6シリーズ グランツーリスモ(G32)に後からドライブレコーダーを付けるとき、手が止まりやすいのはフロントガラスのどこに本体を置くかと、電源をどこから取るかの2つだ。G32 はカメラを使う運転支援を標準で備え、後ろは一体式の電動テールゲートなので、付ける位置と配線の通し方はこの2つを避けて決めることになる。駐車監視まで使うなら、後付けの電装品と駐車中の電流の関係も先に知っておきたい。
G32 のドラレコ取り付けで先に決めること
- 位置:前面ガラスの上端から20%以内か、ルームミラーで隠れる範囲に付ける。そのうえで運転者の視界を妨げず、運転支援用のカメラの視角に入らない場所を選ぶ。
- 電源:シガーソケット式・ヒューズから ACC(アクセサリー)電源を取る2芯式・駐車監視に使う3芯式の3通りがある。
- シガーソケット:輸入車は停車後もソケットに電流が流れている場合がある。G32 がどうかは確かめた出典がないので、付けたら実車で確かめる(電源の節で詳しく書く)。
- リヤカメラ:リヤガラスがテールゲート側にあるので、配線はテールゲートの可動部をまたぐ。
配線に関わる G32 の車体のつくり
G32 は5ドアのリフトバックで、生産は2017年から2023年まで(2023年8月に生産終了・後継車なし)。2020年5月27日に、5シリーズの改良型と同時に改良型が発表された。日本では2017年10月23日に「640i xDrive グランツーリスモ M スポーツ」の販売が始まり、車体は全長5105mm・全幅1900mm・全高1540mmある。
| G32 のつくり | ドラレコの取り付けで気にすること |
|---|---|
| カメラを使う運転支援 | フロントカメラを運転支援用カメラの視角から外す |
| 一体式の電動テールゲート | リヤカメラの配線が可動部をまたぐ |
| フレームレスウインドウのドア | 配線をドアの開口部に通さない |
日本発売時の報道や試乗記事では、日本仕様の G32 は発売時から部分自動運転を可能とする運転支援「ドライビングアシストプラス」を標準装備し、レーンキープアシストなどの先進運転支援システムが標準になっている。BMW の英国向けの発表資料では、運転支援に標準のステレオカメラを使うとしている(英国仕様の資料)。
後部は一体式の電動テールゲートで、荷室の容量は610L、後席の背もたれを倒すと1800Lまで広がる。ドアは窓枠のないフレームレスウインドウだ。日本で試乗した記事では、リアエンドのアクティブスポイラーが110km/hを超えると自動で立ち上がるとしている。後ろまわりで動く部品はテールゲートだけではないと覚えておくと、リヤの配線を考えやすい。
フロントカメラを付ける位置
前面ガラスに付けてよい範囲
保安基準の窓ガラスの規定に基づく解説では、前面ガラスに付けるドライブレコーダーは、ガラス開口部の実長の20%以内の範囲か、ルームミラーで隠れる前面ガラスの範囲に付けることとされている。ガラスに直接付けるなら、上端から20%の範囲に収めるのが第一の条件で、加えて運転者の視界を妨げないことも条件だ。
運転支援用のカメラの前をふさがない
付ける位置の目安はルームミラーの裏側周辺で、かつ衝突被害軽減ブレーキ用のカメラの視角に入らない場所だ。カメラの視角にドライブレコーダーが入ると、その機能に支障をきたすおそれがある。G32 はカメラを使う運転支援を標準で備えるので、ミラー周辺に付けるときは運転支援用のカメラの前をふさがない位置を選ぶ。貼り付ける前に本体を仮当てし、車内からカメラの前に本体がかからないかを見てから決めるとよい。
電源の取り方3通りを比べる
| 方式 | つなぐ先 | 自分で付ける場合 |
|---|---|---|
| シガーソケット式 | シガーソケット | 配線の加工が少なく付けやすい |
| 2芯式 | ヒューズボックスの ACC 電源 | 回路の選び方と遮断設定が要る |
| 3芯式 | ACC 電源+常時電源 | 回路の選び方と遮断設定が要る |
シガーソケット以外から本格的に配線する場合も、ドラレコの電源はイグニッションオフでは通電がなく、アクセサリーポジション以上で通電するものである必要がある。
シガーソケット式
シガーソケットにつなぐ方法で、裏側でソケットを増設して接続するやり方もある。ただし輸入車や一部の国産車は、イグニッションをオフにしてもシガーライターソケットに電流が流れている場合があり、ドラレコをつないだままだとバッテリー上がりの可能性がある。G32 のソケットが停車後に通電を続けるかどうかは確かめた出典がないので、取り付けたら停車後にドラレコの電源が切れるかを実車で確かめる。
ヒューズから ACC 電源を取る2芯式
ヒューズボックスの ACC 電源から取るのが一般的だ。どのヒューズから取るかは車ごとに違うので、次の節の確かめ方に沿って選ぶ。
駐車監視に使う3芯式
通常は ACC 電源で動き、エンジン OFF を検知すると駐車監視モードに移って、その間はバッテリーの電源を使う。常時電源は、ハザードやホーン、ドアロックなどの常時電源から取り出すのが一般的な解説だ。
自分で付けるなら、まずシガーソケット式で前方だけを付けるのが手堅い。ヒューズボックスからの ACC 電源や常時電源の取り出し、駐車監視は、使う回路の選び方と保護のための遮断設定が要るので、取り付ける店に設定を合わせてもらう前提で考える。
駐車監視とバッテリー警告の扱い
後付けの電装品とバッテリー警告
ドラレコ販売店の BMW 向けの解説では、BMW の整備情報として、故障した制御ユニットに加えて後付けのアクセサリーも駐車中の過大な電流の原因になり得るとされている。バッテリーの警告が出たら、表示された内容と出た時期を記録し、気にしすぎと片づけない。バッテリーの監視の仕組みを回避することもしない。なお、回路は一時的に通電が続くことがあり、それは駐車中ずっと通電が続くこととは違う。
直結キットと別体バッテリー
車のバッテリーから駐車録画をするなら、対応するハードワイヤー(直結)キットを使い、必要な電源の信号・使う回路の容量・保護のための遮断設定を確かめる。保護の設定は、取り付ける人に組み合わせに合わせてもらう。車のバッテリーを使わず、駐車録画に別体のバッテリーを使う方法もある。
ヒューズ番号は車ごとに確かめる
ある車のヒューズ番号・配線経路・スリープまでの時間は、ほかの車に当てはまらないことがある。電源を取る場所は、その車自身のヒューズの割り当てで確かめる。G32 の具体的なヒューズ番号やヒューズボックスの位置は、車台番号に合った資料で確かめるか、ディーラーや BMW の施工に慣れた店に確かめる。
前方カメラの配線ルートと避ける場所
本体から出た線は天井の内張りの裏に入れ、内張り剥がしでピラーカバーを外して、ピラー内に線を通して足元側へ下ろす。通すときは次のことを守る。
- 配線を内装の裏で挟み込まない。コネクター・内装のクリップ・可動部・点検に要る余裕を見て通す。
- G32 はフレームレスウインドウのドアなので、配線をドアの開口部やドアガラスの合わせ目に通さず、天井やピラーの内装の裏に収める。
- エアバッグ・ブレーキ・ステアリング・エンジン制御・高電圧系の回路を、手軽なアクセサリー電源として使わない。配線をエアバッグの展開経路をまたいで通さない。
- ソケットの接続部は外れるおそれがあるので、エプトシーラーで巻いて固定する。
- 運転席まわりに出る余った配線は、まとめて整理しておく。
リヤカメラの配線と電動テールゲート
G32 は5ドアのリフトバックで、リヤガラスは一体式の電動テールゲート側にある。リヤカメラをリヤガラスに付ける場合、配線は車体側からテールゲートの可動部をまたいで通すことになる。開閉で引っ張られたり挟まれたりしないよう、可動部に余裕を持たせて通す。英国の BMW 販売店も、純正ドラレコの「テールゲート車の前後カメラ」を、前方カメラだけとは別の取り付けの区分として案内している。
前方のみなら、フロントガラスまわりと電源までの配線で済む。前後2カメラは、リヤカメラの配線を車内の後方からテールゲートまで延ばす分、内張りの脱着とテールゲートの可動部の処理が増える。自分で付けるのが初めてなら、前方のみを先に済ませ、リヤは店に任せる分け方も選べる。
荷室まわりの使い方は、次の記事にまとめている。
純正ドラレコと市販品・依頼先の選び方
BMW(ベトナム)の純正アクセサリーの案内では、純正ドライブレコーダー「Advanced Car Eye 3.0 PRO」は、前方の QHD(2560×1440)のフロントガラス用カメラと、フル HD(1920×1080)のリヤウインドウ用カメラの2カメラ構成で、駐車中も振動・動き・衝撃を検知して記録する。同じ案内では、ほぼすべての BMW モデルで使えるとし、正規のサービスセンターで扱っている。英国の BMW 販売店の案内では、純正ドラレコのリヤカメラはカブリオレには付けられないとしている。G32 はカブリオレではないが、それで付けられると決まるわけではない。
これらは海外の BMW と販売店の案内で、日本での取り扱いや日本仕様の G32 への適合は確かめられていない。純正を検討するなら、ディーラーに車台番号を伝えて、取り扱いと適合を確かめる。
市販品を使うなら、依頼先は配線の難しさで決める。シガーソケット式で前方のみなら自分で、ヒューズからの電源・駐車監視・前後2カメラのどれかを含むなら店に頼む、という分け方がわかりやすい。市販品の選び方の参考として、同じ BMW の G31 向けの記事もある。紹介している製品が G32 に合うかは、製品ごとに確かめてほしい。
取り付けの流れと取り付け後の確認
作業の流れ
- 本体を仮当てして、付けてよい範囲に収まり、視界を妨げず、運転支援用のカメラの視角に入らない位置を決める。
- 天井の内張りからピラー内を通して足元へ配線する。
- 電源(シガーソケット・ACC 電源・常時電源)につなぐ。
- 動作を確かめる。
- 本体と配線、接続部を固定する。
取り付け後に確かめること
エンジンをかけて録画が始まること、停車してから電源が切れること(駐車監視を使う場合は設定どおりに動くこと)を確かめる。車両にバッテリーの警告が出たら、内容と時期を控えて、取り付けた店かディーラーに相談する。
よくある質問
シガーソケットにつなぐだけでよい?
配線の加工が少なく、自分で付けやすいのはシガーソケット式だ。ただし G32 のソケットが停車後に通電を続けるかどうかは確かめた出典がないので、付けたら停車後にドラレコの電源が切れるかを実車で確かめる。
G32のヒューズ番号はどこで確かめる?
車台番号に合った資料で確かめるか、ディーラーや BMW の施工に慣れた店に聞く。ほかの車で紹介されている番号は当てはまらないことがある。
前後2カメラは付けられる?
リヤガラスに付ける場合は、配線が電動テールゲートの可動部をまたぐ。開閉で引っ張られない余裕の取り方はリヤカメラの節を見てほしい。使う製品が G32 に付くかは、その製品の案内で確かめる。
BMW純正のドラレコは付けられる?
海外の BMW の案内には純正の Advanced Car Eye 3.0 PRO があるが、日本での取り扱いや日本仕様の G32 への適合は確かめられていない。ディーラーに車台番号を伝えて確かめる。
まとめ
まず電源の取り方を3通りから1つに絞り、そのうえでドラレコのメーカーの案内と、車台番号に合った資料やディーラーで G32 側の電源の取り出し先を確かめる順に進める。
- 位置は前面ガラスの上端から20%以内かルームミラーで隠れる範囲で、運転者の視界を妨げず、運転支援用のカメラの視角に入らない場所。
- 駐車監視を使うなら、後付けのアクセサリーが駐車中の過大な電流の原因になり得る(ドラレコ販売店の BMW 向けの解説)ことを踏まえ、警告は記録して相談する。
- リヤカメラの配線はテールゲートの可動部に余裕を持たせる。
同じ G32 の手入れは、次の記事も参考にしてほしい。

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