M3 ツーリング(G81)にドライブレコーダー(ドラレコ)を後付けするとき、見落としやすいのはリアカメラの配線だ。BMW の発表資料(英国向け)では、M3 ツーリングはリアウインドウが単独で開くとされており、テールゲートの開閉だけを見て線を通すと、ガラスを開けたときに配線が挟まれたり引っ張られたりしかねない。決める順番は、フロントカメラの位置、電源の取り方、リアの配線の3つだ。
M3 G81 で先に決める3つのこと
- フロントカメラの位置:保安基準で決まった範囲に貼る。自動車情報サイト MOTA の解説では、ルームミラーの裏側か、ルームミラーと同じ高さが目安とされる。そのうえで運転支援のカメラの視野を避ける。国内発売時の報道によると、日本仕様の M3 ツーリングは3眼カメラとレーダーを使う運転支援システムを標準装備している。
- 電源の取り方:MOTA の解説では、シガーソケット・2芯・3芯の3通りがあり、方式で取り方が変わる。M3 G81 のヒューズや12V ソケットの情報は、車両側で確かめる必要がある。
- リアカメラの配線:BMW の発表資料(英国向け)でリアウインドウが単独で開くとされているので、開閉を前提に通す。
作業前に知っておく M3 ツーリングの装備
M3 ツーリング(M3 Competition M xDrive Touring)は、日本では2023年1月20日に発売された。右ハンドルの8速AT仕様で、納車は2023年1月下旬以降の予定とされた。ドラレコの取り付けに関わる装備は次のとおり。
- 運転支援のカメラ:国内発売時の報道によると、日本仕様は3眼カメラとレーダーを使う運転支援システムを標準装備する。報道にはカメラの取り付け位置は書かれていない。
- ルームミラーとフロントガラス:BMW の発表資料(英国向け、2022年6月)では、自動防げん式(まぶしさを自動で抑える型)のルームミラーを備え、フロントガラスには遮音ガラスが使われているとされる。
- リアウインドウとテールゲート:同じ資料では、ほかの BMW のツーリングと同じくリアウインドウが単独で開き、テールゲートの自動開閉も標準装備とされる。
ルームミラーとリアまわりの装備は英国向けの資料の記載なので、自分の車でどうなっているかは実車と取扱説明書で見ておきたい。
フロントカメラを付ける位置の決め方
保安基準で決まっている範囲
MOTA の解説は、保安基準の細目を定める告示の窓ガラスの規定を挙げ、ドラレコを付ける位置を、フロントガラス(保安基準では前面ガラス)のガラス開口部の実長の20%以内の範囲か、ルームミラーに隠れる範囲に収めるとしている。ルームミラーの裏側か、ルームミラーと同じ高さに付ければ、この範囲に収まるのが目安だ。
運転支援のカメラと検査標章を避ける
同じ解説は、よい位置を「ルームミラーの裏側周辺で、かつ衝突被害軽減ブレーキ用のカメラの視角に入らない場所」とし、検査標章(車検ステッカー)に重なると撮影の支障になること、自動ブレーキ用のカメラの働きを妨げるおそれがあることに注意を促している。
M3 ツーリングは3眼カメラを使う運転支援を標準装備しているので、運転支援のカメラの前や視野をふさがない位置かを、車両の取扱説明書か販売店で確かめてから貼る。
貼る前に仮当てで確かめる
両面テープで貼る前に本体を仮に当てて、次の3つを見てから位置を決める。
- 運転席から前方の視界をさえぎらないか
- ワイパーの拭く範囲に映像の範囲が入るか
- 配線をピラーまで無理なく引けるか
電源の取り方と駐車監視
MOTA の解説では、ドラレコの電源は大きく3通りとされる。
| 電源の方式 | 取り方(MOTA の解説) |
|---|---|
| シガーソケットタイプ | 車のシガーソケットに差せば動く |
| 2芯タイプ | ヒューズボックスのACC(アクセサリー電源)から取るのが一般的 |
| 3芯タイプ | 通常はACC電源で動き、エンジンを止めると駐車監視に切り替わってバッテリーの電源を使う。ヒューズボックスから取るのがよいとされる |
シガーソケットから取る
いちばん手軽なのはシガーソケットタイプだ。MOTA の解説は、普通はシガーソケットの裏側でソケットを増設して接続するとしている。ただ、商品によっては増設ソケットを使わないよう求めるものがあり、後で紹介する JADO G810sPLUS の商品説明がその例だ。増設するかどうかは、使うドラレコの説明書の指示を優先する。
ヒューズボックスから取る
2芯・3芯タイプはヒューズボックスから電源を取る。M3 G81 のヒューズボックスの位置、ヒューズの割り当て、12V ソケットの位置とエンジン停止後も電気が来るかどうかは、メーカーの資料で確かめられていない。 ヒューズから取るときは、車両の取扱説明書や販売店で割り当てを確かめてから行い、分からなければ販売店や用品店・整備工場に取り付けを任せる。
駐車監視に要る電源
駐車監視を使うには、エンジンを止めた後もドラレコに電気を送る配線が要る。使うドラレコがどの電源で駐車監視をするのか、専用の配線や別売品が要るかを購入前に説明書で確かめる。電圧や時間で止める機能など、バッテリー上がりを防ぐ設定があるかも見ておく。
配線をピラーに通す手順
配線の流れ
MOTA の解説にある一般的な流れは次のとおり。
- 内張り剥がしでピラーカバーを外す。
- ピラーの中に線を通す。
- ピラーの中にルームランプなどの既存の線があれば、結束バンド(インシュロック)でドラレコの線を一緒に固定する。
- 車種によってはドアの防水用ゴムを外す必要があり、引っ張るだけで外れるとされる。外したゴムは配線を収めた後に元どおり押し込む。
- 内張りを戻す前に、エンジンをかけてドラレコが起動し録画できるか、エンジンを止めたときに想定どおり止まる(または駐車監視に切り替わる)かを確かめ、それから内張りを元に戻す。
エアバッグへの配慮と任せる判断
ピラーの内張りの裏にエアバッグが収まっている車があるので、配線はエアバッグが開くのを邪魔しない通し方にする。M3 G81 のピラー内部の構造は確かめられていないので、内張りを外す作業に不安があれば販売店や用品店・整備工場に任せる。
リアカメラの配線はリアウインドウの開閉を前提にする
BMW の発表資料(英国向け)では、M3 ツーリングはリアウインドウが単独で開き、テールゲートも自動で開閉するとされている。リアカメラをリアウインドウ側に付けるときは、ガラスやテールゲートの開閉で配線が挟まれたり引っ張られたりしない取り回しとカメラの位置を、取り付け前に開け閉めしながら確かめる。テールゲートを開けて確かめるだけで終わらせず、リアウインドウだけを開けたときの線の動きも見ておく。不安があれば販売店や用品店に任せる。
BMW の車外カメラで録画する機能
2019年の報道によると、BMW は2019年11月、パーキング・アシスト・プラス用の前後左右の車外カメラをドライブレコーダーとして使う機能を、BMW コネクテッド・ドライブ・ストアで発売した。エアバッグが作動するような大きな衝撃を受けると最大で前後20秒・合計40秒、車両の周囲360度を自動で記録し、手動でも最大40秒記録できる。新たにカメラを買う必要はなく、車両の購入後に機能を追加できる。発売時の対象は3シリーズ(パーキング・アシスト・プラス装着車のみ)・7シリーズ・8シリーズ・X5・X7の5モデルだった。
発売時の対象に M3 ツーリングは入っておらず(国内発売は2023年)、M3 G81 でこの機能が使えるか、必要な装備や今の提供状況は確かめられていない。 使いたいなら、後付けのドラレコを買う前に販売店で確かめておくのが順番だ。
後付けドラレコを選ぶ観点
| 観点 | 見ておくこと |
|---|---|
| 取り付け方式 | フロントガラスに貼る型か、ルームミラーの位置に付けるミラー型か |
| 電源の方式 | シガーソケット・2芯・3芯のどれか |
| 駐車監視 | 要るかどうか。要るならエンジン停止中の電源の取り方 |
| リアカメラ | 有無と配線の長さ |
| メモリーカード | 記録用のカードが付くか |
ヒューズの割り当てを自分で確かめられないなら、シガーソケットタイプから考えるのが現実的だ。駐車監視が要るなら、電源の配線ごと販売店や用品店に任せる前提で選ぶと、取り付けで行き詰まりにくい。
ミラー型の JADO G810sPLUS を選ぶときの注意
JADO の G810sPLUS は、ミラー型(デジタルインナーミラー型)の前後カメラのドラレコだ。2つの出品とも商品名で、GPS・WDR/HDR・24時間駐車監視・タイムラプス・CarPlay と Android Auto への対応、防水、バックカメラのガイド編集をうたっている。
2つの出品の違い
商品名にメモリーカード無しと書かれた出品(ASIN B0HK7WXKGX)は、販売ページの商品説明でもメモリーカードが付属しないと書かれている。この出品を選ぶなら、記録用のメモリーカードを別に用意する。もう一方の出品(ASIN B0HK7MXW3M)にメモリーカードが付くかは確かめられていないので、販売ページで見ておく。価格は変動するので、2つの差は商品リンクの先で確かめてほしい。
JADO ミラー型ドライブレコーダー 前後カメラ G810sPLUS
JADO ミラー型ドライブレコーダー 前後カメラ G810sPLUS(メモリーカード別売の出品)
給電と映像の設定
JADO G810sPLUS の販売ページの商品説明(2つの出品とも)では、車の純正のシガーソケットを使い、増設ヒューズ電源ソケットや3連ソケットは使わないよう書かれている。給電が不安定になると電源が落ちて表示が不良になることがあるとしている。また、映像フォーマットを「PAL」に切り替えるよう書かれ、「NTSC」のままではリアカメラの画面が乱れるとしている。「AQUOSは対応していません」という記載もある。
M3 G81 に付けられるかの確かめ方
JADO G810sPLUS の M3 G81 への適合(純正のルームミラーへの取り付け方や寸法の合い方、リアカメラの配線の長さ)は確かめられていない。 購入前に販売ページと付属の説明書で確かめ、分からなければ出品者に問い合わせる。
JADO G810sPLUS は商品名で24時間駐車監視をうたうが、エンジンを止めた後の電源をどう取るのか(シガーソケットのままでよいか、別の配線が要るか)も確かめられていない。駐車監視を使いたいなら、付属の説明書か出品者に確かめる。
よくある質問
シガーソケットだけで付けられる?
MOTA の解説では、シガーソケットタイプならシガーソケットに差せば動く。駐車監視も使うなら、エンジンを止めた後もドラレコに電気を送る配線が要る。M3 G81 の12V ソケットにエンジン停止後も電気が来るかは確かめられていないので、専用の配線や別売品が要るかは、使うドラレコの説明書で確かめる(詳しくは電源の節)。
ヒューズから電源を取ってもいい?
2芯・3芯タイプはヒューズボックスから取るのが一般的だ。ただし M3 G81 のヒューズの割り当ては確かめられていないので、取扱説明書か販売店で確かめてから行い、分からなければ取り付けを任せる。
純正の録画機能はある?
BMW には車外カメラを録画に使う機能があるが、2019年の報道によると発売時の対象に M3 ツーリングは入っていなかった。M3 G81 で使えるかは確かめられていないので、販売店に聞くのが早い。
リアカメラは付けられる?
付けるなら、リアウインドウ(BMW の発表資料〈英国向け〉では単独で開く)とテールゲートの開閉で配線が挟まれない取り回しを、開け閉めしながら決める。不安があれば販売店や用品店に任せる。
まとめ
まずは取り付け方式(貼る型かミラー型か)と電源の方式で候補を1つに絞り、そのうえでドラレコ側の適合情報(販売ページと付属の説明書)と車両の取扱説明書で、M3 G81 に付くかを最終確認する。 作業で押さえるのは次の3つだ。
- 位置:保安基準の範囲(ルームミラーの裏側か同じ高さが目安)に収め、運転支援のカメラの視野を避ける。
- 電源:M3 G81 のヒューズの割り当ては、取扱説明書か販売店で確かめてから取る。
- リアの配線:リアウインドウが単独で開く(BMW の発表資料〈英国向け〉)ことを前提に、開け閉めして確かめる。
同じ M3 G81 のメンテナンス記事も参考にしてほしい。
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