デリカミニの荷室マットは、車検証の型式が B34A系か BA系かで買う品が変わる。同じ「デリカミニ用」として売られていても、初代向けと2代目向けは別物として流通している。三菱自動車が公開している特定整備の対象車両一覧には、通称名「デリカミニ」が初代(’23年5月〜)と2代目(’25年10月〜)で別行に載っている。まず型式を確定させ、そのうえで形状と覆う範囲を決める、という順番で選ぶと外さない。
世代別の候補と価格の早見表
通販で買える荷室マットのうち、型式や年式が販売ページに明記されていたものを世代別に並べた。純正のラゲッジトレイも比較対象として同じ表に入れてある。
| 商品 | 対応する世代 | 販売ページの素材・形状表記 | 価格 |
|---|---|---|---|
| BIGKON 30系専用ラゲージマット | 初代(「30系」「2023年5月-現行」) | 3D・TPE素材 | ¥3,229 |
| ASZSK 専用ラゲッジマット | 初代(B34A/B35A/B37A/B38A) | 3D・TPE製 | ¥5,100 |
| BRIGHTZ LUG-MAT-055 | 初代(B34A・B35A・B37A・B38A) | 記載なし | ¥5,000 |
| ZQX 2代目BA系専用 | 2代目(BA系) | 3D立体・TPE素材 | ¥5,016 |
| 三菱純正 ラゲッジトレイ | eKスペース/デリカミニ | 公式に記載なし | 税込28,050円 |
社外4点はAmazonの実売価格(確認時点)で、価格は変動する。純正の税込28,050円は本体価格21,500円に参考取付工賃4,000円を足した金額で、三菱自動車の純正アクセサリー情報に載っている。表のうち2代目に対応すると明記していたのは ZQX の1点だけで、残りはすべて初代向けだった。
車検証で自分の世代を確定する
型式欄のどこを見るか
車検証(自動車検査証)の「型式」欄に B34A・B35A・B37A・B38A のいずれかが書かれていれば初代、BA1A・BA2A・BA5A・BA6A のいずれかなら2代目だ。型式は 4BA- や 5BA- といった排出ガス規制の識別記号に続けて表記されるので、ハイフンより後ろの4文字を読む。ここさえ押さえれば、以降の商品選びで迷う場面はほとんどなくなる。
年式だけで判断すると外れる
初代の発売日は2023年5月25日、2代目は2025年10月29日で、いずれも三菱自動車のニュースリリースに記載がある。ただし2025年後半は初代の在庫車と2代目が併売された時期にあたるため、初度登録年月からの推測は当てにならない。三菱自動車が公開する取扱説明書の一覧でも、デリカミニは「現行モデル」と「2025年8月生産終了モデル」に分けて掲載されている。年式ではなく型式で判断するのが確実だ。
同じ型式記号がeKスペース系にもある
B34A・B35A・B37A・B38A という型式は、デリカミニ専用の記号ではない。特定整備の対象車両一覧では同じ4型式が eKスペース/eKクロススペース(’21年3月〜)にも割り当てられており、区別されているのは車台番号の開始番号だけだ(デリカミニは B34A-0500201〜、eKスペース系は B34A-0010396〜)。2代目の BA1A・BA2A・BA5A・BA6A も現行 eKスペースと共通の型式になる。荷室まわりは共用設計の部品が多く、商品名に「eKスペース」「ルークス」が併記されていること自体は誤りではない。それでも、型式の文字列が一致するというだけで自分の車に適合すると決めてはいけない。判断材料は販売ページの明示と販売元への確認だけだ。
荷室の寸法と、マットが覆う範囲
公式Q&Aが示す寸法は両世代で同じ
三菱自動車の公式Q&Aによると、荷室高は約1080mm、荷室長は約355mm、荷室幅は最大約1115mm・最小約890mm。これは初代・2代目のどちらの回答でも同じ数値が示されている。2代目側には「後席シートを最後部位置から1ノッチ前方にスライドした状態での測定値」という計測条件が添えられている。初代側には「シートスライド位置により数値が異なります」「記載の数値は参考値(設計値・実測値)であり、車両状態や測定方法などで異なります」という注記がある。
後席のスライド位置で前後長は大きく動く
公式Q&Aの「リヤシートバック下部〜テールゲート」は初代・2代目とも約355mm〜約675mm。後席を一番前に寄せれば床面の長さは30cm以上増える計算になる。マットが覆う範囲を考えるときは、後席を一番後ろに下げた状態の約355mmを基準に見ておくと足りなくなりにくい。マットは荷室の床の形に合わせた品であって、後席を動かして広げた面まで覆うものではない。
寸法が同じでも世代をまたいだ流用はできない
主要な3つの数値が一致していても、それは床の形状・段差・フックの位置・ホイールハウスの張り出し方まで同一だと公式が示したものではない。実際、公式Q&Aの「リヤシートバック上部〜テールゲート」は初代が約135mm〜約455mm、2代目が約140mm〜約460mmでわずかに違う。寸法表が似ていることを理由に初代用のマットを2代目へ流用するのは、根拠が足りない。
純正ラゲッジトレイという選択肢
三菱自動車の純正アクセサリーには荷室用の「ラゲッジトレイ」があり、適合車種として eKスペースとデリカミニが挙げられている。公式の説明は「汚れ物の積載などに便利なトレイ。リヤシートバックやラゲッジルーム床面のキズ付きを抑える効果もあります。」で、守る対象に後席の背面まで入っているのが読み取れる。素材・サイズ・品番は公式のアクセサリーページに記載がない。
荷室まわりの純正アクセサリーは、ラゲッジボード41,800円〜、ラゲッジユーティリティネット21,780円〜、カーゴフェンス20,900円〜という価格帯だ。ラゲッジボードは「耐荷重:5kg」「フロアからボードの高さ:約42cm」と記載があり、デリカミニでは「プライベートカーテン、カーゴフェンスとの同時装着はできません」という制限も付く。併用を考えるなら装着の可否を先に確認したい。
社外の荷室マットは3千円台から6千円弱の価格帯で、敷くだけなので工賃もかからない。純正と社外を分けるのは金額よりも、適合確認を販売店にやってもらうか自分でやるかという点だ。型式の照合を自分で引き受けられるなら社外品で足りるし、そこを任せたいなら純正が向く。
世代を絞ったあとの3つの判断軸
素材表記の「TPE」をどこまで信じるか
販売ページによく書かれている TPE は熱可塑性エラストマーの略で、単一の素材名ではなくスチレン系・オレフィン系・ポリエステル系などの総称だ。樹脂加工業者の解説によれば、常温ではゴムのような性質を持ちながら加硫なしで成形でき、リサイクルもしやすい。ただし系統ごとに性質は違い、スチレン系は耐熱性や耐摩耗性に劣り、オレフィン系は耐油性や耐摩耗性があまり良くないとされる。商品ページの「TPE製」だけでは系統まで特定できないので、耐寒性や耐熱性を数値で期待するのではなく、水や泥を受け止める用途で選ぶのが現実的だ。
立体成形か、平面か
縁が立ち上がった立体成形タイプ(販売ページでは3Dやトレイと表記される)は、立ち上がりが水や泥をせき止めるので、濡れた道具や汚れた靴を直に置く使い方に向く。反面、立ち上がりのぶん荷室の実効的な幅と長さがわずかに狭くなり、箱物を並べて積みたい場合は不利に働く。優劣ではなく、何を載せるかで決める話だ。
床だけを覆うか、後席の背面まで守るか
純正トレイの説明が床面と後席背面の両方を挙げているとおり、後席の背もたれを前に倒して荷物を載せるなら、床だけの1枚物では倒した背もたれの面が無防備になる。床の汚れ対策だけが目的なら1枚物で足りる。2代目には「樹脂ラゲッジボード&PVC後席シートバック」という装備があり、公式車種サイトは「濡れたり泥のついたアウトドアグッズを気にせず積むことができ、お掃除も簡単です。」と説明している。これは床面と背面が拭き取りやすい素材だという意味で、荷室の床を覆う純正マットが標準で付くという記載は公式サイトにない。傷まで防ぎたいならマットを足す余地は残る。
初代(B34A系)に乗っているなら
BIGKON 30系専用ラゲージマット
価格が最も抑えられている選択肢で、販売ページは「30系専用」「2023年5月-現行」と表記している。3D防水・TPE素材を掲げた立体成形タイプで、濡れたものを直に置く使い方を想定した形だ。型式の記号そのものは書かれていないため、車検証が B34A系であることを確認したうえで選ぶ。防水性は販売者の自己申告にとどまる点は割り引いて読みたい。
BIGKON デリカミニ 30系専用 3D防水ラゲージマット TPE素材(初代 2023年5月〜対応)
ASZSK デリカミニ B34A/B35A/B37A/B38A 専用ラゲッジマット
初代の4型式を商品名にそのまま並べている点で、適合の照合が最も速い1点だ。車検証の型式欄と文字列を突き合わせるだけで済む。3D防水・TPE製の立体成形タイプで、価格帯は表のなかでは上のほうに入る。型式表記の明確さに費用を払う位置づけになる。
ASZSK デリカミニ B34A/B35A/B37A/B38A 専用 3D防水ラゲッジマット TPE製(初代・型式明記)
BRIGHTZ デリカミニ ラゲッジマット LUG-MAT-055
こちらも B34A・B35A・B37A・B38A の4型式を明記しており、加えて LUG-MAT-055 という品番が示されている。品番があると販売元への問い合わせで話が早い。素材や形状の表記は販売ページに見当たらないため、立体成形かどうかを重視するなら購入前に販売元へ確認する。
BRIGHTZ デリカミニ ラゲッジマット LUG-MAT-055(初代 B34A・B35A・B37A・B38A 対応)
2代目(BA系)に乗っているなら
ZQX 2代目BA系専用ラゲッジマット
今回調べた範囲で、2代目対応を明記していた唯一の品だ。商品名に「2代目 BA系」とあり、3D立体・TPE素材の表記も付く。日産ルークス BB系と併記されているが、これは荷室まわりが共用設計になっている車種を並べたもので、型式が一致するという理由だけで適合を判断する材料にはならない。
ZQX デリカミニ 2代目 BA系専用 3D立体ラゲッジマット TPE素材(2025年10月〜の現行型向け)
選択肢の少なさと、年月表記のずれ
デリカミニ向けとして流通している荷室マットの大半は、いまも初代向けだ。型式を明記しない商品も混ざっており、そうした品は掲載情報だけでは世代を特定できない。もう一点、この ZQX の販売ページは対応時期を「2025年9月〜現行」と書いているが、三菱自動車のニュースリリースによる2代目の発売日は2025年10月29日で、1か月ほどずれている。販売ページの年月表記は適合の判断根拠にせず、型式の記号が書かれているかを先に見る。
敷いたあとに確かめること
2代目の公式車種サイトには「ラゲッジルームの左右に計6個のフック(耐荷重3.0kg)を設置。」という記載がある。荷崩れ防止にネットを張る使い方をするなら、マットを敷いたあとにフックが隠れないか、マットの縁がフックの位置と干渉しないかを見ておきたい。取扱説明書はフックについて「荷崩れ防止にネットなどを取り付けるときに使います。」としたうえで、「フックには大きな力がかからないようにしてください。」「フックに3kg以上の物を掛けないでください。」と注意している。上限は取扱説明書の言い方どおり、3kg以上の物を掛けないと理解しておく。
後席の使い方との兼ね合いも先に決めておきたい。2代目の公式車種サイトは「後席は320mmものスライド量を実現。一番前に出せば、荷室も広がって、荷物をたくさん載せられます。」「後席を倒せば27インチの自転車も余裕で積載できます。」と説明しており、荷室の広さが固定されていない前提で作られている。後席を前寄りで使うことが多いなら、床の露出が増える範囲をマットが覆いきれるかを確認しておく。なおスライド量とフックの数は2代目の公式記載であって、初代について同じ値が示されているかは確認できていない。
買う前に順番に潰す確認
- 車検証の型式欄で B34A系か BA系かを確定する
- 販売ページに型式の記号が明記されているかを見る
- 対応年月の表記だけを適合の根拠にしない
- eKスペース・eKクロススペース・ルークスとの型式重複を踏まえ、車種名の併記を適合の証拠と取らない
- 後席を倒して使うかどうかを決め、床だけか背面まで覆う品かを選ぶ
上から順に片付ければ、商品ページを何度も見比べる時間は短くなる。荷室と同じく後席そのものを汚れから守りたいなら、シートカバーと合わせて考えると全体の予算が組みやすい。
よくある質問
初代B34A系用のラゲッジマットは2代目BA系にも使えるか
使えると考える根拠が足りない。公式Q&Aで荷室高・荷室長・荷室幅が一致していても、床の段差やフックの位置まで同じだとは示されていないためだ。2代目には2代目向けと明記された品を選ぶ。
eKスペースやルークス用として売られているマットは流用できるか
型式の文字列が同じでも、それだけで適合するとは判断できない。荷室まわりが共用設計の商品は実在するが、個々の商品が自分の車に合うかどうかは、販売ページの明示と販売元への確認で決めるほかない。
純正ラゲッジトレイと社外マットはどちらを選ぶべきか
適合の確認を任せたいなら純正、自分で型式を照合できるなら社外品でよい。純正の税込28,050円には参考取付工賃4,000円が含まれ、社外品は敷くだけで済む。金額差は大きいが、そこだけで決める話ではない。
荷室のフックには何kgまで掛けてよいか
取扱説明書は「フックに3kg以上の物を掛けないでください。」と書いている。2代目の公式車種サイトは耐荷重3.0kgと表記しているが、実際に使うときは取扱説明書の言い方に従っておく。
まとめ
デリカミニのラゲッジマット選びは、車検証で型式と初度登録年月を確認するところから始める。B34A系なら初代向け、BA系なら2代目向けで、ここを外すと後の比較がすべて無駄になる。荷室の主要寸法が両世代で同じ数値だからといって流用の根拠にはならない。世代が決まったら、立ち上がりのある立体成形か平面か、床だけか後席の背面まで覆うかを、自分が何を載せるかに当てはめて選べばよい。
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