X7 G07 に後付けのドライブレコーダーを付けるなら、カメラは保安基準で定められた位置(国土交通省が挙げる例は「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」)に置き、配線は天井の内張りからピラー、助手席の足元へと隠して通すのが基本だ。電源は走行中だけ録るならシガーソケット、駐車中も録るならヒューズから常時電源を取る。X7 ではそのうえで、ヒューズの割り当て(改良前の2019〜2022年の X7 G07 を扱った海外の図では、箱が複数の場所にある)と、パーキング・アシスト・プラス装着車向けに2019年に発表された車外カメラの録画機能を先に確かめておきたい。
X7 G07 のドラレコは位置・配線・電源の3点で決まる
取り付けで押さえる点は3つある。
- 位置: 保安基準で定められた位置に付ける。目安はルームミラーの裏に隠れる位置
- 配線: 天井の内張り→助手席側のピラー→助手席の足元の順に隠して通す(ピラーまわりはサイドエアバッグの注意がある。手順の節で触れる)。リアカメラはさらに荷室まで延ばす
- 電源: シガーソケット型・2芯・3芯の3通り。エンジンを止めた後も録る駐車監視には常時電源が要る
もう1つ、後付けの前に装備を確かめる価値がある。2019年11月の発表を伝えた記事によると、パーキング・アシスト・プラスを装着した X7 などに向けて、車外カメラを録画に使える機能が売り出された(2022年11月の改良後の型で使えるかは確かめられていない)。何を録れるかは次の節で比べる。
後付けの前に、内蔵のドライブ・レコーダー機能と比べる
内蔵の機能でできること
2019年11月の発表を伝えた記事によると、BMW はパーキング・アシスト・プラス用の前後左右の車外カメラをドライブ・レコーダーとして使える機能を、ConnectedDrive ストアでのオンライン販売として始めた。対象は新型3シリーズ(パーキング・アシスト・プラス装着車のみ)・7シリーズ・8シリーズ・X5・X7で、パーキング・アシスト・プラスの装着が前提になる。カメラを買い足す必要はなく有料で、期間は1か月の試用相当から無期限まで4通りから選べ、車を買った後の好きなときに追加できる。対象車でも車両ソフトウェアのアップデートが必要になる場合があるとされた。
同じ記事が挙げる記録のきっかけは2つだ。
- エアバッグが作動するような大きな衝撃を受けたとき、前後それぞれ最大20秒(合計40秒)、車両周囲360度の映像を自動で記録する
- 手動の操作でも、最大40秒・周囲360度を記録できる
後付けドラレコが向く場面
走行中の映像をずっと録り続ける記録の仕方や駐車中の監視は、これらの記事には書かれていない。常に録っておきたい・駐車中も録りたいなら、後付けのドラレコの役割になる。内蔵の機能は大きな衝撃のときと手動の操作で周囲を残す役、後付けは走行中ずっと録る役、と分けて考えると選びやすい。
改良後の型で確かめること
G07 型の X7 は2019年6月24日に日本で発売され、2022年11月15日にフロントフェイスの刷新などの改良を受けた。その後フルモデルチェンジは無く、2026年10月14日には新グレード「xDrive40d Black Line」が加わった(2026年10月時点の日本向けグレードは xDrive40d Excellence・xDrive40d M Sport・xDrive40d Black Line・M60i xDrive)。
2022年11月の改良を伝えた記事によると、改良後の X7 の駐車支援は「パーキング・サポート・プロフェッショナル」で、2019年の記事が条件にした「パーキング・アシスト・プラス」とは名前が違う。改良後の型で同じ録画機能が使えるか、今も購入できるか、期間と料金は、参照した資料では確かめられていない。自分の車で使えるかは、ディーラーで確かめてから後付けを決める。
フロントカメラはガラス上部の決められた範囲に付ける
決まりで認められた範囲
国土交通省の案内では、ドライブレコーダーは運転者の視界を妨げないよう保安基準で定められた位置に付けるよう呼びかけ、その例として「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」を挙げている。「など」とあるとおりほかの条件もありうる書き方で、案内のページに mm の寸法は無い。
取り付けの解説記事では、設置範囲を「ガラス開口部の実長の20%以内の範囲」か、ルームミラーで遮へいされる前面ガラスの範囲としている。目安はルームミラーの裏に隠れる位置で、左右に偏らず車の中心から見た景色を撮れる場所が望ましい。
運転支援のカメラと車検ステッカーを避ける
取り付けの解説記事では、車検ステッカー(検査標章)や、自動ブレーキ用カメラの視界に入る場所を避けるよう勧めている。2022年11月の改良を伝えた記事によると、2022年11月15日に日本で販売が始まった改良後の X7 は、運転支援のセンサーとして3眼カメラとレーダーを使う「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」を備える。カメラの取り付け位置は伝えられていないので、実車でルームミラーの裏まわりを見て、カメラの視界にかからない場所を選ぶ。
JAF の解説によると、2023年7月3日以降に車検を受けて新たに貼る車検ステッカーの位置は「運転席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置」。その位置が視界を妨げる場合は「運転者の視界を妨げない前方かつ運転席から見やすい位置」に貼る例外がある。すでに貼られたステッカーは位置を変える必要はない。ルームミラーの裏に以前の位置のまま貼られている車では、ドラレコと重ならないように位置を決める。
ワイパーの拭き取り範囲も外す
ワイパーの拭き取り範囲には貼らない。水滴で録画映像が見えにくくなる。貼る面はクリーナーで拭いて手の油分が付かないようにし、空気が入らないようにピッタリと貼る。
ガラスにサンシェードを広げる人は、付けたドラレコと当たらないかも合わせて見ておく。
電源は3通り。駐車監視をするなら常時電源
| 電源の取り方 | つなぎ方 | 使う電源 |
|---|---|---|
| シガーソケット型 | ソケットに差すだけ。見た目を整えるならソケットの裏側で増設ソケットを使うのが一般的 | シガーソケット |
| 2芯ケーブル型 | 黒(マイナス・アース)と赤(プラス)をつなぐ | ヒューズボックスのACC電源が一般的 |
| 3芯ケーブル型 | 黒・赤に黄色(バッテリー接続)が加わる | 走行中はACC、エンジン停止時の駐車監視はバッテリー側。ACCと常時電源の2系統を取る |
シガーソケットで足りる人
走行中だけ録れればよい人は、シガーソケット型で足りる。電源まわりに手を入れずに済み、配線を隠す作業だけに集中できる。
駐車監視をしたい人
シガーソケットからの給電は走行中向けで、エンジン停止中も録る駐車監視には常時電源が要る。3芯ケーブル型でACCと常時電源を取るのが基本だ。「常時電源とアクセサリー電源を間違えるとバッテリー上がりを起こします」とされ、電源の取り違えによるヒューズのショートでオーディオやナビが止まる恐れもある。長くアクセサリーモードのままにしておくとバッテリーが上がる点にも気を配る。車内で長く過ごす使い方をする人は、次の記事も合わせて読んでおくとよい。
常時電源の取り方の解説では、本体にバッテリーを内蔵する型は容量によって録れる時間が短く、発火の心配も指摘されている。国産メーカーの多くはキャパシタに置き換わっているとされる。駐車監視を重く見るなら、本体の電源の仕組みも商品の仕様で見ておく。
X7 G07 でヒューズから電源を取るときの注意
ヒューズの箱は1つではない
改良前(2019〜2022年)の X7 G07 を扱った海外の整備情報サイトのヒューズの図では、ヒューズの箱は車内(複数)・荷室・エンジンルームの複数の場所にあり、個々の割り当ては装備のレベル・モデル・仕向け地によって異なるとの注意書きがある。追加のヒューズホルダーも右ハンドル用と左ハンドル用で別の図になっている。海外の図のヒューズ番号を日本の車にそのまま当てはめず、取扱説明書の「ヒューズ」の項目とディーラーで確かめる。
ヒューズから取る流れは次のとおり。
- 取扱説明書の「ヒューズ」の項目で箱の位置を確かめる
- 検電テスターで、エンジンを切った状態で通電するか(常時電源)、アクセサリーの状態でだけ通電するか(ACC)を確かめる
- 同じ形状・同じアンペア数のヒューズ電源に差し替える
- マイナス(アース)はボディの金属部のネジやボルトに取る。塗装は電気を通さないので、塗装や樹脂を貫通して金属に届いている物を選ぶ
選んではいけないヒューズ
接続先が「ECU(コンピュータ)」「A/BAG(エアバッグ)」と書いてあるヒューズは避ける。ECU など重要な回路のヒューズは電源に使わない。
電源の取り方の解説でも「DIYによる電源取りが難しい車両もあります」とされ、ヒューズボックスやオーディオから取る方法は専門知識が要り、誤るとほかの電装品が適切に動かなくなる恐れがある。自信が無ければ、ディーラーなどに電源が取れるヒューズを聞いてから作業する。
フロントカメラの取り付けと配線の手順
仮決めと角度の調整
ドライブレコーダーの会社の取り付けの手引きでは、次の順番で進める。
- 取付位置の仮決め(取付ブラケットを仮固定する)
- 角度調整(電源を入れ、映像を見ながら取付ブラケットの角度を合わせる)
- 配線(コードを車に装着する)
- 両面テープ貼り付け(取付ブラケットをガラスに固定する)
両面テープは粘着力が非常に強く、一度貼ると貼り直しはほぼできない。貼り直すと粘着力が落ちて走行中に外れるおそれがあるので、両面テープは位置と角度が決まった最後に貼る。
天井からピラーへの通し方
取付ブラケットに電源コードを通して5cmほど出しておき、コードは天井の内張り(ルーフライニング)の隙間に押し込んで隠す。落ちてくるときは厚さ1〜1.5mmのスポンジテープを一部に巻いて太くする。コードは無理に押し込まない。
ドライブレコーダーの会社の取り付けの手引きでは、ピラー(助手席側の柱)の内側にコードが入らない場合は、市販のコードクリップでガラスではなくピラー側に留めるとしている。サイドエアバッグ装着車では配線の仕方によって「エアバッグが正しく動作しない恐れがあります」とされ、販売店に相談するよう案内されている。助手席エアバッグが動作する範囲には配線しない。ドアに挟まれない位置に留めることも忘れない。X7 のピラーの中のエアバッグの配置は確かめられていないので、ピラーまわりの配線は販売店に相談してから決めたい。
足元からソケットまで
ピラーから下ろしたコードは、助手席のカーペットの下(奥)に余分を隠しながら電源の取り出し口まで通す。シートのスライドレールに挟まれないよう注意する。
内張りやカーペットの下に隠しきる前に、ドラレコが動くかを確かめる。ヒューズから常時電源を取った場合は、エンジンを切った状態での動作も見る。コードが余っても切断せず、結束バンドやケーブルクリップでまとめて見えない場所に収める。クッションテープを巻くと走行中の音が出にくくなる。
リアカメラの配線は3列シートの横を通して荷室へ
コードの長さを先に確かめる
G07 型の X7 は3列シートが標準で、2列目は3人掛けのほか2人掛けの設定もある。リアカメラのコードは、フロントから2列目・3列目の横を通って荷室まで運ぶことになる。前後2カメラのドラレコを選ぶときは、リアカメラのコードが前から荷室まで通しても足りる長さかを商品の仕様で確かめる。必要な長さは配線の通し方で変わる。
荷室までの通し方
リアカメラの取り付けの解説では、助手席の足元から後部座席の足元をはわせると目立ちにくいとしている。内張りを外すのが不安ならフロアカーペットの下を通す。荷室では、テールゲート開口部のゴム(ウェザーストリップ)を外して中に押し込む方法が一般に紹介されている。内張りやドアパネルの中を通す方法は専門的な知識と道具が要る。X7 のテールゲートの構造と配線の通し穴の位置は確かめられていないので、実車を見て手に負えない所は店に任せる。余ったコードはフロントと同じく切らずにまとめる。
自分で付けるか、店に頼むか
店に頼む場合、取り付けの作業自体は1〜2時間程度とされ、作業開始まで待たされることもあるので多くの店では予約ができる。他店で買った製品の持ち込みは通常の作業の合間に行われることが多く、半日程度預けることになる場合が多い。持ち込みを受け付けていないカー用品店やディーラーもある。
判断の目安はこうだ。シガーソケット型なら電源まわりに手を入れずに済み、自分で付けやすい。ただしピラーまわりの配線は、サイドエアバッグ装着車では配線の仕方によってエアバッグが正しく動作しない恐れがあるとされ、X7 のピラーの中のエアバッグの配置も確かめられていないので、販売店に相談してから決める。ヒューズから常時電源を取る・リアカメラを荷室まで通す、のどちらかに迷いがあるなら店に任せる。自分でやる場合も、使えるヒューズをディーラーに聞いておくだけで作業の迷いが減る。
よくある質問
内蔵のドライブ・レコーダー機能があれば後付けは要らない?
役割が違う。2019年11月の発表を伝えた記事が挙げる、パーキング・アシスト・プラス装着車向けの機能の記録のきっかけは、大きな衝撃を受けたときと手動の操作で、長さは最大40秒。走行中をずっと録る記録や駐車中の監視はこれらの記事に書かれていないので、それが欲しいなら後付けを選ぶ。2022年11月の改良後の型で使えるかはディーラーで確かめる。
シガーソケットにつなぐだけで駐車中も録れる?
シガーソケットからの給電は走行中向けだ。駐車中も録るには常時電源が要り、3芯ケーブル型でACCと常時電源の2系統を取る。
車検ステッカーとドラレコが重なりそうなときは?
すでに貼られたステッカーは位置を変える必要が無いので、ドラレコのほうをずらして重ならない位置に付ける。2023年7月3日以降に新たに貼る位置は運転席側上部で、視界を妨げる場合の例外もある(取り付け位置の節を参照)。
海外の配線図のヒューズ番号をそのまま使ってよい?
使わない。改良前(2019〜2022年)の X7 G07 を扱った海外の整備情報サイトの図にも、割り当ては装備のレベル・モデル・仕向け地によって異なるとの注意書きがある。取扱説明書の「ヒューズ」の項目とディーラーで確かめ、検電テスターで通電を見てから使う。
ディーラーに持ち込みで付けてもらえる?
店によって違う。持ち込みを受け付けていないカー用品店やディーラーもあるので、予約のときに持ち込みに応じるかを聞く。受けてもらえても、半日程度預けることが多い。
まとめ
作業の前に、まず実車のフロントガラスでルームミラーの裏まわりを見て、車検ステッカーと運転支援のカメラにかからない置き場所を探す。そのうえで車検証の初度登録の年月を見て、2022年11月の改良の前か後かの目安にしておくと、内蔵の録画機能をディーラーに聞くときに話が早い。
- 位置: 国土交通省が例に挙げる「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」に収め、ルームミラーの裏を目安にする
- 電源: 走行中だけならシガーソケット、駐車監視まで考えるなら常時電源
- ヒューズ: 改良前(2019〜2022年)の型を扱った海外の図では箱は複数で、割り当ては装備のレベル・モデル・仕向け地で違う。番号は写さず、取扱説明書とディーラーで確かめる
- 内蔵の録画機能: 改良後の型で使えるか・今も購入できるかは確かめられていないので、ディーラーで聞く
ほかの消耗品の型番も確かめておくと、整備の予定が立てやすい。

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