BMWX6 E71 タイヤ交換のジャッキポイントと140N·m

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初代 X6(E71・2008〜2014年)のタイヤ交換は、ジャッキを当てる場所と締め付けトルクが取扱説明書で決まっている一方、準備は車ごとに分かれる。車載ジャッキや応急用タイヤを積んでいるかは装備で違い、ホイールも前後でオフセットが違う組み合わせがある。まず荷室の床下とタイヤ側面の表示を見て、自分の車がどちらに当たるかを確かめてから手順に進んでほしい。

目次

ジャッキを当てる場所と締め付けトルクの要点

BMW の取扱説明書(2008年版の X6)では、車載ジャッキは交換する車輪に最も近いジャッキポイントに当てる。E71 のジャッキポイントはサイドシル(ロッカーパネル)の下面に付くゴム製のジャッキパッドで、米国の BMW 部品販売店の説明では、車にはもともと4個付いている。上げるときは、ジャッキの頭をジャッキポイントの角形の受け口に入れる。

ホイールボルトは対角の順に締め、締め付けトルクは 140N·m だ。

もう1つ先に知っておきたいのは、スペアタイヤの有無だ。取扱説明書によると、X6 E71 はランフラットタイヤが標準装備で、空気が抜けてもすぐにタイヤを交換する必要はなく、パンクに備えたスペアタイヤは用意されていない。ランフラットタイヤは、タイヤ側面の RSC の文字が入った丸い記号で見分けられる。

作業前に確かめる安全のこと

作業する場所は、平らで固く、滑らない面を選ぶ。雪・氷・タイルのような柔らかい面や滑る面で車を上げると、車やジャッキが横にずれるおそれがある。路上でパンクしたときは、通行する車からできるだけ離れた固い地面に止める。

止めたら、次のとおり車を固定する。

  • ハザードランプを点ける
  • パーキングブレーキをかけ、シフトを P に入れる
  • 同乗者は全員降ろし、ガードレールの外側など安全な場所で待ってもらう

高さが足りなくても、ジャッキの下に木の台などを敷かない。取扱説明書では、敷くとジャッキが最大の高さまで伸びなくなり、支えられる重さも下がるとされている。そして、ジャッキで上げている間は車の下に体を入れず、エンジンもかけない。重大なけがを避けるための決まりで、急いでいるときほど守ってほしい。

必要な道具と車載工具の確かめ方

取扱説明書(北米向け)では、車載ジャッキなどの工具は装備により有無が違い、タイヤ交換に適した工具は BMW の販売店で用品として用意されているとある。作業の前に、自分の車に工具が積まれているかを確かめるのが先だ。

積んでいる場合、車載ジャッキ・ジャッキのハンドル・ホイールレンチは、荷室の床板のフラップの下の収納に入っている。取り出す前に元の位置を覚えておき、使った後は同じ位置に戻すと、走行中のがたつきを防げる。荷室の床下の様子は次の記事も参考になる。

そろえておきたい道具は次の3つ。

  • ジャッキ(車載ジャッキかガレージジャッキ)
  • ホイールレンチ
  • 校正済みのトルクレンチ(最後の締め付けの確認用)

なお、車載ジャッキはタイヤ交換専用だ。ほかの車を上げたり、ほかの荷を持ち上げたりすると、事故やけがの原因になる。

E71 のジャッキポイントの位置と当て方

ジャッキポイントは、サイドシル下面のゴム製のジャッキパッドだ。取扱説明書では位置が図で示され、文章での説明は無い。米国の BMW 部品販売店の説明にも、前後どの位置かを示す寸法の記載は無い。車の横にしゃがんで、交換する車輪に最も近いジャッキパッドを目で探すのが早い。

車載ジャッキで上げるとき

  1. ジャッキの台座の面全体が、ジャッキポイントの真下の地面に垂直に接するように置く(ジャッキは固い面の上に置く)
  2. ジャッキを上げ始めたら、ジャッキの頭をジャッキポイントの角形の受け口に入れる
  3. 交換する車輪が地面から浮くまで上げる

ガレージジャッキで上げるとき

米国の BMW 部品販売店は、このジャッキパッドをガレージジャッキやリフトのアームを当てる最も良い場所としている。ガレージジャッキで上げる場合も、当てる先はこのジャッキパッドにする。

ジャッキパッドの確かめ方と交換部品

上げる前に、当てるジャッキパッドが付いているか、割れや欠けが無いかを目で確かめる。米国の BMW 部品販売店によると、ジャッキパッドは脱落したり傷んだりすることがある。

交換用には、米国の BMW 部品販売店の適合表で、BMW 部品番号 51717189259(BMW の部品を納める Rein Automotive 製・1個売り)が E71 X6(2008〜2014)の xDrive35i(N54・08〜09/N55・10〜13)、xDrive50i(08〜14)、X6 M(10〜14)の行に載る。ActiveHybrid X6 の行は無い。

タイヤ交換の手順

取扱説明書の流れを順に並べると次のとおり。

  1. 車を上げる前に、交換する車輪のホイールボルトを半回転ゆるめる
  2. 交換する車輪に最も近いジャッキポイントにジャッキを当て、ジャッキの頭を角形の受け口に入れて、車輪が地面から浮くまで上げる
  3. ホイールボルトを外して車輪を外し、前後左右のどこに付いていたかを記録する
  4. ホイールとハブの当たり面の泥や汚れを落とし、ホイールボルトも清掃する
  5. 付ける車輪を合わせ、向かい合う(対角の)穴に少なくとも2本のボルトをねじ込んで留める
  6. 残りのボルトをねじ込み、すべてのボルトを対角の順に締める
  7. 車を下ろして、ジャッキを車の下から外す
  8. もう一度、ホイールボルトを対角の順に締める

ボルトをゆるめるのは車を上げる前、最後の締め付けは下ろした後と覚えておけば、順番を間違えにくい。締め順について、取扱説明書の指示は「対角の順」で、番号付きの順序は示されていない。

締め付けトルクとホイールボルトの仕様

項目 値 出典(対象)
締め付けトルク 140N·m(101lb ft) 取扱説明書(2008年版の X6)、海外のホイール適合データベース(2008〜2012年・2012〜2014年)
留め方 ボルト(ナットではない) 海外のホイール適合データベース(2008〜2012年・2012〜2014年)
ねじ M14×1.25 海外のホイール適合データベース(2008〜2012年・2012〜2014年)
PCD(ボルト穴の配置) 5×120 海外のホイール適合データベース(2008〜2012年・2012〜2014年)

海外のホイール適合データベースでは、前期(2008〜2012年)と後期(2012〜2014年)のどちらも 140Nm で載る。X6 M に乗っている場合は、手元の取扱説明書で値を確かめてほしい。

締めた後は、できるだけ早く校正済みのトルクレンチで規定トルクに締まっているかを確かめる。取扱説明書では、締め付けが正しくないボルトは気づきにくい危険になるとされている。車載のホイールレンチだけで締めたときは、この確認を後回しにしないでほしい。

冬用などで社外ホイールを使う人は、ボルトにも気を配りたい。取扱説明書によると、BMW 純正以外のアルミホイールを付けるときは、別のホイールボルトが必要になる場合がある。ボルトの適合は、ホイールの販売店で確かめておく。

前後で違うホイールとタイヤに注意

19インチ純正でも前後でオフセットが違う

海外のホイール適合データベースでは、xDrive35i・xDrive50i などの 19インチ純正(OEM)は前後とも 255/50R19 だが、ホイールは前が 9J×19 ET48、後ろが 9J×19 ET18 と前後でオフセットが違う。タイヤサイズが同じでも、前後のホイールは同じではない。同じデータベースでは、ハブ穴径(センターボア)も前 74.1mm・後 72.6mm と前後で違う値で載る。

前後で幅が違う組み合わせもある

同じデータベースには、前 275/40R20・後 315/35R20 や、前 285/35R21・後 325/30R21 のように、前後でタイヤの幅が違う組み合わせも載る。ActiveHybrid X6 と後期の M50d は、20インチの前後異サイズが OEM とされている。

手順で外した位置を記録したのは、こうした違いがあるからだ。車輪は元の位置に戻し、前後の入れ替えはサイズとオフセットを確かめてから判断する。社外ホイールを選ぶときも、前後それぞれの適合を販売店で確かめる。

履き替えるタイヤの選び方

純正タイヤサイズは、グレードや装着ホイール(19〜21インチ)で違う。上の値は海外のデータベースのものなので、新しいタイヤを買うときは、今付いているタイヤの側面の表示を前後それぞれで確かめる。取扱説明書では、新しいタイヤに替えるときも、夏タイヤと冬タイヤを履き替えるときも、安全のためランフラットタイヤを使うようにとある。

交換後にやること

  • パンク警告の初期化: 車輪を交換したら、パンク警告(Flat Tire Monitor)の初期化か、タイヤ空気圧モニター(Tire Pressure Monitor)のリセットを行う。装備している方の手順を、取扱説明書の該当ページで確かめて進める
  • 空気圧: できるだけ早くタイヤの空気圧を確かめて調整する。指定値は車両の表示と取扱説明書で確かめる
  • バルブキャップ: キャップを付けて汚れを防ぐ。取扱説明書によると、バルブに入った汚れは空気が少しずつ抜ける原因になりやすい
  • 傷んだタイヤ: できるだけ早く交換し、新しい車輪とタイヤはバランスを取ってもらう
  • トルクの再確認: トルクレンチでの確認がまだなら、ここで済ませる

応急用タイヤを装備している場合

取扱説明書では、応急用タイヤ(コンパクトホイール)はオプション装備で、装備車では荷室の床板の下に収まっている。付けて走るときの注意は次のとおり。

  • 控えめに運転し、80km/h(50mph)を超えない
  • ブレーキ時の安定性が下がり、制動距離が延び、限界付近での操縦性も変わる
  • 応急用タイヤは1本だけ付けてよく、できるだけ早く元のサイズの車輪とタイヤに戻す

外した傷んだ車輪は荷室に積む。取扱説明書によると、大きさのため荷室の床下の収納には入らないので、荷物を積んでいるときは置き場所を空けておきたい。

よくある質問

スペアタイヤは積んでいる?

取扱説明書によると、パンクに備えたスペアタイヤは用意されていない。ランフラットタイヤが標準装備なので、空気が抜けてもすぐに交換しなくてよい。応急用タイヤはオプションのため、荷室の床板の下を一度開けて、積んでいるかを見ておくとよい。

ガレージジャッキはどこに当てる?

サイドシル下面のゴム製ジャッキパッドに当てる。米国の BMW 部品販売店も、ガレージジャッキやリフトのアームを当てる最も良い場所としている。X5 E70 も持っている人は、そちらのジャッキポイントを次の記事で確かめてほしい。

ジャッキパッドが無い・割れているときは?

その位置では上げずに、先にジャッキパッドを交換する。交換用の部品番号と、米国の部品販売店の適合表に載るグレードの範囲は、ジャッキポイントの位置と当て方の節に書いた。

ホイールボルトの締め付けトルクは?

BMW の取扱説明書(2008年版の X6)の値は 140N·m(101lb ft)だ。海外のデータベースでの年式ごとの値とボルトの仕様は、締め付けトルクの節の表にまとめた。

まとめ(作業前のチェックリスト)

  • 交換する車輪に最も近いジャッキパッドが付いていて、割れや欠けが無い
  • ジャッキの台座を真下の固い地面に置き、頭を角形の受け口に入れられる
  • 取扱説明書の締め付けトルク 140N·m を測れるトルクレンチがある
  • 外す車輪の前後左右の位置を記録する用意がある
  • 交換後に、空気圧の調整とパンク警告の初期化(またはタイヤ空気圧モニターのリセット)まで済ませる時間がある

同じ E71 の消耗品も、あわせて確かめておくと手入れの計画が立てやすい。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、車種ごとの記事と、車種を横断した早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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