中古で手に入れた4代目ワゴンRに乗っていると、前席のあいだが空いているぶん、肘の置き場と小物の行き場が定まらない。ここにコンソールボックスを足したいと考えたとき、MH23Sという型式を名指しした製品は実際に売られている。ただし選ぶ前に決まることが1つあって、自分の車がAT・CVTか5MTかで、置ける形そのものが変わる。まずは自分の車のシフトレバーがどこに付いているかを思い出してほしい。
MH23S対応をうたう製品は2つ、選び分けは適合表記で決まる
適合表記に型式が入っていて在庫を確認できたのは、次の2製品だった。どちらも肘置きと小物入れを兼ねる形で、価格はAmazonの実売価格(確認時点)。価格も在庫も変わるので、購入時にあらためて見てほしい。
| 製品 | 適合表記 | 商品名から読み取れる仕様 | 実売価格(確認時点) |
|---|---|---|---|
| QKKQ アームレスト収納ボックス | MH23S/34S/44S型 | ドリンクホルダー付き、ティッシュボックス対応、防水・防汚・傷防止をうたう表面、黒 | 2,989円 |
| YWGXP アームレスト コンソールボックス | MH23S型 | 肘置き、汎用可動式、小物入れ、黒 | 2,786円 |
適合表記がMH23S単独か、次世代のMH34S・MH44Sまで含むかが、この2つのいちばん大きな違いになる。どちらを選ぶにしても、その前に自分の車の前席まわりを確かめる工程がある。
MH23SワゴンRの寸法と型式を押さえる
4代目ワゴンRは2008年9月発売で、ボディは5ドア、乗車定員は4名。型式は自然吸気がDBA-MH23S、ターボがCBA-MH23S。搭載エンジンはK6A(水冷4サイクル直列3気筒、総排気量0.658L)で、ターボ車はインタークーラーターボが組み合わされる。当初のグレードはFA、FX、FXリミテッド、FTリミテッドの4つ。後継の5代目に切り替わるのが2012年なので、いま流通しているMH23Sはすべて中古車ということになる。
ボディ寸法は全長3,395mm・全幅1,475mm・全高1,660mm、ホイールベース2,400mm。室内寸法は室内長1,975mm・室内幅1,295mm・室内高1,275mm。
ここで注意したいのが室内幅の読み方だ。1,295mmは左右のドアトリム間の値なので、前席のあいだに残る幅はこれよりかなり狭い。軽規格のなかで座席2つを並べた残りが、コンソールボックスに使える幅になる。細身のものが前提だと考えておいたほうがいい。
AT・CVT車と5MT車で置ける形が変わる
MH23Sは型式が同じでも、トランスミッションによって前席まわりの構成が分かれる。ここがこの記事の中心になる部分だ。
インパネシフトのAT・CVT車
諸元のトランスミッション表記は「フロアシフト5速マニュアル」「インパネシフト4速オートマチック」「インパネシフトCVT」の3種類に分かれる。オートマチックとCVTはシフトレバーがインストルメントパネル側にあり、前席のあいだにレバーが立たない。前席はベンチシートで、左右の座席がつながった形になる。2008年当時の試乗記事も、MH23Sの前席を大柄なベンチシートと評し、インパネシフトが新採用された点を挙げている。
つまりAT・CVT車は、前席のあいだに置き場所が確保しやすい。据え置きタイプのコンソールボックスは、この構成を前提に作られていることが多い。
フロアシフトの5MT車
5速マニュアルだけがフロアシフトで、前席のあいだにシフトレバーが立つ。軽自動車を専門に解説しているメディアによると、5速マニュアル仕様はフロアシフトを置く関係で前席がセパレートシートに変更されており、オートマチックでインパネシフトが収まっている位置はツールボックスになっている。
据え置きタイプは置き場所そのものを確保できないか、確保できてもシフト操作に干渉する可能性がある。5MT車に乗っているなら、買う前に前席のあいだの実寸を測るところから始めたい。適合表記にMH23Sが入っていることは、全グレード・全仕様でそのまま付くことを意味しない。
スティングレーを選んでいる場合
ワゴンRスティングレーも2008年9月発売のMH23Sで、型式はDBA-MH23SとCBA-MH23S、グレードはX、T、TSの3つ。室内寸法は標準のワゴンRと同じ室内長1,975mm・室内幅1,295mm・室内高1,275mmで、ホイールベースも2,400mmで共通。違うのは全高だけで、ルーフアンテナを折り畳んだ状態で1,675mmと標準車より高い。
前席まわりで効いてくるのは、スティングレーの諸元に5速マニュアルの設定行がないことだ。インパネシフト4速オートマチックとインパネシフトCVTだけなので、前席のあいだにシフトレバーが立たない構成に揃っている。標準のワゴンRより迷う要素が少ない。
MH23Sのコンソールボックスを選ぶ5つの軸
前の節で自分の車の構成が決まったら、次は製品側を見ていく。判断する順番は次のとおり。
1. 適合表記に型式が名指しされているか
最優先で見るのがここ。MH23S単独で書かれているものと、MH23S・MH34S・MH44Sのように世代をまたいで書かれているものがある。後者は複数世代で共通に使える形状という意味になる。車種名だけ、あるいは軽自動車向けとだけ書かれた汎用品は、MH23Sに合うという裏が取れないので候補から外す。
2. 固定のしかた
前席のあいだに据え置くもの、シートの隙間に差し込むもの、既存のアームレストやコンソールに被せるものがある。必要な車両側の土台がそれぞれ違う。土台が要らないほど車を選ばないが、そのぶん動きやすい。
3. 幅
室内幅1,295mmのうち前席のあいだに割ける幅は限られる。幅が広いものは肘が載せやすくなる代わりに、運転席と助手席の行き来や乗り降りの動線を潰す。実際に置く場所をメジャーで測ってから幅を決めたい。
4. 付いている機能
ドリンクホルダー、ティッシュの取り出し口、両側のポケットなど、製品によって備える機能が違う。MH23Sには車両側の収納が各所にあるので、すでにある収納と重ならない機能を選ぶと使い道が増える。
5. 表面の素材と手入れ
肘が当たる面は汗や日射で傷みやすい。商品ページで防水・防汚・傷防止をうたっているかを見て、汚れたときに拭き取れるかどうかで選ぶ。
MH23S対応の2製品を比べる
前節の軸に沿って、2つを具体的に見ていく。どちらも商品名から読み取れる仕様だけを根拠にしている。外形寸法や固定金具の形式は商品名に記載がないため、ここでは扱わない。
世代をまたぐ適合表記のQKKQ
商品名に「スズキ・ワゴンR/ワゴンRスティングレーMH23S/34S/44S型」と適合が明記されている。読み取れる仕様はドリンクホルダー付き、ティッシュボックス対応、防水・防汚・傷防止をうたう表面、色は黒。機能の数で選ぶならこちらで、飲み物とティッシュの置き場を一度に片付けたい人に向く。ただし複数型式をまとめた表記なので、どの型式で寸法を合わせているかまでは表記から読み取れない。
QKKQ ワゴンR/スティングレー MH23S・34S・44S型 アームレスト収納ボックス(ドリンクホルダー付き・黒)
MH23S単独で書かれたYWGXP
商品名は「スズキ・ワゴンR/ワゴンRスティングレーMH23S型に適用」で、MH23Sだけに絞られている。読み取れる仕様は肘置きとして使えること、汎用可動式であること、小物入れを備えること、色は黒。適合表記が自分の型式ちょうどで書かれている安心度を取るならこちら。汎用可動式とあるので、置く位置をある程度動かせる構造だと考えられる。
YWGXP ワゴンR/スティングレー MH23S型 アームレスト コンソールボックス(汎用可動式・黒)
機能を増やすか、適合表記の絞り込みを取るか。この二択で決めていい。
注文する前と届いた後の確認手順
順番を守ると失敗が減る。
- シフトレバーがインパネ側かフロアかを見る
- 前席のあいだに既存のアームレストやコンソールの土台があるかを見る
- 置く予定の場所の幅と長さをメジャーで測る
- 届いたら固定する前に仮置きして、シフト操作、パーキングブレーキ操作、サイドブレーキ周りの手の動き、前席から後席への移動を実際にやってみる
- 問題がなければ固定する
2番目が効いてくるのは、既存のアームレストやコンソールに被せて使うタイプを選んだときだ。このタイプは車両側にその土台があることが前提になる。MH23Sは5速マニュアル仕様でシート形状が変わるため、前席まわりの状態はグレードと仕様によって同じではない。カタログの装備表ではなく、自分の車の前席のあいだを実際に見てから決めてほしい。
4番目の仮置きも省かないほうがいい。届いた箱から出してすぐ両面テープを剥がすのではなく、一度置いて手を動かしてみる。ここで違和感があれば返品の判断ができる。
運転操作を妨げない置き方という前提
置き場所を決めるときの基準になるのが保安基準の考え方だ。道路運送車両の保安基準第十条は、運転に際して操作を必要とする装置について「運転者が定位置において容易に識別でき、かつ、操作できるもの」であることを求めており、対象として変速装置その他の動力伝達装置の操作装置と、制動装置の操作装置を挙げている。シフトレバーやパーキングブレーキの操作を妨げる置き方は、この前提から外れる。
同じく第二十一条第一項は、運転者席について「運転に必要な視野を有し、かつ、乗車人員、積載物品等により運転操作を妨げられないもの」であることを求めている。車内に置く物が運転操作を妨げてはならないという考え方は、コンソールボックスの位置決めにそのまま当てはまる。5MT車でシフトレバーの近くに置く場合は、特にここを意識したい。
車両側の収納と組み合わせて足りない分だけ足す
MH23Sには助手席シート下のボックスをはじめ、車両側の収納がもともとある。この助手席シート下のボックスは先代から継承されたもので、まとまった量が入る。
コンソールボックスを足す前に、いま何をどこにしまっているかを一度並べてみると、必要な容量と置き場所が決まる。前席のあいだに足すのは、運転中に手を伸ばして取りたいものに絞ると使い勝手が変わる。車検証やメンテナンス記録のような普段出さないものは、グローブボックスや助手席シート下に置いたままでいい。
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よくある質問
5MTのMH23Sにもコンソールボックスは置けるのか
前席のあいだにシフトレバーが立つ構成なので、AT・CVT車と同じようにはいかない。セパレートシートの隙間に収まる幅かどうかを実測で判断することになる。シフト操作に手が当たる置き方になるなら、前席のあいだ以外の場所を検討したほうがいい。
スティングレーと標準のワゴンRで商品は共通なのか
この記事で扱った2製品は、どちらも商品名に「ワゴンR/ワゴンRスティングレー」と併記されている。室内寸法も両車で同じ値なので、前席まわりの条件は揃っていると考えていい。
MH34SやMH44S用と書かれた商品はMH23Sに使えるのか
MH23Sが併記されていれば候補になる。MH34S・MH44Sだけが書かれていてMH23Sの記載がない商品は、この記事の基準では候補から外れる。世代が変われば前席まわりの寸法も変わるので、記載のない型式に流用できる根拠がない。
置いたままで車検に通るのか
必ず通る、あるいは必ず通らないとは言えない。保安基準が求めているのは運転操作を妨げないことなので、判断は個別の取り付け状態による。シフトとブレーキの操作に手が届き、動作を邪魔しない位置に固定されているかが見られる。
まとめ
買う前に確認するのは次の4点。
- シフトレバーがインパネ側かフロア側か(AT・CVTはインパネ、5MTはフロア)
- 前席のあいだに既存のアームレストやコンソールの土台があるか
- 置く場所の幅と長さの実測値
- 商品名または商品説明に「MH23S」の型式表記があるか
この4点が揃えば、あとは機能で選ぶか適合表記の絞り込みで選ぶかだけになる。ドリンクホルダーとティッシュの置き場をまとめたいならQKKQ、MH23S単独の適合表記を取るならYWGXPという分け方でいい。
QKKQ ワゴンR/スティングレー MH23S・34S・44S型 アームレスト収納ボックス(ドリンクホルダー付き・黒)
YWGXP ワゴンR/スティングレー MH23S型 アームレスト コンソールボックス(汎用可動式・黒)
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