エスティマACR50Wの荷室収納 3列目床下格納の手順

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50系エスティマの荷室を広げる方法は、3列目シートを床下へ落とす床下格納にほぼ集約される。跳ね上げて左右に寄せる方式ではないので、格納しても荷室の幅が削られないのが50系の強みだ。ただし作業に入る前に確認しておくことが3つある。床下格納が手動式か電動式か、スペアタイヤが格納スペースに入っていないか、そして自分の年式でどの装備が付いているか。この3点を外すと、格納できないだけでなくシートを傷めることがある。

目次

荷室を広げる手段は3列目の床下格納に絞ってよい

トヨタの公式サイトは電動式の床下格納について、シートを格納するとフラットでワイドなスペースが出現し、大型の荷物も余裕をもって積み込めると説明している。床下格納は2006年1月の発売時から用意されていて、発売時のトヨタの発表でも電動で床下格納できるサードシートとして紹介されていた。3列目を沈めた分がそのまま荷室の床面積になるので、まずここを使い切るのが先で、収納用品を足すかどうかはその後の話になる。

一方で、床下格納は無条件に使える機能ではない。手動式と電動式で操作がまったく違い、販売店装着オプションのスペアタイヤを積んでいる車では格納そのものができない。50系は2006年から2019年まで13年以上売られたため、同じACR50Wでも荷室まわりの装備構成は一律ではない。変わるのは床下格納の方式、脱着式デッキボードの有無と種類、床下ラゲージボックスの有無、スペアタイヤやラゲージパーテーションケースの装着状況。主要装備一覧表にもグレードやオプションにより装備の有無があると注記されている。作業前に、現車のラゲージルームと、その年式に対応する取扱書を突き合わせておきたい。

なおACR50Wは3代目エスティマのうち2.4L直4「2AZ-FE」を積む2WD車の型式で、同じ50系でも2.4Lの4WDはACR55W、3.5L V6はGSR50W/GSR55W、ハイブリッドはAHR20Wと分かれる。ここから先はACR50Wの話に絞って進める。

室内寸法から荷室の当たりを付ける

トヨタの主要諸元表では、室内長3,010mm・室内幅1,580mm・室内高1,255mm(大型ムーンルーフ装着車は室内高1,250mm)、ホイールベースは2,950mm。ボディサイズは2006年1月の発売時が全長4,795mm・全幅1,800mm・全高1,730mmで、2016年6月の一部改良後は全長4,820mm・全幅1,810mm・全高1,730mm(2WDのAERAS系。タイヤサイズやオプションで全高は変わる)。室内寸法は前期・後期で変わっていない。

注意したいのは、この3,010mmは1列目から3列目までを含む室内空間全体の値で、荷室の奥行きを示す数字ではないという点だ。諸元表にも各寸法値は設計値であり実測値は若干異なることがあると明記されている。荷室容量のリットル値や、3列目を格納した状態の荷室長・荷室幅は公表資料で確認できていないため、数字は出さない。積みたい物のサイズが際どいときは、メジャーで現車の荷室を実測するのが確実だ。

手動床下格納式のたたみ方

手動式は、いったん背もたれを前へ倒した「テーブル状態」を経由してから床下へ落とす2段構えになっている。

格納前の準備(手動・電動に共通)

  1. 車を停止させ、パーキングブレーキを最後までかける
  2. バックドアを開ける(取扱書はシートの操作は必ずバックドアを開け、車両後方から行うよう指示している)
  3. デッキフックを格納する
  4. 3列目のヘッドレストをいちばん下まで下げる
  5. 3列目左右席のシートベルトをベルトハンガーに挟む
  6. 中央席のシートベルトとバックルを収納する(分離格納式の中央席ベルトはシートから外して天井へ収納する)
  7. 2列目シートを前方へ移動する

テーブル状態から床下へ落とすまで

準備が済んだら、背もたれ裏のハンドルAを引きながら背もたれを前へ倒し、ロックさせる。ここがテーブル状態だ。続けて床下へ格納するには、デッキボード装着車ならまずデッキボードを外し、ハンドルBを引きながらシート全体を後方へ引き上げる。シート後端が格納部の後端に当たるまで引き上げたら、背もたれに手を添えてシート全体を押し下げ、ロックさせる。

元に戻すとき

戻す手順は、ハンドルBを引きながらシート全体を引き上げ(後端が格納部の後端に当たる位置でいったん止まる)、シート全体を前方へ押し出してから、背もたれに手を添えて押し下げてロックさせる。そのあと背もたれに手を添え、ハンドルAを引きながら背もたれを起こしてロックさせ、デッキボードを取り付けて完了となる。前方へ押し出している途中で押し下げると、シートの脚部で床面を傷めるおそれがあると取扱書が注意しているので、シートがもとの位置に戻ったことを確認してから押し下げる。背もたれ裏のハンドルを使ったあとは、カチッと音がするまで押してもとの位置に固定する。

電動式は左右別々に動く。途中で止まるのは故障とは限らない

スイッチ操作の流れ

6:4分割・電動床下格納機能付サードシートは、デッキサイドトリムのスイッチ操作だけで左右別々に床下へ格納・復帰できる。事前準備は手動式と同じで、そのあと3列目のクッションが固定されていることをシート全体を軽くゆさぶって確かめ、テーブルスイッチでテーブル状態にしてから、格納スイッチで床下へ落とす。テーブル状態から戻すときも、クッションの固定を確認したうえでテーブルスイッチかリクライニングスイッチを押す。

途中で止まったときに見るところ

作動が途中で止まったときに疑うべきなのは、まず中断条件のほうだ。スイッチから手を離した、作動している側のテーブルスイッチまたはリクライニングスイッチを押した、エンジンスイッチがイグニッションONモードのときにシフトレバーをPからP以外へ動かした——このいずれかで作動は中断される。中断するとスイッチの作動表示灯が点灯し、ブザーが約10秒間鳴り、イグニッションONモードではマルチインフォメーションディスプレイに「3rd Seat」と表示される。条件を解消して作動を再開させれば作動表示灯は消える。作動表示灯が点灯ではなく点滅してブザーが約10秒鳴る場合は、無理にシートの動きを止めたときか、シートが故障したときなので、扱いが変わる。

自分の車に電動式が付いているか

電動式は全車の装備ではない。2016年6月の一部改良後の公式サイトの記載では、電動床下格納機能付サードシートはエスティマハイブリッドのAERAS PREMIUM-Gに標準装備、ガソリン車のAERAS PREMIUM-G、エスティマハイブリッドのAERAS SMART、エスティマのAERAS SMARTにメーカーオプションという設定だった。付いていない車は手動格納式になる。自分の車がどちらかは、デッキサイドトリムに格納用スイッチがあるかどうかを見るのがいちばん早い。

3列目が床下に入らないときに疑うところ

格納できない原因で最初に疑うのは、販売店装着オプションのスペアタイヤだ。このスペアタイヤは3列目の床下格納スペースに収納されるため、積んでいる車では床下格納機能が使えない。取扱書も、スペアタイヤ装着車はサードシート格納スペースにスペアタイヤが搭載されるため格納ができず、無理に格納操作を行うとサードシートを損傷するおそれがあると明記している。主要装備一覧表と公式サイトでも、このスペアタイヤと電動床下格納機能付サードシート、ラゲージパーテーションケースは同時装着できないとされている。中古車では前オーナーが後から追加している場合があるので、入らないと感じたらまず床下を開けて確認する

スペアタイヤが原因でないなら、次は物理的な干渉を潰していく。格納するときは格納部に物がないこと、戻すときは床面に物がないことを確認する。シートクッションの上に荷物や座布団をのせたまま格納やテーブル状態にすると、挟み込んでシートを傷めることがある。テーブル状態にするときも格納するときも、シートベルトとバックルを必ず格納しておく。ここを飛ばすとベルトごと巻き込む。リクライニングを調整するときは、背もたれをバックドアに当てないよう気をつけたい。

7人乗りと8人乗りで積み方の作り方が変わる

ACR50Wには7人乗りと8人乗りの両方があり、この違いが2列目の機構、つまり荷物の積み方に直結する。

7人乗りは2列目を前へ寄せて荷室を伸ばす

7人乗りの2列目はリラックスキャプテンシートで、スライド量は最大800mm。両サイドのアームレストとシート一体型オットマンを備える。トヨタは3列目を床下格納したうえで2列目を中央寄りに横スライドさせ、後端まで下げた状態を「スーパーリラックスモード」として紹介しているが、荷室を広げたいときはこの逆をやればいい。2列目を前方へ目いっぱい寄せれば、3列目格納後の荷室を前方向に伸ばせる

8人乗りは必要な側だけ跳ね上げる

8人乗りの2列目は6:4分割チップアップシート(ロングスライド・リクライニング付)。トヨタはクッションの跳ね上げが可能なチップアップ機構を採用し、荷物の大きさに応じたラゲージスペースを作り出せると説明している。3列目を床下格納したうえで6:4のうち片側だけを跳ね上げれば、乗車人数を残したまま長い荷物を積める。発売時のトヨタの発表でも、8人乗りは2列目のチップアップと3列目の床下格納でフラットで広々としたラゲージスペースを作ると紹介されていた。

なお2列目まわりでは、前側のストッパーは取りはずせない。無理に外そうとするとレール部やストッパーが破損してもとに戻せなくなるおそれがある、と取扱書が注意している。ロングスライドコンソールを前後に動かしたあとは軽くゆさぶって固定を確かめ、走行中はコンソール上部に物を置かない。

最初から付いている収納装備を使い切る

床下格納の次にやることは、収納用品を買い足す前に純正装備を洗い出すことだ。

荷室まわりの装備

ラゲージルームにはデッキフックが2個あり、起こして荷物を固定できる。取扱書は、使わないときはけがをしないよう必ずもとの位置に戻すよう警告している。床面の下には床下ラゲージボックスが設定され、格納部を覆う脱着式デッキボードには電動式用と手動式用の2種類がある。デッキボードの外し方はレバーを引いて持ち上げるだけだ。

ラゲージルーム内うしろ側のくぼみには、停止表示板の収納スペースがある(販売店装着オプションのスペアタイヤ装着車を除く)。停止表示板を置いたら、工具袋に入っている固定用ストラップのA部を穴部Aに挿し込み、フックを穴部Bに引っ掛けて固定する。ケースの大きさや形によっては収納できない場合があるほか、収納したら確実に固定されているか確認するよう取扱書は記している。使わないときは固定用ストラップを工具袋に戻す。

車内側の小物の逃がし場所

車内側も併せて把握しておきたい。運転席側シートバックの買い物フック、助手席側のシートバックポケット、右側クォータートリムポケットとボトルホルダー、運転席側のアッパーボックスとアンダーボックス、助手席側のアッパーボックスとグローブボックス、プッシュオープン式カップホルダーとコインボックス、フロントドアポケットとボトルホルダーなど。7人乗りにはロングスライドコンソールボックスが備わる(サイドリフトアップシート装着車には装着されない)。これらの収納装備にライターやスプレー缶を入れっぱなしにしない——室温が上がったときに爆発したりガスがもれて火災につながるおそれがある、と取扱書が警告している。メガネも熱で変形やひび割れを起こす。使わないときはフタを閉じておく。

ここに挙げた装備は年式・グレード・オプションで有無が変わる。2016年以降の資料で確認した内容なので、前期・中期型は現車で見てほしい。

積み方の基準はメーカーの禁止事項で覚える

荷室が広がると積みたくなるが、取扱書の「荷物を積むときの注意」には明確な線が引かれている。

まず積んではいけないのが、燃料が入った容器とスプレー缶。引火のおそれがある。積むときの基準は、できるだけ荷物はラゲージルームに積む、運転席足元・助手席や2列目3列目に積み重ねる形・インストルメントパネル・ダッシュボードには積まない、室内に積んだ荷物はすべて動かないように安定させる、シート背もたれより高いものをラゲージルームに積まない、寸法が長い荷物はできるだけ前席シート背もたれの真うしろに積まない、ラゲージルームに人を乗せない(乗員用に設計されていない)。重量面では、積み過ぎないことと荷重を不均等にかけないこと。偏った荷重はタイヤに負担をかけ、ハンドル操作性やブレーキ制御の低下につながるとされている。

シートをフラットにした状態にも制限がある。取扱書はフラットにした状態で人や荷物を乗せて走行しないよう警告し、シートレールの上にマットなどを敷かないこと、フラットにした状態でシートの上を走りまわらないこと(移動するときはシートの中央を踏んでゆっくり移動する)も挙げている。公式サイトも、標準状態以外のシートアレンジにすると走行できない場合や注意すべき項目があるとして、取扱説明書の確認を案内している。

よくある質問

3列目を床下に格納したまま走ってもいい?

3列目を格納した状態で荷物を積んで走ること自体は、荷室として使う前提の機能なので問題ない。ただし取扱書は、シートをフラットにした状態で人や荷物を乗せて走行しないよう警告している。フラットアレンジと床下格納は別の状態なので、自分がどの状態にしているかを取扱書の図と照らして確かめてほしい。

3列目が床下に入らないときは何を疑えばいい?

最初に販売店装着オプションのスペアタイヤ。これが格納スペースに入っていると構造上格納できず、無理に操作するとシートを損傷する。次に格納部や床面に物が残っていないか、クッションの上に荷物や座布団がのっていないか、シートベルトとバックルを格納したか。電動式で途中停止するなら、シフトがPから動いていないか、スイッチから手が離れていないかも見る。

自分の車が手動式か電動式かはどこで見分ける?

デッキサイドトリムに格納用のスイッチがあれば電動式、なければ手動格納式だ。電動式はグレードによる標準装備かメーカーオプションの設定で、年式によっても設定は変わる。確定させたいときは、その車の年式に対応する取扱書を見る。

荷物はどこまで高く積んでいい?

取扱書の基準は、シート背もたれより高いものをラゲージルームに積まないこと。急ブレーキで前方へ飛ぶ危険があるためで、高さより先に、積んだ荷物が動かないよう安定させることが前提になる。長い荷物は前席シート背もたれの真うしろを避ける。

7人乗りと8人乗りでは荷室の使い勝手が違う?

違う。7人乗りは2列目が最大800mmスライドするキャプテンシートなので、前へ寄せて荷室を前方向に伸ばす作り方になる。8人乗りは2列目が6:4分割チップアップなので、必要な側だけ跳ね上げて長い荷物を通す作り方ができる。3列目を床下に落とすところまでは共通だ。

まとめ

ACR50Wの荷室を広げる本命は3列目の床下格納で、収納用品を足すのはその先の話になる。今日やるなら、バックドアを開けて現車のラゲージルームを見るところから始めたい。見るのは、デッキサイドトリムに電動格納のスイッチがあるか(手動式か電動式かが決まる)、床下にスペアタイヤが入っていないか(入っていると格納できない)、格納部と床面に物が残っていないか、の3点。ここが揃えば、あとは手順どおりに落とすだけだ。

積むときは、燃料容器とスプレー缶は積まない、背もたれより高く積まない、荷物は動かないように安定させる、という線を守る。50系は13年以上売られた車で、装備の構成は年式とグレードで変わる。現車で見て判断が付かない部分は、自分の年式に対応する取扱書で確かめてほしい。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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