BMW 6シリーズ グランツーリスモ(G32)でホイールを選ぶときは、まず自分の車が何インチで、前輪と後輪が同じサイズかどうかで見る値が変わる。海外のホイール適合データベース(Koleso)の G32 の前期・後期のページでは、PCD やハブ径は同じ値だが、リム幅とオフセットは 17・18インチなら前後同じ、19〜21インチは前後で違う組み合わせが載っている。どちら側かは、いま付いているホイールの前輪と後輪の表記を見れば分かる。
G32 のホイール取付規格(PCD・ハブ径・ねじ・締付トルク)
海外のホイール適合データベース(Koleso)の G32 前期(2017〜2020年)と後期(LCI・2020〜2023年)のページでは、取付規格は次の値で、前期・後期とも同じだ。海外のタイヤ販売店(Expressway)の車種別の適合のページでも同じ値が載っている。
| 項目 | 適合データベースの値 |
|---|---|
| PCD | 5×112(5穴・ボルト穴の円の直径 112mm) |
| ハブ径(センターボア) | 66.6mm |
| ねじ | M14×1.25 |
| 留め方 | ボルト留め(記載は Lug bolts) |
| 締付トルク | 140Nm |
社外ホイールを選ぶ出発点は PCD 5×112・ハブ径 66.6mm・ねじ M14×1.25 の 3 つになる。G32 はナットではなくボルトでホイールを留める形式で、ハブ側にスタッドボルトが立っていない。ホイールを掛けるときは、穴の位置を手で合わせながらボルトを通すことになる。
ただし、ここで挙げた値は第三者の適合データベースと販売店のページの値で、BMW の資料で確かめた値ではない。販売店(Expressway)のページは表の種類を Aftermarket としていて、純正サイズ(OE)としては示していない。購入前に車両の取扱説明書や BMW の販売店で確かめておくのが筋だ。
PCD とオフセット(ET)の読み方
PCD 5×112 の意味
PCD はボルト穴の中心を結んだ円の直径だ。「5×112」は穴が 5 つで、その円の直径が 112mm という意味になる。PCD が違うホイールは取り付けられない。PCD が同じでも、ハブ径・ねじの太さとピッチ・ボルトの座面の形が合わないと正しく付かないので、PCD だけで判断しないほうがいい。
オフセット(ET)の意味
オフセット(インセット、表記は ET)は、リム幅の中心線からハブに当たる取付面までの距離(mm)だ。プラスの値が大きいほどホイールは車体の内側へ入り、小さいほど外側へ出る。
ET とリム幅を変えたときの動き
リム幅が同じなら、ET を 1mm 小さくするとホイール全体が 1mm 外側へ、1mm 大きくすると 1mm 内側へ動く。 ET が同じままリム幅を 1 インチ(約 25.4mm)広げると、内側と外側にそれぞれ約 12.7mm ずつ張り出す。外側へ出せばフェンダーとの隙間が、内側へ入れればサスペンションやブレーキとの隙間が減る。社外ホイールを比べるときは、この計算でいまのホイールからどちらへ何 mm 動くかを出しておくと判断しやすい。
17〜21インチのリム幅とオフセット
海外のホイール適合データベース(Koleso)の G32 前期・後期のページに載っている、タイヤとリム幅・オフセットの組み合わせは次のとおりだ。右端の許容範囲は、後期(LCI・2020〜2023年)のページが各サイズに載せている値になる。
| インチ | 位置 | タイヤ | リム | ET | 後期のページの許容範囲 |
|---|---|---|---|---|---|
| 17 | 前後同じ | 225/60R17 | 7.5J×17 | ET27 | 25〜29mm |
| 18 | 前後同じ | 245/50R18 | 8J×18 | ET30 | 28〜32mm |
| 19 | 前 | 245/45R19 | 8.5J×19 | ET25 | 23〜27mm |
| 19 | 後 | 275/40R19 | 9.5J×19 | ET39 | 37〜41mm |
| 20 | 前 | 245/40R20 | 8.5J×20 | ET25 | 23〜27mm |
| 20 | 後 | 275/35R20 | 10J×20 | ET41 | 39〜43mm |
| 21 | 前 | 245/35R21 | 8.5J×21 | ET25 | 23〜27mm |
| 21 | 後 | 275/30R21 | 10J×21 | ET41 | 39〜43mm |
17・18インチ(前後同じ)
17インチはタイヤ 225/60R17 に 7.5J×17・ET27、18インチはタイヤ 245/50R18 に 8J×18・ET30 で、どちらも前後で同じ組み合わせだ。適合データベースの前期のページでは、17インチの行が OEM(純正)の表示の行になっている。前期のページで許容範囲が載っているのは、この 17インチの OEM の行(25〜29mm)だけだ。
19〜21インチ(前後で違う)
19インチには、前輪 245/45R19 に 8.5J×19・ET25、後輪 275/40R19 に 9.5J×19・ET39 という前後で違う組み合わせの行がある。後輪のほうがリム幅が 1 インチ広く、オフセットも大きい。 20インチ(前 8.5J×20・ET25/後 10J×20・ET41)と 21インチ(前 8.5J×21・ET25/後 10J×21・ET41)も前後で違う組み合わせだ。19インチ以上を選ぶなら、前用と後用で別々に値を確かめる必要がある。
前期と後期の違い
適合データベースでは、前期(2017〜2020年)と後期(LCI・2020〜2023年)で、PCD・ハブ径・ねじ・締付トルクと、17〜21インチのタイヤとリム幅・オフセットの組み合わせは同じ値だ。違いはグレードごとの行の並びにある。後期(LCI)のページでは 640i・640i xDrive・640d xDrive に 17インチの行が無く、18インチ(245/50R18・8J×18 ET30)が先頭の行で、640i と 640i xDrive はこの 18インチの行が OEM(純正)の表示になっている。前期のページでは 630i・640i xDrive とも 17〜21インチの行がある。
日本仕様の 630i グランツーリスモ M スポーツの例
国内の車種カタログ(ユーカーパック)では、6シリーズ 630i グランツーリスモ M スポーツ(型式 ABA-JX20S、G32系。2018年8月・2019年1月のページ)のタイヤサイズは、前 245/40R20・後 275/35R20 の前後異径になっている。
一方で、国内の車種カタログはホイールサイズ(リム幅・オフセット)を載せていない。このタイヤサイズは、海外の適合データベースでは前 8.5J×20 ET25・後 10J×20 ET41 の行に当たるが、日本仕様のリム幅とオフセットを国内の資料で確かめたものではない。630i グランツーリスモ M スポーツに乗っている人も、いま付いているホイールの表記で確かめてほしい。
社外ホイールを選ぶときの比べ方
PCD 5×112・ハブ径・ねじ M14×1.25 が合うことを前提に、残りの比べ方は次の 3 つだ。
ET は許容範囲を目安に比べる
社外ホイールは、まず同じリム幅で適合データベースが載せる ET と比べる。適合データベース(Koleso)の後期のページが載せる許容範囲(例:前輪 8.5J×19 は ET23〜27、後輪 9.5J×19 は ET37〜41)を 1 つの目安にするといい。外れるときは、先に挙げた計算で外側・内側のどちらへ何 mm 動くかを出し、フェンダーやブレーキとの隙間を確かめる。許容範囲は適合データベースの目安で、範囲の内外で装着できるかどうかが決まるわけではない。
前後異径の注意
19〜21インチの前後異径の組み合わせは、前後でリム幅・オフセット・タイヤ幅が違うので、前後を入れ替えるローテーションはできない。ホイールを買うときも前用と後用を分けて選ぶ。 スタッドレス用に別のホイールを用意する場合も同じだ。
ハブリングとボルト
社外ホイールの中心穴がハブ径より大きいときは、ハブリングで隙間を埋めて芯を合わせる方法がある。中心穴がハブ径より小さいホイールは付かない。
ボルトは、座面の形(テーパーや球面など)と首下の長さがホイールごとに決まっていることがある。純正のボルトをそのまま使えるかは、ホイールの説明書や販売店の指定で確かめる。
買う前に自分の車で確かめること
カタログや適合データベースの値より、目の前の車の表記が確かだ。次の順で控えておくと比べやすい。
- いま付いているホイールのサイズ表記(リム幅・オフセット)を、前輪と後輪で別々に控える
- タイヤ側面のサイズも前輪と後輪で別々に控える。前後で違えば前後異径
- 買うホイールの PCD・中心穴・ET・指定ボルトを、控えた値と並べて比べる
締付トルク 140Nm も第三者の適合データベースの値なので、実際に締めるときは車両の取扱説明書か BMW の販売店で値を確かめ、トルクレンチで締める。
ボルト留めの G32 で使うガイドボルト
G32 はボルト留めなので、重いホイールを掛けながら穴の位置を合わせる作業になる。ここで役に立つのがガイドボルトだ。先にハブへねじ込んでおけば、ホイールの穴を通して位置を決められる。
次の 2 つは、どちらも商品名にねじ M14×1.25 と「BMW 6シリーズグランツーリスモ G32対応」とある。M14×1.25 は、適合データベースが示す G32 のねじと同じだ。
RIDE ホイールガイドボルト
RIDE のホイールガイドボルト(セッティングボルト)は、商品名では M14×1.25・2本・シルバー・輸入車のタイヤ交換向けで、BMW 6シリーズグランツーリスモ G32対応とある。販売ページの商品説明では、ホイールの位置合わせのときのタイヤの落下などを防ぐための物で、説明書は付かない。
RIDE の販売ページの商品説明(出品者の記載)には、記載のメーカーや車種でも適合サイズが違う場合があるので、購入前に現車のハブボルトのサイズを確かめるよう書かれている。
RIDE ホイールガイドボルト M14×1.25 2本(G32対応と記載)
INEX ホイールガイドボルト
INEX のホイールガイドボルトは、商品名では M14×1.25・2本・シルバー・輸入車のタイヤ交換向けのセッティングボルトで、BMW 6シリーズグランツーリスモ G32対応とある。販売ページの商品説明では、ホイールの位置合わせのときのタイヤの落下などを防ぐための物で、説明書は付かない。
INEX の販売ページの商品説明(出品者の記載)にも、記載のメーカーや車種でも適合サイズが違う場合があるので、購入前に現車のハブボルトのサイズを確かめるよう書かれている。
INEX ホイールガイドボルト M14×1.25 2本(G32対応と記載)
2 つとも商品名にあるねじ(M14×1.25)・本数(2本)・色(シルバー)は同じなので、どちらを選ぶかはリンク先の価格や届く日で決めればいい。価格は変わるので、商品リンクの先で確かめてほしい。なお、同じ M14 でもねじのピッチが違う品があるので、太さだけでなくピッチまで車に合わせて選ぶ。
ガイドボルトの使い方
- ハブのボルト穴にガイドボルトを手でねじ込む
- ホイールの穴をガイドボルトに通し、ハブに当てる
- 空いている穴にホイールボルトを手で仮留めする
- ガイドボルトを抜き、残りのホイールボルトを入れる
- 最後に対角の順で、トルクレンチを使って規定トルクで締める
よくある質問
G32 の PCD とハブ径は?
海外のホイール適合データベース(Koleso)の G32 前期・後期のページでは、PCD 5×112・ハブ径 66.6mm・ねじ M14×1.25 だ。BMW の資料で確かめた値ではないので、購入前に取扱説明書や BMW の販売店で確かめたい。
前期と後期(LCI)でホイールの規格は変わる?
適合データベースでは、前期(2017〜2020年)と後期(LCI・2020〜2023年)で、PCD・ハブ径・ねじ・締付トルクと 17〜21インチの組み合わせは同じ値だ。ただし後期のページでは 640i・640i xDrive・640d xDrive に 17インチの行が無い。
純正より ET が小さいホイールを付けるとどうなる?
リム幅が同じなら、ET が 1mm 小さいぶんホイールが 1mm 外側へ出て、フェンダーとの隙間が減る。当たるかどうかは車ごとに確かめるしかない。
社外ホイールにハブリングは要る?
ホイールの中心穴がハブ径より大きいときは、ハブリングで芯を合わせる方法がある。中心穴がハブ径より小さいホイールは付かない。
ホイールボルトの締付トルクは?
海外の適合データベース(Koleso)と海外のタイヤ販売店(Expressway)のページの値は 140Nm だ。締める前に取扱説明書か BMW の販売店で値を確かめ、トルクレンチで締める。
まとめ
ホイールを選ぶ前に、まず取付規格を押さえておく。海外の適合データベース(Koleso)の G32 前期(2017〜2020年)・後期(LCI・2020〜2023年)のページでは、取付規格は PCD 5×112・ハブ径 66.6mm・ねじ M14×1.25 で前期・後期とも同じ値だ。
19インチには前輪 8.5J×19・ET25、後輪 9.5J×19・ET39 の前後で違う組み合わせの行があり、20・21インチも前後で違う。買う前には、いま付いているホイールとタイヤの表記を前輪と後輪で別々に控え、買うホイールの PCD・中心穴・ET・指定ボルトと並べて比べる。
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