ハリアー60系のバルブは、同じ後期でも積んでいるエンジンとグレードで替えられる場所が変わる。車検証の型式欄がASU60Wなら見るのは分かれ道の片側だけで、通販に「60系対応」として並ぶ商品のかなりの部分は最初から対象外になる。部位ごとの規格と、電球として手を入れられる箇所を先に置く。
ASU60Wで電球を替えられるのはリアウインカーとバックランプ
純正ランプメーカー系が公開している車種別電球適合表で、ASU60Wが属する区分の中身を部位ごとに並べる。
| 部位 | 規格・定格 | 電球としての交換 |
|---|---|---|
| リアウインカー | T20ピンチ部違い 12V21W アンバー | できる |
| バックランプ | T16(W16W) 12V16W(18W) | できる |
| ロービーム/ハイビーム | LED | できない |
| フロントウインカー/サイドウインカー | LED | できない |
| クリアランス/コーナリング | LED | できない |
| フロントフォグ | LED | できない |
| テール・ストップ/ハイマウント | LED | できない |
| ライセンス(ナンバー灯) | LED | できない |
| 室内灯(フロント・センター・サイド・リア) | LED | できない |
ASU60Wで球を買って差し替えられるのは、リアウインカーとバックランプの2か所だけ。LEDと書かれた部位には電球としての型番が振られておらず、バルブ型の商品を買っても差す場所がない。どこまで手を入れるかを先に決めてから商品を探すなら
も併せて見ておくとよい。
ASU60Wは後期のターボ2WDだけを指す
ASU60Wは2.0L直噴ターボの8AR-FTS(1998cc)を積む前輪駆動車の型式で、変速機はスーパーインテリジェント6速オートマチック。2017年6月のマイナーチェンジで追加され、2020年6月まで設定された。ASU60Wは60系の後期にしか存在しない型式で、同じターボの4WDはASU65W、NAガソリンはZSU60W(FF)とZSU65W(4WD)、ハイブリッドはAVU65Wと分かれる。車検証には排出ガス規制の記号が頭に付いて「DBA-ASU60W」と印字されるので、後ろ半分だけを見ればよい。
電球適合表も60系をH25.12~H29.5とH29.6~R2.5に分けており、ASU60Wが載るのは後者だけ。前期の表は型式欄がAVU65/ZSU6#で、ロービームもハイビームも9005(HB3)の12V65W(60W)、室内灯は電球で記載されている。ASU60Wの持ち主が前期の表を見て当てはまるのはバックランプのT16くらいで、残りは読む必要がない。世代をまたいだ比較は
に譲る。
後期の適合表が2つに割れている理由
純正ランプメーカー系の適合表では、後期の「ASU/AVU/ZSU6#」が1つの表にまとまらず、2つの区分に分かれて載っている。片方はハイビームが9005(HB3)の12V65W(60W)で、フロントもリアもターンシグナルがT20の12V21W。もう片方はハイビームがLEDで定格の記載がなく、フロントウインカーもLED、リアウインカーだけがT20で残る。年式も型式表記も同じなので、車検証の型式欄だけを見てもどちらの区分かは決まらない。
分かれ目はシーケンシャルターンランプ付きのLEDヘッドランプの有無で、適合表はLED側を「AHS装着車」と表記している。LEDバルブメーカーの車種ガイドも、60系のフロントウインカーは通常T20ピンチ部違いだがAHS装着車では純正LEDになると注記する。ヘッドライト加工の専門情報サイトの解説では、シーケンシャル付きが付くのはプログレスの全仕様とプレミアムの全仕様、エレガンスはターボ車のみ。ハロゲンのハイビームが残るのはエレガンスのNAガソリン車とハイブリッド車、型式でいえばZSU系とAVU系にあたる。ターボ車のASU60Wは通常、ハイビームもフロントウインカーもLEDの側に入る。ただしGRスポーツや特別仕様車まで型式表記から読み切れるわけではないので、最後は実車で確かめる。
リアウインカーのT20はピンチ部違い
リアウインカーはハイビームがLEDの区分でも電球のまま残る。適合表の表記は「T20ピンチ部違い 12V21W アンバー」「T20型ピン角仕様 12V21W相当」で、市販のLEDバルブ側では「T20シングル、W21W/WY21W兼用、ウェッジシングル球、ピンチ部違い対応」といった書き方になる。ピンチ部違いは口金の根元にある切り欠きの位置が普通のT20とずれている形のことで、両方に差さる兼用品を選べば取り違えない。
電球からLEDに替えると消費電力が下がって点滅が速くなる。対策のハイフラ防止抵抗ユニット(8Ω)はバルブ1個につき1つ必要で、市販のLEDバルブは1セット2個入りが多い。前後を替える車なら2セット要るところ、ASU60Wはフロントが純正LEDなのでリアの左右2個分で足りる。
バックランプのT16は60系で共通
バックランプはT16、定格は12V16W(18W)。W16Wという表記も同じものを指し、市販のLEDバルブ側は「T16シングル(W16W)」となる。この部位は前期でも後期でも、ハイビームがハロゲンの区分でもLEDの区分でも、どの適合表でもT16の12V16W(18W)で一致している。純正が白熱球なので、ASU60Wで最も素直に差し替えできるのがここ。
LED・HIDバルブブランドの解説では、バックランプに求められる条件は光色が白のみ、明るさは他の交通の妨げにならない程度、個数は1個または2個で減らすと整備不良、後方100メートルの距離から確認できること。推奨は6,500K以下とされ、青みの強い高ケルビン品は白の範囲から外れる方向に進む。合否は検査で決まるので、明るさ欲しさに色温度を上げるより白を外さない側を取る。
2か所に順番を付けるなら先はバックランプ。後退時の見え方という実用が変わり、色の基準がはっきりしていて選び間違いが起きにくく、追加の部品も要らない。リアウインカーは抵抗を固定する作業が1つ増える。交換作業そのものの流れは、別世代だが
が参考になる。
純正LEDで手が入らない部位
同じ「LED」でも、触れない理由は部位ごとに違う。買う前にどれに当たるかを分けておく。
フォグランプはユニットごとの交換になる
適合表でLEDと記載されており、バルブ単体を差し替える構造ではない。バルブメーカーの車種ガイドによれば、60系のフォグはガラスレンズユニットのタイプBという形状で、明るくするならユニットごと替える形になる。フォグ用のバルブだけを買っても取り付ける先がない。
ナンバー灯は球では触れない
ライセンスランプも適合表ではLEDで、球の差し替えができない。明るさや色を変えたいならナンバー灯のユニットごと交換する商品を選ぶ。前期の適合表でもライセンスはLEDなので、後期で変わった点ではない。
室内灯は基板ごとの話になる
後期の適合表は2区分ともフロント・センター・サイド・リアの室内灯がLED。後期向けの室内灯商品が「純正LED車専用」と断り、取り付けに純正基板の表面を削る作業が要るとされているのも、球ではなくLED基板が入っているから。リアまわりの点灯を増やす方向の改造は
で別に扱っている。
ASU60Wで起きやすい買い間違い
「ハリアー60系後期対応」と書かれたHB3(9005)のハイビーム用品は、ASU60Wでは原則として使えない。HB3が載るのは後期の2区分のうちハイビームがハロゲンの側、つまりエレガンスのNAガソリン車とハイブリッド車だから。商品側の注意書きにも「純正ハロゲン球と交換できるLEDバルブです。純正LEDヘッドライトにはお取り付けが出来ません」と明記されている。通販の「60系後期」はターボもNAもハイブリッドもまとめた呼び方で、型式が後期に当たるという理由だけで選ぶと外す。
室内灯でも同じ型の間違いが起きる。前期の値であるT10・T10×31・T8×28をASU60Wに持ち込むと合わない。ややこしいのは、後期にもT10の電球が残る箇所があること。ドアミラーの下から足元を照らすウェルカムランプがそれで、パーツブランドの商品説明では純正がハロゲン電球とされ、H29.6以降のASU/AVU/ZSU6#に対応するT10のLEDが売られている。適合表でいう室内灯とは別系統の灯りなので、T10と書かれた「60系後期対応」を見たら、室内灯なのかウェルカムランプなのかを商品説明で切り分ける。この箇所のLEDには極性があり、点かないときは左右を差し替える。
結局のところ、商品名だけで判断しないのがいちばん効く。適合欄で年式区分がH29.6~R2.5に当たるか、ハイビームやフロントウインカーの前提がLEDかハロゲンかまで読む。読み取れない商品はその一点で候補から外してよい。灯火以外も含めた60系の選び方は
にまとめてある。
注文する前に自分の車で確かめる順序
- 車検証の型式欄を見る。ASU60Wならターボの2WD、ASU65Wならターボの4WDで、どちらも後期のターボ車にあたる。
- ヘッドライトを正面から見る。プロジェクターが3つ並んだ三眼でウインカーが流れるように点くならシーケンシャル付きのLEDヘッドランプ側で、ハイビームもフロントウインカーも純正LED。プロジェクターが1個で、その横におわん型の反射鏡のハイビームが並んでいればハロゲンのハイビームがある側。
- それでも決まらないときは、該当箇所の球を外して口金の形を目で見る。
1番目だけで済ませず、2番目の外観確認までは通しておきたい。適合表にも商品ページにも、年式・車両型式・タイプが一致していても特別仕様車やオプション品で記載と異なる場合があるという注記が付いている。バルブメーカーは購入前に車両に装着されているバルブの形状を確認するよう書き、パーツブランドもグレードやオプションで装着できないことがあると書いている。この記事の型番も同じ扱いで、最後に正しいのは今その車に付いている球の形。
よくある質問
ASU60Wにハイビーム用のHB3のLEDは付くのか
付かないものとして探したほうがよい。HB3が載るのは後期のうちハイビームがハロゲンの区分で、ターボ車のASU60Wは通常そちらに当たらない。三眼でウインカーが流れるヘッドライトなら、ハイビームまでLEDなので差す場所自体がない。
4WDのASU65Wとバルブの規格は違うのか
適合表は後期の型式をASU/AVU/ZSU6#とまとめて扱っており、駆動方式ごとの差までは確認できていない。ASU65Wも後期のターボ車として同じ区分に入るが、完全に同一だと断定はできないので、自分の車で形を見て決める。
フロントウインカーだけ白くしたり流れる仕様にできないのか
ASU60Wが属する区分ではフロントウインカーが純正LEDで、電球としての型番が振られていない。バルブを差し替える形での変更はできない。
ナンバー灯を明るくする方法はあるのか
球の差し替えはできない。ライセンスランプは適合表でLEDなので、手を入れるならナンバー灯のユニットごと交換する商品を選ぶことになる。
バックランプの色温度はどこまで上げてよいのか
LED・HIDバルブブランドは6,500K以下を推奨として案内している。基準は光色が白であることなので、数字を上げるほど良いという方向には進めない。
まとめ
ASU60Wで電球として買えるのは、リアウインカーのT20ピンチ部違いと、バックランプのT16。この2か所以外は純正LEDで、バルブ交換の土俵に乗らない。注文ボタンを押す前の確認は次の4つで足りる。
- 車検証の型式欄が「DBA-ASU60W」で終わっているか
- ヘッドライトが三眼で、ウインカーが流れるか
- 商品の適合欄がH29.6~R2.5を含み、ハイビームとフロントウインカーの前提を読み取れるか
- リアウインカーをLEDにするなら、8Ωの抵抗をバルブの数だけ用意したか
型式が同じでも装備で分かれる余地は残る。表と商品説明で当たりを付けたら、最後は現物を見て決める。

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