夜の駐車場でハリアーを後退させると、リアカメラの画面はよく映るのに、ドアミラー越しに見る実際の後方は思ったより暗いままです。光量を上げようとLEDバルブを探し始めると、今度は商品ページの適合表記が60系の前期と後期でばらばらに書かれていて、どれが自分の車に付くのか判然としません。ASU60Wは2017年6月のマイナーチェンジで追加されたターボ車で、灯火のほとんどが最初から純正LEDです。手を入れて光量を変えられる場所は、実のところ4か所しか残っていません。
ASU60Wは後期のターボ車|灯火の大半は最初からLED
ASU60Wは、60系ハリアーが2017年6月8日にマイナーチェンジを受けたときに追加された、2.0L直噴ターボ車の型式です。エンジンは8AR-FTSで、排気量1,998cc、最高出力170kW(231ps)、最大トルク350N・m(35.7kgm)を発生します。駆動方式はFF(2WD)で、4WDのASU65Wと対になる関係です。グレードはエレガンス、プログレス、プレミアムなどが設定されました。
このマイナーチェンジは灯火まわりが大きく作り替えられた節目でもあり、Toyota Safety Sense Pの全車標準装備に加えて、シーケンシャルターンランプとLEDコーナリングランプが採用されています。つまりASU60Wという型式である時点で、その車は純正LEDヘッドランプを備えた後期型だと確定します。前期のハロゲン仕様やHID仕様を前提にした情報は、そのままでは当てはまりません。
部位別バルブ規格の早見表
LED・HIDの適合情報を公開しているLIGHT COLLECTIONの適合表から、ASU/AVU/ZSU60系(H29.6〜R2.5)の区分を書き出すと、次のようになります。
| 部位 | バルブ規格 | バルブ交換 |
|---|---|---|
| ヘッドライト ロー | 設定なし(純正LED) | 不可 |
| ヘッドライト ハイ | HB3(9005) | 可 |
| フォグランプ | LED | 不可 |
| ポジション(車幅灯) | LED | 不可 |
| ウインカー 前 | T20ピンチ部違いアンバー | 可 |
| ウインカー サイド | Assy | 不可 |
| ウインカー リア | T20ピンチ部違いアンバー | 可 |
| テール&ストップ | LED | 不可 |
| バックランプ | T16 | 可 |
| ナンバー灯 | LED | 不可 |
| ルームランプ | T10 | 可 |
「設定なし」「LED」と書かれた部位に球はない
適合表でロービームが「設定なし」となっているのは、そこへ差し替えるバルブという部品が世の中に存在しない、という意味です。純正LEDは光源が灯具の内側に組み込まれており、球を抜き挿しする構造そのものを持ちません。フォグ・ポジション・ナンバー灯・テール&ストップも同様で、これらを明るくしたい場合はバルブではなく灯具ごと交換する話に変わります。
裏返せば、ASU60Wでバルブ交換が成立するのはハイビーム(HB3)、ウインカー(T20)、バックランプ(T16)、そして室内のルームランプ(T10)の4か所です。ハリアー60系全体の型番については、
にも一覧があります。
電球が残る4か所と、手を付ける順番
4か所は等価ではありません。費用に対する体感の変化量と、作業でつまずく確率が部位ごとに違います。
バックランプ(T16)|後方の足元がいちばん変わる
ヘッドライトもテールもポジションも純正LEDに置き換わった後期のASU60Wで、外装に残った数少ない電球がバックランプです。ハリアーは全高1,690mmのSUVで、後退時の視界は低い車ほど楽ではありません。純正のハロゲン球は電球色の黄みがかった光で、白色のLEDに替えると路面のコントラストが上がり、輪止めや縁石の位置がつかみやすくなります。外装で最も費用対効果が出るのはここで、球は左右で1〜2個しか要りません。
ルームランプ(T10)|灯具の数だけ効く
室内灯はどの年式・どのグレードでも交換できます。ハリアーはフロントのマップランプ、センター(リア)ルームランプ、バニティランプ、カーテシランプ、ラゲッジランプと灯具が分散しており、まとめて替えたときの印象の変わり方が大きい部類です。1灯あたりの単価は安く、複数箇所をそろえる前提で組むのが基本になります。
ハイビーム(HB3)|ロービームとの色差が出る
ハイビームのHB3は、適合表でもLEDバルブ・HIDキットの装着可とされています。ただしASU60Wはロービームが純正LEDの白色光です。ハイビームだけ色温度の異なる球を入れると、ハイとローを切り替えた瞬間に色がずれて見えます。替えるなら光量より先に、ロービームの白さに近い色温度を選ぶほうが仕上がりが揃います。
ウインカー(T20)|ハイフラ対策が前提
前後ともT20ピンチ部違いアンバーです。LED化すると消費電力が落ち、車両が球切れと判断して点滅が速くなるハイフラッシュ現象が起きます。ハイフラ防止抵抗を内蔵したバルブを選ぶか、ICウインカーリレーへ交換するかが前提条件です。球だけ買って差し替えると、その日のうちにやり直しになる部位です。
ASU60Wに付くLEDバルブ3製品
Amazonで入手できる、ASU60Wの車体型式が明記されたLEDバルブを並べます。価格は2026年7月時点のものです。
3製品の比較表
| 製品 | 部位 | 規格 | 価格 | 適合の表記 |
|---|---|---|---|---|
| LED T10 フロントルームランプ | 室内(フロント) | T10 | 109円 | 60系 ZSU60W/65W・ASU60W/65W・AVU65W |
| LED T10ヒューズタイプ センタールームランプ | 室内(センター) | T10 | 109円 | 60系 ZSU60W/65W・ASU60W/65W・AVU65W |
| LMMC T16 LEDバックランプ 9000K | バックランプ | T16 | 1,570円 | 60系 ASU60W/ASU65W・ZSU60W/ZSU65W |
LMMC 60系ハリアー ASU60W/ASU65W/ZSU60W/ZSU65W 対応 T16 LEDバックランプ 9000K 無極性
LED T10 フロントルームランプ 60系ハリアー ZSU60W/65W・ASU60W/65W・AVU65W 対応
どこから手を付けるか
3製品はそれぞれ別の部位を担当しており、競合していません。外装の見え方を変えたいならT16のバックランプ、室内の印象を変えたいならT10のルームランプという住み分けです。ルームランプは109円と単価が低く、フロントとセンターを両方そろえても数百円で収まります。
商品名の照合では、車体型式が手がかりになります。ハリアーは世代をまたいで型式が入れ替わっており、出品によっては複数世代の型式やエンジン型式がまとめて書かれていることがあります。ZSU60WやAVU65Wと並んでASU60Wが明記されているかどうかを見るのが、いちばん取り違えにくい確認法です。
バックランプの色温度と保安基準
後退灯の灯光の色は白色と定められている
後退灯(バックランプ)は、道路運送車両の保安基準で灯光の色が白色であることと定められています。数は1個または2個、昼間に後方100mの距離から点灯を確認できる明るさであることも要件です。赤や青の光では基準を満たしません。
9000Kという色温度をどう受け止めるか
LMMCのT16バルブは色温度9000Kで、商品名にも「青白い」と記載があり、あわせて車検対応・無極性と表記されています。色温度の数値が上がるほど光は青みを帯びるため、9000Kは白色の範囲でも青寄りの見え方です。見た目の締まりを取るか、白色判定の余裕を取るかという選択になります。青みの強さを避けたい場合は、6000K前後の白色寄りを選ぶ道もあります。なお無極性の表記は、後述する極性の入れ替え作業が要らないという意味で、取り付けの手間には効いてきます。
ルームランプ選びで詰まる2つの分岐
ハリアー60系のルームランプは、型式が合っていても適合が割れます。車種専用セットを買うときは、次の2点を先に確かめておくと回り道になりません。
サンルーフの有無
天井に開口部があると、ルームランプの配置と灯具の形状が変わります。シェアスタイルが販売するハリアー60系後期用のLEDルームランプセットは、商品名の時点で「LED仕様車専用」「サンルーフ有り車専用」と明記されており、裏返せばサンルーフのない車には別構成が要ります。天井を見上げてガラスが入っているかどうかを、注文前に確認します。
純正ルームランプがLEDか電球か
同じ60系後期でも、室内灯が純正でLED化されている個体と、電球のままの個体が混在します。前述のシェアスタイルのセットは「LED仕様車専用」で、フロントランプ、リアセンターランプの基盤ユニット、バニティランプ、カーテシランプ、ラゲッジランプ、内張剥がしの6点構成です。純正球を差し替えるだけのT10バルブは灯具形状に左右されにくい一方、基盤ユニット型は現車の灯具にはまるかどうかがすべてになります。単品のT10から試すほうが、外したときの痛みは小さく済みます。
取り付けで起きやすいつまずき
極性を逆にすると点かない
LEDは直流で向きがあり、逆向きに挿すと光りません。点灯しないときは、いったん抜いて180度回して挿し直します。点かない=不良品ではないと知っていれば、返品手続きに走る前に一手打てます。今回のT16バルブは無極性の表記があるため、この工程を省けます。
球切れ警告と微弱点灯
LEDは純正の電球より消費電力が小さく、車両側の回路が球の存在を検知しきれずに球切れ警告を出すことがあります。消したはずの室内灯が薄く光り続ける微弱点灯も、同じ理屈で起こります。警告が出た場合は抵抗を追加するか、その車種と年式で実績のある製品に替えるかで対処します。作業前にキーを抜き、灯具が熱を持っていない状態で始めるのが基本です。
よくある質問
ASU60Wのヘッドライトを明るいLEDに交換できますか?
ロービームは交換できません。適合表ではASU/AVU/ZSU60系(H29.6〜R2.5)のロービームが「設定なし」と記載されており、純正LEDのため差し替えるバルブが存在しません。一方、ハイビームはHB3(9005)で、LEDバルブが装着可とされています。前方の光量に手を入れるなら、実質的にハイビームだけが対象です。
バックランプの9000Kは車検で問題になりませんか?
後退灯の灯光の色は保安基準で白色と定められています。LMMCのT16バルブは車検対応と表記されていますが、9000Kは白色のなかでも青寄りの色温度です。検査での余裕を優先するなら、6000K前後の色温度を選ぶという手もあります。数は1個または2個、昼間に後方100mから点灯が確認できることも要件に含まれます。
ルームランプのLEDは4WDのASU65Wでも同じものが使えますか?
使えます。今回のT10ルームランプは、商品の適合表記にZSU60W/65W・ASU60W/65W・AVU65Wが併記されています。室内灯の配置はエンジンや駆動方式では変わらないためです。ただしサンルーフの有無と、純正ルームランプがLEDか電球かの2点は、駆動方式とは別に効いてきます。
フォグランプを明るくする方法はありますか?
バルブ交換ではできません。適合表ではASU/AVU/ZSU60系のフォグランプがLEDと記載されており、ロービームと同様にバルブの設定がありません。明るさや色を変えたい場合は、灯具(ユニット)ごとの交換が前提になります。ポジションとナンバー灯も同じ扱いです。
ウインカーをLEDにすると何が起きますか?
点滅が速くなるハイフラッシュ現象が起きます。前後ともT20ピンチ部違いアンバーで、LED化すると消費電力が落ち、車両が球切れと誤検知するためです。ハイフラ防止抵抗を内蔵したバルブを選ぶか、ICウインカーリレーへ交換すれば解消します。ASU60Wはシーケンシャルターンランプを備える個体があるため、現車の点灯の仕方も見てから決めます。
まとめ|替えられる4か所から順に
ASU60Wは60系ハリアーの後期ターボ車で、ヘッドライト・フォグ・ポジション・ナンバー灯・テールが最初から純正LEDです。市販のLEDバルブの大半は、この車には物理的に入りません。
手が届くのはハイビーム(HB3)、ウインカー(T20)、バックランプ(T16)、ルームランプ(T10)の4か所です。このうち、費用に対する変化がいちばん素直に出るのはバックランプで、T16のLEDに替えると後退時の路面の見え方が変わります。室内は灯具の数が多く、T10を複数そろえると印象がまとまります。
ハイビームはロービームの純正LEDとの色差、ウインカーはハイフラ対策という条件が先に立つため、初手には向きません。まずバックランプと室内から入り、そのうえで前方に手を伸ばすかを決める順番が、無駄が出ません。購入前に確かめるのは、車検証の型式がASU60Wであること、サンルーフの有無、そして室内灯が純正LEDか電球かの3点です。
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