配達や通勤で1日中DA64Vのエブリイに乗っていると、前席の間に肘を置く場所も、スマホや小銭や伝票を放り込む箱もないことが効いてくる。DA64Vのコンソールボックス選びは、価格でも容量でもなく自分のグレードで先に決まる。ジョインとジョインターボを適合から外している製品があるからだ。そのうえで、座席の間に据える専用設計の箱型か、シートの隙間に差し込む肘置き型か、この2系統から選ぶことになる。
DA64V用に買える4製品の早見表
箱型は車種ごとに寸法を合わせてあり、蓋の下に収納量を確保できる代わりに、適合表記でグレードを除外することがある。差し込み型はシートと既存部の隙間に挿し込む方式で、高さ調節や小物の落下防止を売りにし、適合表記は型式を広く取る傾向がある。取り外しやすさは差し込み型が上、収納量は箱型が上だ。最初に見るのは価格でも容量でもなく、適合表記にグレードの除外が書かれているかどうか。
| 製品 | 系統 | 適合表記 | ジョイン/ジョインターボ | 収納・装備 | 実売価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| シュピーゲル SPCB01-02 | 箱型 | エブリイバン DA64V | 装着不可と明記 | 収納BOX 縦80mm×横105mm×奥行170mm | ¥8,539 |
| MOTOR POWER 151-321# | 箱型 | エブリイバン DA64V H17/8〜H27/1 | 装着不可と明記 | PVCレザー・日本製 | ¥11,700 |
| DEQPC | 差し込み型 | エブリイ/エブリイワゴン DA64V DA64W(2005年8月-2015年2月) | 記載なし | PU・内側に小物収納 | ¥5,399 |
| ZTIUR | 差し込み型 | エブリイ DA64V | 記載なし | 伸縮式カップホルダー・高さ調節 | ¥5,499 |
価格はAmazonの実売価格で、いずれも2026年8月時点の確認値。変動するので買う前に現在の表示を見る。適合表記にグレードの除外が書かれていないことは、装着できる保証とは別の話になる点だけ先に断っておく。
純正の前席まわりに何があって何がないか
メーカーの発売時の発表資料によると、DA64V型のエブリイは2005年8月26日に発売され、コンセプトは「荷室とキャビンの使い易さを向上し、進化させた『仕事の道具』」。前席まわりは「全車にインパネシフトを採用し、前席左右ウォークスルーを実現」と明記されている。シフトレバーが座席の間にないから、後付けの箱を置く余地がそもそもある。
同じ資料の収納装備の一覧に挙がるのは、車検証とティッシュBOXを同時に収納できる大型グローブボックス、助手席インパネトレー、インパネフック、フロントカップホルダー(2名分)、リッド付インパネポケット。前席の間に置くセンターコンソールボックスはこの一覧に入っていない。飲み物の置き場は2名分あるのに、肘を置く場所と小物をしまう箱だけが座席の間にない、という状態で売られていた。長尺物を積むときの助手席前倒し機構も全車採用だ。
ジョイン系だけ適合が分かれる理由
型式解説メディアの整理では、DA64Vは6型改良(2012年4月)でフロントシート形状が変わったことを境に前期と後期に分けられる。ヘッドレスト一体型から分離型に変わったのはジョイン以外で、ジョインとジョインターボはもともと左右分割式のヘッドレスト付き、エブリイワゴンと同じ上級なシートに変更されているとされる。これはメーカーの一次資料で確認したものではないので、出所を示したうえでの整理として読んでほしい。
この違いが製品側の適合表記にそのまま出ている。メーカーの適合表記では、シュピーゲルのアームレスト付きコンソールボックス(品番SPCB01-02)は適合を「スズキ エブリイバン DA64V ※ジョイン/ジョインターボ装着不可」と表記する。各製品の商品説明では、MOTOR POWERの製品(品番151-321#)も「ジョイン/ジョインターボ装着不可」と明記している。型式がDA64Vというだけで全グレードに付くわけではない。
DA64Vのコンソールボックスを選ぶ5つの基準
適合表記にグレードの除外があるか
自分のグレードが分からないなら、車検証と実車のシート(左右分割式でヘッドレストが付いているか)を見てから候補を絞る。除外が書かれていない製品でも、書かれていないこと自体は装着可能の保証にならないので、寸法の突き合わせは別に行う。
サイドブレーキとシートベルトをよけているか
座席の間には固定の障害物がある前提で作られた製品が流通している。エブリイ専門店の適合条件では、ジョイン系向けのセンターアームレストが「座席中央部分にサイドブレーキのあるお車専用です」と条件を書き、対応型式をDA17V/DA64V、対応グレードをJOIN/PC/PAリミテッド、用途をエブリイバン用(ワゴンには装着不可)としている(サイズ550×100×80、高さは7cm調節可能)。各製品の商品説明では、MOTOR POWERも「専用設計ですので、運転席と助手席の間にシートベルトやサイドブレーキに干渉することなく装着出来ます」と説明する。サイドブレーキの操作を妨げると安全に直結するので、仮置きの段階で必ず確かめる。
肘の高さを合わせられるか
肘が当たる高さは体格とシートポジションで変わる。調節できない製品を選ぶなら、座面から肘までの高さを先に測っておくと外しにくい。高さが合わないと肘を置くために肩が上がり、長距離ではかえって疲れる。
何をしまうか
小銭・カード・鍵・伝票のような薄物中心なら浅い収納で足りる。DA64Vには前席2名分のカップホルダーが最初からあるので、増設が要るかは同乗者の有無と置きたい容器の形で決まる。深い箱がほしいなら、蓋の下の実寸が公表されている製品を選ぶ。
肘が触れる面の素材と縫製
PVCレザーかPUかという素材と縫製は、日焼けと摩耗で差が出る。毎日乗る車ほど拭き取りやすさとほつれにくさが効く。二重ステッチや芯材の有無が説明に書かれているかは、耐久性を見積もる手掛かりになる。
収納の箱がほしいなら座席の間に据える専用設計
シュピーゲルのアームレスト付きコンソールボックスは、本体が縦320mm×横130mm×奥行210mm、内部の収納BOXが縦80mm×横105mm×奥行170mm。メーカーの適合表記では、取り付けは「シートの間に挟み込むだけ」と説明されている。寸法が公表されているので、実車を測ってから当てられるのが強い。
シュピーゲル アームレスト付きコンソールボックス エブリイバン DA64V 専用
MOTOR POWERのアームレスト コンソールボックスは日本製の車種専用品で、適合車種を「スズキ エブリイバン DA64V H17/8~H27/1」と年式まで区切って表記している。表面はPVCレザー。各製品の商品説明では「運転が楽になるアームレストにもなりますし、収納としてもお使いいただけます」としており、4製品のなかで最も価格が高い位置にある。年式で区切った表記を出している分、自分の初度登録年月と突き合わせやすい。
MOTOR POWER 日本製 アームレスト コンソールボックス エブリイバン DA64V 専用
どちらもジョイン/ジョインターボは装着不可。ジョイン系に乗っているなら、この2つは候補から外して次の節へ進んでいい。
肘の置き場がほしいなら差し込み式
DEQPCのアームレスト コンソールボックスは、適合表記が「スズキエブリイ/エブリイワゴン DA64V DA64W(2005年8月-2015年2月)」で、バンとワゴンの両方を対象に挙げている。素材はPUで、各製品の商品説明では「特別な工具は不要で、簡単に取り付けられる設計」「アームレスト内側には小物収納ボックスがあり、車内をすっきりと整理できます」としている。肘置きと小物入れを兼ねる構成だ。
DEQPC アームレスト コンソールボックス エブリイ/エブリイワゴン DA64V・DA64W 用
ZTIURのアームレストはPUとABSで作られ、ABSフレームが全体を支える。「シートとコンソールの隙間に挿入するだけで、工具不要の取り付け」「隙間を埋めてスマホや小物の落下を効果的に防止します」という説明で、伸縮式カップホルダーを内蔵し、ABSのスライドレールとボタンロック機構で高さを変えられる。縫製は二重ステッチ。高さを合わせたい人と、シートの隙間に物を落とすのが嫌な人は、まずこちらから見るといい。
ZTIUR アームレスト コンソールボックス 高さ調節・カップホルダー付き
差し込み型は箱型より収納が小さい代わりに、グレードの可否の記載が緩く、外すのも簡単だ。
固定する前に実車で確かめる6つの手順
- エンジンを止め、平坦な場所で座席の間に仮置きする
- サイドブレーキを最後まで掛けられるか、確実に解除できるかを確認する
- 運転席と助手席のシートベルトのバックルが根元まで見えて、金具を差し込めるかを確認する
- シートを前後にスライドさせ、背もたれを倒して当たらないかを確認する
- 助手席前倒し機構を使うなら、前倒しの動きを妨げないかを確認する
- 問題がなければ製品の指示どおりに固定する
1つでも当たる箇所があれば無理に押し込まず、返品・交換の可否を先に確かめる。もう1つ、仕事で使う車なら考えておきたいのが、座席の間に据える箱は前席左右のウォークスルーをふさぐという点。荷室と運転席を車内で行き来する使い方なら、必要なときに動かせる差し込み型のほうが日常の手数を増やしにくい。運転席に座っている時間が長く車内を移動しないなら、箱型の収納量が効いてくる。
買う前に型式・グレード・年式を確認する
商品名に複数の型式が併記されていることがある。エブリイバン(DA64V)とエブリイワゴン(DA64W)は別の車で、後継のDA17V/DA17Wはさらに別の世代だ。専門店の製品には「エブリイバン用(ワゴンには装着不可)」と明示して区別しているものもある。車検証で自分の型式を確認し、その型式が適合表記に含まれているかを見る——併記されているからといって、どの型式でも同じ収まり方をするとは限らない。
DA64Vは2015年に後継へ切り替わった型なので、いま流通しているのはすべて中古車になる。前オーナーがシートを替えていたり、社外のコンソールを外した跡があったりする個体もある。座席の間の幅と、サイドブレーキから座面までの余裕を一度測り、その数値を製品の公表寸法と突き合わせるのが、いちばん確実な確認方法だ。
よくある質問
ジョインとジョインターボには何も付けられないのか
ここで取り上げた専用設計の箱型2製品は、どちらも装着不可と適合表記に明記している。差し込み型2製品にはグレードの除外が書かれていないが、それは可否を保証するものではない。エブリイ専門店の適合条件では、対応グレードをJOIN/PC/PAリミテッドとしたセンターアームレストも扱われている。ジョイン系なら、グレード名まで書いてある製品を探すのが近道になる。
エブリイワゴン(DA64W)用と書かれた製品はDA64Vに使えるのか
そのまま同じように付くとは考えないほうがいい。専門店には「エブリイバン用(ワゴンには装着不可)」と区別している製品があり、逆向きの相違も起こりうる。DEQPCのようにDA64VとDA64Wを併記している製品もあるので、自分の型式が適合表記に書かれているかどうかで判断する。
サイドブレーキやシートベルトに当たらないか心配なときは何を測ればよいか
座席の間の幅と、サイドブレーキから座面までの余裕。この2つを実車で測って、製品の公表寸法と比べる。DA64Vのパーキングブレーキの形式や室内の実寸はメーカーの一次資料で確認できていないので、ここでは数値を出さない。自分の車で測った値が判断材料になる。
純正にカップホルダーはあるのに、コンソールボックスは必要か
メーカーの発売時の発表資料によると、飲み物の置き場は前席2名分が最初から用意されている。足りないのは肘を置く場所と、小物をしまう箱のほうだ。飲み物の置き場を増やしたいだけならカップホルダー付きの差し込み型で足りるし、伝票や小銭の定位置がほしいなら箱型を選ぶ理由になる。
後継のDA17V用と書かれた製品はDA64Vに付くのか
DA17Vは2015年2月に全面改良された後継モデルで、後継モデルの発表資料によると「タイヤ位置とダッシュパネルを前方へ移動することで、荷室を拡大しながらも、先代モデル同等の前席乗員スペースを確保」と説明されている。前席まわりは世代で作り直されているので、DA17V用というだけでDA64Vに付くとは言えない。ただし専門店の製品のようにDA17V/DA64Vの両方を対応型式に挙げているものもあるため、判断は商品ごとの適合表記で行う。
まとめ
DA64Vのコンソールボックスは、次の順番で決めれば外しにくい。
- 車検証で型式と初度登録年月を確認し、自分のグレードを押さえる
- ジョイン系なら、適合表記でグレードの除外がない製品に絞る
- 小物をしまう箱がほしいなら箱型、肘の置き場と隙間埋めがほしいなら差し込み型を選ぶ
- 仮置きでサイドブレーキとシートベルトの干渉を確かめてから固定する
グレードを確認しないまま型式だけで買うのが、いちばん多い外し方だ。そこさえ押さえれば、4製品のうち自分に合うものは2つまで絞れる。
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