2020年6月に登場した80系ハリアーは、灯火まわりを触ろうとした時点で前の世代と勝手が違う。通販サイトで型番を探しても出てくるのは60系向けの値ばかりで、AXUH80の欄がどこにも見当たらない。これは探し方の問題ではなく、この世代には従来型の電球が付く箇所が1つも無いからだ。手を入れられるのは、バルブ交換式の純正LEDが使われている2か所に限られる。
AXUH80で手を入れられるのは2か所だけ
先に答えを出す。T16・T20・HB3のような従来型の電球が付く箇所は、AXUH80には1つも無い。灯火の適合表で交換の対象になっているのは次の2か所だけだ。
- バックランプ … 規格はLW5B、個数は2個
- フォグランプ … 規格はL1B(フォグランプが付いている車のみ)
このうちバックランプは、同じ規格でも台座の爪の形が違うタイプが併存している。買う前にタイプの確認が要る、という一点だけ先に頭へ入れておいてほしい。交換作業そのものの流れは別記事にまとめてある。
AXUH80はハイブリッドの2WD車を指す
まず自分の車が当てはまるかを確かめたい。車検証の型式欄がAXUH80なら、2020年6月のフルモデルチェンジで登場した4代目のハイブリッド2WD車にあたる。カタログ上の型式は6AA-AXUH80、駆動方式はFF、エンジンはA25A-FXSの直列4気筒にモーターを組み合わせる。
同世代の型式は、AXUH85がハイブリッドのE-Four、MXUA80がガソリンの2WD、MXUA85がガソリンの4WDで、末尾の80が2WD・85が4WDの区別だ。グレードはS・G・Zの3構成で、GとZにはレザーパッケージが設定されている。灯火の適合表もバルブメーカーの適合案内も80系の型式をまとめて扱っているため、以下の内容は同世代のガソリン車や4WDともおおむね共通する範囲だが、駆動方式やグレードごとの差までは分解されていない。
型番が見つからない理由は3つある
取扱説明書からバルブ番号表が消えた
トヨタの取扱説明書は、80系では「外装のランプの交換」の章で、ランプが点灯しないときは販売店で交換するよう案内している。「すべてのランプは、数個のLEDで構成されています」という記載も添えられ、60系まで載っていた部位別のバルブ番号とワット数の一覧表そのものが無くなった。この置き換えは2020年6月〜2021年11月版と2022年9月〜2023年9月版の両方で同じで、前期・後期を通じて変わっていない。
適合表の14項目が全部LED
灯火の適合表を見ると、80系(R2.6〜・LED仕様車)の14項目はすべて光源がLEDと記載されている。従来の電球型番は1項目も現れない。
電球メーカーの適合表に80系の区分が無い
純正球メーカー系の車種別電球適合表では、確認した時点でハリアーの掲載が60系までで止まっており、80系の区分そのものが載っていない。適合する電球が無いのだから、電球側の適合表に行が立たない。ただしこれは確認時点の掲載状況で、今後の追加を否定するものではない。
出所の違う3つが同じ結論を指している。60系までは部位ごとに型番が決まっていたので、前の世代の感覚を確かめたいなら次を見てほしい。
バックランプのLW5Bはタイプの確認が要る
適合表では、バックランプはバルブ交換式の純正LEDで規格がLW5B、個数は2個。バルブメーカー側の適合案内も対象を「ハリアー 80系 R2.6〜 MXUA8# AXUH8#」としており、ガソリンとハイブリッド、2WDと4WDをまとめて含んでいる。AXUH80もこの範囲に入る。
問題はここからだ。バルブメーカーの商品ページは純正LEDバックランプを2種類に分け、台座の爪の形でタイプA(LW5B・LW5A)とタイプB(LW6B)としている。購入時にはどちらかを選ぶことになるが、今回の調査では80系ハリアーがどちらに当たるかを言い切れる記載を確認できなかった。だから買う前に、販売元の適合表で該当タイプを見るか、実車の純正バルブを抜いてソケットの形を目で確かめる。どちらか一方は必ずやっておきたい。
作業自体は同じ規格のバルブへの差し替えだが、同じ商品ページには、作業スペースが狭い場合はリアバンパーを外しての作業になる場合もあると書かれている。手が入らない車なら店に任せた方が早い。
フォグのL1Bは「Lで始まる」新しい規格
フォグランプの規格はL1B。ただしこれはフォグランプを装着している車だけの話で、付いていない車には関係が無い。
L1Bが何なのかを押さえておくと迷いが減る。バルブメーカーの解説によれば、従来の純正LEDの多くはレンズユニットとLEDチップが一体で、ユニットと切り離せないためハロゲン球のようなバルブ交換ができなかった。これに対し、ユニットから着脱できる設計の純正LEDが登場し、国際規格の名称として決まったのがL1Bだ。型番の頭文字はハロゲンがH、HIDがD、バルブ交換式のLEDがLという規則になっている。Hで始まる型番を探して見つからなかったのは、そもそも系統が違ったからだ。
作業はバンパー下のカバーを外し、特殊ネジの脱着と固定ステーの取り外しを伴う。バルブメーカーの解説では所要時間の目安が1時間半、難易度は5段階中2とされ、バンパーを外した方が作業しやすいとも案内されている。年式・グレード・仕様で取付方法が変わる場合や、バルブアダプターやキャンセラーが別に要る場合があることも注意書きに明記されている。高電圧を扱うので、バッテリーのマイナスターミナルを外し、ライトのスイッチをOFFにしてから始める。
残りの部位は販売店の領分になる
適合表の記載を並べると次のとおり。
| 部位 | 光源 | 交換用の設定 |
|---|---|---|
| ヘッドライト ロー/ハイ | LED | なし |
| ポジション(車幅灯) | LED | なし |
| フロント/サイド/リアウインカー | LED | なし |
| テール・ストップ(兼用) | LED | なし |
| ライセンス(ナンバー灯) | LED | なし |
| ハイマウントストップ | LED | なし |
| ルームランプ フロント/ミドル/リア | LED | なし |
| フォグランプ | 純正LED | L1B |
| バックランプ | 純正LED | LW5B・2個 |
ヘッドライトはグレードで中身が分かれ、Sはオートマチックハイビーム、GとZはアダプティブハイビームシステムとプロジェクター式LEDヘッドランプを標準装備すると案内されている。ただし適合表ではローもハイも光源がLEDで交換用の設定は無く、グレードの違いはバルブを替えられるかどうかの差にはならない。
室内側も同じ扱いだ。取扱説明書の室内灯一覧に並ぶランプはLED構成とされ、1つでも点灯しなければ販売店で交換するよう案内されている。なお確認した一覧はガソリン車版のもので、装備は年式・グレード・オプションでも変わる。
もう1つ。レンズ内側の一時的な曇りは機能上の問題ではないと取扱説明書は書いている。一方で大粒の水滴が付いている場合やランプの中に水が溜まっている場合は、販売店に相談する対象だ。曇りを故障と思って分解しに行かない。
交換する2か所を車検で外さない条件
バックランプについては、バルブメーカーの研究員による解説が条件を整理している。色は白色。個数は1灯または2灯で3灯は不可、2灯なら左右対称。明るさはかつてカンデラで上限が定められていたが、法改正で数値の上限は無くなり、他の交通の妨げにならないことという条件に変わった。取付位置は上フチが1200ミリ以下、下フチが250ミリ以上と決まっている。色温度に具体的な上限のケルビン数は無いものの、7000ケルビンを超えない程度が目安とされている。
条件を満たしていれば必ず通る、という話ではない。合否は検査で決まる。フォグ側は製品にホワイトとイエローの選択があるが、色と車検の関係については、確認した解説ページに明示的な記載が無かった。
AXUH80で起きやすい買い間違い
60系の型番をそのまま持ち込む
60系(ASU/AVU/ZSU6#系)の適合表には、リアウインカーのT20ピンチ部違いとバックランプのT16という電球の記載がある。車名で型番を検索するとこうした情報が上位に出てくるが、80系には1つも当たらない。
バックランプのタイプを確認せずに買う
爪の形が合わなければ、規格名が同じでも差し込めない。台座の形はカタログの型番だけでは判断できない。
フォグが付いていない車がL1Bを買う
L1Bは装着車だけの話だ。自分の車にフォグの灯体があるかを先に確かめる。
商品名の「ハリアー対応」だけで判断する
適合表には「本表はメーカー純正装着車のみの情報です」という注記が付いている。ヘッドライトやテールランプを社外品のユニットに交換している車は、表の前提から外れる。
荷室灯については、取扱説明書の室内灯一覧に項目名が現れず、光源の種別も口金の形状も確定できなかった。社外品には室内向けに純正交換をうたう商品が流通しているが、確認できた出典が無いのでここでは型番を書かない。
よくある質問
型番が見つからないのは探し方の問題か
違う。取扱説明書からバルブ番号表が消え、適合表の14項目が全部LEDで、電球メーカーの適合表にも80系の区分が無い。3つとも同じ結論を指しているので、検索の工夫で解決する話ではない。
ヘッドライトを明るくしたい場合はどうするか
球の差し替えでは解決しない。適合表でローもハイも交換用の設定が無く、取扱説明書も点灯しないときは販売店で交換すると案内している。明るさや色を変えたいなら、球ではなくユニット単位の話になるか、販売店に相談する経路になる。
バックランプのタイプはどう見分けるか
販売元の適合表で自分の車の該当タイプを確認するのが先。それで分からなければ、実車の純正バルブを抜いて台座の爪の形を見る。今回の調査では80系がどちらに当たるかを断定できる記載が無かったので、この2手は省けない。
フォグが付いているかを確かめるには
バンパー下の左右にフォグランプの灯体があるかを見る。無ければ、L1Bのバルブを買っても取り付ける場所が無い。
室内や荷室の球は自分で替えられるか
室内灯一覧のランプはLED構成とされ、点灯しないときは販売店で交換するよう案内されている。荷室灯は光源も口金も確定できなかったので、触るなら実車のソケットを自分の目で確かめるか、販売店に聞く。
まとめ:AXUH80で取る順序
やることを順番に並べる。1つ、車検証で型式と初度登録年月を確認する。2つ、従来型の電球は無いと割り切る。3つ、触るならバックランプ(LW5B・2個)とフォグ装着車のフォグ(L1B)の2か所に絞る。4つ、バックランプはタイプを、フォグは装着の有無を購入前に確認する。5つ、それ以外の部位は販売店の領分と考える。
適合表や商品ページの記載よりも、実車の現物が正だ。迷ったら手元の車のソケットを見るのが一番早い。

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