車検の見積書でバックランプの球切れを指摘されたり、夜道でハイビームだけ点かないことに気づいたりしたとき、知りたいのは自分の60系ハリアーに何番の電球が入るのかという一点に絞られます。60系はバルブ適合表の区分がLED仕様車しかなく、ロービームやテールランプには最初から球の設定がありません。手で抜き差しできるのはハイビーム・前後ウインカー・バックランプに限られ、しかも後期のAHS(アダプティブハイビームシステム)装着車ではハイビームとフロントウインカーまでLEDに置き換わります。前期・後期の標準仕様・後期のAHS装着車という3つの区分を先に決めれば、型番は一つに定まります。
ハリアー60系のバルブ型番 早見表
車検証で型式と初度登録年月を確認してから、下の表を横に読んでください。
| 灯火の場所 | 前期 2013年12月〜2017年5月 | 後期 標準仕様 2017年6月〜2020年5月 | 後期 AHS装着車 |
|---|---|---|---|
| ヘッドライト ロービーム | LED(球交換不可) | LED(球交換不可) | LED(球交換不可) |
| ヘッドライト ハイビーム | HB3(9005) | HB3(9005) | LED(球交換不可) |
| フロントウインカー | T20 ピンチ部違い アンバー | T20 ピンチ部違い アンバー | LED(球交換不可) |
| リアウインカー | T20 ピンチ部違い | T20 ピンチ部違い アンバー | T20 ピンチ部違い |
| バックランプ | T16 | T16 | T16 |
| フォグランプ | LED | LED | LED |
| ポジション(車幅灯) | LED | LED | LED |
| テール・ストップ | LED | LED | LED |
| ハイマウントストップ | LED | LED | LED |
| ナンバー灯(ライセンス) | LED | LED | LED |
球を買う前に決めるべきなのは前期か後期かではなく、ハイビームがHB3かLEDかという一点です。ここを外すと、届いたHB3が物理的に刺さらないという結末になります。
前期型(AVU65・ZSU60系/2013年12月〜2017年5月)のバルブ
デビューから最初のマイナーチェンジまでの前期型は、適合表でも区分が一つしかなく、迷う要素が少ない世代です。灯火の大半が最初からLEDで組まれています。
ロービームはLED、ハイビームはHB3(9005)
前期型のヘッドライトは、ロービームがLEDでバルブの設定そのものがありません。対してハイビームにはHB3(9005とも表記)のハロゲン球が入り、ここだけはLEDバルブやHIDへの入れ替えができます。前期の60系ハリアーで「ヘッドライトのバルブ交換」と呼べる作業は、事実上ハイビームのHB3だけです。
ロービームが暗い、片側だけ光らないという症状が出た場合は、球ではなくLEDユニットや点灯回路の点検になります。数千円の電球で片が付く話ではないため、先に保証と修理見積もりを取る流れになります。
前後ウインカーはT20ピンチ部違い、バックランプはT16
ウインカーは前後ともT20のピンチ部違いで、フロントはアンバー(橙色)の指定です。バックランプはT16。この3か所は前期・後期・AHS装着車を通じて構成がほとんど変わらないため、世代の判別に自信がなくても外しにくい部分になります。
T20には通常品とピンチ部違いの2種類があり、口金の突起の位置が違います。安いからと通常のT20を買うと入らないので、商品名にピンチ部違いの表記があるかを見てから決めてください。
フォグ・ポジション・ナンバー灯は純正LEDで球の設定がない
前期型のフォグランプ、ポジション(車幅灯)、ナンバー灯、テール・ストップ、ハイマウントストップは、適合表ではいずれもLEDです。球単体の型番が存在しないため、明るさや色を変えたい場合はユニットごとの交換になります。
なおフォグの適合はメーカー純正フォグ装着車を前提とした情報です。ディーラーオプションや社外品のフォグが付いている個体はバルブタイプが違うことがあり、適合表側も現車確認を求めています。
後期型(ASU・AVU・ZSU60系/2017年6月〜2020年5月)のバルブ
2017年6月以降の後期型は、適合表の区分が標準のLED仕様車とAHS装着車の2つに割れます。同じ後期でもハイビームの型番が変わるのはここが理由です。
標準のLED仕様車はハイビームがHB3のまま
AHSが付かない後期型は、ハイビームがHB3(9005)で前期と共通です。LEDバルブとHIDキットのどちらも装着可能な枠に入っており、前期用として売られている製品がそのまま使えます。リアウインカーのT20ピンチ部違いアンバーとバックランプのT16も据え置きです。
フロントウインカーもT20ピンチ部違いアンバーですが、サイドウインカーだけはAssy(ユニット)交換の扱いで、球の抜き差しができません。
AHS装着車はハイビームもフロントウインカーもLED
後期型で設定されたAHS装着車は、灯火の構成が大きく変わります。ロービームに加えてハイビームもLEDになり、球の設定がありません。さらにフロントウインカーとサイドウインカー、コーナリングランプまでLEDに置き換わります。
AHS装着車にHB3のLEDバルブを買っても、差し込む場所が存在しません。60系ハリアーのバルブ選びで最も金額の無駄が出るのがこの取り違えです。
後期のAHS装着車で球を替えられるのは2か所だけ
AHS装着車で実際に電球を抜き差しできるのは、リアウインカーのT20ピンチ部違いとバックランプのT16の2か所です。それ以外の灯火はすべてLEDで、球番号を探す作業自体が発生しません。
裏を返せば、この2か所さえLED化すれば外装の灯火は前後ともLEDで揃います。ハイビームやフロントウインカーを社外品で明るくしたい場合は、球ではなくユニット側の検討になります。
自分の60系がどの区分に当たるかを見分ける
表を見ても判断が付かないときは、次の順で潰していくと迷いが消えます。買ってから合わないと気づくより、数分の確認のほうが安く済みます。
車検証で型式と初度登録年月を読む
グローブボックスの車検証を開き、型式欄と初度登録年月欄を見ます。適合表の区分は前期がAVU65・ZSU60系、後期がASU・AVU・ZSU60系で、後期にはASUが加わります。初度登録が2017年5月までなら前期、2017年6月以降なら後期という切り分けです。
境目の年式にあたる個体は、登録のタイミングによって前後どちらとも取れる場合があります。その場合は次の現物確認まで進めてください。
ハイビームの光り方でAHS装着車を判別する
後期型と分かったら、次はAHSの有無です。ヘッドライトのハイビーム側を覗いて、フィラメント(細い金属線)が入った電球が見えればHB3の標準仕様、平たいチップや粒が並んで見えればAHS装着車のLEDです。
フロントウインカーでも見分けられます。点灯させたときに、じわりと立ち上がるオレンジ色の光ならT20のハロゲン球、瞬時に立ち上がる粒感のある光ならLEDです。フロントウインカーがLEDなら、ハイビームもLED=AHS装着車と判断できます。
球を1本抜いて刻印を照合する
最も外れがないのは現物を見る方法です。ヘッドライト裏のゴムカバーを外して球を引き抜くと、金具や樹脂の根元にHB3といった刻印が入っています。バックランプならレンズ側のカバーを外すだけで、球の側面から型番が読めます。
抜いた球はスマートフォンで撮っておくと、店頭やネットで型番を照合するときに迷いません。刻印さえ読めれば、年式やグレードの判断そのものが不要になります。
間違えやすいバルブ規格の落とし穴
型番が1文字違うだけで入らない、あるいは入ってしまうのに不具合が出る組み合わせがあります。60系ハリアーで関係するものを3つ挙げます。
HB3とHB4は口金の径が20mmと22mmで違う
HB3はハイビーム、HB4はロービームやフォグで使われることが多い規格です。バルブ挿入口の直径はHB3が約20mm、HB4が約22mmで、流用はできません。径が違う球を無理に入れると隙間ができ、防水性能の低下につながります。
60系ハリアーのハイビームはHB3です。HB4と型番が1文字しか違わないため、通販で選ぶときは商品ページの型番表記を指差し確認するくらいの慎重さが要ります。
T20のピンチ部違いは通常のT20と互換性がない
通常のT20シングルは口金の突起が左右対称に付いていますが、ピンチ部違いは左右非対称で位置がずれています。60系ハリアーの前後ウインカーはこのピンチ部違いのため、通常のT20は流用できません。
T20と書かれているだけの商品は避け、ピンチ部違いの明記があるものを選ぶという一点だけ守れば、この失敗は起きません。
T16とT20は口金の幅が別物
バックランプのT16と、ウインカーのT20は名前が似ていますが別規格です。数字は口金まわりの太さの目安を表しており、T16のソケットにT20は入りません。
60系ハリアーはバックランプが前期・後期・AHS装着車を通じてT16で共通です。世代の判別に自信がなくても、バックランプだけはT16で買って問題ありません。
LED化で車検に落ちないための条件
球を替える動機が見た目の変更であっても、灯火の色と点滅回数は法令で決まっています。適合しない製品を入れると、次の車検で戻す手間が発生します。
ウインカーは橙色・点滅は毎分60〜120回
方向指示器は橙色であり、点滅回数が毎分60回以上120回以下であることと定められています。白や青に光るウインカーは、明るさに関係なく不適合です。
この点滅回数の上限が、次に挙げるハイフラが問題になる理由でもあります。速く点滅しすぎる状態は、法令の枠から外れます。
ハイフラは球切れ警告、抵抗内蔵かリレーで対策する
ウインカーの球をLEDに替えると消費電力が下がり、車両側が球切れと判断して点滅が異常に速くなります。これがハイフラッシュ、通称ハイフラです。適合表でも、ハイフラ抵抗かハイフラ防止リレーを別途用意するか、抵抗内蔵モデルを選ぶよう案内されています。
60系ハリアーの前後ウインカーをT20のLEDにするなら、抵抗内蔵タイプを選ぶのが手戻りのない買い方です。後付けの抵抗は発熱するため、取り付け場所にも気を遣うことになります。
バックランプは白色、テール・ストップは赤色
後退灯は白色、尾灯と制動灯は赤色と定められています。バックランプのT16をLED化するときに青みの強い製品を選ぶと、白色の範囲から外れる可能性があります。車幅灯も白色が原則です。
60系ハリアーはテール・ストップが最初からLEDのため、赤色の要件は純正のままで満たされています。手を入れる余地があるのはバックランプの色味だけです。
室内灯(ルームランプ)は車種専用セットで組む
60系ハリアーの室内灯は、フロントランプ・センターランプ・バニティランプ・カーテシーランプ・ラゲッジランプという構成です。灯火ごとに球の形状とサイズが違うため、単品で1個ずつ買い足すより、車種専用セットでまとめたほうが失敗しません。
前期型(AVU65・ZSU6#/2013年12月〜2017年5月)向けの専用セットはサンルーフ車にも適合しますが、ラゲッジランプだけは車両によって2種類あり、セットに同梱された2つのうち適合する側を使う形になります。室内灯を替えるときは、まず自車のラゲッジランプの形を見てから作業を始めてください。
よくある質問
ハリアー60系のヘッドライトバルブは交換できますか?
ロービームは前期・後期ともLEDで、球の設定がないため交換できません。ハイビームは前期と後期の標準仕様であればHB3(9005)で、LEDバルブやHIDキットへの入れ替えができます。後期のAHS装着車はハイビームもLEDのため、ヘッドライトまわりに交換可能な球は残っていません。
AHS装着車かどうかはどこで見分けますか?
ヘッドライトのハイビーム側を覗いて、フィラメントのある電球ならHB3の標準仕様、LEDチップが並んでいればAHS装着車です。フロントウインカーがLEDで瞬時に点灯するかどうかでも判別できます。適合表でもAHS装着車の区分が設けられているのは後期型だけなので、前期型であればこの心配はありません。
ウインカーをLEDにすると点滅が速くなるのはなぜですか?
LED化で消費電力が下がると、車両が球切れと判断して点滅を速めるためです。方向指示器の点滅回数は毎分60回以上120回以下と定められているため、この状態は法令の枠から外れます。ハイフラ抵抗やハイフラ防止リレーを追加するか、抵抗内蔵モデルのLEDを選ぶことで解消します。
バックランプのT16はT20と差し替えできますか?
差し替えできません。T16とT20は口金の幅が違い、T16のソケットにT20は入りません。60系ハリアーのバックランプは前期・後期・AHS装着車のすべてでT16が共通のため、世代を気にせずT16で揃えられます。
フォグランプのバルブは何番ですか?
適合表では前期・後期ともフォグは純正LEDで、球単体の型番がありません。明るさや色を変える場合はユニットごとの交換になります。ただしこの情報はメーカー純正フォグ装着車を前提としたもので、ディーラーオプションや社外品のフォグが付いている個体はバルブタイプが異なる場合があるため、現車の確認が要ります。
まとめ:60系ハリアーで球を替えられるのは最大4か所
60系ハリアーのバルブ選びは、①車検証の初度登録年月で前期(2013年12月〜2017年5月)か後期(2017年6月〜2020年5月)かを分ける、②後期ならハイビーム側を覗いてAHS装着車かどうかを見る、③現物の刻印で答え合わせをする、という3手順で片が付きます。
型番の骨格は単純です。ハイビームはHB3(9005)、前後ウインカーはT20ピンチ部違い、バックランプはT16。これが前期と後期の標準仕様における交換可能な4か所で、それ以外のロービーム・フォグ・ポジション・テール・ナンバー灯はすべて純正LEDです。後期のAHS装着車ではハイビームとフロントウインカーもLEDになり、交換できるのはリアウインカーとバックランプの2か所まで減ります。迷ったら球を1本抜いて刻印を読む、という一手が、どの適合表よりも確かな根拠になります。
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