ハリアー AXUH80 にタイヤチェーンを1組積んでおけるかどうかは、グレード名ではなくいま履いているタイヤのサイズで分かれる。トヨタの取扱書(HARRIER ハイブリッド 取扱書)は標準タイヤを3サイズ載せていて、そのうち 225/55R19 についてはチェーンを取り付けないよう指示しているためだ。通販の商品ページは車種単位で「80系対応」と書かれているだけなので、車種名だけで選ぶと着けられない組み合わせが手元に届く。
タイヤサイズで装着の可否が分かれる
AXUH80 は前輪駆動で、チェーンは駆動輪である前2輪に1組(2本)取り付ける。トヨタの取扱書の車両仕様表は AXUH80 を駆動方式 FF(前輪駆動)、AXUH85 を 4WD(4輪駆動)として区別しており、トヨタのよくあるご質問にある駆動輪一覧表もハリアーの装着位置を前輪としている。
ただし着けてよいかどうかはそこでは決まらない。取扱書に載る標準タイヤ3サイズのうち、225/55R19 は「周辺部品と十分なすき間が確保できないため、タイヤチェーンを取り付けないでください」と指示されている。
| 標準タイヤ | ホイール | チェーンの装着 |
|---|---|---|
| 225/65R17 102H | 17×7J | 取扱書の手順の対象 |
| 225/60R18 100H | 18×7J | 取扱書の手順の対象 |
| 225/55R19 99V | 19×7J | 取り付けないよう指示 |
買う前に見るのはグレード名ではなく、タイヤ側面の刻印だ。
自分のハリアーのタイヤサイズを確かめる
車検証の型式欄が AXUH80 だと分かっても、そこからタイヤサイズは決まらない。型式が示すのはハイブリッドの2WDであることまでで、17・18・19インチのどれが付いているかはグレードと装着オプションで変わる。
確実なのはタイヤ側面の刻印を読む方法だ。「225/55R19 99V」のように、幅・扁平率・構造・ホイール径・ロードインデックス・速度記号の順で並んでいる。この刻印が上の表のどの行と一致するかを見れば、チェーンを装着してよい車かが確定する。ちなみに空気圧はタイヤが冷えているとき3サイズとも前輪230kPa・後輪230kPa、ホイールナットの締め付けトルクは標準タイヤ103N・mで、応急用タイヤだけ T165/80D17 104M(17×4T)の420kPaと別値になっている。
トヨタが公開している2026年8月版の主要諸元表・装備一覧では、ハイブリッド車の足まわりは 225/55R19 タイヤ+19×7Jアルミホイール(Z“Leather Package”/Z)と、225/60R18 タイヤ+18×7Jアルミホイール(G)の2設定。225/65R17 は取扱書の標準タイヤ表には残っているが、この年式の諸元表には設定の記載がない。Z系のグレードは19インチの可能性が高いと見当はつくものの、ホイールを替えている個体もあるので刻印で確かめたい。
225/55R19 装着車が取れる道
19インチが対象外になる理由は周辺部品とのすき間にある。取扱書はチェーンを扱う節の知識欄・警告欄・注意欄すべての見出しに「(225/55R19タイヤ装着車を除く)」というただし書きを付けており、19インチ装着車はチェーンに関する記載の対象外として扱われている。取扱書はチェーンの種類を区別していないので、この記載の上では布製・非金属・金属のどれであっても 225/55R19 装着車は装着の対象にならない。19インチは主要諸元表で Z と Z“Leather Package”の足まわりに設定されているサイズだ。
一方でチェーン規制が出れば、チェーンを着けていない車はその区間を通れない。19インチのまま通す手立ては用意されていないので、規制区間を通る前提で備えるなら、まず取扱書がチェーン装着を認めるサイズのタイヤ・ホイールへ履き替え、そのサイズに合うチェーンを用意するという順序になる。冬用タイヤへ交換するときに18インチ以下のホイールセットを組めば、その段階でチェーンのサイズも決まる。履き替えないのであれば、規制の出る区間は通らない前提で経路を組むことになる。
なお取扱書の注意欄はトヨタ純正タイヤチェーンの使用をすすめており、純正品以外のチェーンには使用すると車体にあたって走行のさまたげになるおそれがあるものもあるとして、詳しくは販売店に相談するよう案内している。社外品を選ぶなら、車体側のすき間は自分で見ることになる。
チェーンの種類と、規制で通れる範囲
国土交通省がチェーン規制について公開している解説は、タイヤチェーンを3種類に整理している。金属チェーンタイプ(金属製のチェーンやワイヤーの製品)、ウレタン&ゴムチェーンタイプ(ゴムなどの樹脂製の製品)、布製カバータイプ(アラミドなどの特殊繊維製の製品)。布製カバーもタイヤチェーンの一種として挙げられている。
規制中に通れるものについては、自動車用品店などで販売されているものであれば問題ないとしたうえで、スプレーのように薬剤を吹き付けるタイプでは規制中に通れないと明記している。すべてのタイヤに必要かという問いには、駆動輪に着けることが基本と答えている。
同じ解説は参考として道路運送車両の保安基準(走行装置等)第9条第4項を引いている。条文は「タイヤ・チェーン等は走行装置に確実に取り付けることができ、かつ、安全な運行を確保することができるものでなければならない」。取り付けが成立することそのものが要件に入っているところが、車体側のすき間を確かめる根拠にもなる。
AXUH80 で見るべき基準
タイヤサイズとタイヤハウスのすき間
非金属タイヤチェーンを認定している日本自動車交通安全用品協会(JASAA)は、購入時の注意として6点を挙げている。使用車のタイヤサイズの確認、タイヤハウスのクリアランスの確認(販売店または現車で確認する)、装着が不可能な車種があるので販売店またはメーカーに確認する、スパイクタイヤには使えない、指定サイズ以外のタイヤ・ホイールを着けた場合やローダウンした場合はクリアランスを十分に確認する、乗用車用はトラックに使えない。サイズが合っていてもタイヤハウス側のすき間が足りなければ使えないという順序で見ることになる。インチアップや車高を下げている個体はとくにここが効く。
トヨタのよくあるご質問の駆動輪一覧表にも、駆動輪の記載があってもグレードや装着オプションによりタイヤチェーンが装着できないこと、購入前に必ず取扱書から装着可否を確認することというただし書きが付いている。タイヤとボディの間隔が狭い車は装着できないという記載もある。車種名で「前輪」と分かることと、自分の個体に着けられることは別の判断だ。
JASAA 認定の有無
JASAA の認定品は、同協会規格 JASA432(非金属製タイヤチェーン)に基づいて製造された製品を、タイヤ滑り止め装置認定委員会の委員立会いのもとで各種の実車走行試験にかけ、性能を確認したもの。認定委員会は北海道大学を委員長に、科学警察研究所・警察庁交通局・高速道路総合技術研究所・日本自動車連盟などで構成されている。買う側にとって重要なのは見分け方で、認定マークは収納ケースの外側に「JASA432規格品」、認定票はチェーン本体に「乗用車関連用:JASA、00-000」(00-000 が認定番号)の形で表示される。
JASAA は認定品の長所として、道路の破損が少ない、高速道路の本線やインターチェンジの坂道をすべてクリア、着脱が容易、アイスバーンに強い、600km以上の耐久性、関越トンネルを装着したまま走行できる(係員の指示に従うことが前提)ことを挙げている。
着脱のしやすさと収納
チェーンは1ペア(2本)で足りる。JASAA も、スタッドレスタイヤがホイールを含め4本必要なのに対しチェーンは1ペアでコンパクトなこと、冬のあいだトランクに積んでおけること、シーズンオフの保管に場所を取らないことを利便性として挙げている。年に数回しか使わないなら、雪の降る現場で手が動くかどうかが最後の決め手になる。ジャッキアップの要否、手袋や収納袋が付くかどうかは製品で差がある。
車種名で流通している3製品を比べる
通販で AXUH80 対応として流通しているものから、タイプの違う3つを並べる。ただしどの商品ページも適合は「ハリアー80系 AXUH80/AXUH85/MXUA80/MXUA85/AXUP85型 4代目 2020年6月〜現行」のように車種と型式の単位で書かれていて、タイヤサイズ別の可否には触れていない。取扱書が 225/55R19 について取り付けないよう指示している以上、判断の順序は商品ページの適合表記ではなく取扱書の記載が先だ。
| 製品 | タイプ | 付属するもの | Amazon実売価格(確認時点) |
|---|---|---|---|
| RAIDOU 布チェーン | 布製カバー | タイヤカバー2枚・ロング手袋 | 5,980円 |
| YYZAX 非金属スノーチェーン | 軟質ゴム・ストラップ固定 | 本体のみ | 3,499円 |
| YWOUOU 非金属タイヤチェーン | TPU製 | 工具2個・手袋・収納パック・シャベル・フック | 12,999円 |
価格は変動するので、金額と在庫は各商品ページで確かめてほしい。
RAIDOU 布チェーン(スノーソックス)
国土交通省の分類でいう布製カバータイプ。商品ページの記載によると、セット内容はタイヤカバー2枚と、装着時の衣類の汚れを防ぐ腕まであるロングサイズのビニール手袋(左右)。専用の保存袋は付属しないので、保管袋は別に用意する。カラーはブラックとレッド、サイズは XS・S・M・L・XL・XXL から選ぶ方式なので、購入時に自分のタイヤサイズに対応する記号を確認する工程が必ず入る。並行輸入品として販売されている。
RAIDOU 布チェーン(スノーソックス)ハリアー AXUH80 用 タイヤカバー2枚・手袋付き
YYZAX 非金属スノーチェーン
軟質ゴム製で、ストラップでタイヤに巻いて固定するタイプ。商品ページは凍結路脱出用と位置づけ、伸縮性のある本体とストラップ固定で数分で装着でき、ジャッキアップは不要としている。商品名の「10つ」はセット本数の表記で、幅広の防滑パーツを配置してトラクションを確保する構造。金属製と違ってタイヤを傷つけにくく、走行音が小さいという説明になっている。3つのなかでは最も安い。
YYZAX 非金属スノーチェーン 軟質ゴム製 ストラップ固定式 ハリアー80系対応
YWOUOU 非金属タイヤチェーン
TPU(熱可塑性ポリウレタン)素材で、商品ページは耐摩耗性・耐低温・抗張力を挙げ、金属製では難しい低騒音・低振動をうたっている。パッケージにはチェーン本体、インストールツール2個、取り付け用手袋1組、収納パック1個、スノーシャベル1本、取り付けフックが入る。装着に使う道具と収納袋、雪かき用のシャベルまで最初からそろうので、買い足しの手間は少ない。3つのなかでは最も高い。
YWOUOU 非金属タイヤチェーン TPU製 取り付けツール・収納バッグ付き ハリアー80系対応
装着と走行のやり方
取扱書が挙げる取り付け手順は4点。安全に作業できる場所で行う、前2輪に取り付ける、チェーンに付属の取り扱い説明書に従う、取り付け後 0.5〜1.0km 走行したら締め直しを行う。締め直しが手順に入っているので、着けてそのまま長距離を走る道具ではない。
走行中の条件も決まっている。装着したチェーンに定められた制限速度と 30km/h のどちらか低いほうをこえて走らない。製品側の制限速度が 30km/h より高くても、低いほうが適用される。あわせて警告欄は、路面の凹凸や穴を避ける、急加速・急ハンドル・急ブレーキやシフト操作による急激なエンジンブレーキの使用は避ける、カーブの入り口手前で十分に減速して車のコントロールを失うのを防ぐ、LTA(レーントレーシングアシスト)を使用しない、の4点を挙げている。運転支援を切る操作が装着時の手順に含まれているところは見落とされやすい。
雪が降ってから初めて開封するのではなく、乾いた路面で一度着けてみて手順を通しておきたい。
チェーン規制はどんなときに出るか
国土交通省によると、チェーン規制は大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときに実施される。場所は急な上り下りがある峠などで、過去に雪による立ち往生や通行止めが起こった区間のうち、チェーンを着脱できる場所や待機できる場所がある区間。規制時には規制区間の手前でタイヤチェーン装着状況の確認が行われる。
効いてくるのは対象の広さで、スタッドレスタイヤを着けていてもチェーンをしていない車は規制中に通れない。4WD車両も、下り坂で急ブレーキをかけたときの制動距離が長いことを理由に同じく対象になる。冬用タイヤさえ履いていれば足りるという想定でいると、規制の出た日に足止めされる。
取扱書も冬用タイヤについて、指定サイズを使う、空気圧を推奨値に調整する、装着する冬用タイヤの最高許容速度や制限速度をこえる速度で走行しない、必ず4輪とも装着する、の4点を警告として挙げている。冬用タイヤは4輪、チェーンは前2輪という本数の違いはここから来ている。
よくある質問
19インチのZグレードでも布製なら装着できますか
取扱書は 225/55R19 について、チェーンの種類を区別せずに取り付けないよう指示している。布製カバーを例外とする記載は取扱書にない。商品ページに80系対応とあっても、この指示のほうが先に立つ。
前後どちらの車輪に何本着ければよいですか
AXUH80 は前輪駆動なので前2輪、つまり1組(2本)だ。取扱書も冬を迎える前の準備として、冬用タイヤは4輪、タイヤチェーンは前2輪と本数を書き分けている。
スタッドレスを履いていればチェーンは不要ですか
通常の雪道はスタッドレスで走れるが、チェーン規制の出た区間はそれだけでは通れない。年に数回でも規制の対象になる峠を越える経路があるなら、1組は積んでおきたい。
オフシーズンの保管で気をつけることはありますか
1ペアなので保管場所そのものは取らない。ただし収納袋が付属しない製品もあるため、袋の有無は買う時点で確かめておく。冬のあいだ荷室に積みっぱなしにするなら、他の積載物との取り合いも見ておきたい。
まとめ:買う前に確かめる順序
順番は4つ。タイヤ側面の刻印で自分のタイヤサイズを読む、取扱書の標準タイヤ表と照らして装着してよい車かを判定する、規制で通用するタイプのなかからタイヤハウスのすき間と着脱のしやすさで絞る、雪が降る前に一度着けてみる。ここまでやれば当日に迷わない。
225/55R19 を履いているなら、チェーンを選ぶ前に冬用ホイールセットのサイズを決めるところからになる。18インチ以下で組めば、そのサイズに合うチェーンをそのまま選べる。
17インチ・18インチで、まず1組そろえておきたいなら布製カバータイプが手を出しやすい。携行時にかさばらず、装着の手数も少ない。
RAIDOU 布チェーン(スノーソックス)ハリアー AXUH80 用 タイヤカバー2枚・手袋付き
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