない。ガラスの面積も傾きも室内の容積も違うので、この数字をそのまま RZ34 の車内温度として読むことはできない。期待してよいのは、直射日光の当たる面の温度が抑えられた条件があった、という水準までだ。
4製品を見る前に決めておく5つの軸
軸1・カバーする範囲
フロントガラス1枚だけを覆うか、車のガラス全体を一台分でまとめるか。駐車中のダッシュボードとハンドルの焼けを抑えたいだけならフロント用で足りる。長時間の駐車や、外から車内を見られたくない場面まで見込むなら一台分が候補に入るが、装着と収納の手間と保管場所は増える。
軸2・広げ方と畳み方
傘のように骨を開いて吸盤で留める傘式、内蔵ワイヤーの弾力で広がるワイヤー式、骨の無い布を広げてサンバイザーで挟む1枚もの。傘式は畳むと棒状、ワイヤー式はねじって平たい円盤状にまとまる。布1枚は自由に畳めるが、広げた形を自分で保てないぶんサンバイザーでの固定が前提になる。毎日出し入れするなら、この差がそのまま手間の差だ。
軸3・ルームミラーとドライブレコーダーの逃げ
フロントガラス上端の中央にはルームミラーがあり、その近くにドライブレコーダー本体を付けている人が多い。シェード側に切り欠きや面ファスナーの逃げが無いと、その部分が浮いたり本体に当たって位置が決まらなかったりする。ドライブレコーダーを付けているなら、この記載の有無だけで候補は絞れる。
軸4・畳んだあとの置き場所
後席が無いので、使わないシェードを後ろに放り込むという逃げ道がない。置き場所は荷室か助手席まわりかドアポケットに限られる。畳んだ形と専用袋の有無が、常時車載できるかどうかを決める。
軸5・販売元の適合年式表記
自分の年式がその範囲に入っているか。範囲の外なら、商品名に車種名が入っていても候補から外す。
4製品を軸ごとに見る
ruiya 傘式(ドライブレコーダー対応を明記)
販売元が商品ページに記載している仕様では、対応車種は新型フェアレディZ 7代目 RZ34型系(2022.8〜現行)。機構としてバネ式の先端がフロントガラスの曲面に±10cmまで自動適応する、中央部の高耐熱シリコン吸盤(耐熱200℃)で吸着する、大型の切り込みとベルクロでルームミラー・ドライブレコーダーに干渉しない、10本構造のガラス繊維傘骨を使う、と書かれている。素材は4層の高遮光断熱素材に、紫外線を99%以上遮断するというチタンシルバーコーティング。収納はワンタッチで畳めて幅広バンドでまとまり、専用袋は不要としている。4製品のうち、ミラーとドライブレコーダーの逃げを明記しているのはこれだけだ。
ruiya 日産 新型フェアレディZ RZ34型 専用 サンシェード 傘式 ドラレコ対応 引き紐式 吸盤 幅広バンド収納
Hcilloend ワイヤータイプ(収納ポーチ付き)
適合年式の表記は2022〜2026年。素材は銀コーティング布で、精密な車種測定データを使ったという説明が付く。取り扱い上の注意として、広げるときに速すぎると怪我をする可能性があるのでゆっくり広げるように、と明記されている。収納ポーチが付くので、荷室に放り込んでも中で広がらない。ミラーとドライブレコーダーの逃げについては記載がない。
Hcilloend 日産 フェアレディZ RZ34 専用 サンシェード フロントガラス用 ワイヤータイプ 収納ポーチ付き
Hcilloend フロント用(布1枚)
適合年式の表記は2022〜2025年で、4製品のなかでここだけ2026年まで届いていない。素材は銀コーティング布、1年間の保証サービスを提供すると書かれている。収納袋やポーチの記載、畳んだときの寸法の記載は商品仕様欄に無い。逃げの記載も無い。
Hcilloend フェアレディZ RZ34 サンシェード フロントガラス用 遮光 銀コーティング布
Hcilloend 全車ガラスサンシェード(一台分)
フロント以外のガラスも含むセットで、適合年式の表記は2022〜2026年、素材は銀コーティング布。ただし何枚組で、どの窓に対応する内訳なのかが商品仕様欄に書かれていない。枚数と対応窓は購入前に販売元へ確認する対象として扱いたい。長時間の駐車や車中泊まで見込む人向けで、フロントの焼けだけが目的なら過剰になる。
Hcilloend 日産 フェアレディZ RZ34 全車ガラスサンシェード 一台分 遮光シェード
なお商品ページの「紫外線を99%以上遮断」は販売元の公称値で、紫外線をどれだけ通さないかの指標にすぎない。車内が何度下がるかを示す数字ではないし、可視光を遮る度合いとも赤外線を反射する度合いとも別ものだ。
タイプ別の向き不向き
毎日の通勤で駐車のたびに出し入れするなら、片手で開いて棒状に畳める傘式が手間の面で有利だ。吸盤とサンバイザーで押さえるので、置いてから離れるまでが短い。
週末しか乗らない、あるいは荷室を趣味の荷物で埋めているなら、平たい円盤状にまとまってポーチに入るワイヤー式が置き場所の面で扱いやすい。ただし広げるときの勢いには注意が要る。
布1枚は構造が単純で、畳み方の自由が利く。広げた形を保てないぶんサンバイザーでの固定が前提になるので、装着に片手では足りない場面がある。全ガラス一台分は、長時間の駐車や車中泊まで見込む人向けだ。
同じスポーツカーでの選び方は他車種でも通じるところがある。
2人乗りクーペならではの注意
世の中の汎用サンシェードには「4枚セット」「全窓セット」という売り方があるが、これは後席ドア窓のある4ドア車を前提に枚数を組んでいることがある。RZ34 は後席ドア窓が無いので、そのままでは使い切れない枚数になる場合がある。枚数構成のあるセット品を買うなら、どの窓用が何枚入っているのかを先に確認する。内訳の記載が無い製品では、枚数が合う保証はない。
置き場所も選定の一部として考えたい。荷室は VDA方式で241L、後席が無いぶん放り込んでおける場所がない。荷室を荷物で使う人ほど、棒状にまとまるか、円盤状になるか、専用の袋が付くかが効いてくる。バンドだけでまとまる製品はドアポケットや助手席まわりに置きやすく、ポーチ付きは荷室でも中で広がらない。
先代のオープンモデルを検討している人はこちらも見ておくとよい。
買う前に自分で確認する手順
- 車検証で型式と初度登録年を確認し、候補製品の商品ページに書かれた適合年式の範囲に入っているかを照合する。
- 運転席に座り、ルームミラーの根元と、ドライブレコーダーを付けているならその本体の位置を見る。フロントガラス上端の中央からどれくらい下がっているかを把握しておく。
- フロントガラスの一番横幅が広い部分を、左右の内張りの内側までメジャーで測る。
- ガラス中央部で、上端の内張りからダッシュボードの立ち上がりまでの縦の長さを測る。
- 測った値と、商品ページに寸法の記載がある製品ならその寸法を突き合わせる。
寸法の記載が無い製品では5の照合ができない。その場合は照合できないことを承知したうえで選ぶしかない。
使うときのルールと手順
富山県警察の交通ルール解説によると、運転席等の窓ガラスをサンシェードやカーテン、タオルなどで覆った状態で運転する行為は取締りの対象になる。理由として、窓を覆うと運転者の視界が妨げられ、右左折時に歩行者を巻き込むなど重大事故につながるおそれがあると説明されている。サンシェードは駐車中に使う用品で、走り出す前に必ず外す。
装着の流れは単純だ。駐車してエンジンを切ったあと、フロントガラスの内側に広げて当てる。傘式なら中央の吸盤を押し当てて留め、上端をサンバイザーで挟む。ワイヤー式や布1枚はサンバイザーで上端を押さえる。ミラーやドライブレコーダー本体に当たるなら、切り欠きの位置を合わせ直す。吸盤で留めるタイプは、ガラス内側に油膜や汚れが残っていると付きが悪くなるので、貼る前に拭いておく。降りるときは畳んで決めた置き場所に収める。
よくある質問
「RZ34専用」と書いてあれば加工なしで付けられますか
そう断定できる材料はない。専用という表記は販売元が商品ページに書いたもので、第三者の試験も当方の実車確認もない。販売元自身も購入前に車のモデルと外観を確認するよう求めている。
紫外線を99%以上遮断と書かれていれば車内は涼しくなりますか
別の話だ。この数値は販売元の公称値で、紫外線をどれだけ通さないかを示すもの。車内温度が何度下がるかを表す数字ではない。
ドライブレコーダーやルームミラーに当たりませんか
製品によって扱いが違う。今回の4つのうち、切り欠きとベルクロで干渉しないと明記しているのは傘式の1製品だけで、残る3製品は商品ページにこの点の記載がない。
先代の Z34 やロードスター用のものは流用できますか
型式が違うので、RZ34 用として売られている製品の適合をそのまま先代に当てはめることはできないし、その逆も同じだ。日産の「よくあるご質問」の年式区分でも Z34 型と RZ34 型は別に扱われている。
全ガラス一台分のセットは何枚入りですか
商品仕様欄に内訳の記載が無いため、こちらでは断定できない。RZ34 は後席ドア窓が無いので、枚数と対応窓は購入前に販売元へ確認したい。
まとめ
最初にやることは、運転席に座ってルームミラーの根元とドライブレコーダー本体の位置を実車で見ることだ。そのうえで車検証の初度登録年を確認し、候補製品の適合年式表記と照合する。この2つが済めば、あとはタイプの選び分けになる。
毎日出し入れするなら傘式、置き場所を優先するならポーチ付きのワイヤー式、長時間の駐車まで見込むなら一台分のセット。どれを選んでも、専用という表記は販売元の記載であって保証ではないことと、走り出す前に必ず外すことは変わらない。
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